第3話 ひとつの命 Oliver
監督/John Dahl
脚本/William L. Rotko
【Previously on ..】
父・イーサンはショーンに対して普通の人間らしくする
のがそんなに難しいのかと問い詰める。母・マーシーは
辞めてと止める。イーサンはウサギなんか撫でているな
としてショーンのかわいがっていたウサギを殺してしま
う。弟のスティーヴは二人でウチを出て二人が暮らそう
と語る。しかしそのスティーヴは転落して体を強く打ち
付け亡くなる。アーロンはジェシカに対して君の婚約者
(メレンデス)はオペが上手いと語る。メレンデスは彼
(ショーン)は我々と違うと会議で語る。メレンデスは
ジェシカに対して僕に満足か・・それともがっかりした
かと問う。アオキはマーカスに対してムキになるのは
辞めてくれとしあなたが院長になりたがっていたのは
みんなが知っているという。ショーンを雇うことによって
あなた(マーカス)の責任にはならないとメレンデス。
外科医はコミュニケーション能力が必要だとし人の命
がかかるプレッシャーの中でショーンはそれが出来る
のかとマーカスは訴えるが・・
【STORY】
サンフランシスコの夜の町。
人々は多く行き交い若者たちも多く町へと繰り出す。
バイクに乗った男は歩道を歩く3人の女性に視線を送る中
バイクを走らせようとするとそこに車道を走ってきた
車と衝突する。
・サンノゼのアパート
ショーンのアパートのドアを叩く人がいた。ショーン
は部屋の中でおとなしくしていたが繰り返されるドアの
ノックに応対に出る。すると目の前にいたのは隣人だと
いうリア(Paige Spara)。「アンチャーテッド」という
ゲームをやっていたら電池が切れたので単四の電池を
貸してくれないかというもの。するとショーンは自己紹介
とばかりに先週引っ越してきた34号室のショーン。
病院で働いていると語る。しかしリアはどうでもいいと
ばかりに単四の電池のことを口にするとショーンはそれを
取ってくる。リアはネコにえさをあげては駄目だとし一度
あげるとしつこく来るわよという。
・サンノゼ聖ボナベントゥ病院
クレアは病院で一本の電話を受ける。なんと患者のチャッ
ク(Tim Russ)のドナーが出たというもの。クレアは急いで
外科チームのメレンデスに報告する。場所は何処だと
問われサンフランシスコだという。メレンデスはレジデン
トたちに【摘出後移植までの許容時間は?】と尋ねる。
8時間だというジャレッドとクレア。ショーンは肝臓の
阻血時間を知らないのかと問い返すと、メレンデスは
ここはティーチングホスピタルだとして教えながら指導
している事を告げる。ショーンとクレアでサンフランシス
コの病院へ肝臓をチェックして搬送しという。
この肝臓を持ってきてやれとし8時間だとして急ぐんだと
語る。しかしクレアは何故か私の患者だとして不満そうな
ことを口にする。
アオキはマーカスの元にいく。
オペ前だが話があるというと、彼は乳房再建は400回目
だと語る。それではなく4時からのオヘの患者のことで
VIPのジョン・ワナメイカー (Michael St. John Smith)
の事だという彼女。遊離植皮の患者かというと特別室で
不自由なく過ごしてもらっているという。しかし彼女は
税金対策の寄付先にと働きかけて来たのだとしあと一押
しでウチに寄付してくれそうになっているのだという。
全てを完璧にしたいという。それって理事長として激励
にでも来たのかというマーカスに、オペの万全を期すた
めに安全策がいるという。メレンデス医師を第一助手
として使ってという。外科部長の私を予防するとは
不足だというのかと告げる。ワナメイヤーは必要な患者
なので全ては完璧にする為だというアオキ。
・病院の屋上
●残り7時間44分
クレアはショーンに対してヘリは大丈夫か?と問う。
ショーンは大好きだと語るが乗ったことはないという。
サンフランシスコ私立病院までは15分の予定だという
