アンと言う名の少女
(Anne aka ANNE WITH AN”E”)
Marvin Moore (c) 2017 Northwood Anne Inc.
https://www.nhk.jp/p/anne/ts/37R5MJZ1WZ/
製作/Moira Walley-Beckett
脚本/Moira Walley-Beckett
監督/Helen Shaver
第3話 私は罠(わな)にはかからない
I Am No Bird, and No Net Ensnares Me
【ストーリー】
ブローチを盗んだと勘違いされたアンはカスバート家から
追い出されて孤児院に戻される。マシューはそれを知り
急いで地元のグリーン・ゲイブルズ駅へと向かう。
マシューはアンのことを駅員(Ian Clark)に尋ねると、
様子がおかしくて全くしゃべらずに静か過ぎる様だったと
聞かされる。
その頃既にアンを乗せた汽車ははシューロットタウン駅に
到着し降りていた。そこで男(Alden Adair)によって声を
掛けられ危うく誘拐されそうになる。男はアンが駄目だと
分かると別の少年たちに声を掛けていた。
マシューは何とか駅前の厩舎で馬を駆りようとしていた。
しかしホテルの馬小屋は全て客のものなので断られる。
そこにサミュエルが馬車に乗ってやってきた為にマシュー
は一緒にシャーロットタウンまで乗せて欲しいと頼む。
荷台の方にのって何とか我慢する。
その頃アンは既に港から船に乗っていた。
アンはブローチの件で追い出された時の事を思い出して
いた。
マリラもその時自宅でなんとかマシューがアンを連れて
帰ってくれることを期待していた。夜になっても誰も居ない
家の中は静かで、アンが居た頃が嘘のようだった。
●セント・オールバンズ孤児院
アンは門の前に立つも中に入るのを躊躇う。
アンの脳裏には年長少女からいじめを受けた思いが残って
いた。
・翌朝
マリラはジェリー(Aymeric Jett Montaz)に対して馬を
出すよう告げる。馬車を走らせてマシューたちを探しに
行こうとするがレイチェルが走ってくる。そしてマリラ
が行くのを止めるとトーマス(Philip Williams)が朝一で
探しに行ったという。あなたが出来るのは待つことだと。
一方アンは孤児院内には入らず外で一晩を明かす。
牛乳配達のエイブリー(Rob Ramsay)がやってくると、
アンは彼に最寄りの駅まで送って欲しいと頼む。寮長から
言われたのだと嘘をつく。アンは生まれ故郷のハリファッ
クスに帰るのだとし金持ちのおばさんが現れ私を呼んで
くれたのだという。エイブリーは配達が終わっていない
とすると、アンは新しい人生に送り届けて欲しいと懇願。
金は払えないので配達の手伝いをすることを語る。
・マシューは港へ。
質屋の男性(Daniel Kash)に懐中時計を売ろうとする。
質屋は駆け引きをし、なかなか買い取ろうとしなかったが
マシューは必要なのはフェリーの往復運賃と汽車賃の二人分
だというと、店主はそれなら払うと語る。
ノバスコシア行きの船は5時だった。
街道では新聞売りの子(Tyler Barish)が号外だとして新聞
を配る。
「研究者が温室効果を予測」
そんな中道の向かいにアンに似た赤毛の子を見つけて追い
かけるが・・なんと馬車に当たってしまい倒れてしまう。
アンはエイブリーと共に牛乳の配達する中、彼は朝食に
パンを食べる。アンはアヴォンリーで引き取られた際に
パン作りを教わりたかったことを語る。するとエイブリー
はパンを食べるかとアンに差し出す。アンはお腹が減って
いたことを語りありがたく頂戴する。
マシューは目覚めると静止を振り切り急いで船に乗って
孤児院に向かう。しかし到着した時には夜だった為に
ドアを叩いても誰も出ることは無かった。
■感想
誤解からカスバート家を追い出されたアンは孤児院に戻る
ことになるが、帰るに帰れない事情も有った為にハリファ
ックスに向かうことを考える。一方マシューはマリラに
変わって急いでアンを連れ戻しに駅に向かうが既にアンの
乗った汽車はシャーロットタウンへと向かい、そして船に
乗って孤児院に到達していた。
実にどうでもいい話だけどTOKYO MXで現在アニメ版の
「赤毛のアン」が放送している。
ドラマは皮肉な形で追いかけっこのようになってしまった。
追いかけっこというよりも一方的にマシューがアンを探し
に行き、アンはどこに行くかも分からずフラフラっと
していた感じ。
もう少しドラマ性を高めるならば一歩違いで追いつくか
どうかの時間的演出や、すれ違う形で会えたハズなのに
会えなかったなど視聴者の気持ちを揺さぶらせる為の演出
やドラマ性は必要かも知れない。
ただ興味深いことに子供の機動力の凄さ・・アンの持つ特性
とも言える性格が移動を容易にさせて一ヶ所に留まること
を知らないのではないかというくらいに動き回ってしまう
為に追いかける側のマシューも大変そうだった。そもそも
彼は心臓を悪くしている訳だし、その上追いかける課程で
馬車にぶつかり荷台に乗り込んだりで、ろくに睡眠も取らず
行動したので大丈夫か心配になった。まぁ物語上、この段階
で亡くなるということは無さそうだが・・
