第10話(10) 不運な当選者 Your Number’s Up
脚本/Matthew V. Lewis
監督/John Putch
【ストーリー】
フットボールをしている少年たち。アパートの上から金が降り注いで
くるのを見つけて車道に飛び出してくる人たち。しかし大金の中には
血の付いた紙幣が混ざっているのが有った。
レイシーは朝からパソコンでキャシーとアリスとネット会談。
レイシーが購入した帽子にみんな絶賛する。しかしミーガンがやって
くると素敵な帽子だとして、取り上げるとカシミアとは随分と高かった
のでしょと。クレジットカードをくれたでしょというとミーガンは
アレは非常時用のものだという。ファッションの非常事態だとし、
ママだってブランドのクツなど買っているでしょと。これは私が稼いだ
金で買ったのだとし、自分で稼ぐようになったら好きなものを買いな
さいと語る。それまでは許可なく使わないよう告げる。自分で払う
というレイシーだが・・
ミーガンはピーターと合流する。
ミーガンはピーターがご機嫌だということに気がつくとボタンを止め
なさいと語る。ソサエティヒルにレイシーが買った帽子を返品して
きたのだとし300ドルもするものをカードで買ったのだという。13歳
の子は訳もなく自主を求めるとし、姉たちがそうだったというピーター。
サムはミーガンに対して良いクツを履いているとして何処で買ったのか
と問うとソサエティヒルだという。
大金が落ちてきたのはここなのかと問うと、407号室からだという。
全額持って行かれたし、犯行は誰も見て居ないという。その場の人の
話では5万ドル以上落ちてきたという。質素なアパートだが何故そんな
大金が?。バドは被害者はウォルター・ブラウン。つましい部屋の
住民で一人暮らしだという。近所づきあいはなくあんな金を持っていた
のかは謎だという。サイフも電話も凶器もなく、あるのは胴体の穴だけ
だという。押し入られた痕はないというサムは顔見知りだろうと。
壁に傷跡がありガラスが割れているので争った跡だというピーター。
この裂傷は防御創だとし、スレット状の傷は凶器は刃物だというミーガン。
窓から金をばらまくような男じゃないというサム。
5万ドル有れば4年制大学に通えるだけの額だなというが、サムはいつの
時代の話をしているのかとしてせいぜい2年分だという。それも地元大
だという。金は犯人が目くらましのためにばらまいたのかも知れない
とし、現場から逃げるためにとピーター。ウォルターが金を盗み犯人
に代償を払わせたのかというサム。遺体にアザがあり動機は金だけで
なく恨みも有りそうだというミーガン。
ダニーはイーサンと共に運ばれて来た遺体・キンバリー・グリーソン
について見立てる。女性、22歳、事件の概要は?。3日前にキンバリー
は虫垂破裂でERに搬送されたこと。12時間後肺炎と頻脈の症状が出て
昨夜心肺停止したという。除細動も効果なく、午後23時35に死亡宣告を
受けたとのこと。ダニーはキレイで若いのに・・と語る。大学生なの
に・・。そんな中ケイトがイーサンの元にやってくるとダニーは
その場から立ち去る。キンバリーの遺族に説明する為に練習していた
という。「担当の外科医」「近親者は」と問われ、先ほどダニーからの
質問をはぐらかせた事だった。
カーティスは、遺体のアザは刃物の柄で付いたものだと語る。刃は
根本まで刺さっていたこと。特徴的な柄なので凶器の特定は難しくは
ないだろうと。そんなカーティスにミーガンは絶好調ねと語ると、
カーティスはミーガンに対して寧ろあんたは無口で元気がなさそうだ
と語る。ピーターはレイシーにカードを使われたんだと語ると、あなた
口が軽すぎだと指摘される。カーティスに裂傷とアザから出た物質を
ラボに持って行って調べる様告げる。
ピーターはウォルターの名前ではよくある名称なので絞れないと語る。
指紋のデータもなく身元不明だという。ミーガンは固いタコが出来て
いるとし、ヤケドもついていて働き者のようだと。ウチのすねかじり
と違ってと。爪は丁寧にキレイにしてあり、全身は日焼けしている
こと。陶器の差し歯は1つ2千ドルするという。角膜に瘢痕が有ること
からレーシック手術を受けたのだろうと。脇腹にはクラゲに刺された
