第5話 偽りの希望 Point Three Percent
監督/Larry Teng
脚本/David Hoselton
【Previously on ..】
普通の人らしくするのが何でそんなに難しいのか?とイー
サン。それを止める母・マーシー。スティーヴは兄弟で
家を出ようとショーンに語る。ショーンは僕の目の前で弟
が天国に行きましたと。「忘れないでお兄ちゃんは賢い
自慢の兄だ」と。
【STORY】
・2017年10月23日
ケヴィン・ウィルクス (Jesse Moss)は実家の父・メリル・
ウィルクス (Brett Rice)の元に帰省する。犬のペニーが
出迎えてくれて会いたかったとするが、早朝に来てごめん
と語る。今帰国したばかりなんだというケヴィンに対して
遅刻だという父は5週間もだぞと。ケヴィンは謝るから
わかって欲しいというが母親の葬式だったんだぞと。
携帯の番号は知っている?として告げるとかけても出なけ
れば意味がないという。ケヴィンは怒った父にかける言葉
もなく出て行こうとすると台所で倒れる音が聞こえる。
父親は息が出来ず苦しそうにして倒れた。すぐに911に
電話するから・・とケヴィン。
・サンノゼ聖ボナベントゥ病院
ショーンはメレンデス医師のチームの元へ。
今日は時間通りだなとしここで寝たのか?それとも瞬間移動
でもしたかとメレンデスは皮肉る。ジャレッドは笑う中、
ショーンは瞬間移動装置を使いましたという。その言葉に
一同驚く。【意味もなさない質問は通常皮肉と見なされ
みんな皮肉で応じる】と学んだというショーン。
メレンデスはERからの緊急要請だとし、患者は1951年9月
23日生まれの66歳男性、重度のアナフィラキシーで呼吸
停止で倒れたこと。息子がタイから帰国の直後にアレル
ギー反応が出たという。患者はいくつかアレルギーを持っ
ており「花粉」「カビ」「甲殻類」だという。だが
今回はどれにも該当しないと語る。クレアはどうして
外科がアレルギーを診るのか?と問うと、診るのはアレル
ギーではなく激しい腹痛の方だとメレンデス。
ショーンはメレンデスの話ではなく運ばれてきた少年の
エヴァン・ギャリコ (Dylan Kingwell)があまりにも
スティーヴとそっくりなので思わず気になっていた。
ジャレッドは患者はかなりの激痛でモルヒネ10mg必要だった
と報告。クレアは数値が高いのはすい酵素の中でもリパー
ゼとアミラーゼだという。膵臓が肥大・・膵炎かも、それ
もアルコール性だというジャレッド。息子のケヴィンに
よると朝6時に酒臭かったのだというクレア。アナフィラ
キシーによって急性膵炎が起きていることは知られている
という。メレンデスはそれで決まりか?と問うと朝から飲ん
でいても膵臓がやられるとは限らないという。君は随分と
視力が良いなと。私には腸管ガスのせいで膵臓が全く見え
ないと嫌み。腸部CTスキャンを撮りますというジャレッド。
メレンデスはショーンは何処に行った?と問う。
少年は酷い骨折をしていたがショーンはピンで止める必要
はないという。若い骨は治りやすいから・・というと
エヴァンはヤングボーイズなら「スタートレック・オリジ
ンズ」だと語る。ショーンはわからないというとエヴァン
は冗談だよと語る。君の両親は?と訪ねると少し遠い所で
仕事をしているのだという。僕は校外学習に行っててそこで
つまずいて転んだとしシェルビー・ローマーの前で最低
な振る舞いをしてしまったと語る。でも酷いけがなので
同情はしてもらえたというエヴァン。もっと酷い事故かと
思ったという。躓くのはちょっちゅうなんだという彼は
僕ってドジだという。それを聞いたショーンは指を目で
追ってくれと語る。すると眼振があるとし意思とは関係
なく眼球が動いているという。転んだ時に頭を打った?
