アンと言う名の少女3 Anne 第5話 恐れを知らぬがゆえの強さ

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アンと言う名の少女3
(Anne aka ANNE WITH AN”E”)
Marvin Moore (c) 2017 Northwood Anne Inc.

https://www.nhk.jp/p/anne3/ts/L532PR48ZY/

脚本/Naledi Jackson
監督/Paul Fox

第5話 恐れを知らぬがゆえの強さ
I Am Fearless and Therefore Powerful

【ストーリー】

時は19世紀後半のカナダ、プリンス・エドワード島
アヴォンリーの村。アン16歳

●ブライス家

ギルバートは花の蜜と蜂を利用し養蜂業をする。
蜜を集めてくれる蜂への感謝も忘れない。

●学校

ステイシーは生徒と課外授業に出かける。
ツボミと花、大小の枝、全てに屋億割があり、私たちの周りに
あるものは互いに作用すること。それぞれの特徴を活かして
森を豊かにしている。更に母なる自然の偉大さを感じたいなら
ば木々の一番高い所を見て欲しいという。樹冠の間に隙間が
あること。これは謎の現象で『クラウン・シャイネス』
呼ばれる。木々が互いに自分の境界線を主張してこのように
言っている・・・

「触らないで・・」

ティリーは二人のポールによってチヤホヤされていたが、その
言葉を聞いてビクっとする。

知性を備えているのは木だけではなく、生き物の交わりにも
見られる。蜂と花の受粉の話を聞くと、ジェーンやジョーシー
は早く子作りの仕組みの話を聞きたいと呟く。
蜂は花粉と蜜を巣に運んで蜂蜜を作る。そのお陰で花は実を
作る為に花粉を受け取れること。

鳥の話を例にするステイシー先生。
ムネアカゴジュウカラを例えるなら主食としているのは木に
害を与えるハマキガの蛾の幼虫。彼らがエサを取れば木に
とっては害虫駆除にもなる。

そんな授業をしているとムーディは突然岩から滑り落ちて
大腿部に裂傷を負う。ダイアナは心配だとし、ルビーは血が
出ているのを見て悲鳴をあげる。
更にそこには原住民・インディアンの子供(Kitpu、Mimikej)
が出てきた為にみんながパニックになる。

ステイシーはみんなを落ちつかせるとまずはムーディの手当
をしなければならないという。ギルバートは傷が深いので
縫わないといけないことを語る。
アンはミクマク族の村が近いので助けを呼んでくるという。

アンは二人のインディアンの子供(Kitpu、Mimikej)を呼び止め
ると一緒に村まで行こうと語る。

・ムーディが怪我した場所

ルビーが気絶したので蜂蜜を気付け薬の代わりにして起こす。

アンはアルクやミクマク族の治療師を連れて戻ってくる。
アルクは治療師に対して、彼はスティックの客だとして耳打ち
する。

『柳の木の皮』を用意するよう求める。
水辺に生えているもの。痛み止めに使うという。
傷口に蜂蜜を縫えば止血の蓋の役目を果たす。
そして縫うことになるが、ムーディがパニクった為にギルバート
が落ち着かせる。深呼吸すれば大丈夫だとし、傷口を縫う。
それが終わると治療師も時期に良くなることを告げる。
それまでは安静にすること。

アンはアルクに対して二週間前にカクウェットの学校に行った
が会わせてもらえなかったことを告げ、元気なのかを問う。
アルクにもそれは分からないが夏休みには会えるとし、楽しく
しているのを祈るしか無いことを語る。

●ブライス家

蜂の凄さをセバスチャンに告げる。傷を治すことが出来る
物質を作り出している。なんで今までの医学の本には書かれて
いない
のか。痛み止めには柳の木の皮を使用したこと。
柳の木の皮などいつも見ていたのに知らなかった。
自然の力は凄い。自然を利用することで医学を発展させる
事が出来るかも
知れない。まだ知らない効能がどれほどある
のか。
その力説に対してセバスチャンは、自分には分からないが
一つだけ分かる事があるという。
「シチューがこぼれている」

●カスバート家

セバスチャンが仕事をしている間、その赤ちゃんであるデルフ
ィーヌの世話をレイチェルとマリラが面倒を見ることになる。
レイチェルは泣き止まない赤ちゃんをあやす。
そんな彼女は腰を痛めてしまう。
そこにマリラが戻ってくるとレイチェルは彼女に語る。
体力がついていかないこと。こんな事はもう無理であり、
正直毎日続けるのは荷が重い事を告げる。するとレイチェル
はセバスチャンに対して再婚することを薦めようと語る。
私たちでは子守は続かないとし、もうすぐ冬の作物の種まきが
始まるのだという。