痕が有り、カツオノエボシというカリブ海の生物だった。
日焼けサロン、手術、南国・・貧しい地区に住んで5万ドルを持つヤツ
は犯罪者が多いというピーター。炭鉱の刺青があるとし、炭塵が傷口
に付いているという。炭鉱はないが川沿いには石炭の火力発電所がある
という。
火力発電所にいくサムとバド。
デーヴとコリンにこの男性を知っているかと問うと、ウォルターだ
というコリンはオレの従兄弟だという。ウォルターとは20年間同僚だと
いうデーヴ。彼は恨まれるようなヤツではないとし、ここの設備も
ウォルターが買ってくれたものだという。何でそんなに稼いでいたのか
と問うと、宝くじで5千万ドルを当てたのだという。コリンに従兄弟が
金持ちになって腹を立てなかったかと問うと、よくしてくれていたと
し、バミューダ諸島への旅行をプレゼントしてくれたりしていたという。
コリンは毎回宝くじを買っているが、ウォルターが当たった8ヶ月前の
時だけ買い忘れ、ウォルターが気まぐれで購入した一回が当たったの
だという。確かにむかついたが殺しては居ないという。何故彼はあの
アパートに住んでいたのかと問うと、彼はあそこが好きだったのだとし、
当選後は知らない従兄弟たちにたかられていたという。金を惜しげもなく
使っていたとし、老人ホームやフードバンク、チャリティイベントなど
をしたりして思いやりが有ったが、俺たちとは住む世界が違ってしまった
ようだったと。
■概要
・貧困地域のアパートの一室から5万ドル越えの金がばらまかれて
その一部から血痕が付着していた。
・その部屋を調べると家の主・ウォルター・ブラウンは血を流して
死亡していることが判明する。彼の体を調べると、特徴的な柄の刃物
で刺されたのは明らか。しかし貧困層にしてはやたらと身の丈に合わ
ないような豪遊をしていることを知る。悪事で稼いだ金なのか。
しかし彼が働いていた火力発電所で話を聞くと、彼は8ヶ月前に宝くじ
で5千万ドルが当たったのだという。しかし彼の親友のデーヴは彼は
1年前から少しずつ状況が変だったと語る。
・一方イーサンは病院で手術後に死亡したキンバリーの件を調べる。
ケイトからは遺族への説明をして欲しいとされるが、イーサンは
慣れていないことも有って戸惑ってしまう。ケイトは彼を一緒に
医療現場につれて行き、執刀の担当医・フェーバーから話を聞くが
ケイトはイーサンが会話ではなく尋問していることに注意する。
■感想
急に環境が変わり大金を手にした際に人は変わってしまうものなのか。
NHKのドラマ「書店員ミチルの身の上話」で宝くじが当たったことで
怖いことに巻き込まれていくけれど、そもそもの問題は金そのもの
にある訳ではないことが描かれていた。
子育てに関してミーガンも苦悩する中で、レイシーが環境保護と称する
割りに無駄に金を使っていたりする辺りがなんとも言えないけど、
13歳のレイシーが間違った価値観を持たないようにする為に上手いこと
金の価値観を教え込む姿が有ったり、そのバイトで得た金を正しい
道に使うレイシーの姿を見ると、決して間違ってはいないということが
描かれている。誰も医者は死因を教えてくれないと訴える中で、
レイシーは母親は検死官だから必ず解明してくれるとしていたことから
もある程度の信頼関係は出来ている感じもするしね。
また今回はミーガンパートと、ケイトとイーサンパートで別の案件を
担当していた。
イーサンにそろそろ独り立ちさせるためにちょっとした自覚を促すよう
なエピソードになり、上手いこと一度は失わせた自信を取り返させた
のかなという感じ。
■医療分野、捜査のポイント1
今回は二つの案件を扱った為に1と2で分けてみた。
1はミーガンが集まる金持ちの死、2はイーサンが扱う病院での変死。
・胃の内容物
赤ワイン、スティルトンチーズ、キャビア、牛肉のカルパッチョ、
アップルパクラヴァ。食べたのは死亡する1時間前だとされていた。
カーティスがグルメだと周知されて何処で食べたのか分かるかと問われた
際に、レイシーなら知っているかもよとからかわれていた。
切り口から出たのは神戸牛のDNA。彼はセレブシシェフの料理教室に
ハマッていた事が分かる。
凶器は日本の料理人が使う片刃の包丁だということでシェフのレオン
が疑われていたけど、普通どの国も片刃の包丁じゃないの?