と問うと、脳の病気なのか?と問う。眼振は神経学的な
問題かもしれないという。だから社会学の成績が悪いのか
とエヴァンは冗談を言う。頭部CTスキャンの手配をする
という。
アーロンはショーンに眠れているかと尋ねる。
眠れていることを告げ放射線依頼用紙を・・と語る。
ショーンにあの子はスティーヴにそっくりじゃないかと
して親戚か?と問うアーロン。名前はエヴァン・ギャリコ。
それはないと思うとしただの偶然だという。あの子は
君の弟の生き写しだとアーロン。違うとしエヴァンは髪の毛
が短いしスティーヴは死んだんだという。
ケヴィンは父・メリルにタイして母の葬式にこられなか
ったのは恋に落ちたからだという。彼女も学校の教師で
タイの女性。優しくて美人で愛情豊か。でも彼女は重い
病気で生まれつき心臓に欠陥が有るという。父はそれを
聞いてこの半年どこに居たか言いたくなきゃ言うなとし
くだらない嘘をつくなということだという。5分の電話
に出ることも無理だというのか?と父親。
ジャレッドとクレアがCTで膵臓の病変を見つけ生検を行う
という。良性の嚢胞かもしれないというクレア。
そうでなければガンかもしれないんだろう?とメリル。
■Impression
遅刻が続いていたショーンはそれが無くなり毎日時間
通りに病院に来る様になった為にメレンデス医師からは
皮肉られるが、そんな彼にもショーンは皮肉で切り返す。
ショーンは融通は利かないが理論的・感覚的には皮肉を
理解していた。
今回二人の患者がやってくることになる。
どの流れも一貫して嘘と皮肉の違いやら、嘘が真実に
勝ることもあるという事を示す流れが有り、しかしその
嘘は全ては白日の下に晒されるという色んな教訓が
込められていた。
その中には柔軟性が求められる場面が多いが果たして
ショーンはそれに対応出来るのかという感じのエピソード
だった。
彼の中で「嘘も方便」という皮肉が理解して正しく処理
出来るものなのか。
驚くべきことに今回の骨肉腫のエヴァン役はヤングボー
ンズならぬヤングスティーヴン役の俳優と同じ子が
演じていた。そりゃ似るでしょうってことで。
■親子問題
今回共通して存在するのは親子の関係だった。
・ギャリコの家では息子の病気の件で互いに嘘をついて
知って居る・知らないの駆け引きがある。癌だと知らせ
ないのが親の子供への優しさ、癌だと知って居ることを
悟られないことが子供の親への優しさだった。
・ウィルクス家では無骨な関係の親子で、分かりづらい
ものが有ったけど男性関係の難しさなんかが含まれている。
母親を通して関係が成り立っていたが男は取り分けプライ
ドが高いので相手の強さと自分の弱さみたいなものを
なかなか認めることが出来ないでいる。恋人と別れたとか
親の商売に関する流れで嘘の駆け引きが存在している。
・マーフィー家はショーンが普通の子ではないという
理由で父親はぶちきれ、母親もなかなか庇いきれないと
いう感じで毎度挿入されている。
■嘘を見破る方法
人が嘘をつく際それを見破る方法がXX通りあるとは
よく「クリミナル・マインド」のホッチだかリード先生
辺りが語ることではあるけれど、このドラマの中でも
その嘘は、顔にも言葉にも仕草にも行動現れている。
嘘をつくというのは思ったよりも難しいらしい。
今回はエヴァンの流れで嘘をつかねばならなくなる
シーンが多かったんだけど、それぞれにバランスよく
日常に溢れている嘘というものを感じることが出来た。
ガンに関して、両親は息子には知らせたくないとして
いたが、息子は親の嘘を見抜いていた。
子供は親が思うよりもよく親の行動や態度を見て居るし
賢いのである。
過去に脚が痛くなった際に病院に連れて行かれた。
親が医者と話してから「大丈夫」という言葉が頻発し
次の日にPS4を無条件に買ってもらえたという。