パイロットから言われる。
クレアはショーンに移動中語りかける。
「あなたがやっている事、これは雑用。ジャレッドが
当たりを引いた。私たちはピザのデリバリーだ」と。
しかしショーンは飛行機のヘリのローターを見つめ
彼の頭の中ではその構造物を3Dで分解して捉えていた。
ジャレッドはチャックの病室に行くとドナーが見つかった
事を語る。これは二度目のチャンスをもらえたのか。
ジャレッドは検診の為に色々と体調を聞く。
「胸の痛みは?」「息切れは?」「過去6ヶ月でアルコール
は?」「手足のむくみは?」。移植が決まると一気に進む
という。いつも具合は悪い状態であることを語る。
そこに娘のキャット(Angela Palmer)から電話がなり会話
する。娘がロースクールを卒業したとするとジャレッドは
初耳だという。話したのはブラウンだったか・・彼女は
何処に?と問う。
●残り7時間23分
●残り4時間45分
●残り4時間35分
●残り3時間30分
●残り3時間20分
●残り2時間18分
●残り2時間3分
●残り57分
■Impression
ショーンのアパートの外窓の枠のところにネコがいた。
1話の冒頭で出かける際にもネコが居たよね。
あのネコとは違うみたいだけど・・
またショーンの隣人にゲーム好きのリアという女性が
居てちょっぴり繋がりが出来た。頭が良いかどうかは謎
だけどショーンとの今後の交流については期待させるもの
が有るし逆に不満なところも感じさせる。
今回のエピは・・・
普通のことをしようとしたが為に、今の状況に照らし
合わせて普通の基準が変わっていたことにより大変な
ことになる。
移植に際してルールを破ることに関して手厳しい事実が
待ち受けていた。
前回のエピソードの中で遅刻したショーンはある意味
ルールを破ったことになるが彼はバスが遅刻したせいで
自分は時間通り出て来たことを理由に悪いのはバスの運行
会社であることを主張している。
ショーンの意見は正しいし不可抗力でも有る。
ただ意外と社会はそこまで柔軟性を持っていない部分が
有るしそんな不条理な事実を前にしても、遅刻しないよう
に想定して一本前のバスに乗って来れば良いと言われるの
が日本の社会だろうなと感じさせた。
今回の患者の一人はアルコール中毒の患者で肝臓が機能
しなくなっていて生体移植が必要な患者だった。
ただ上述するショーンと違うのは不可抗力ではなく自分の
選択により自らの選んだ結果によって移植が受けられなく
なるという患者だった。
その男は二人の子供と妻が居る中、酒ばかりの人生だった
と後悔しセカンドチャンスが有れば子供や妻の為にもやり
直したいと考えている。
そしてその子供の為に子供に勧められた一杯のアルコール
が原因でレシピエントとしての資格を失うという切なさ。
その中には誰にも悪意はない。でもそういう所は関係ない
のが厳格さを求める部分なのだろう。
病院としては勿論組合や組織に属しているので移植ネット
ワークの原則に従うべきだが、医師の個人としては目の前
の患者を救うことに意味が有るハズで、今回は珍しく
アーロンと共に外科医のメレンデスは意見が合った。
しかし逆にジェシカら病院の顧問弁護士や理事は反対の
立場を見せる。移植しなければ余命3、4ヶ月という状況
の中、見殺しにしても良いのか。希望を奪っても良いの
かということを考えさせるものだった。
■得したのは誰なのか
クレアは自分はデリバリーでジャレッドが今回得をした
と語る。しかし実際にはどうなのか。
*クレアとショーン
今回はクレアとショーンはサンフランシスコの市立病院
からドナーの肝臓を取りに行く。
冒頭で格好良くバイクに乗っていた人の肝臓なんだろうな
と思うと切ないですね。
クレアはショーンとのコミュニケーションの方法が分から
ず苦悩する。思わず途中でアーロン病院長にまで電話
してしまうのだから・・
冒頭でショーンはヘリコプターのローターを見て居たけど
実際には更にその先に有る大気を見て居たのだろうか?
