第4話 不吉な知らせ Episode #2.4
監督/Brian Kelly 脚本/Julian Fellowes
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第一次世界大戦が勃発。
マシューはラビニアと婚約したとしてクローリー家に紹介する。
伯爵家の屋敷はイザベラの提案で負傷兵の療養所になる。
オブライエンの根回しによって療養所の責任者は元下僕の
トーマスが担当することになり、カーソンをコキ使ってやると
呟く。アンナはパブで働いているベイツを見つける。
一方戦地に赴くというウィリアムからのプロポーズをデイジー
は断れずにいた。メアリーに近づくメディア王のリチャードと
ラビニアの関係を不審に思った叔母のロザムンドはメアリーに
対して悪女からマシューを救えるのはメアリーだけだとして
マシューにラビニアの正体を話すべきだと言われる。しかし
それを暴露しようとした矢先にメアリーはラビニアから父が
リチャードから金を借りていた為に関係が有っただけで、それ
以外の繋がりはないと言われる。そんな誠実な彼女のことを
メアリーは邪魔することは出来ず結婚を後押しすることになる。
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1918年。
ダウントンアビーでは相変わらず負傷兵で溢れ、従者の少ない
城では誰もが忙しく働いていた。メアリーは妹・イーディス
から将校達の為にコンサートを企画したので参加して欲しいと
いう。メアリーは嫌がるがコーラは兵士の士気を高めるのも
治療には必要だという。仕方なく一曲だけだとして歌を披露
することにする。
一方イザベルが城にやってくると、予定時間とは違って既に
クラークソン医師は回診をしていて、シーツの台帳なども
処理されていた。更にパットモアからメニューを見せてもらおう
とするが、全てをコーラが決定していることを知る。
イーディスは負傷兵たちに送られてきた手紙を配っていた。
エセルとブライアントが仕事もせずイチャついているのを見て
憤怒する。ブライアントは自分が誘ったので彼女は悪くないと
語る。
バイオレットはメアリーに逢うとラビニアの件を聞かれる。
リチャードとラビニアは付き合っている事実はなかったことを
告げ、彼女の父がリチャードから金を借りていたことを語る。
バイオレットはあなたの婚約者は金を貸してそれをタネに人を
脅すような人物だとすると、メアリーは新聞業界は厳しいの
だとし、今のリチャードには権力も金も有って、自分の屋敷
を買うことも告げているのだという。戦争が終わった後に
土地を買い占めるつもりなのだろうとするが、そんな彼のこと
をバイオレットは「没落した貴族の墓の上で踊るつもりなのか」
と皮肉る。メアリーは必ず生き残るとするが、バイオレットは
貴方にはマシューがいるのだと語る。しかしメアリーには
既に彼とは終わったことなのだという。バイオレットは三女シビル
のことをメアリーに尋ねる。普通あの年ならば恋愛で花を咲かせて
いるようなものなのに浮ついた噂が一切ないのである。人には
言えない相手と密会していたりしないのかと問うと、戦争では
あらゆる垣根を取り払うものだという。気づけば間違った立場
の側にいることだって考えられるのだという。
イザベルは昼食の時間も変更されていることに激怒。
コーラが時間が早いとして12時半から1時に変更したのだという。
看護師のシフトも移動させたとヒューズから聞いて益々イザベル
は激怒。厨房のスタッフも一波乱有りそうだと呟く。
イザベルはコーラの元にいく。
私がこれまで作成した時間割を無視するとはどういうことなのか
と問い、仕事をしたこともないあなたを責めること自体馬鹿げて
いるがあなたは世界を操る権利があると思っているとして非難する。
しかしコーラはこの城は私の家だとし、対等に発言する権利は
有ると語る。私が必要ないのであればここから出て行くとイザベル
は告げると、いい考えだと語るコーラ。言った手前後には引けなく
なったイザベラ。
シビルは運転手のブランソンの元にいくと、抗議活動はこれ以上
しないとカーソンに約束したのを知る。自由の為に戦わないつもり
なのかというシビル。ダブリンのイースター蜂起にも参加して