それを疑問に感じたエヴァンはネットで調べると可能性
としては「成長病」か「骨肉腫」。成長期で脚が痛い
だけならPS4など買ってもらえるハズはない。
・賢人の言葉
ケヴィンは父親に何かを嘘をついている
「正直は最善の策、嘘は心の中の石」(by Claire Browne)
「恨みは心の石」(by Jared Kalu)
クレアをパクリやがった。流石ジャレッド(笑)
■嘘を見破る方法2
Dr.ナジードという癌専門医に診てもらったところエヴァン
はステージ4の骨肉腫。サンフランシスコの病院では余命
一年と言われたのが7ヶ月前のこと。タイムリミットは
近づいている。
カルテを見てショーンはエヴァンに別の病気の可能性は
ないかを調べる。2016年11月8日に軽度の発疹(Mild Rash)
を診て、彼は何かを感じた様子。
その為には改めて生検する必要が有る。
色々と相談するとアーロンは内緒で検査するしかない
という。2度も生検をしているがどちらも擬陽性ではない。
確率にして0.3%。333対1の確率。
誰かに聞かれたら
「担当医にRBC低値の件で原因を探るように言われた」
「どうってことないさ」
と言えば良い。
あっさりとエヴァンに見破られてその後は両親もやって
きて修羅場に・・
■患者
・エヴァン・ギャリコ (Dylan Kingwell)
元々はメリルの件でコンサルしている所にショーンの目に
入った患者。骨折して手にギブスをしていたけどショーン
はネジは要らないと語る。
しかしよく躓いてしまうという言葉を聞いた為に、眼振
検査をし、頭部CTスキャンを行う。
側頭部の奥に腫瘍が有る。その為に内耳に影響があり
躓きやすくなっている。
しかしその後始めて両親から骨肉腫であることを聞く。
骨にピンは必要ないとしていたけれど、骨肉腫ならば
違ってくる。
なんとか別の可能性を探る為にカルテをガン見する
ショーン。2016年に経度の発疹があり、ランゲルハンス
細胞組織球症(LCH)ではないかとし、EB細胞がウィルス
感染したのではないかという。
その場合免疫抑制剤で治療は可能だという。
その為には生検確定しなければならないが・・
結局内緒でやろうとしたのがバレて、ガンの件でも
息子に話しただのなんだの言われて色々と問題が発生
するが結局血を吐いたことで大きな塞栓があり、塞栓の
位置は肺動脈分岐部で循環虚脱を起こし欠けているので
血栓を取り除いた。
しかしその結果やはりガンの転移が見つめられたことで
骨肉腫は間違い無いということになった。
・
因みにギャリコ夫婦は「心気症」ではなく「病気恐怖症」
だと語っていた。
・メリル・ウィルクス (Brett Rice) 66歳
数々のアレルギーが有り腹部に激しい痛みを訴えてやって
くる。運ばれてくる時はアナフィラキシー状態だった。
幸いケヴィンが帰宅した時に倒れたのが良かったといえば
良かったけど、皮肉なのは母親の死に目や葬式には帰らず
ソリの合わない父親が倒れた時には間に合ったという。
膵臓に病変が有り生検を行うという。良性の嚢胞かガンか。
生検しようとしてチューブを入れようとしていた所で
再びアナフィラキシー。喉頭痙縮が起きてエピネフリン
を打つ。
病変は重症化したがガンではなく嚢胞だと判明。しかも
寄生生物の可能性があるということで全身MRIで確定
するよう告げる。
エキノコックスだと判明。嚢胞は条虫で一杯とのこと。
4つ頭部以外にもいるという。
珍しくメレンデスがアーロンに意見を求める。
神経外科医のアーロンにエキノコックスについて尋ねる。
コヨーテか狼を介して卵が体内に入って成長していく
ものだという。一つが破裂してアレルギー反応が起きた
という。破裂させたのは皮肉にもケヴィンが帰省した
時にハグしたという・・寄生と帰省をかけたアメリカン
ジョークか!?