結局持ち帰る際には霧のためにヘリコプターを飛ばすこと
は出来なかった。その為に警察官に乗せてもらい
聖ボナベントゥ病院に行く事になるが、彼は警察が嫌いだ。
時折回想シーンが有るがその中でも警察嫌いになる過程
が描かれる。
またいざサンフランシスコの病院に行くと普通は移植
する時に臓器を取り出すのに既に取りだしていた状況
だった。理由を尋ねると順番のトップのレシピエントが
死んだことによってチャックにお鉢が回ってきたこと。
だから7時間だとされていた制限時間はあっという間に
3時間ということになってしまう。
急いで戻りたいところだけどヘリコプターなら15分。
しかし警察の車ではどれだけかかるのか。
地理的な情報が分からないのでその辺は想像に頼るしか
ない。
警察が臓器を運ぶのを手伝ってくれる中で、問題視される
のは臓器に異変を生じること。
まずはボックス内に入れて有るハズの臓器の温度が上昇
していること。
フローズンドリンクを一杯流し込んで隙間を塞いでいた。
更に移動している時に肝臓に触れると固くなっていること
を告げる。
血栓があるのだろうとし、CTスキャンでは出なかったが、
画像は摘出前に撮られたもの。UW液で灌流する前のもの。
病院までは30分ということで血栓を取り除く必要が有る。
左葉を灌流する必要が有る。
その為に肝鎌状間膜に沿って最小限の石灰を行い血栓に
達すると木脈に挿入する。ストローを上手く使いその流れ
を作った。
「パトカーで出産するより感動したよ」(Blair Penner談)
■普通で居ることの難しさ
*ジャレット
検査結果で彼は検査係のカーリー(Jasika Nicole)に
この数値は何かの間違いではないかとする。この通りなら
移植は出来ないという。
なんとアルコールが検出されたのだった。
追求すると3日前に「6ヶ月」の決まりがあるにも関わらず
アルコールを飲んでいた。しかしシャンパン一杯だけ。
身内で始めて大学にいき娘のローブを着ては一杯だけ飲ん
だ。その際チャックは「普通で居たいからだ」と語る。
普通でいることについてはショーンは散々親から言われて
来た事だ。回想シーンの中でも父からなんで普通のことが
出来ないのかを叱責されるようなシーンがありそれが元で
家を出ている。
■患者
・チャック
アルコールの飲み過ぎで肝臓を悪くした患者。
移植が必要で移植リストに登録していたらついにサンフ
ランシスコの移植コーディネーターからの連絡。
一致する人物/肝臓が見つかったという。
臓器摘出から8時間以内に移植しなければならず、その
臓器の温度管理は徹底して4度以下8度以上にしてはなら
ない。
移植が決まったと聞いて家族はもちろん大喜びだったが
クレアとしても思い入れのある患者なので手術に立ち会い
たいところだったが、悲しくも”ピザデリバリー”と称して
ショーンと共に臓器を受け取りに行く係。
ただこの肝臓はやはり冒頭で交通事故死した男のもの
だろうので傷ついていた。
ショーンは受け取った際に肝臓を生のサンマでも買った
みたいな勢いで見てた。
「肝臓は8区域に分かれる門脈は重要な脈管」
なんてテロップが出ていたね。
また肝臓の適合確率は7割だとしていたけど、なかなか
見つからない臓器なのかな。
帰りはヘリコプターが使えずに警察の車で送ってもらおう
とする。行くときにローターを見つめていたけど
ローターが壊れるかと思ったら天候が悪化して飛べなく
なっていた。
患者がアルコールを飲んでしまい重度の肝硬変を起こして
いる。必死になってアルコールの代謝率を計算していた。
1杯240mlと想定(普通のシャンパンは180ml)。血中アル
コール濃度は1dlにつき39mg。検査数値は0.02。
更にそうしている間にチャックがコードブルーに陥る。
挿管するが食道から出血。静脈瘤の破裂、内視鏡で特定
場所を調べる。
移植は可能だが倫理的な問題が待ち受けていて、結局
病院としての決断は移植はNOだった。
・ワナメイカー
頬の腫瘍切除後、そこに脚の皮膚を移植する遊離植皮
の患者。金持ちらしく病院に寄付金を落としてくれる
としてアオキは絶対に失敗は許されないとして移植を
担当する外科部長のマーカスに圧力。アオキは第一助手
に部下のメレンデスを付けろと語る。
マーカスはこの件で敵対していたアーロンに助言を求め
る。
「アオキはどうした?死んだか?」
ってアーロンの厳しい嫌みが有ったけど、彼はマーカス
に対して受け入れるべきことを告げていた。
何よりも外科のホープは君ではなくメレンデスである事。
アオキが問いかけているのは誰かということ。
アオキはメレンデスを求めているのは明らか。
「君は誰か?一番の外科医になりたいものか?一番の院長
になりたいのか?。もしも後者ならば自分のエゴは何処か
にしまい院長らしく振る舞え」と。
リンゴを奪って行きましたぜ。唯一一品しかこの食堂では
食べられるものがないとしていたけど、持っていきました
ぜ!!
