第8話 サドワース・プレイスの少年たち The Boys of Sudworth Place
脚本/Kimberly A. Harrison
監督/Laura Belsey
【STORY】
・法廷
ショーン・ウォレス (Nicholas Harsin)の不法侵入事件
で法廷が開かれる。判事はウォルター・ブルックス
(Al White)、検事局からはカール・ブラウン (Mike Miller)
検事。被告人ショーンの弁護人はジャック・ウェスト
ブルック (Jeffrey Nordling)。共に最終弁論が陪審員の
前で語られる。ブラウン検事はショーンはギャグ団に属
する犯罪者で自分と仲間の事しか頭にないこと。そして
今回は単なる不法侵入だが次の事件ではどうなることか
分からないという。それは殺人かも知れないこと。
そして裁判長に対して検事は今回は紛れもなく有罪である
と語る。一方被告側の弁護士は依頼人の今の姿は忘れて
偏見の目をなく彼の8歳の時の状況を思い浮かべて欲しい
と語る。一人ぼっちで怯えて、愛情に飢え、安心を求めて
いる。家族は居ないのか?と思うだろうが彼の母は娼婦で
見知らぬ男とベッドを共にしているか麻薬ほ打っていた。
虐待の父は終身刑で服役中。引き取った叔父と叔母は
月々の手当が目的。ショーンは居場所を失いストリート
仲間に救いを求めたのだという。好き好んでギャング仲間
になったのではなく家族と呼べる人たちが他に居なかった
のだと。愛情深い目で青年を見て彼を助けてあげて欲しい
。刑務所よりも保護観察、そして社会奉仕こそふさわしい
もの。親がそうするように救いの手を差し伸べて立ち直
らせましょうと語る。裁判長は陪審員に審議を求める。
ジャックはコンビニに立ち寄り妻のリンダ
(Christie Lynn Smith)に電話する。書類仕事で遅く
なったが今から帰ると。そんな電話をしていると目の前
でジャックの車の上にマスクをした男が立って窓をたた
き割っていた。すぐに911に電話する。
「ヴァーノン通りのマーティーズの前で男が私の車を
壊している」と。オペレーターはその場に止まるよう
告げるがジャックは駐車場の奥に逃げた彼を追いかける。
しかし何者か別人が待っていてジャックに覆面をして
拉致するのだった。
・FBI / BAU
ガルシアはケイトが到着するのを待っていた。ケイトは
渋滞が酷かったとし、クリスが仕事だから娘のメグ
(Hailey Sole)を友達の家に預けたという。今回は誘拐
案件なのか?と問うと今日の午前24:34にボストンの弁護士
のジャック・ウェストブルックがコンビニの駐車場で911
にかけて話している最中に拉致されたと語る。
オフィス内ではみんながその音声ファイルを真剣に何度
も聞き直していた。リードは今のところをクリアになる
かと問うとガルシアはパソコンを捜査してあっさりと
クリアにして見せる。すると「捕まえたか?」という声
(アンドリュー・フォード (Alex MacNicoll))が吹き込ま
れていた。ロッシは車を壊した男以外にもう一人居たって
ことだと言うと、ケイトは身代金などの動きは有ったのか
と尋ねる。モーガンは敵は大勢居そうだとして
“ブッチエーリファミリー”の幹部を摘発したときの主任
検事だという。検察官が襲われるのは初めてではなく
昨年にもテキサスで2人が殺されているというリード。
JJはマフィア専門じゃなく酒気帯び運転などの仕事が主
立ったものだと語る。またギャングも弁護していること。
ロッシはボストンの犯罪者の半分が誘拐犯であり得る
という。ホッチは無罪を勝ち取った事件の遺族かも
知れないとし、ケイトは運悪く襲われたことって事では
ないかとし、ボストンでも危険なエリアだからだと語る。
JJは録音を聞く限りでは車を壊したのは被害者をおびき
出す為の作為者だという。モーガンは拉致から12時間
だとすると復讐目的ならもう殺されていると語る。
ホッチは生きている可能性がある限り急ごうという。
その頃ジャックは足にガラス片が刺さり裸足で廃墟に
縛られた状態だった。助けを求めると上層階から二人の
青年、アンドリューとチャド・グリフィス (Evan Gamble)
が声をかける。「白状するか?」というアンドリューに
チャドはこいつの嘘なんか聞きたくないとし殺そうという。
ジャックは何の話か分からないというと、チャドはまた
始まったばかりで苦労して連れてきたんだとし、これから
だと語る。
・移動中の飛行機
ガルシアは被害者のジャックの人生はMr.Perfectだと