いないことを責める。しかしアイルランドの本当の戦いはこれから
だとし、ここに残るのは全ては君のためだという。「一緒に駆け落ち
してくれるまでここにいる」というブランソンの言葉。
そんな会話をメアリーは一部聞いていた。その会話を遮るように
してメアリーは三時にリボンにいくのでブランソンに車を出すよう
頼む。
イザベルはクラークソンにコーラの行動にクレームをつける。
医療資格のないものが勝手なことをしているということ。
しかしクラークソン少佐/医師はここは療養所なので資格は必要が
ないのだとし、美味しい食事と清潔なシーツさえあれば良いところ
なのだという。それを聞いたイザベルはここにはもうすべき仕事
はないと考え、従姉妹からパリには行方不明調査局が有り手紙を
もらった事を告げ、北フランスに新しい施設が出来たのでそこに
いく事を告げる。誰かの役に立ちたいだけなんだと語ると、
クラークソンも寂しくなることを告げる。
メアリーはイーディスのピアノの伴奏の元、歌を歌う練習をする。
ロバートからはみんなの士気が高まることだとして評価される。
ロバートはメアリーにリチャードから手紙が届いた事を告げ、
その中にはプロポーズの件に言及されて居るという。ロバートに
許可を得ずにプロポーズしたことを謝罪するものだとすると、
メアリーはそれを受けるつもりである事を語る。しかしロバートは
動機が納得がいかないと告げるが、お父さんの時の結婚はどうだ
ったのかと言われ、私だって幸せにしてもらうのだと語る。
マシューのことはどうするのかと問われ、彼にはラビニアがいる
のだと語る。ロバートはせめてマシューに手紙でリチャードと
の関係を知らせるのが礼儀だと語る。
イザベルは自分の屋敷で世話をしてくれていたバードとモールズリー
に挨拶して出て行くことに。マシューが来たら美味しい物を
沢山食べさせてあげてほしいという。主人の居なくなったバードと
モールズリーは宙ぶらりんの状態だった。
メアリーはシビルがディナーに来ることを知り驚く中、先ほど
ブランソンとは何を話していたのかと問う。そもそも何故あんな
場所にいたのかと問うと、姉こそ何故いたのかと逆に質問される。
私は車の手配をしにいっただけで運転手と話す理由はそれだけ
だという。しかしシビルは彼の人間であり話くらいはするのだと
語る。メアリーは決してシビルの敵ではない事を告げ、なんでも
話すよう語る。
その頃戦地ではマシューの元にメアリーからの手紙が届いていた。
そこにはリチャードと婚約すること。帰国したらリチャードを
紹介すると書かれていた。マシューは元下僕のウィリアムと
行動を共にしていたが、マシューは手紙の件でむしゃくしゃしていた
為に見回りに行こうと告げる。メアリーは手紙ではなくもうすぐ
帰国するので直接話せば良いのではないかとするが、マシューは
ヨークシャーの澄んだ空気を吸ったらラビニアと共にロンドンに
いく事を告げる。
一方オブライエンとトーマスはトーマスの友達がベイツのことを
パブで見たということを裏口でタバコを吸いながら雑談していた。
そのことをデイジーが耳にしてしまう。アンナが知れば連れ戻そう
とするだろうという。変人ラングが消えて従者が居なくなったのに
何故戻らないのかというトーマスに対して、オブライエンは
「ラングさんの悪口は辞めて!」と語る。急に善人面するようになった
のか?とトーマスに突っ込まれる。
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1918年、第一次世界大戦に於ける事情は未だに好転の兆しがない
状況の中、ロバートはメアリーがリチャードからプロポーズ
され、本人もそれを受け入れる意向であることを知り、マシュー
との関係に後ろ髪を引かれながらも本人の意思を尊重しようと
考え、せめて礼儀としてマシューに手紙で知らせるべきだと
考える。
一方ハイクレア城では主導権争いと共に、それぞれの思惑の元で
少しずつ足並みのずれを感じ始める。
コーラはイザベルが我が物顔で城を療養所にしたことに憤りを
感じてその主導権を奪還すべく、彼女が計画した療養所のルール
を変更していってしまう。はじき出された格好のイザベルは
最早この場所では必要とされていないと考え、フランスの地へ
