アンと言う名の少女
(Anne aka ANNE WITH AN”E”)
Marvin Moore (c) 2017 Northwood Anne Inc.
https://www.nhk.jp/p/anne/ts/37R5MJZ1WZ/
製作/Moira Walley-Beckett
脚本/Moira Walley-Beckett
監督/Sandra Goldbacher
第4話 若さとは強情なもの But What Is So Headstrong as Youth?
【ストーリー】
アンが初登校の日。
新しく作ってもらった新品の服、髪の毛を三つ編みにして
鏡に向かう彼女。ノートに教科書など必要なものを持ち、
オシャレをしていく。
マリラはアンに朝食だとして二階に呼びかけるが、アンは
自分の身なりを気にしてなかなか鏡の前から立ち去れない。
アンは降りてくると一人自己分析のお喋りをして不安を
紛らわせる。
一日目だから緊張しているけど大丈夫。学校にはあまり
行ったことは無いが心配することは無い。平気だ。
不安なことなど無い。自信がある。勉強は確かに遅れて
いるが今が一番下なら、上がることしかない。新しい友達
も出来る。途中から友達グループに入るのは勇気が要る
が学校に行くのは夢だった。きっと上手くいく。
そう胸を躍らせているとコーヒーカップを落として割って
しまうアン。不吉な前触れではありませんようにと語る。
マリラは呆れて怒り、マシューは心配するなとして、アン
は誰よりも賢いのだから勉強はすぐに追いつくと言う。
それを聞いたアンも自分でもそう思うとしながら
「私の最大の懸念事項は・・」
恐ろしく見え映えの悪い赤毛。これが私を苦しめているの
だという。マリラは最大の懸念事項ならもっとマシなのに
しなさいとすると、アンはそれならば「ソバカスだ」と
語る。もっと可愛いソバカスならみんなに好かれるハズ。
そう語るとあなたは自惚れが過ぎるという。
しかしアンはいつもの調子で、
「バラは美しくなければ誰も嗅ごうとはしない」と語る。
そんなアンにマリラも自信を持てば上手くやっていけると
告げる。
アンを見送るマリラとマシュー。
アンは霧がかった林の中を歩いて学校に行く。
アンは学校の生徒たちと初対面の為に挨拶の練習をしたり
帽子に花を飾って綺麗に見せようとする。
アンは一人言をつぶやき私は花が好きであり部屋が花の咲き
乱れる閨房(中世の屋敷にある高貴な女性の寝室)だったら
と想像することが良く有るとし、王女の生活に憧れている
のだと語る。
●学校
アンはいよいよ夢だった学校の扉を開く。
するとそこにはダイアナの姿が有り挨拶を交わす。
ちゃんと来られて良かったとし、本当は一緒に来たいという
ダイアナ。色々と案内するという。
帽子はまずそこにかける・・席は私の隣。
元々私の隣にはルビー(Kyla Matthews)が居たがジェーン
(Lia Pappas-Kemps)の隣に移るはずだという。
プリシー(Ella Jonas Farlinger)はクイーンズ学院の受験を
するので後ろに座るだろうと。
そんなアンたちの前にムーディ・スパージョ
ン(Jacob Ursomarzo)とチャーリー・スローン(Jacob Horsley)
が声をかけてくる。ダイアナは男子はバカだから話しては駄目
だと語る。ただしギルバート・ブライス(Lucas Jade Zumann)
は別。ハンサムだという。
そこに4人の女性がアンの前にやってくる。
ジェーン・アンドリュース(Lia Pappas-Kemps)、
ジョーシー・パイ(Miranda McKeon)、ルビー・ギリス
(Kyla Matthews)。そしてティリー・ボルター(Glenna Walters)
。アンは丁寧に挨拶したつもりがみんな呆気にとられる。
ダイアナはアンは本が好きで難しい言葉を知っているのだ
という。ティリーは私も本が好きだと嘘をつく。
ジェーンは以前ピクニックで見かけたけど挨拶出来なくて
ゴメンと語る。ママに止められたとのこと。ジョーシーは
流行遅れの服を着せられているとし、孤児だから仕方が無い
と語る。私なら死んでも着ないという彼女に、ダイアナは
もう養子になったのだから孤児ではないという。しかしアン
はジョーシーの言ったことは事実で孤児なのはずっと変わら
ないと語る。ティリーは最悪だとして私なら耐えられないと
いう。ルビーは本当に可哀想だと。
更にアンたちの前にはビリー(Christian Martyn)とその
