第9話 分身 Disciple
脚本／David Amann
監督／Rob Bowman
【ストーリー】
夜の埠頭で警備員は寒く白い息を吐きながら見回りしていた。
ホームレスに対してここは立ち入り禁止だと追い払う。
更に立ち入り禁止の場所に突っ立っている女性がいる為に
警備員は女性に注意すると彼女は首を吊って死んでいた。
リックはケイトに対して新婚旅行に何処に行くかを尋ねる。
ケイトは旅行よりも結婚式の日取りを決めたいとするが、
リックは彼女にまだ休暇が決まっていないだろうとし、旅行
が決まれば日取りも決めやすくなると語る。
何処に行きたいと思うか?とリックに尋ねるケイト。
モンスーンのタイと冬のニュージーランドには行かない方が
良いなとし、行きたい所のベストシーズンに合わせて旅行の
日程を決めたいという。ケイトはまさか新婚旅行を口実に
“中つ国”へ行く気じゃないでしょうねとし、ロマンチック
じゃなければ嫌だという。ホビットごっこなんて意味がない
という。それならお互い初めての場所がいいのではないかと
言うとケイトも同調してくれる。バルセロナは?・・メレディス
と行った。ガラパゴスは?・・ジーナと行った・・あちこち
回ったからなと。スイスアルプスは?感動するというが行った
事を告げると”ウソー”とケイトは叫ぶ。冬になるとメレディス
が・・と。だったら前の奥さんたちと行っていない所のリスト
を作ってよと語る。
・現場へ
アルバニアとフィンランド?行ってないのはそこだけなのか?
ケイトはリックに居場所は決めてと語ると、彼はやっぱり
先に結婚式の日取りを決めようかと語る。
ケイトはライアンに声を掛けると、ラニがどうかしたのか?
と問う。動揺しているようだというと、被害者はあそこの梁に
吊されていて名前はパム・ホッジス(32歳)(Tamala Jones/2役)
。問題は被害者の顔だというライアン。それを見るとなんと
ラニそっくり。リックはラニの姉妹なのかと尋ねる。ラニに
姉妹はいないとしてケイトは血縁者なのかと問う。ラニは
どちらも否定すると、自分のそっくりさんが何処かにいると
言われているがホントにいるのねと。
死亡推定時刻は午前2時から4時。首の骨が折れていない
が足が地面から浮いているのでワイヤーによる窒息死だろう
と。ライアンは釣り用の何処にでも売っているワイヤーだ
という。女性が波止場に居るように見せかけていたこと。
遺体の見え方に拘っているなんて犯人には自信と余裕が感じ
られるというケイト。前にもやったことがあるのだろうと
リック。ケイトはFBIに連絡して似た様な事件が無いかを
調べてもらってと語る。被害者を発見直前に警備員が
ホームレスを追い払ったので探しているというライアン。
被害者はフロリダ出身でマトモな暮らしはしていなかった
とし、客引きで何度か逮捕されているという。1年前の写真
を見せると今とは全然違うというエスポ。
何故ニューヨークに出て来たのか?とケイトは尋ねる。
それは分からないが7ヶ月前に来て免許証の住所はブルック
リンになっていること。住所を確認し親族を調べてと語る。
パムには伯父にカルバン(Shashawnee Hall)が居た。
署に来てもらい話を聞くと、確かに私の姪だという。こっち
に来て数週間ウチに済んでいたという。何故ニューヨークに
来たのかと問うとやり直したいとし、仕事の打診が有った
ようだと。最初はまた売春かと勘ぐったこと。何度も期待を
裏切られているのだというカルバン。しかし今度は違って
本当にまともな仕事だったようだという。数ヶ月前に食事を
したときには見違える程に綺麗になり幸せそうだったという。
新しい仕事は私にはピッタリだと言っていたが合法なものと
しか知らないという。面倒をみてもらっているとしていたとし
家を出た後はウエストハイウェイの近くにあるマンションで
タクシーを降りていたとのこと。パムは本当に大きな一歩を
踏み出したと思いガンバレと応援したとのこと。
・パムのマンション
リックは大きな一歩どころか特大の飛躍だなと。
売春婦出身で何をしたらこんな家に住めるようになるのか?と
ケイト。管理人のグラハム(Jesse Henecke)に対してこれまで
尋ねて来た人はと尋ねると、ここで売春などあり得ないと語る。
家賃は誰が払っていたのかと問うと、このマンションはプライ
バシーを守ることで高い評価を得ているという。殺人捜査に
プライバシーはないというケイト。分からないならすぐに調
べてと語るケイト。そんな怒る姿を見てリックはそういう姿の
君も良いと語る。ケイトはコートは全部で2万ドル以上はすると
し高価な毛皮のコートだと。誰かの愛人だったのか。
通報せずにいるならそいつが犯人の可能性もあるというリック。