語る。ロースクールをトップで出た後、地方の検事局
で検事補を務め活躍ぶりがお偉方の目にとまり6年後に
ボストンでメジャー入り。ケイトは4年前に「検察から
弁護士に180度方向転換をしたのは何故なのか」と問う。
・政治的駆け引きを嫌った? (JJ)
・稼ぎたかった。有能な検事補ならば引く手あまただ(M)
・金の亡者ではない。非営利団体から依頼を受けてる(RO)
・毎年いくつかのボランティア弁護士も担当。
・私生活も充実そのもの。妻のリンダと結婚7年。1月に
第一子が生まれる(JJ)
・どんな完璧でも何かしら秘密はある(RO)
■Incident
裁判が終わった後のジャック・ウェストブルックは帰路に
付こうとしていた所で車上荒らしのような青年を目撃。
911に電話してその青年が逃げた場所に行くと拉致されて
しまう。ジャックは経歴が完璧な弁護士で来年一月には
子供が産まれる奥さんが心配する。
誘拐事件故に早期の解決が求められる中、BAUは犯人像に
迫り犯行の動機から犯人像を割り出していく。
■Impression
今回は「ボストンリーガル」ならぬボストンが舞台で発生
した事件。
マサチューセッツ州北東部サフォーク郡に位置しているの
がボストンだけどサフォークというとアメリカには複数の
場所にあるよね。私はサフォークというと「リベンジ」の
舞台になったハンプトンを思い浮かべる。
クリミナル・マインド的にはボストンというとやはり
イアン・ドイルとの闘い、リーパーことジョージ・フォイ
エットとの闘いに於いてその舞台となったのがこの土地だっ
たっけか。
別のドラマでは「リゾーリ&アイルズ」とか「マイ・ライフ」
などがボストンが舞台となったドラマだった。この二つの
ドラマ、かなり先まで見て居るのに感想を溜めてしまって
まだ書いていない。どちらももうシリーズとしては終わって
いるので何とか追いつきたいのだが・・。
誘拐事件に於いては時間が問題だとされるけれど、子供だけ
でなく成人した大人もまたそれに該当するものなのかな。
大人の男を誘拐するのは相当大変だと思うのだけど・・
そもそも誘拐の目的が何なのかがポイントとなる。
子供ならば色々と絞れそうだけど大人の弁護士ともなると
どうかな。
冒頭で色々と誘拐されたのかを話会う際に、ギャングとか
裁判での勝敗の問題に重点を於いて復讐目的と見るのが
正しい感じにも思えた。
色々と見ていく内に説明のつかない状況が幾つかの場面で
見られる様になる。その行動の意図は何だったのかという
ことを証していくことで今回の犯罪トリックはQ.E.Dへと
向かう事が出来る。
■被害者
・マシュー・ジョーンズ (22歳)
2005年に設立された「サドワース・プレイス」という不良
少年の更生施設。調べていくウチに今回の過去の加害者兼
現在の被害者のジャックがこの施設に多額の資金を援助して
いた事が分かる。
・ジャック・ウェストブルック
ボストンの弁護士。元々は検事局に務めていてトントン拍子
で出世していた。
ジャックはMr.Perfectと呼ばれていたけど、昔モーガンも
ガルシアからそんな風に呼ばれていたことが無かったっけ
か。
・チャド・グリフィス
マシューの復讐をする為にジャックから当時の虐待の事実
を公にしようとする。拉致してカメラの前で当時彼らが
されたようにして自供させようとする。
ただこの人の場合、相当量のアルコールを飲みながらジャック
を問い詰めていた為に銃を取りだした時には緊迫感に溢れて
いた。
冒頭での車破壊から誘拐までの流れではチャドとアンドリュー
の二人が行ったものだと分かる。
■捜査
初期の段階で分かって居た謎を幾つか。
・ジャックは頻繁に引っ越しを繰り返している。
・昨年35件を担当したが33件が勝訴して勝率94%。残りの
敗訴した6%を調べて、どんな約束が果たせなかったのか
を調べようとする。
・ホッチとJJ
この二人がまずは挨拶とばかりに専用機で現地入りした後
マサチューセット州ボストン警察のレフロイ刑事
(Edward Deraney)と会話する。ジャックの妻・リンダが
来ているがショックで一言も喋らない。そこで女性同士
JJが話を聞くことになる。
JJの息子は6歳だと語っていた。
話を聞いた内容としては、「最後にご主人と話したこと」
「引っ越しが多い謎」。それは主に検事時代によく挙動不審
のようになって警戒心を見せていたらしいことを聞いていた。
いつも勝訴した後に花束を購入してくるのが恒例になって
いたとされる。
・ロッシとケイト
前回に引き続きこの二人のコンビ。