取り巻きの二人(Kyle Meagher)(Daimen Landori-Hoffman)
がやってくる。ビリーはアンのことを犬扱いする。
ジェーンは兄のことは無視して欲しいとしマヌケなんだから
と。男子に意地悪されても知らん顔してと。
アンは学校には決まり事が多いのねと驚く。するとジョーシー
は今まで普通の学校に行ったことはあるのか?と問い。
孤児用の学校だったのかと問う。
●カスバート家
マリラの元にベル夫人(Sarah Wilson)とアンドリュース夫人
がやってくる。ちゃんとした挨拶はしたことがないが
教会でお見かけしているという。PMSCを代表してきたという
二人。「進歩的な母親の会」であり月2回活動しているとの事。
募金を集めるのではなく内輪で会合を開いていること。
娘たちの教育について語り会う。刺繍をしたりお茶をしながら
だと。あなたも娘を持つ母親になったので参加しないかと
思って声をかけたのだと聞かされる。
■感想
元々男児を求めていたカスバート家だが、アンの独特の
感性に少しずつ魅了された兄妹は離れがたい存在になる。
誤解が解けたアンにもいよいよ正式な家族が出来て。
グリーンゲイブルズの農場の兄妹が住むカスバート家の養子
として新たな生活が始まる。
いよいよ新たな土地での初めての登校によって不安と期待
が交錯する。友達が出来るか、勉強はついて行けるのか、
など新たな悩みも増えていく。
町の人たちはカスバート家同様にいつアンという少女の
存在を一人の人間として認めてくれる様になるのか。
現代の世界でも凝り固まったグループの中に入っていくこと
は容易なものではなく、これ程苦痛な事は無い。
それぞれに家庭の事情が有り、生活上の生育環境は
まるで違うにもかかわらず、その違いを認めようともしない
人たち。
フェミニズムだろうと進歩的な母親でも何でも良いが、
基本的に自分たちの要求だけを通そうとすれば必ず偏り
というものが出来てしまう。
これだけ小さいコミュニティなのだから仲良くすれば良い
のになと思わせるも、みんな自分の事で精一杯。
虚勢を張ることでしか自分を保つことが出来ないでいるのか。
男性と女性、年齢の差など様々な違いは存在するが、
せめて共通項のある人たちは、まずはその人を守るべき
行動を見せても良いようなものたちだ。突然現れた物が助けに
あってしまうのはドラマの世界のまさに夢のような存在では
あるが、現実に足を付けてみればそんな人物はナンセンスだ。
しかしこれはドラマである。
ドラマを見ていれば大人には大人の、子供には子供の世界
が存在する。そして子供たちの中では男性の世界、女性の
世界に分かれて存在するし、上述した様にジェネレーション
のギャップというのは少なからず存在していく。まさに
ここは小さな地球村。赤毛でちょっぴり変わった少女を
この町では受け入れられるのか。
孤児で環境の悪かったとされる人物の本当の性格を見て
評価してくれる人は現れるのか。
■アンの魅力を引き出す人物たち
・子供たちの世界
色んな人が出てきましたね。
私は子供たちはそれなりに把握出来たのだけど大人たちは
どの人が誰なのか全く分からなかった(笑)
—- 女の子 —-
・ダイアナ・バリー
アンの親友の女の子。彼女は何とかしてアンと旧友との間
でバランサー的役割を果たそうとする。しかし次々と
アンの行動が旧友との間を広げてしまう。
・ティリー・ボルター
ちょっぴり太めの女の子。アンの帽子を変に見ていた。
・ルビー・ギリス
ちょっぴり小さめの女の子。ルビーはギルバートが好きな
ようで、アメリカのドラマでよく見かける「最初に好きだと
宣言した人」を出し抜くことは出来ないらしい。
アンが彼と会話している光景に女性陣は気に入らず、無視
するような圧力をかけている。
・ジェーン・アンドリュース
アンドリュース家の子供たちの中ではアンに肯定的な視線
を持つ人かな。ピクニックで見かけたけど挨拶出来ない
ことを謝罪していた。
・プリシー・アンドリュース
ジェーンの姉でチャーリーの姉でもある。クイーンズ学院
への受験をするようだ。そして教師の先生と手を触れるよう
な行動を目にしてしまう。
・ジョーシー・パイ
一番アンに冷たく当たっていただろうか。「みなしご」と
いう言葉を連発。流行遅れの服とか・・むかつくが一番美形。
アンが教師からバツを受けた際に、彼女が何か特別なこと
をするのではないかと期待しているような視線を見せていた
のはきのせいか?