パムが愛人ならパトロンも来ているハズ。鑑識に調べてもらう
というケイトに対して、まずはこの部屋に置いてあるデジカメ
の中身を見てみないかと語る。
・NYPDラボ
トリー(Maya Stojan)によると観光で撮るような写真ばかり
だとし愛人らしい写真はないという。背景に写る人がまた
出るのかも知れないのでよく調べてと頼む。現在写真だけが
頼みの綱だという。
家賃はグレッグズ・ベーカーという企業が払っていたが
ベリーズに拠点を置くダミー会社で追跡出来ないようになっ
ているというケイト。通話記録とかカード履歴は?とリック。
携帯は使っていないしカード履歴は選球額が凄いが、服や靴
や美容院への支払いばかりでそれも毎月全てをダミー会社が
払っているという。指紋は彼女のだけしか出なかったとし誰か
天才的に痕跡を消して居るという。ラニはケイトに電話する
と今すぐ一人で来てと言われる。
ラニはパムの遺体を見たが私みたいに幅広の顔にする為に
頬にインプラントを入れていたという。髪のスタイリング剤
や口紅、マニキュアも全部私が使っているものと同じだとい
う。ケイトは偶然ではないかとすると、体に掘っている
内力(内なる強さ)という漢字のタトゥーを見せる。ケイトは
見た事があるとすると私にも同じタトゥーが全く同じ場所に
あるのだというラニ。これは偶然ではなく意図的に私に似せた
ものだというラニ。
■事件
埠頭で女性の首つりの遺体が発見される。検死官のラニの様子
がおかしい事に気がついたケイトはどういうことか尋ねると
遺体を見てそれがハッキリと分かる。なんとラニとは瓜二つ
のソックリさんで、リックはラニに双子でも居るのかと問う
程だった。被害者はパム・ホッジス(32歳)という女性で
ニューヨークに来る前はフロリダで売春をしていた。更に一年
前の写真とは明らかに違って居て整形していたであろうことも
判明する。豪華な暮らしをしていたことに驚くが、更に驚く
ことに調べてラニと同じ化粧品やインプラント、そしてタト
ゥーの模様や場所まで同じである事を知る。ラニは不気味に
感じる中、更に事件に関係していると思われるダニエル・
サントスの遺体が船上で発見されると何とエスポジートと
ソックリな人物だということが判明する。
■感想
再びドラマのカンフル剤のようにして3XK事件を取り上げる
内容だった。
ここの所、アレクシスが大学生になったからか家族との絡み
が少なくなってやや妙味が薄れてきたかな。このドラマも
私生活と刑事ドラマが上手く絡まってこその楽しさだと
思うんだけどね。だから家族ネタがある回は楽しいけれど、
ネタが奇抜な所にいくと楽しく感じない。
リックはケイトと結ばれたい気持ちは有れど、結婚式だけは
行いたくないのだろうか?結婚式の話になると必ず言い訳を
つけては回避しようとしているような印象ばかり感じる。
もう過去に何度も結婚しているから、今更結婚式なんてと
思っているのかも知れないけど、ケイトにとっては初めての
結婚なんだし、もう少し彼女の気持ちを考えても良さそうな
ものだよな。
ラニのそっくりさんに始まりエスポのそっくりさんまで出て
くる。一人二役だったけど、まぁ共に死体役だったし。
3XKは「BONES」で言うところのペラントとか「Major Crimes」
で言うところのフィリップ・ストローみたいに感じだね。
・3XKことジェリー・タイソン
今回クレジットはされていなかったけど、彼による犯行では
ないかとされる。キャッスルでは4度登場していて
3-6、S5-5、残りの登場はシーズン7で2度ほどクレジット
されている。演じているのはMichael Mosley。
S3-6では娘に近づいたタイソンに捕まったリックは彼から、
「お前は死に取り憑かれている。抑圧された衝動があるので
はないか?どれだけ死に近づきたいのか?」と問われていた。
S5-5で橋の上でカーチェイスの末、ケイトが撃ち殺したかに
思われたけど、逆に反撃される。ケイトの銃がタイソンに
よって吹き飛ばされる中、車の中にいたリックが発砲して
河の下に落下させた。しかしリック自身このエピソードでは
3XKは死を偽装して警察が追わなくなるようにしただけで、
また殺しを始めることを述べていた。遺体は勿論出てこなか
った。
■捜査
被害者は何故ラニとエスポの顔を真似ていたのか。
冒頭からの捜査では被害者のパトロン探しをしていて、誰が
金を捻出しているのかを調べていくことになる。
デジカメの写真から特定しようとしたりしていた。
タトゥーの位置まで真似ていることにライアンが珍しく
ヒッチコックの「めまい」みたいだと語るも、自分にはこの
状況を見れば映画「ルームメイト」のブリジット・フォンダ
