アンと言う名の少女3 ANNE 第7話 正義を信じる行い

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アンと言う名の少女3
(Anne aka ANNE WITH AN”E”)
Marvin Moore (c) 2017 Northwood Anne Inc.

https://www.nhk.jp/p/anne3/ts/L532PR48ZY/

脚本/Kathryn Borel
監督/Paul Fox

第7話 正義を信じる行い
A Strong Effort of the Spirit of Good

【ストーリー】

時は19世紀後半のカナダ、プリンス・エドワード島
アヴォンリーの村。アン16歳

●教会

まだ薄暗い朝の4時。
アンは片手にランプ、片手にはアヴォンリー新聞を手にして
急いで走る。教会の入り口に出来上がったばかりの新聞を
置いて行く。

●カスバート家

静かに部屋に戻ろうとするが、マリラには見付かってしまう。
一体何処に行っていたのか。
新聞を教会が始まる時間に間に合わせる為に行ってきたとし
品評会の話題の他にも載せなければいけない事が有って
みんな追加の作業をしていたのだという。私たちは情報を地域
に行き渡らせる責任があると。
マリラは今後は昼までには終わらせてというか、夕べから
ずっと起きたままでしょと告げる。そして教会には行かずに
寝ていること。病気になったら困るから。
アンはマリラに対して決して冒険をしたかったからではない
とし、必要だったのだとして信じて欲しいと語る。

アンはベッドに行くと服を着たまま寝てしまう。

●教会

町の人たちが少しずつ集まってくる。
みんなが入り口に置かれているアヴォンリー新聞に気がついて
一部ずつ持っていく。
見出しを見ると、そこにはアンが執筆した論説
「公平な社会とは?」の見出し。

席に着くとエリザはマリラに声をかける。
今朝の新聞はアンの意見が丸一ページ載っていると指摘する
と、マリラはアンは文章を書くのが得意である事を告げる。

ウィリアムはマシューのへんてこなラディッシュの事も書いて
あるとして指摘。
ダイアンはマリラに対してアンはどうして来ないのか?と問う
と、まだ寝ていると告げる。寧ろダイアナこそよく来られた
わねというと、あなたも新聞作りで徹夜をしてくたくたな
なのではないかと告げる。アンはみんなよりやることが多かっ
たこと。普段から熱心である事を告げる。

しかし周りでは徐々に新聞を見る目に微笑みを失い顔が強ば
っていく。
パイ父は新聞を借りて見る。

ステイシーはギルバートに対して何の騒ぎなのかを尋ねる。

新聞には
「体の不可侵性(disrespect of Women’s Bodily Autnomy)」
「愚かな古いルール(Stupid , Archaic Rules)」
「抵抗(Rebellion)」
「女は男に補完されない生まれながらの完全(Women are not
made whole by men .Women are made whole the moment
they enter this world)」

レイチェルはマリラにぎゅっと睨む。
ジョーシーは涙して外に飛び出していく。
パイ母は追いかける。パイ父はビリーの父・ハビエルに視線
を向けてから出て行く。
ステイシーはギルバートに対して、
「どうして止めてくれなかったのか・・赤毛の革命家を」
と語るが、彼は知らなかったのだという。
ハーモンはたかが学校新聞なのにまるで政治家の演説だと
批難する。そこに牧師は騒ぎを収めるためにこちらに集中する
よう告げる。

●パイ家

どうしてあんな記事が掲載されるのか。娘のジョーシーに
対して言いふらしたのか?と問う。それを否定する娘だが、

「嘘をつくな。女は何でも喋る」という。

どうやって騒ぎを収めるかをハーモンと話してくるという父。
こんなくだらない事でお前とビリーが破談になったら困ると
いう。涙するジョーシーを母は抱き寄せて慰める。
その母親は娘に対して、

「あなたの過ちは幸いするかも知れない。」
「何が有ったかはどうでも良い。どんな手を使ってもビリー
を取り戻す」

まだと告げる。
しかしジョーシーは彼は悪い人だというと、母は人柄なんて
こうなったら関係がないという。言うのは辛いことだが現実
は厳しいもの。あなたがこの状況を招いたのだという。
あなたの責任でありもう噂が広まっていること。女性が一度
噂になったら選択肢は無くなる。
しかしジョーシーは「彼が無理ヤリに触った」のだとして涙する。
「でも傷物にならなくて良かった」という母。

●カスバート家

マリラは帰宅するとマシューに新聞のことを語る。
更にマリラは部屋に居るアンの元にいく。

「あの記事のことを説明して!」

アンは宣言というべくもので事実を書いたのだという。
しかしマリラはああいう事は新聞に書いて広めるものでは
ないという。アンはそれでも新聞は事実を津たる為にあると
いう。
あれは意見ではなく事実。

