アンと言う名の少女2 ANNE WITH AN”E” 第2話 小さなしるしは測定できるが、その解釈は無限

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アンと言う名の少女2
(Anne aka ANNE WITH AN”E”)
Marvin Moore (c) 2017 Northwood Anne Inc.

https://www.nhk.jp/p/anne2/ts/Y5K7QL16N3/?cid=orjp-drama-lineup

脚本/Shernold Edwards
監督/Paul Fox

第2話 小さなしるしは測定できるが、その解釈は無限
Signs Are Small Measurable Things, But Interpretations
Are Illimitable

【ストーリー】

時は19世紀後半のカナダ、アヴォンリーの村。

●トニリダードの港

セバスチャンとギルバートは上陸する。
セバスチャンの育った場所。トリニダードに帰省するのは
2年ぶりなのに何処か元気がないセバスチャン。

「とても良いところじゃないか」

ギルバートもこの土地を気に入ると、セバスチャンはここは
癖になるから離れる時には泣くなよと語る。
そして彼が痩せていることを気にして、もっと色々と食べろ
と語る。

市場は賑わいを見せていたがセバスチャンは幼少期に毎日
ここを訪れていた。
母親・ヘイゼル (Yanna McIntosh)からはお使いを頼まれて
いたからだと。この土地の料理は美味いが、プリンセス・
エドワード島の美味しいものは何か?と尋ねる。ギルバートは
「ジャガイモ」だとし、たまにキンカノン夫人がカニを茹でて
出してくれた事も有る。味は塩。それを聞いたセバスチャン
はウチの母はもっと手を加えていたぞとし、

「カニのカラルー」は日曜日の定番だったこと。
「ココナッツミルクでタロイモ葉を煮て、そこにタマネギ、
ニンニク、オクラ、豚の尻尾、カニを入れ、赤唐辛子をかけ
た上で更に煮込む」

母は味見をさせてくれたが、料理は家族に出されたという。
ギルバートは家族はセバスチャンたちの事ではないのか
問うが、母親が仕えていた白人の金持ちだという。

馬が止めてあるのを見る。
ギルバートは故郷でこういう馬に乗っていたことを語る。
しかしセバスチャンは逆に馬は苦手だったという。
そこにホテルに宿泊する金持ちの男(Philip Graeme)が
セバスチャンを見て馬を小屋に運べというが、彼は自分は
召使いではないことを語る。1874年から自由民になったこと。
馬はホテルの人に頼めば良いと語る。

●プリンセス・エドワード島/アヴォンリー

アンはナサニエルの部屋に行く。アンは金が出た事で村人
は喜んでいるが本で読むことだけでなく実際に見たい事を
語る。しかしナサニエルはアンを子供扱い。こういうのは
子供には難しいのだと。しかし特別に見せるとして顕微鏡
を見せてもらう。中を覗くとアンには赤い土があるだけだ
った。輝く物があるだろうとされるがどうしても見えない。
ナサニエルは素人には見える訳がないのに期待させた私が
悪いと謝罪する。しかしアンは見捨てないで欲しいとして
もう一度顕微鏡を覗かせてもらうと、私にも見えるとウソを
つく。

●カスバート家

朝食の用意をする。
ナサニエルはマリラを見て「輝くコインの様」と表現する。
ダンロップが焼いたトーストの匂いが気になる。
尋ねるとシナモンを利用したとのこと。

ナサニエルはマシューに対して、ここの土地も採掘・検査
しますよね?と尋ねる。しかしマリラは検査はしないことを
告げる。理由は検査料の高さにあった。収穫できてようやく
一息ついた所なのだという。
ナサニエルはその意思・意見にも理解を示す。
金はほぼ確実だがリスクもあること。慎重になるのも無理は
ない。

会話中マシューはアンの使う石版が壊れていることに気がつ
いた為にお金を渡すと、学校に行く途中で買うように言われ
る。アンは言い出せなったとして、マシューの気遣いに感謝
する。マリラは早く食事をとって学校へ行くよう命じる。