旅立つ決心をする。
第一次世界大戦の最後の年である1918年に突入。
大戦に於けるフランスの流れを見ると、最後にドイツがフランス
に攻勢をかけるも、アメリカ軍の参戦によって一気に形成が
逆転していくので、場所によっては終了時期に差はあるけど、
少しずつ状況は晴れていくのかな。
今回、それぞれのキャラクターの中に有る意識の改革が至るところ
で起きたところが象徴的だった。
なんと言ってもコーラが働き始めたこと。
デイジーとバードとパットモアとモールズリーで、国の為に
戦った兵士たちの為に無料奉仕で食糧配給を始めるところなど、
悪くなかったし、ラストでパットモアたちが食料を売っていると
ゲスな勘ぐりをしてコーラに「告げ口」するオブライエンが
最終的には恥をかくという流れとか面白かったね。
コーラは途中でマルドンへ行ってチャリティ活動に参加すること
を口にしていたので、こういう形でのチャリティも有りだと感じ
ていたのだろう。
戦争では・・・
ウィリアムがついに前線に来たかと思えばなんとマシューの下で
働く役所というのだから驚き。
マシューがメアリーからの手紙を受けたことでのショックからか、
見回りと称して出て行ったことで、その後の消息が不明になって
しまうというのだから展開としてはヒヤヒヤさせるものが有った。
しかしこういう流れにでもなると、今までなかなか表すことの
出来なかった愛情なり感情の行方というものがハッキリと現れて
きたりするんだよね。
驚くべきはウィリアムの消息に関してデイジーが気にしていたこと。
デイジーにはウィリアムへの思いがあるのか未だにどうか分からず
にいる中で、いざ彼が居なくなったと見るや複雑な思いを吐露して
いくところなど、彼女の心情を揺さぶる作りだった。
そして恋愛感情の問題といえば、ブランソンの好意に対して、
その気持ちに応えるだけの気持ちが自分にもあるのかどうかで思い
悩んでいるゾーイの姿が有る。ブランソンから駆け落ちの話を聞か
されて、今ある全ての生活を捨てて自由を得るという程に彼のことを
愛しているのかどうかが彼女自身にもよく分かっていない様で、
メアリーには無難な返事をしたものの、実際にはその芽は育って
いるような印象がある。ここに来て突然ゾーイの存在が不安定要素
として浮かび上がってきた感じだ。
メアリーがそんな二人の会話を聞いており、バイオレットはゾーイが
「不適切な友情」に関してディナーの席でゾーイに言及していた。
ゾーイは「告げ口」したのではないかと考えるが、ようやくメアリー
とイーディスが仲良くなり始めたかと思えば今度はここで姉妹
の葛藤が始まるのかと思わせた。しかしメアリーはゾーイに早まった
行動をしないことを約束させた。
イザベルが居なくなったことでそのしわ寄せを喰らったのは、
彼女に家で奉公しているバードとモールズリーだった。バードは
比較的落ち着いているけど、憎めないレベルのところで小狡いこと
を続けているモールズリーにとっては、この機会にベイツの座を
奪うべく、グランサム伯爵付きの従者になろうとして近づいていく。
カーソンに話すと歓迎する旨を言われるものの、結果としてベイツ
が戻ったことで、ベイツがまた悪意の無いところでシラっーと
「はい、ご苦労さん」とばかりにプレゼントしようとしていた
ゴマすり用の靴べらを受け取る辺りが小憎らしいところ(笑)
ある意味どうでも良い流れだけど、エセルがブライアントとの
関係を優先し仕事を疎かにする場面が目につき始める。
エセルは結果として、メアリーお嬢様状態(笑)
ブライアントとベッドで関係していたところにヒューズもよく
ズケズケと乗り込んで行ったなと思ったけど、首を言い渡されて
意外にもショックを受けて居た彼女。しかし首になって出て行く際に
なって妊娠が発覚していくところなど、運命は分からないもの
だな。
ブライアントはイベントの際にマジックか何かを披露していた
けど、ちょっぴりきな臭さを感じるのはチョビヒゲをしているから
なのか。ちゃんと認知していくのか。
エセルとトーマスとオブライエンの三人で会話するシーンが有った
けど、あの空間のモヤっとした感じがなんとも言えないところ(笑)
トーマスとオブライエンの密談の場にゾーイが訪れてベイツのことを