「女性の多くは結婚するとなったら高値をつけた男に買われ
る。それはまるで牛や土地みたいに・・」
「女性は意見を述べてはいけないのか?」

マリラは例外なのか?かつてマシューが相談なくグリーンゲイ
ブルズを抵当に入れた際に怒っていたこと。

しかしマリラは恥を知りなさいというと、辛い思いでを引き
合いに出して喧嘩をふっかけるなんて・・ジョーシーは
傷つけたのだというと、アンは名前は出さずに女性全般に
ついて書いたのだという。マリラはそれでも誰のことを書いた
のかは明らかでジョーシーは泣きながら教会をかけだして
行ったのだという

■感想

アニメ版では言及されない分野にまで及んだシナリオ。

そもそも性の事がアニメ版では描かれることは無さそう
だしね。

男尊女卑、階級制度、人種差別・・・古い仕来り。
それらが無くなり平等で公平な社会・・誰もが意見し
発言する権利を有する世界。

それはまさに理想ではあるが、時代からすればそれも
また近くて遠いような世界にも思える。このドラマの
中の時代は1900年を目の前にしているような時だけど
今の時代2020年代でもそんな制度や視線はまるで無くな
ってはいないからだ。

このプリンスエドワード島も普段は男女で役割分担が
成されて上手く機能していると思うが、それでも今回の
エピソードの中では大きく問題点を抽出した格好だったし、
奴隷制度ほど酷いものではないと思うが、人種による
偏見・差別は幅を利かせるし、欧州から持ち込まれたで
あろう階級制度はまるで金のあるもの程に力を持って
いて上級社会育ちという扱いである。

16歳のアンがアヴォンリー新聞を通して、それら
の問題に切り込みを入れた。
問題そのものが何かを理解していなかった人にとっては
問題意識を植え付けた格好で、特に自分の意思を持たず、
過去からの習慣だというだけで無条件に受け入れていた
ものにとっては、その言葉によって気がつくことが多い
ハズだ。
しかしその不公平な利益を得ているものにとっては、そう
簡単に利益を手放すハズもない。見て見ぬ振りをするかも
知れないし、力でねじ伏せてしまうことだってあるだろう。

ただ言論に自由があったとしても、何を書いても良いという
ものではない。先生も語っているが、責任の所在をはっ
きりさせなければならず、関係者の了解とか話し合いは
十分に行われなければ後々難しい事になる。
人間の感情はとても制御が難しく、時に冷静さを失わせる。
アンの感情的で突発的な行動によって、風穴こそ開けら
れたが、結果としては個を犠牲にし、全体を良くしようと
するような格好となった。。

今回のドラマのテーマをつけるなら・・・

「人の話は最後まで聞け!」

話の腰を折る人が多いこと。
これは学生同士の議論でも起きたことだし、そもそも長老
たちは話を聞こうともしない。親は子供の気持ちを聞こう
としないし、自分たちの主張を一方的に知らしめようと
する流れが実に多かった。

そもそもアンが書いたのは「公平な社会とは?」という
ものであり、ステイシー先生もまた一石を投じるような
良い論説である事を述べる。しかしここは大都市とは
違ってコミュニティは小さく、新しい価値観はなかなか
浸透していかないところがありそうだ。

■色々と存在する問題

・無難な話題しか書けない新聞

学校評議会なる町の長老らは話題にしても良い
リストとして提供する。

・天気
・男性用帽子
・農場について(ただし畜産業には決して言及しない)

そんなの見て楽しいのか?

・男尊女卑

娘の幸せを願うためとはいえ、ジョーシーの両親は
ビリーとの関係を成就させようとして必死だ。
娘の気持ちを考えることがなく、結婚への道を推し進め
ようとする。

実はカスバート家でも男尊女卑の思想は存在する。
アンが初めて来た時に、マリラはアンが女性だと知って
なんと言っただろうか。失望し、農作業を手伝う人材が
欲しいが為に男性の子を養子として迎えようとした結果
一度は追い出そうとしたのだ。

アンドリュース家では株式運用を男性だけが行っている。
先物取引に手を出しても大丈夫なのかはともかく、
ビリーには経済感覚が欠けているので、プリシーが
協力して運営したいという気持ちも分かる。しかし父親
はそれを許さなかった。

・差別意識

元々は原住民が先にこの土地に居たのでは無かったのか。

得たい知れないものを人は怪物のように扱い、有りもし
ないことをさも経験したかのように語り出す。

「フランケンシュタイン」に関して、怪物なのは博士
なのか、それとも博士が作ったフランケンなのかという
議論になるかと思えば、ジェリーとダイアナの間で
溝が出来る。

・名誉毀損と挑発

アンが書いた記事に関連し、あの記事が名誉毀損にあたる
ものかということになる。
挑発的なもの言いで書いた様で、その辺は論説とはいえ
アン側の落ち度でないか。

・親友の掟、ダイアナとアンの喧嘩

親友なら秘密にせずに何でも話し合うというのが暗黙の了解の
ように語られるアメリカンドラマは多い。特に女性の場合。
差別意識の項でも書いた様に、ジェリーとダイアナの間
では決定的な違いが有る。
ジェリーは女性の気持ちが分からず、ダイアナがキスを
求めてくることに関連しアンに相談したことによって
二人が付き合っていることが判明してしまった。