●通学

いつものように森を抜けていくアンとダイアナ。
アンは今朝”金”の件で嘘をついてしまったことを語る。
見えなかったら子供扱いされること。”おチビさん”と。
ダイアナは相手は大人であり科学者なのだからそれは仕方が
ないとしつつも、あなたは十分に賢いのだという。
特技もありミニー・メイ(Ryan Kiera Armstrong)の足の裏
にタマネギを当てて熱を下げたことがあると指摘。しかし
アンはあれは単なる迷信だと語る。
しかし想像力がなければ信じることは出来ないはず。想像力
は才能であり勉強では身につかないこと。想像力があっても
真実が見えなきゃ意味が無いというアン。

アンは「骸骨のような枝」があると語る。
「邪悪な骸骨が呪われた森に住んでいて罪のない人々を
捕まえて食べてしまう。」「何故私を引き留めたのか?私たち
を狙っているのか?」「霊がたちが風で警告している。気をつ
けて速く逃げましょう」と。

●カスバート家

ジェリーは馬の世話をする。
ナサニエルはウィリアムと会話し、サンプルの件での協力
を約束していた。それをジェリーは見ていた。

●学校

アンとダイアナが学校に到着した頃、
ビリー(Christian Martyn)と二人の友(Kyle Meagher)
(Daimen Landori-Hoffman)は野球/キャッチボールをして
いて、コール・マッケンジー (Cory Gruter-Andrew)は
一人で絵を描いていた。女生徒たちもコールが随分と成長
して収穫前に比べれば大人っぽくなったことを気にしていた。
そんな中ビリーはコールの方にめがけてボールを投げる。
投げ返してくれというビリーにコールは力強く投げ返すと、
そんな彼を「良い肩をしているなレンブラント」と語る。

●授業

フィリップス (Stephen Tracey)先生は朗読の授業。
円卓の騎士の物語で、キャメロット王国のアーサー王、ラン
スロット、グィネヴィアの関係について話し合う。

ジョーシー(Miranda McKeon)はこの物語は酷く恥知らずである
事を語る。グィネヴィアはアーサー王と結婚しているのに・・
アンは先生にエレイン妃の純粋な愛が悲劇的結末を迎えるシー
ンに飛んで欲しいというが・・先生はダメだとして朗読を
再開する。すると今度は密かに書いていたコールの絵の上に
インクをこぼすビリーの姿が・・

■感想

今回は色んな人の過去というものが少しずつ明かされていく
展開でした。過去はその人となりの現在の人格を形成するに
至る性格やら人間性にも反映され、それが際立つ作り。

現在の心理的状況やアヴォンリーの人々を襲う近い未来に
起こりうる詐欺的事態はアンが描く「呪われた谷」の中に
集約されている。
先日のグリーンゲイブルズまでの森や道を通る時の心地よい
風の音、動物の鳴き声はまるで何かを祝福しようとしている
かのようで有った。これはアンが初めてこの土地を訪れた際
にもこの心地よさに酔いしれていたこともある。
しかし今回アンが少し自分が置かれている状況を描こうとし
ている物語の一節をダイアナやルビーが居る前で語った途端に
自分さえも恐ろしく怯えるものとなる。

また今回興味深いのはトリニダードでのセバスチャンと母の
関係だ。
1800年代にはまだ奴隷制度が存在していたが、このドラマが
舞台とされる19世紀後半にはそういった制度が名目上では廃止
されている。
しかしすぐに法律に従って消える物ではないというところが
実に厄介なところ。現代の日本でさえも未だに幕藩時代に
置かれた身分制度に於ける差別的階級制度が残っていて、
同和問題なんて言葉で残っているのだから執念深い。

セバスチャンにとってのトリニダードは良き想い出もあるが
悪い想い出も同時に存在する微妙な土地だ。
一緒に仕事をしてきたギルバートはその辛さを分かっては
いない。ギルバートにとってはあらゆる物が珍しく、また
自分の口に合う薬膳料理を食べてみたい。しかしそんな料理一つ
とってもセバスチャンにとっては「奴隷労働の産物」
だと語るように寂しい想い出の一つとして存在している。
家族の宿命のように存在している主従関係だ。

以前まで放送していた「デビアスなメイドたち」(Devious
Maids)
の中でディアス家はジャンヴィエーヴ家との間で
このような関係が続いているが、時代も変わり、悲壮感は
それ程感じない