・農園

マシューの元にジェリーがやってくる。
マシューは丁寧に作物を育てていた。そしてもうすぐ品評会
がある。「優勝できそうだ」。そしてジェリーに対して
凄く大きく出来たラディッシュにマシューも誇らしげ。
ジェリーは今日は帰っても良いかと許可をもらう。
自宅でインゲン豆の種まきを手伝う約束をしたのだと。
マシューも了承する。

■感想

つい先日まで冬に入るのかと思って居たら、春が過ぎ
そして初夏にさしかかっている。テレビの中では繁忙期である
6月とか言っていたような気がするけど・・。

収穫期が来るのかと思えば既に冬の種まきの準備も同時に
始まるという状況だ。

ドラマでは冬の厳しさから解き放たれて春の訪れと共に
新しい時代の幕開け的な流れを強調して欲しかった。

今回のドラマでは、幾つかの流れがある。

テーマとしては「新しいものを受け入れる」事が挙げられる。
その為に必要なのは普段の勉強以外の生きていく上で必要な
ことを学べる野外授業だ。

・子供達の学習・恋愛事情
・新たな進路への模索
・異文化交流

子供達は既にフィアンセがどうとか会話し、学校を卒業したら
結婚するような時代に有って、異性に触れたら妊娠すると
思って居る事も驚きだけど、ステイシー先生も妊娠については
曖昧なもの言いでしか語らないし、マリラにしてもその経験が
乏しいが故に子供の質問には正確には答えられないところがある。

「妊娠までには幾つもの段階がある」

素直に課外授業に於いては馬の出産を見せれば一番だったので
はないかと思うけれど・・。

しかしアンが持っている疑問は、それ以上のものも含まれて
いて、方法論というよりも精神的医学の分野だった。

「頭を使いすぎると不妊になるのか」
「女性に知性があり、情熱・感情が豊かだと不妊になり
易いのか」

そしてデルフィーヌに関しても親一人で育てることの難しさ
故に周りが手伝おうとするも、それでもやはり年齢的限界を
感じている。
レイチェルは複数の子を育ててきた経緯があるので、赤ちゃん
の扱いにも手慣れているかと思ったけど、意外と難航して
いる。

喜ばしいことは人が成長していっている過程を描いていて
それを実感出来るところだ。

時の流れと人の成長が比例していくのは子供だけにあらず、
大人でもそれが存在する。経験あるものが無知で非経験者
に対して物を教える光景はごく自然の流れであり、社会に
とって必要不可欠だ。それが出来ない社会ほどに
「無知故の怖さ」は存在してしまう。

■色々と気になること、起きたこと

・医学

ムーディの怪我は痛々しいものが有ったが、その結果
異文化交流/ミクマク族の治療師によって、今回は治療薬と
痛み止めの薬の存在を知る。
母なる大地から恵まれるのは決して作物ばかりでない。
医学書には書かれていない「柳の木の皮」は治癒を促進する
ものとして利用され鎮痛作用がある。「蜂蜜」にも同様の効用
が有り、気付け剤として利用したり、そして裂傷した傷の鎮痛
作用などの効能がある。

自然を利用することによって医学が発展できると感じた
ギルバートとしては、ソルボンヌ大での抗毒素に関する発見の
記事にも興味を持ち、予防医学などにも学びたい意欲を見せる。

・ダイアナの冒険

ダイアナはアカディア人であるジェリーの事を密かに受け入れ
る。イギリス系で貿易業を営む両親が怒るであろうことを知って
隠れて付き合うような格好だけど、年相応の付き合いであって
微笑ましさもある。
しかし人前ではなかなか関係を公表することは出来ない。

「私たちはこの世界で孤立する怪物 それ故にお互いの絆は
強まる」(“FRANKENSTEIN” by Mary Shelley)

かつて愛することを伝える際に、マリラがアンに対して行った
ことがあるが、ダイアナはジェリーに対してイニシャルの入った
ハンカチをプレゼントした。

隠れて何かをする事程、人を萌えさせることはない。
森の中に存在していた「小屋」はビリーやポール1・2によって
破壊されたが、その場所は神聖であり、そして仲間たちは
そこで安らぎを覚えていた。

・現実を受け入れる

セバスチャンはメアリーを亡くし失意の状況だが、それでも
赤ちゃんは成長していく。
周りに居る大人が赤ちゃんの世話をしてくれる事は喜ばしく
またそれが当然のようにして存在する世の中であって欲しい
ものだと思う。