・心臓肥大
心臓が500gも有った。腎臓の結節性病変と副腎の出血性病変から高血圧
だったこと。歯ぎしりと胃潰瘍から被害者は強い不安を感じていたこと
が分かる。金持ちなのに何故ストレスなのか。
・胸のアザ
アザに付着していた物質は酸化マグネシウムだった。
酸化マグネシウムはタングステン溶接の副産物であり発電所で出る
有毒物質だという。
・根本的な病気
会話の中から被害者が宝くじから態度が変わって不安定で偏執的で
衝動的になったことが変わる。
レイシーの件は「医学的な謎じゃなく10代の反逆だ」としていたけど、
ウォルターの件では摂取した食事はチラミンを含んでいるということで
脳ではなく腎臓が悪かったことを指摘。褐色細胞腫であり副腎に腫瘍
があることが分かり、ホルモンの分泌過多を起こし高血圧を引き起こして
いたことが分かる。
・レントゲン
ウォルターの体を調べると刃が欠けたものが体内に入っていた。
脚にも入っていたことから大動脈に入って下に移動したというもの。
「Dr.HOUSE」なんかでも菌が血管を通って色んなところで悪さする
ってシーンがあるよね。
■医療分野、捜査のポイント2
・本当の死因は?
多葉性浸潤を起こしていること。肺胞出血を起こしていること。更に
壊死性肺炎を起こしていた。病院が見逃すはずはないということで
改めて病院に聞きに行く。
ヘパリンロックはしたのか。敗血症だと分かったのはいつなのか。
あの年で合併症になる確率は6%未満で、あり得ない事だけど事故だ
とされる。
後にキンバリーの肺は赤色肝変を起こしていることが判明。
・2人目の死亡事例
ルイーザ・ヘルナンデス(55歳)が股関節の手術の後に昨夜心臓停止し
新血管虚脱を起こしていた。まだら状の皮膚に血痰・・まさに敗血症
だった。敗血症は血中に最近が入り込んで手に終えなくなるもの。
■結末
イーサンの病院の件は鼻から挿管した喚起バッグから細菌が繁殖して
いた。ライトの下にあるバッグのフィルターが細菌を繁殖させていた。
細菌名はアシネトバクターカルコアセチカスとかいう難しい名前の菌
だったな。
ウォルターの件は事故だった。
デーヴが疑われたけれど、結局刺された包丁は相当な力が必要なこと。
デーヴは前屈みをしていたせいで第5頸椎の神経が圧迫されて力が出ない
状況だった。恐らく倒れたところに包丁が突き刺さったのだろうという
こと。
■その他
・パパモリス
サムからそう呼ばれていた。パパモリスは大学の費用があまりにも
高いことに驚き、子供が18歳になる頃、自分は66歳であり年金では
大学に行かせられないことを嘆いていた。賞金額10万ドルの宝くじを
サムにプレゼントされていた。
・紙ナプキン
紙を使用するのはエコではないということでやたらと紙製品が
指摘されていた。休憩室でドーナツを食べる際の紙ナプキンもその
一つ。
イーサンとカーティスがドーナツを分けるという際に、分けようと
いうけど、決して半分ずつじゃないところが笑える。
・ピーターとダニー
一応関係は続いているのか。
職場ではダニーのことをアルヴァレスと他人行儀で読んだ為に激怒
されていた。
それよりもピーターな届いた産みの親からの手紙というのが気になる。
■使用された曲
・Body of Proof End Credits Theme
Composed by Daniel Licht
・Oh My Stars by Andrew Belle
・Money by Ringside
■出演者
ミーガン・ハント (Dana Delany) 検視官
ケイト・マーフィー (Jeri Ryan) フィラデルフィア医療センター・局長
バド・モリス (John Carroll Lynch) 刑事
ピーター・ダンロップ (Nicholas Bishop) 医療捜査官
サマンサ・ベーカー (Sonja Sohn) “サム”、刑事
イーサン・グロス (Geoffrey Arend) 医療センター・医者
カーティス・ブラムフィールド (Windell Middlebrooks) 医療センター・副局長
ダニー・アルヴァレス (Nathalie Kelley) 遺体の搬送係
レイシー・フレミング (Mary Mouser) ミーガンの娘
デーヴ・スタックハウス (Charles Malik Whitfield) ウォルターの親友
マリッサ・スタックハウス (Mckeel Robins) デーヴの妻
コリン・マクレガー (Michael McGrady) 火力発電所、ウォルターの従兄弟
ジャスティン・ビフォート (Chrishell Stause) イベントプランナー
レオン・ゴールド (Robert Irvine) 料理人
Dr.アダム・フェーバー (Jeff Yagher) 医者
ウィル・グリーソン (Cornell Womack) キンバリーの父
リンダ・グリーソン (Dominique Jennings) キンバリーの母
マヤ・グリーソン (Cheyenne Haynes) キンバリーの妹
ティム・ベル (Ransford Doherty) 捜査官
デイヴ・ロペス (Adrian Alvarado) 捜査官
— (Bailey Forman) Scrawny
アリス (Piper Curda) レイシーの友達
キャシー (Molly Gross) レイシーの友達
— (Frank Maharajh) 大統領
— (Karly Rothenberg) 看護師
— (Roderick McCarthy) EMT
— (Chris O’Brien) 警察署員