手術をする。血管吻合、皮弁の吻合と安定しているかと
思ったが、脚の皮膚を取ろうとするが血腫がある。
出血部位が分からず、頸動脈が圧迫。ゾーンスリーへの
アプローチに切り替えるということで、結局メレンデス
を呼ぶことになった。
■金持ちは助かる
ケナメイヤーに関しては万全の準備も有って上手く助ける
ことが出来た。
反面チャックは結局手術を受けることなく余生は自宅で
送るみたいだ。
折角臓器は到着したのに・・・
しかし継ぎのレシピエントは57分という時間で助かる場所
に居るのかが気になるぞ(笑)
ショーンたちだって結構時間をかけてきたのに、彼らも
車で取りに来ていた。
■etc.
・パンケーキ
アーロンとショーンは一緒に食べていたけど、シロップの
量に差が・・
・電池を返して!!
リアから電池を返してもらう。
貸したのだから返すのが道理だが、日本ならこういう貸し
借りってあるかな。こういう近所づきあいから出会いが
生まれるのだろうけど。
昔は隣人同士醤油とか砂糖の貸し借りが有ったみたいで
すけど・・
■Used songs
・Build It Better by Aron Wright
■Cast
Dr.ショーン・マーフィー (Freddie Highmore) 自閉症でサヴァン症候群
Dr.ニール・メレンデス (Nicholas Gonzalez) 外科の主治医
Dr.クレア・ブラウン (Antonia Thomas) 研修医
Dr.ジャレッド・カルー (Chuku Modu) 研修医
ジェシカ・プリストン (Beau Garrett) 院内弁護士
Dr.マーカス・アンドリュース (Hill Harper) 外科医の最高責任者
Dr.アーロン・グラスマン (Richard Schiff) 聖ボナべントゥラ病院の院長
アレグラ・アオキ (Tamlyn Tomita) 副院長、財団の責任者
若い頃のショーン (Graham Verchere)
スティーヴ・マーフィー (Dylan Kingwell) ショーンの弟
カーリー (Jasika Nicole) 検査技師
リア・ディラロ (Paige Spara) ショーンの隣人女性
チャック (Tim Russ) 飲酒で肝不全
(Judith Maxie) チャックの妻
トミー (Hector Johnson) チャックの兄
ジョン・ワナメイカー (Michael St. John Smith) VIPの患者
キャット (Angela Palmer) ロースクールに合格
(Blair Penner) サンフランシスコ警察
(Donald Sales) Controller
Dr.ブラッド (Serge Jaswal) サンフランシスコ市立病院医師
(Trent Redekop) レジ係、途中で冷やす為に立ち寄る店
(Victoria Bidewell) 通信係
イーサン (Kirby Morrow) ショーンの父
(William Vaughan) Casper Deputy
(Adam Lolacher) Another Casper Deputy
(Shiren Van Cooten) ソーシャルワーカー
(Jesse Reid) 外科のレジデント
ディナ・ビスカイーノ (Beatrice Zeilinger) 看護師
JL (Teryl Rothery) 魅力的な女性、目を奪われた?
(Taylor Hastings) 外科のアシスタント
(Angela Moore) 看護師
オリバー (Ken Do) バイクで事故の男、肝臓提供
(Serena Bickerstaff) 魅力的な女性、目を奪われた?
(Amelia Morris) ワナメイカーのアシスタント