ケイトは結構鋭いことを言うしサバサバとしていて取っつき
やすさが有る。そしてやりとりもなかなか面白い。
「犯人の一人はアメフト好きだろう」(Rossi)
「ボストンに住む63万6478人みんながそうですよ」(Kate)
「まさか君もか?」(Rossi)
「ググったんです」(Kate)
ケイトがリード先生のようなことを言っていたので焦った(笑)
この二人は拉致された現場の駐車場を調べていた。
車の壊れ方からして怒り。これが人間ならば過剰殺傷だ。
・モーガンとリード
この二人はジャックが務める弁護士事務所でイアン所長
(Lon J Fiala)から話を聞いた。
ジャックは2年前から勤務していること。
負けた裁判はどちらも家族内の争いのことだったようで、
一人は保護観察になり一人はカウンセリングをさせたという。
ただここでも一つ疑問となるのは「残業」などないのに
深夜まで何かをしていた形跡が有ること。
・ガルシアの分析
色々と都合良く利用される彼女。
ガルシアとモーガンのやりとりでは相変わらずちょっと
ひやひやさせるような人種的なニュアンスが含まれる会話
だよね。
「私はクリーム、あんたはコーヒーを」
というのは白人、黒人を意識したセリフだろうしね。
モーガンから金の臭い、女性のニオイがするもの、ホテルの
請求書などを調べて欲しいと言われる。
ガルシアの調査で浮気は無かったが一つ引っかかるのは
ジャック名義の有限会社が見つかったこと。ダウンタウンに
あるもので、最近使われた形跡がない。
■プロファイル発表
・ジャックは権限を利用し少年たちの信頼を得た(H)
・年端のいかない非行少年たちに弁護士という立場で
近づいた。中でも泣き寝入りしそうな子に狙いを定めて
すでに社会のつまはじきになっている少年たち(MO)
・ジュリー・サンダスキーの事件によく似ている。
恵まれない子供たちの為の非営利団体を隠れ蓑に虐待を
行っていた(R)
・今回アパートからは被害者の写真が数百枚見つかった。
日付から見て今は20代だと思われる(RO)
・つまり今回の誘拐はジャックの虐待の被害者か
その家族による復讐(KA)
・彼らは幼い頃に警察の世話になりジャックと知り合っ
た(H)
・性的虐待に対する心の傷を長年抱き続けた結果定職
につけず人間関係も希薄(R)
・トラウマのせいで孤立した者同士強い絆で結ばれて
いる(M)
・復讐への思いが彼らを非常に危険な状態に追いやって
いる(KA)
・この犯行は訴状に個人的なもので何年にもわたる羞恥心
自己嫌悪、怒りが爆発した(R)
・犯人たちが被害者(RO)
・犯人の一人が限界に達した。事件の記念日か誰かの死(M)
・引き金が分かれば誘拐から殺人に移る前に止められる
かも(H)
■捜査の中盤
ジャックが借りていた不動産を調べた結果、多数の児童ポル
ノが見つかる。そこには所持だけでなく作成した形跡。
プロファイルは発表する前に妊娠している妻・リンダに旦那
さんが小児性愛者だと言わなければならないところが辛い。
・サンダスキー
リード先生が二度・三度と名前を出していた気がする犯罪者
の名前。この人も過去アメフトコーチだったが選手本人には
手を出して居ない。
モーガンとJJとケイトのやりとりだったと思うが、彼が
キャリアを捨てるようなリスキーなことをするわけがない
ことを語っていた。
「キャリアは響かず足の付かない場所」(JJ)
「何故分かるの?」(Kate)
「分かるんだ」(Morgan)
・絞り込み作業
ガルシアの出番か。
誘拐されたジャックは「サドワース・プレイス」という更生
施設に多額の寄付を毎年出して居る。泊まりがけの研修や
旅行も主催している。
先週には元入居者のマシュー・ジョーンズ(22歳)が自殺(ドラ
ッグの過剰摂取)したことやSNSなどには「理不尽な世の中に
耐えられない」というメッセージが書かれている。
葬儀は昨日の朝12月18日のことだった。
マシューの死が犯行の引き金となっている。
マシューは2002年から2004年にかけてサドワース・プレイス
に入居。同時期に入居していた人物を調べる。ボストンを出た
ことが無い人など色々と検索条件で人数を絞ると6人が
該当していた。
・DeMaio N
・Ford A = アンドリュー・フォード
・Griffith C = チャド・グリフィス
・Hodgkins M
・Stiller B = ブライアン・スティラー
・VanOver J
この三人が該当したけど、ジャック名義の有限会社のアパート