取り除く為に頭蓋骨をパカって開いて脳を露出させる。
機械出しの看護師ディードラ(Beatrice Zeilinger)?
が参加して取り除いていく。
そして生食を使って寄生虫を外に追い出すことで治す。
ただあんなに大きく脳の外辺部で成長しても大丈夫だった
んですかね。
■etc.
・ショーンの嘘
好きな人は居るのかとエヴァンに聞かれてリアと答えた。
好きが何か分かっているのか謎だけど、態度からすると
エヴァンはクレアのことを好きなのではないかとしていた。
そういえば回想シーンでガネット先生のことを聞かれて
スティーヴは先生はキャリピジアン(callipygian)だと
語っていた。ショーンは本当の所優しい先生という意外
に何かを感じていたのか。嘘はつけないから気持ちも
ごまかせないような気もするけど。
・クレアの嘘
ショーンに頼まれて今回エヴァンに説明する際に嘘をつ
いた。ショーンが説明すればガンだと言ってしまうのを
自ら心配したからだけどね。
・それぞれのプレゼント / 思い出の品
ショーンは過去にスティーヴの誕生日に父親がサプライズ
として用意していたものを明かしてしまった。アクア・
ブラスト・ウォーターキャノン。ママが買うときに一緒に
居たから・・と。
メリルは幼い頃のエプロンの話をしていた。
またショーンはスティーヴに本「アラバマ物語」をプレ
ゼントしていた。この本には栞が挟んで有って、スティー
ヴは最後の所に挟んで有った。死ぬまでに最後まで
読んだものなのか?それとも好きなフレーズなのでそこ
に栞を挟んで置いたのかは分からないが、その続きを
エヴァンに読んであげることで栞を取り、ショーンは
成長したのかな。
・メレンデス先生の車
ショーンはエヴァンに別の可能性を見つけたと考えて
病院にラップをかけながらノリノリで駐車場に駐めに
来たメレンデス先生は、2016年型のテスラ社モデルSを
乗っていた。
・道は自分で決める
職業に関しては親の敷いたレールではなく自分の道を
行きたくなることをジャレッドは語っていた。彼の父も
イギリスで不動産開発業者をしていて、父親はアメリカ
支社にジャレッドを据えたかったらしい。
親の期待が子供に及ばないからと言っても見捨ててはいけ
ないよね。
■Used songs
・Run the Jewels by Run The Jewels
・Forest by Rogue Wave
■Cast
Dr.ショーン・マーフィー (Freddie Highmore) 自閉症でサヴァン症候群
Dr.ニール・メレンデス (Nicholas Gonzalez) 外科の主治医
Dr.クレア・ブラウン (Antonia Thomas) 研修医
Dr.ジャレッド・カルー (Chuku Modu) 研修医
ジェシカ・プリストン (Beau Garrett) 院内弁護士
Dr.マーカス・アンドリュース (Hill Harper) 外科医の最高責任者
Dr.アーロン・グラスマン (Richard Schiff) 聖ボナべントゥラ病院の院長
アレグラ・アオキ (Tamlyn Tomita) 副院長、財団の責任者
若い頃のショーン (Graham Verchere)
スティーヴ・マーフィー (Dylan Kingwell) ショーンの弟
エヴァン・ギャリコ (Dylan Kingwell) 患者、スティーヴそっくり
メリル・ウィルクス (Brett Rice) 66歳、父、嚢胞
ケヴィン・ウィルクス (Jesse Moss) メリルの息子
エリザベス・ギャリコ (Samantha Sloyan) “ベス”、母親
ライアン・ギャリコ (Michael Muhney) 父親
ディードラ? (Beatrice Zeilinger) 器械出しオペ看護心
シェルビー・ローマー
ピーター
リア・ディラロ