改めて今回の事で、孤児というのは色んな意味で権利も
信用も無いんだなと思うと悲しいところだが、それを
上回るほどの彼女の人生の処世術を見せられた感じで
なかなか面白かった。
一番気になるのはマリラとアンの信頼関係がどの程度回復
したのかどうか。
マリラは身内にも本音を隠すようにしてポーカーフェイス
を保っていたが内心は相当心配していた訳で、アンはそれ
を伝聞のような形でしか目にしない。
この辺はまだ正式な親子関係が結ばれた訳では無かったし
マリラさんのプライドからすると容易に謝罪は無いなとは
誰もが思うところだろう。
どのタイミングで謝罪するのかしないのか。
この辺でもう少し駆け引きがあっても良かったかなと思う。
せめて部屋にアンが求めていた花が飾られていたでも良かっ
た訳だしね。(窓から見える夕日には感動していたけどね)
ただ最後のシーンの演出の為(アンへの嬉しいサプライズ)に
溜めに溜めていたということでそれもまぁ仕方が無いの
だろう。
■アンの魅力を引き出す人物たち
・リンド家
今回はレイチェルとトーマスが心配して来てくれた。
マリラ自らが馬に乗って探しに行こうとしていたからね。
ただ確かにこの時代なかなか連絡が取れないし、元々孤児院
は彼らの住む島の外に有るのかな。汽車に乗って、そして
船に乗っていったからね。
・バリー家
今回はお茶会というかピクニックをして親睦会のような
ことをしていた。
アンが家から追い出されたりしていたことに不信感を
抱いていたみたいだけど・・
ウィリアムに至っては、兄妹して痴呆症かかんしゃくでも
おかしたのではないかとして、これからどんな面倒を起こ
すのかに懸念を示していた。
・アンドリュース家
凄く嫌そうな家族だな。
まぁ第一印象でこういう騒動を起こしてしまったことを
考えると多少は仕方が無い。ただ事実も分かっていないのに
悪口を言う子ら。学校でも争いになるか?
牧師もその話に便乗して孤児院育ちだから同時に精神病を
持っているかも・・なんて言っているくらいだからね。
■アンが暗唱した詩
「希望と恐怖が絶え間なく衝突を繰り返し、一瞬の喜びが
永遠の疑惑を生み出す。この世に於いて自らが一番求めて
いるものは何なのだろう」
「私を愛するのならどうかただ一つ、愛のためだけに愛して
ください。笑顔が好きだからなんて言わないで下さい。
外見や優しい話し方が好きだからと言わないで下さい。
考え方がピタリと合ってどんな日も心が安らぐなんて
どうか言わないで下さい。それらはあなたの見方一つで
変わってしまうからです。しかし愛そのものは決して変わる
ことはない。」
「私の涙を哀れんで愛するのは止めて下さい。心地よさに
なれれば涙は乾き」
「周りの全ての人があなたを悪人と見なしてもあなたが良心
に従って罪の無いことを示せば誰かが救ってくれる」
■使用された曲
・Ahead By A Century by The Tragically Hip
■出演者
アン・シャーリー (Amybeth McNulty) 13歳、孤児
マリラ・カスバート (Geraldine James) 妹
マシュー・カスバート (R.H. Thomson) 兄、牧場主
ダイアナ・バリー (Dalila Bela) アンの親友
レイチェル・リンド (Corrine Koslo) カスバート家のお隣
トーマス・リンド (Philip Williams) マリラの友人・隣人
ジェリー・ベイナード (Aymeric Jett Montaz) カスバート家の農場のお手伝い
— (Ian Clark) アヴォンリー/グリーン・ゲイブルズの駅長
Mr.ウィリアム・バリー (Jonathan Holmes) 地元の金持ち
Mrs.エリザ・バリー (Helen Johns) アンの見極め
(Helene Robbie) エレガントな女性
(Alexandra Floras-Matic) 年長少女・孤児院
(Dan Warry-Smith) 厩舎担当
ミニー・メイ・バリー (Ryan Kiera Armstrong) 次女
(Matt Willis) 商人
(Sarah Dodd) 孤児院・寮長
サミュエル (Torquil Colbo) 馬車での送迎
サミー (Michael Crawford)
(Alden Adair) うさんくさい奴
Mr.エイブリー (Rob Ramsay) 牛乳配達
(Daniel Kash) 質屋
(Tyler Barish) 新聞売りの子・号外だよ
(Helen Taylor) 大金持ちの婦人・マシューが馬車にぶつかる
(Andrea Creighton) メイド
(Leanne Miller) 洗い場に居るメイド
(Zenna Davis-Jones) 若い女性、駅で詩の朗読を聞く
メアリー・ジョー (Katelyn Wells)
Mr.アンドリュース (David Ingram) 主人
Mrs.アンドリュース (Janet Porter) 夫人
プリシー・アンドリュース (Ella Jonas Farlinger) カールの娘
ジェーン・アンドリュース (Lia Pappas-Kemps) アンと同級生
ビリー・アンドリュース (Christian Martyn) 年長の青年