■傷があるものたち

過去に傷があるものたちが実に多い。
そんな時代性だったという事もあるのかも知れないが、
別名を持っている人物たちは大抵傷があると言っても良い
のだろう。(ナサニエルがネイトと称されるのは「ゴシップ
ガール」(Gossip Girl)
でのネイト・アーチボルドでも同様
でしたが)

不気味な存在なのはアヴォンリーの村にやって来た二人の
詐欺師のナサニエルとダンロップだ。

・ダンロップ

ダンロップに至っては今回語られていた様に、

「賭博でインチキしたヤツと足を踏んできたヤツを一人殺し
た」

と言われていた。

そんな過去も有ってダンロップは自分を隠す他ない。

ナサニエルと同様にダンロップも様々な嘘をついてアヴォン
リーの住民たちからの信頼を得ようとしている。
美味しいパンが焼けるスキルを持つこと。
また今回は投資の話し合いに於けるバリー家のパーティー
で、ダイアナの伴奏で歌を歌うシーンまで有った。
しかしそんな彼もベアトリスおばさんの話を作り上げて、
かなりの遺産が入る事を口にして、自分がアヴォンリーの
住民の一員であることを強調する。

・ナサニエル

ナサニエルは上手い話術とイケメン容姿を使って村の夫人
たちを誘惑し、投資に出資させようとしている。
特に被害に遭っているのは下宿人として家に住まわせている
マリラだ。
彼女は自分の人生を謳歌していない分だけ、異性との恋愛
駆け引きには、下手をすれば「大人と子供」とされている
アンよりも経験値が低いのかも知れない。
ナサニエルによってかけられる言葉は今までのマリラには
無かった言葉で、恋愛心を完全に掌握されてしまった様だ。

しかしそんなマリラも自分を磨いて女を見せた髪型や洋服に
全く気がついてもらえなかったナサニエルの失態は今後の
関係に於いて意外な方向に向かうかも知れない。
マリラの髪型の変化に気がついたのはマシューとレイチェル
だった。マシューは妹のそんな行動や心境の変化を心配して
見守っている。よく気がつく人でアンが求めているもの
も見つけて自分の方から切り出した(石版)

・ジェリーの存在

これは前回にも言及したが、二人の詐欺師たちは意外にも
抜けているところがある。「壁に耳あり障子に目あり」で
ある。ナサニエルのことをジェリーは何かの事情で過去に
関わっている可能性があるということ。ナサニエル自身は
ジェリーの事を知っているようだった。
今回も会話を耳にしたり、ナサニエルの行動を何処かで目に
しているところもある。

・セバスチャン

トリニダードに帰郷して母親に会うシーンが有った。
しかし彼はこの国には居られないようなこと、特にこの屋敷
に居てはならないような事をしでかした様だ。

バリー家のパーティーの中でナサニエルが装飾品を盗もう
としているところをミニー・メイ・バリーによって見られて
いる。

興味深いことにトリニダードでは屋敷の中で似たような年の
子供によって見られていた。

■不確定要素

このドラマにも確変しそうな要素は幾つも存在している。
シーズン2では誰がキーマンとなるのか。

A)

この手のドラマによくある感じに全ての金を持ち逃げ
されてしまうという結末としても描けないこともない。
そうBAD ENDINGである。

B)

ジェリーが鍵を握るような気がしているけれど、アンだって
その内不自然で有ることに気がつくかも知れない。
ジェリーは現在勉強中だ。その勉強をしている中で、文字を
目にして何かに閃きを覚えるかも知れない。

C)

意外と頭が切れると思ったがアンが今回は何処か鈍いという
印象も有る。コナン君ではないのでその辺は致し方ないけど
今の彼女は嘘をついてでも村人たちと同じ立場・大人で居たい
様だ。

D)

マリラが気がつく事も考えられる。
ナサニエルに対して失望感を抱いた時には、意外と反目的
立場で彼のことを見ていくかも知れない。
今回のナサニエルのマリラへの態度はそれだけ酷かった。
髪型の変化に気がつかないだけならばまだしも、女性たちを
褒める言葉はマリラに語ったのと同じように