とジャニファー・ジェイソン・リーみたいに感じるな。
頬のインプラントから美容整形外科のケリー・ニーマンが
浮上。
何よりもラニがタトゥーを入れたのが3ヶ月前で誰にも見せて
いない。3XKがシーズン3のアレクシスに隠れファンとして
手紙を出した際に、詩的な内容で語る際に、何処で見ていた
人物なのかということを特定したことが有ったな。
エスポに似た遺体が出た際には、言語セラピストのフラーに
対して録音されたデータを残している。それはエスポが
密着取材を受けた時の映像で、まさに3XKだとリックが感じて
いくのも分かる気はする。
■ダミー会社・謎のパトロン
金を支払っているのはグレッグスベイカー社のもの。
復元した画像データから特定しようとして色々と動き回って
いるが実際には全ては誘導させる為の罠だった。
エスポのソックリさんのサントスと同じ店でラテを買っている
人物がいることが分かり、ドアマンから尋ねるとフラー医師
だった。
・エスポとラニのそっくりさん
二人はストリッパーやら売春婦をしていたことが判明。
サントスの住民・テレサ(Marta Cross)によると、リムジンが
迎えに来た事。プレート周りが青いネオンだったということ
から、ブルームーンリムジンだと考える。そしてその責任者
から連れて行ったのはニーマン医師の元だと語る。
二人が成りすましたのは、全ては3XKに関係している警察署
内の自分の資料や刑務所での資料、検視報告書などの痕跡を
消すためになりすまし犯になっていたことが判明する。
ただし勿論それをやらせた人物が居て金を支払っている元凶
が居るのは間違い無い。
■捜査2
リックはどの時点で3XKを意識したのかな。
俺の意見を言っても良いか?とする中で、ニーマン医師は犯人
ではないことを語っていた。
ケイトは彼女にあしらわれた態度から見ても絶対に犯人だと
思う。リックが彼女の話の方を信じたことにちょっぴり
ケイトとしては怪訝そうな感じだけど、今の所現実味がある
のは彼女の方でリムジンを読んで彼女の元に送り届ければ
確実にバレるというもの。犯人は常に一枚上手を行っている
のにこんなイージーなミスはしないと考えて居るようだ。
・マシューズ容疑者
冒頭で遺体を発見したのがマシューズ。
演じているWilliam Mapotherは「LOST」でDr.イーサン・ロム
役を演じていてかなりきな臭いことは確か。
ただリックとケイトの取り調べに於いて、詳細は知っているが
肝心のところでミスを犯した。
その為主犯ではないことが判明する。
■結論
3XKがまだ生きて居て、そしてニーマン医師が関与していること
も明らかだが、警察は一度3XKを被疑者死亡で公表している
のでゲイツとしても容易には発表出来ず、証拠が絶対的に必要
である事を告げる。
ケリーから改めて話を聞こうとするが、既にオフィスは片付け
られていてメモとペンが残されていた。
「次は頑張って」と。またペンはUSBとなっていて音楽が
入っていた。Vera Lynnが歌う「We’ll Meet Again」の曲が
流れてきた。彼は伝説を残したいのか?
■使用された曲
・Castle Theme
・We’ll Meet Again by Vera Lynn
■出演者
リチャード（リック）・キャッスル (Nathan Fillion) 作家
キャサリン(ケイト)・ベケット (Stana Katic) NY市警12分署殺
人
マーサ・ロジャーズ (Susan Sullivan) キャッスルの母親。女優
アレクシス・キャッスル (Molly C. Quinn) キャッスルの一人娘
ハヴィエル・エスポジート (Jon Huertas) ベケットのチーム
ケヴィン・ライアン (Seamus Dever) ベケットのチーム
ラニ・パリッシュ (Tamala Jones) 検視官
ヴィクトリア・ゲイツ (Penny Johnson Jerald) 主任・警部
トリー・エリス (Maya Stojan) NYPD行動科学分析官
カルバン・ホッジス …… パムの伯父、ブルックリン
Dr,ケリー・ニーマン …… 整形外科医
カール・マシューズ …… 警備員
Dr.イアン・フラー …… 言語セラピスト、訛り矯正
テレサ …… サントスを知る女性
…… 3XKの事件ファイル管理
Mr.グラハム …… 高級アパートの管理人
ブライス …… ニーマンクリニック医師
ダニエル・サントス …… エスポとソックリ、ジョージア出身
パム・ホッジス …… 2歳、ラニとソックリ、フロリタ出身
ルーディー・ホリングス …… 船の持ち主、ウィンドワード・コーブにて
ジェリー・タイソン …… 3XK、橋から落下して死亡??