の住人の名前はHodgkins Mになっていたね。
■クローズド
最終段階に入る前にはジャックや三人の仲間の中でも色々と
複雑な事情が起きて行く。
酔っていたチャドが銃を持っていたのでブライアンと争い
をしているウチに撃たれて亡くなってしまう。
アンドリューが目を離した隙にジャックはブライアンの性癖
を見抜いて、彼もまた小児性愛者である事実を知って居た事。
警察に突き出そうとするアンドリューだがやはりジャックは
計画通りに建物ごと焼き殺すべきだと語る。
こんなやりとりが行われている中でFBIのものたちはそれを
解き明かさなければならなかった。チャドの自宅を見ると
大量の写真が出たことから彼自身も小児性愛者であることを
知る。
ブライアンは焼き殺す前にジャックを助けようとするが
アンドリューに見られた為に銃で殺害する。
全員が前に進めずにいる中ブライアンだけは仕事をして
ちょっと巻き込まれた格好だったけど、実際には自分も
そういう所で満たすところが有ったのだろう。
倉庫を燃やしている中、FBIが建物を包囲。銃を向けてくる
が説得する。アンドリューは投降することになり、ブライ
アンを逮捕した。
首謀者はブライアンではないことは分かって居るがそれでも
彼の性癖を理解していて中で起きたであろうことも全て
見透かしていた。
その説得をしたのがモーガンだった。
■その他
・モーガンも過去虐待された一人。
ケイトだけはそれを見抜いていた。対処の仕方とボディラン
ゲージで分かったというケイトは思っている以上に鋭い。
ケイトはモーガンに対してこういう事件の時には辛いでしょ
としてどう割り切っているのかと問われていた。
割り切ることが出来ないパターンでブレイクはこのチームから
離れてしまったし、やりきれないという時は時々訪れるよね。
モーガンの過去はS2-E12で描かれている。
ノースウェスタン大にアメフト選手として奨学金で入学して
いた。モーガンは今のスター候補選手ジェームズに山小屋に
行ったのかと尋ねて「お前は昔のオレだ」と語る。
父親みたいな存在のカール。
一人が出たら次々名乗り出てくるというと、命拾いさせた
代償だと。
https://itawind.web.fc2.com/kaigai/criminalminds/criminal212.htm
・ケイトの家族構成も発表
夫はクリスで娘はメグ。
メグは随分と大きくなっていたし友達のマーケイラという子と
ネットでchatしていた。beachbod24というハンドル名の人物で上級生
だと言っていたけど大丈夫なのかな。
■MUSIC
・Criminal Minds Theme
Composed by Marc Fantini and Steffan Fantini
■CAST
デビッド・ロッシ (Joe Mantegna) BAU創設に携わったベテラン
アーロン・ホッチナー (Thomas Gibson) リーダー
デレク・モーガン (Shemar Moore) 爆弾処理が得意
スペンサー・リード (Matthew Gray Gubler) ドクター
ペネロープ・ガルシア (Kirsten Vangsness) 解析
ジェニファー・ジャロウ (A.J. Cook) BAU
ケイト・キャラハン (Jennifer Love Hewitt) S10新加入、大学教授
ジャック・ウェストブルック (Jeffrey Nordling) 弁護士
リンダ・ウェストブルック (Christie Lynn Smith) ジャックの妻
チャド・グリフィス (Evan Gamble) 児童虐待被害者
ブライアン・スティラー (Garrett Boyd) 児童虐待被害者
アンドリュー・フォード (Alex MacNicoll) 児童虐待被害者
グレッグ・レフロイ (Edward Deraney) ボストン警察・刑事
イアン・ドーソン (Lon J Fiala) 弁護士事務所
ウォルター・ブルックス (Al White) 判事
メグ・キャラハン (Hailey Sole) ケイトの娘
カール・ブラウン (Mike Miller) 検事、ショーン裁判
マーケイラ・デイヴィス (Taylor Mosby) メグの友達
フローラ・メンデス (Jonee B. Shady)
ショーン・ウォレス (Nicholas Harsin) ギャング団、被告
若い頃のチャド・グリフィン (Max Kalvan)
若い頃のマット・ジョーンズ (Andrew Ortega)
マシュー・ジョーンズ 児童虐待被害者、麻薬の過剰摂取