聞いてしまう流れも興味深かったし、その際トーマスがラングと
ベイツのことに言及した際に「ラングさんの悪口は辞めて!」と
語るオブライエンのシーンはなんとも言えないところが有った。
その後トーマスがゾーイに対して「告げ口」したなとばかりに睨み
付ける辺り、ヘビに睨まれたなんとか・・だった。
そして何よりもトーマスが流した情報からベイツの存在が改めて
注目され、ロバートの耳に届く。ロバートはアンナに話すと既に
そのことを知っており、彼はカービームアサイドのレッドライオン
というパブで働いていることを聞く。
階級社会故にそういう場に伯爵が足を踏み入れることに、バイオレ
ットは驚いていた。階級社会による品格を保とうとしているメア
リーとそんな階級の差は関係がないとするゾーイの対決も有った
けど、メアリーはそんな品格を気にしつつも、結果的に金や権力
が品格を保つ為に必要なものだと感じてリチャードとの結婚を
考えていくという矛盾した流れがあるような感じもするね。
アンナからベイツが戻ってこられない理由は二つあり、
現在の妻・ヴェラと離婚しようとしていること。そしてもう一つ
はロバートとケンカ別れした格好だったので戻ってくることを
恥ずかしがっていることを口にしていた。
城の中で流れる噂話としてはベイツのことだけでなく、マシュー
のことも同様だった。イーディスがゾーイからウィリアムの消息
について調べて欲しいと頼まれ、ロバートの耳に入り、その流れ
からイーディスはマシューが行方不明であることを知る事になっ
た。いつものイーディスならぱ意地悪をするところだけど、
彼女自身、自信がついたのか大人になったのか、メアリーに対して
その事実を伝える。
ラストでメアリーが歌っているところで突然サプライズのように
してマシューが戻りリュエットするところなど、男性コーラスが
ないと物足りないようなことを口にしていた前振り感がなんとも
言えず、最後に良い感じの登場の仕方があったね。
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Downton Abbey – The Suite
Performed by The Chamber Orchestra of London
ロバート・クローリー (Hugh Bonneville) グランサム伯爵
シビル・クローリー (Jessica Brown Findlay) 三女
イーディス・クローリー (Laura Carmichael) 次女
メアリー・クローリー (Michelle Dockery) 長女
コーラ・クローリー (Elizabeth McGovern) 伯爵夫人
バイオレット・クローリー (Maggie Smith) ロバートの母
マシュー・クローリー (Dan Stevens) ロバートの遠縁
イザベル・クローリー (Penelope Wilton) マシューの母
Mr.カーソン (Jim Carter) 執事
ジョン・ベイツ (Brendan Coyle) 従者
サラ・オブライエン (Siobhan Finneran) 侍女
アンナ・スミス (Joanne Froggatt) メイド長
ウィリアム・メイソン (Thomas Howes) 第二下僕
デイジー・メイソン (Sophie McShera) メイド・新人
トーマス・バロウ (Rob James-Collier) 第一下僕
グウェン・ドーソン (Rose Leslie) メイド
Mrs.ヒューズ (Phyllis Logan) 家政婦長
Mrs.パットモア (Lesley Nicol) 料理長
エセル・パークス (Amy Nuttall) 新人メイド
ジョセフ・モールズリー (Kevin Doyle) イザベルの従者
— (Howard Gossington) Veteran
トム・ブランソン (Allen Leech) 運転手
Mrs.バード (Christine Lohr) イザベルのメイド
チャールズ・ブライアント (Daniel Pirrie) 少佐、アルマダの間へ
Dr.クラークソン (David Robb) 医者、少佐
— (Laura Jeanne) Nurse
— (Giles Spencer) Officer