「いまのキミはピカピカに光って~あきれかえる程ステキ」

と似たような言葉を使っていた(笑)

E)

セバスチャンとギルバートはまだアヴォンリーの人たちに
逢っていない。何か関係性を持つ人物だった場合、良い方向
にドラマが回る可能性もある。

F)

ダンロップが確変する可能性。
ダンロップは意外とこの街を気に入っている感じがする。
ナサニエルを裏切って告白していくかも知れない。

■子供たちの恋愛事情

シーズン1の時のことを完全に忘れてしまっているが、
コールってどういう立場の人物だったか・・

収穫期というのは隠語ではなく、やはり一シーズンが終えて
作物の収穫でお金を得ることが出来たという意味だろう。

コールは随分と大人しくなり、イケメンさんになっている。
そればかりか趣味としてスケッチを描いている。
先生に見つかり

「授業中に絵を描きません」(I will not draw in class)

と黒板に書かされていた。
その時の文字フォントが装飾されたものでかなりキレイだ
ったが先生からは不要なものとして一蹴されている。

コールに対して、ジョーシーが好意を抱いている様だ。

ルビーはギルバートが好きな状況。

しかし肝心のコールにしてもギルバートにしても好意を
抱いているのはアンなのかな。

ダイアナ、ジェーン、ティリー、プリシーは誰が好きなのか
はよく分からないが、ティリーは恋愛よりも苺タルトが好き。

■その他

少し怖い流れが有った。それはアンが執筆していることを
語った際にダンロップからペンを受け取っていること。
このペンが誰のものなのかが分からない。

また今回アンは小説を分筆している。その中の一節に、

「骸骨が少女を捕まえて白い女の人に渡す。幽霊の女王に」

この一文がドラマを象徴と仮定すれば少女はアンという
感じ。骸骨は犯人だろうし、幽霊の女王は果たして誰に
なるのか。

■使用された曲

・The Friends We Love by Shane Carty and Dalila Bela

■出演者

アン・シャーリー (Amybeth McNulty) 13歳、孤児
マリラ・カスバート (Geraldine James) 妹
マシュー・カスバート (R.H. Thomson) 兄、牧場主
ダイアナ・バリー (Dalila Bela) アンの親友
レイチェル・リンド (Corrine Koslo) カスバート家のお隣
ジェリー・ベイナード (Aymeric Jett Montaz) カスバート家の農場のお手伝い

ギルバート・ブライス (Lucas Jade Zumann) 生徒・イケメン
セバスチャン・ラクロワ (Dalmar Abuzeid) “バッシュ”トリニダード出身
ナサニエル(ネイト) (Taras Lavren) 地質学者、詐欺師
Mr.ダンロップ・ジョンジー (Shane Carty) 詐欺師、ヒゲ面
Mr.ウィリアム・バリー (Jonathan Holmes) 地元の金持ち
Mrs.エリザ・バリー (Helen Johns) アンの見極め
トーマス・リンド (Philip Williams) マリラの友人・隣人
ヘイゼル (Yanna McIntosh) セバスチャンの母
Mr.フィリップス (Stephen Tracey) 学校の教師
ビリー・アンドリュース (Christian Martyn) 生徒、意地悪
ジェーン・アンドリュース (Lia Pappas-Kemps) 生徒
コール・マッケンジー (Cory Gruter-Andrew) 生徒、絵が上手い
ジョーシー・パイ (Miranda McKeon) 生徒
ルビー・ギリス (Kyla Matthews) 生徒、ギルバートを好き
ティリー・バルター (Glenna Walters) 生徒・太い
(Brian Tree) 牧師
Mr.ハーモン・アンドリュース (David Ingram) 父、投資に意欲
Mrs.アンドリュース (Janet Porter) 母
プリシー・アンドリュース (Ella Jonas Farlinger) 生徒
(Philip Graeme) 裕福な男
(Max Rampino) 少年
メアリー・ジョー (Katelyn Wells) バリーの家のメイド
(Kyle Meagher) ビリーの友達
(Daimen Landori-Hoffman) ビリーの友達
ミニー・メイ・バリー (Ryan Kiera Armstrong) バリー家の娘
チャーリー・スローン (Jacob Horsley)
(Katie Advani) Anne Acting Double

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