—- 男の子 —-
・ムーディ・スパージョン
一番最初にアンに挨拶した男の子、ちょっぴり太め?
・チャーリー・スローン
ちょっぴりイケメンの男の子。
・ギルバート・ブライス
イケメンだとされる。男子はバカだがバルバートだけは別
だと冒頭でダイアナが語っていた。
初日は会えなかったけれど、二日目の登校の際に彼は
アンをビリーから助けて、そしてそれ以降アンにちょっかい
を出そうとしている。何か彼女に特別なものを感じたのか。
・ビリー・アンドリュース
アンの事を犬呼ばわりする。2人の友達を連れて回っている。
ジェーンはアンに失礼なことを言う兄のことを止めていた
けどね。
アンがプリシーとフィリップス先生のことをネタにして
友達寄せをしたことによってプリシーは傷ついてしまう。
ビリーは登校しようとするアンを襲う勢いだった。
色々とギルバートから声を掛けられる。
彼は一日遅れでやってきたけど何か有ったのか?
彼はアルバータ地区に行っていたようで、父親の具合が
悪いのかな。この土地・アヴォンリーも相当療養には良い
土地だと思うぞ。
・大人の世界
日本では子供たちの為にPTAのようなものが存在していて
教師と生徒の間に介在する役割を果たす。
それは勿論子供たちの為である。
ただここでの大人は女性の教育・地位の向上に目を向けよう
としているが、肝心のアンのような女児には最初から
つまはじきにしようとしている感じしか無い。
マリラは彼らが提唱しているPMSC(進歩的な母親の会)に
参加するよう言われる。母親として子供のことを考えるのは
当然だと言わんばかり。
ただ情報交換するのは悪くは無い。あまり下世話にも監視
ばかりせず子供に任せるべきところは任せて欲しいが・・
大人たちの中にも礼儀以上の変な質が求められている。
・マクファーソン夫人
・ベル夫人
・モリソン夫人
・フェラン夫人
・アンドリュース夫人
アンドリュー・ディーン夫人の「ザ・グラスホッパーズ」を
薦めてくれたのは妹。
マクファーソン夫人は女性参政権論者。
妊婦の女性がいたけどこれは誰だったのか?
後に店ではベル夫人に会うと、もう次の会合には来ない方が
良いと言われる。またアンは自宅学習を薦めるとのこと。
何様だ!?