価値観の違い。
「キス」に関すること。
ダイアナはキスは一大事だと最初は思って居たが、意外
と挨拶的な感覚になっている。
そして二人がそういう関係になったのが何週間も前からの
こと。
ダイアナが秘密にしていたことや、その考え方はアン
には理解出来ない。

謡の知れない「フランケンシュタイン」の物語はこういう
ところでボディブローのように利いてくる。

「あなたは何者?」
「私は私よ」
「気持ちを傷つけずにパリに行く時自然に別れようと
思って居る」
「私もそういう扱いね。つなぎの友達だった」

二人が親友の証として持っていたネックレス/ペンダント
を投げていくダイアナ。

■アンに対する是非

アンが書いた記事が問題になり、学校新聞も学校評議会
から目を付けられた。そしてアンを記者から外す事が
条件で継続する事が出来るようになる。
それに対して生徒たちの間で面白いやりとりが行われた。

アンに対する否定派が大勢を占めていた。

「アンが今ここにいればこう言うよ。「想像の翼を
広げて!」」
(ムーディ)

「放っておけばいいのなアンが余計なことをした」
(ティリー)

・アンの主張

「女性は独立した人間で男性の付属品では無い」
「女性の体は本人のみに属し、他人が勝手に触れる
べきものではない。女性に拒絶されても無理強いする
男性は女性が何を求めているか女性本人より分かった
気で居る」
「女性は男性と対にならなくてもこの世に生まれた
時から完成している」

■気がつかされる

ジョーシーとアンは常に反対側の人間だった。
ジョーシーはアンが書いた記事について、彼女が会いに
いった最初の時にはビンタして話を聞かなかった。

上でも書いたけど「人の話は最後まで聞け!」である。
暴力で無条件行動を封じる行為は、ビリーがジョーシー
にしたような行為の様でもあるし難しい。

ただビリーがジョーシーに謝罪にいった際には、彼は
本当にジョーシーの事が好きなようには見えた。

二度目にアンが謝罪にいった際には、ジョーシーも
また冷静になって話を聞いていた。

「私は私。」
「今は愛されているけど愛されてなかった頃も価値が
無かった訳では無い。価値を決めるのは自分だけで他
の誰でも無い」

・アンの行動 Part.II

みんなでペンキで気にメッセージを書いて公会堂まで
行進する。

言論の自由は人権である。
「Freedom of Speech is a Human Right」

時に生徒であっても先生よりも良いアイデアを出すことは
有る。それが若さ故の行動力というところだろうか。
ステイシー先生は多少なりとも保守的にならざるを得ない
が、元々大陸から来た際には、少なくとも”変わった人”
扱いであった。彼女こそ改革する為の行動を起こすかと
思って居たけどね。

■その他

・物語クラブ(STORY CLUB)

1896年から1898年。
真実と共に眠る。(WRIT = we rest in Truth)

■使用された曲

・Ahead by a Century by Tragically Hip

■出演者

アン・シャーリー (Amybeth McNulty) 13歳、孤児
マリラ・カスバート (Geraldine James) 妹
マシュー・カスバート (R.H. Thomson) 兄、牧場主
ダイアナ・バリー (Dalila Bela) アンの親友
レイチェル・リンド (Corrine Koslo) カスバート家のお隣
ジェリー・ベイナード (Aymeric Jett Montaz) カスバート家の農場のお手伝い

ミュリエル・ステイシー (Joanna Douglas) 教師
ギルバート・ブライス (Lucas Jade Zumann) 生徒・イケメン

セバスチャン・ラクロワ (Dalmar Abuzeid) “バッシュ”トリニダード出身
Mr.ウィリアム・バリー (Jonathan Holmes) 地元の金持ち
Mrs.エリザ・バリー (Helen Johns) アンの見極め
トーマス・リンド (Philip Williams) マリラの友人・隣人

Mrs.アンドリュース(Janet Porter) 母
ハーモン・アンドリュース (David Ingram) 父
Mrs.パイ (Trenna Keating) ジョーシーの母
Mr.パイ (Amos Crawley) 父

ジョーシー・パイ (Miranda McKeon) 生徒
ルビー・ギリス (Kyla Matthews) アンの友達
ティリー・バルター (Glenna Walters) 生徒・太い
ジェーン・アンドリュース (Lia Pappas-Kemps) アンの友達
ビリー・アンドリュース (Christian Martyn) 生徒、意地悪
プリシー・アンドリュース (Ella Jonas Farlinger) 生徒
ムーディ・スパージョン (Jacob Ursomarzo) 太った生徒
チャーリー・スローン (Jacob Horsley) 少し天然パーマの生徒
ミニー・メイ・バリー (Ryan Kiera Armstrong) 次女
ポール・M (Kyle Meagher) ビリーの友達
ポール・L (Daimen Landori-Hoffma) ビリーの友達

(Frank Moor) 偏屈者・学校評議会、最後にタバコを・・
(Andrew Gillies) 偏屈者・学校評議会
(John Blackwood) 偏屈者・学校評議会
(Jenna Shamata) パイ家のメイド
(Brian Tree) 牧師

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