愛するものを失う辛さを知っているものたちは、メアリーの
生前のことを残しておくために、「アヴォンリー新聞」
追悼記事を書くことにする。

またセバスチャン自身はトリニダードに居る母親を呼び寄せる
感じだ。

そして何よりも新聞を通して住民の中にはセバスチャンの存在
を改めて受け入れる姿が有ったのではないか。
もっとも特権意識の強いバリー家の夫婦は、メアリーに対して
冷たい態度を取ったことによって後味が悪い。
そこで夫・ウィリアムが行う貿易業に於いて輸出品目に
セバスチャンたちが作るリンゴを加えることにする。

・恋愛のベクトル

現在のところ、

アン <-> ギルバート
ティリー <-> ポール1(眉毛)、2(太)
ジョーシー <-> ビリー
ダイアナ <-> ジェリー
チャーリー -> アン

■イベント

今週は降霊会のようなスコットランドの風習である
『ベルテーン祝祭』を行うことになる。
少女たちが集まり火の周りを囲んで誓いを立てていた。
最後に思いを込めて火の中に何かを投げ込んでいましたね。

「ベルテーンの女神・聖なる母・五月の女王・森に住まう
お方、愛と命の守護者よ。どうぞお聞き下さい。私たち女性は
気高く強い存在としてこの神聖な夜に誓いを立てます。」

「自分の肉体は自分だけのものと見なします」(Tillie)
「誰を愛し信じるかは自分で決めます」(Diana)
「姿勢を正し、敬意をもって大地を歩みます」(Josie)
「自分の優れた知性に自信を持ちます」(Jane)
「豊かな感情を誇りにし心を羽ばたかせます」(Ruby)
「私たちを見下す男は断固拒絶します」
「私たちは無敵、想像力は夢幻です」(Anne)
「共に歩み私たちを祝福して下さい」

また品評会が近々あるようで、その時に披露される
バーンダンスを学ぶことになる。
男女が接近する踊り故に位置取りは重要な要素だ。
諦めたかと思ったけれど、ステイシー先生の元にはレイチェル
の息子であるケイレブまでやってきた。

■その他

・カウントダウン

ダイアナとアンが分かれるまでのカウントダウンが始まって
いる。124日目には互いが持つペンダントを分かれ道で
見せ合い「心の通じ合う友」と語り会うが、122日の時には
それぞれ別の相手と居た。

・スコットランドの風習

ダイアナはジェリーから”フランケンシュタイン”の本を借りる
が、アンはダイアナから”スコットランドの風習”という本を
借りる。親がスコットランドから来た移民だったからで、
アイデンティティの旅に出る為には必要な過程だ。

・バンジョーを弾くムーディ

・メアリー・ラクロワ

1865年の冬に生まれ、1899年4月6日に他界する。

・馬のベルが母になる

■使用された曲

・Ahead by a Century by Tragically Hip

■出演者

アン・シャーリー (Amybeth McNulty) 13歳、孤児
マリラ・カスバート (Geraldine James) 妹
マシュー・カスバート (R.H. Thomson) 兄、牧場主
ダイアナ・バリー (Dalila Bela) アンの親友
レイチェル・リンド (Corrine Koslo) カスバート家のお隣
ジェリー・ベイナード (Aymeric Jett Montaz) カスバート家の農場のお手伝い

ミュリエル・ステイシー (Joanna Douglas) 教師
ギルバート・ブライス (Lucas Jade Zumann) 生徒・イケメン

セバスチャン・ラクロワ (Dalmar Abuzeid) “バッシュ”トリニダード出身
Mr.ウィリアム・バリー (Jonathan Holmes) 地元の金持ち
Mrs.エリザ・バリー (Helen Johns) アンの見極め
トーマス・リンド (Philip Williams) マリラの友人・隣人

ジョーシー・パイ (Miranda McKeon) 生徒
ルビー・ギリス (Kyla Matthews) アンの友達
ティリー・バルター (Glenna Walters) 生徒・太い
ジェーン・アンドリュース (Lia Pappas-Kemps) アンの友達
ビリー・アンドリュース (Christian Martyn) 生徒、意地悪
プリシー・アンドリュース (Ella Jonas Farlinger) 生徒
ムーディ・スパージョン (Jacob Ursomarzo) 太った生徒
チャーリー・スローン (Jacob Horsley) 少し天然パーマの生徒
ミニー・メイ・バリー (Ryan Kiera Armstrong) 次女
ポール・M (Kyle Meagher) ビリーの友達
ポール・L (Daimen Landori-Hoffma) ビリーの友達
ケイレブ・リンド (Kevin Forster) ケイレブの息子

アルク (Brandon Oakes) 父
カクウェット (Kiawentiio) 娘
Oqwatnuk (Dana Solomon) アルクのパートナー
デルフィーヌ () セバスチャンとメアリーの娘
(Alora Maracle-Asham) Mimikej
(Michael Podemski) Kitpu
(Katherine Sorbey) 医療師

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