・夫人たちも子供の頃の辛さを知る
アンが現在色々と苦労しているけれど、会合の中で確か
アンドリュース夫人だっただろうか。
「母は私が生まれた時にがっかりした。男じゃなかったから」
アンの辛さを間接的だが理解しているハズだ。
そして夫人たちがマリラを呼んだ理由の中には男児ではなく
女児を選んだからという理由も一つに含まれる。
その夫人はアンがどんな子か尋ねる。
「好奇心が旺盛な子で、読書好きで学びたい意欲が強い」
これはある意味、PMSC(進歩的な母親の会)が求める子供の
理想だけどね。
・
しかし更にマリラはアンのこれまでの生育環境について
辛さに同情した。
「まだ知らなくても良いことを知らされる環境に居た
んだ」と。
■決まり事の多い子供の世界
不自由な生活を強いられてきたアンの方が自由な世界で
生きてきたというのが皮肉ではある。
組織とか集団に属すれば、それなりの規律を求められる
のは分かるが、意外と田舎の小さな町にしては面倒くさい
ルールが有って広大な自然とは別に息苦しさを覚える程だ。
初日は散々だった。
「明日になれば失敗の無い一日が新しく始まる」
「一人で出来る失敗には限りが有るし全部やり尽くせば
もう失敗しない。そう思ったら気が楽だ」
・アンの得意の話術は起死回生に使えるのか
a)
アンの会話は幾つかの場面で光った。
最初の女性友達の前での自己紹介は独特の表現を使った。
b)
そしてフィリップス先生とプリシーの関係を目にして、
男女がふれあうのは親密な関係であり赤ちゃんを作っている
と語る。
「男の人はペットのネズミを買っている。ズボンの前の
ポケットに・・そのネズミをプリシーが触る。」
プリシーって名前が微妙に嫌らしく感じるのはスルーして下さい。
しかしこれは意外と不味い問題に発展する可能性のある
発言で、リスクも高い。今後アンが不利にならなければ
良いけどね。
c)
副読本を読む授業。
バリー・コーンウォールの「ザ・フィッシャーマン」。
アンはもの凄く感情を込めて読む。
この詩はまさに今のアンの心を語っているかのようなものだ。
ジョーシーは
キャンベルの「希望の喜び」の一節である「ポーランドの
崩壊」を読んだ。
■アンが暗唱した詩
二日目の登校する際、アンは馬のベルに語りかける。
ジェーンエアの言葉。
「人生は短い、憎しみを抱いたり、酷い仕打ちを恨んだり
する時間は無い」
■使用された曲
・Ahead By A Century by The Tragically Hip
■出演者
アン・シャーリー (Amybeth McNulty) 13歳、孤児
マリラ・カスバート (Geraldine James) 妹
マシュー・カスバート (R.H. Thomson) 兄、牧場主
ダイアナ・バリー (Dalila Bela) アンの親友
レイチェル・リンド (Corrine Koslo) カスバート家のお隣
トーマス・リンド (Philip Williams) マリラの友人・隣人
ジェリー・ベイナード (Aymeric Jett Montaz) カスバート家の農場のお手伝い
ギルバート・ブライス (Lucas Jade Zumann) 生徒・イケメン
ルビー・ギリス (Kyla Matthews) 生徒
ジョーシー・パイ (Miranda McKeon) 生徒・美形
ジェーン・アンドリュース (Lia Pappas-Kemps) アンと同級生
ビリー・アンドリュース (Christian Martyn) 意地悪な生徒
プリシー・アンドリュース (Ella Jonas Farlinger) 長女
ティリー・ボルター (Glenna Walters) 生徒・太め
チャーリー・スローン (Jacob Horsley) 生徒・イケメン
ムーディ・スパージョン (Jacob Ursomarzo) 生徒・チャーリーの友
Mr.フィリップス (Stephen Tracey) 先生、プリシーと関係が?
Mrs.アンドリュース (Janet Porter) 夫人。プリシーの件
Mrs.ベル (Sarah Wilson) 夫人、アンドリュースと共にPMSC勧誘
Mrs.モリソン (Krystina Bojanowski) 夫人
Mrs.マクファーソン (Ashley Magwood) 妹がアカディア大学
Mrs.フェラン (Rachel Cairns) 夫人
(Chick Roberts) 年少組の教師
(Kyle Meagher) ビリーの友達
(Daimen Landori-Hoffman) ビリーの友達
(Brooklyn Herd) ギリスの姉