第13話 レッドライン Redline
脚本/Jordan Harper
監督/Bill D’Elia
【ストーリー】
カリフォルニア州マリン郡ゼニスモーターギャラリー。
パーティーが開かれる中、店員たちはその中でも必至に自分の顧客
たちに車を売りに出す。社長のウェストホフはノリス様にはランボル
ギーニかピッタリだと語り、エライアスはランダウに対してマクラー
レンを売り込む。キンジーはワゴンやミニバンは庶民向けだとして、
こちらの車は売り込む必要のない豪邸だと語りトランクを受けて
見せるとなんと販売員の一人・リゼル・ダグラスの遺体が入っていた。
リズとパトリックがやってくる。
調査していたリグズビーはリズに報告する。被害者はリゼルでここの
販売店員で年齢は28歳。鈍器による損傷、打撲傷も頭蓋骨の骨折が
見られるという。チョウは着衣の乱れがあるが暴行の形跡はないという。
パトリックは「んー」と意味ありげに声を上げるが、新車の臭いって
良いねと語る。死亡推定時刻はと尋ねるとヴァンペルトは被害者は
夕べここで残業していたようで警備員が深夜巡回した際には警報システ
ムに異常はなかったという。検視ではその頃には死亡していたとのこと。
この車高いんでしょというリズにリグズビーは30万ドルくらいだという。
チョウは今なら値引きもしてくれると語る。発見者はジェームズ・ラム
ジーだが今、トイレにいるという。自分はブラッド・エライアスだと語る。
スタッフに集まってもらう中、エライアスに犯人に心当たりはないかと
尋ねると、我々は家族も同然だったという。それを聞いたパトリックは
家族なんて白々しいと告げ給料は歩合制か?と問う。そうだというと
それじゃあ家族ではないとしここは戦いの場だという。敵意と不信感の
塊だという。販売員への偏見だとする中お互いに尊敬し合っているという
エイラアス。一番足の速い人はと尋ねると、リゼルの顧客には新たな
担当が必要なんだろうとし、チョウが彼女の顧客リストを休憩室に別れ
て来たそうだぞし、今すぐに取りに行くのは気が滅入るだろうと語る。
しかしみんな一斉に走り出し顧客リストを奪いに行く中、一人の男性
だけがその場から動かなかった。パトリックは誠実な人を除外する為の
テストだとするが、もしかして裏の裏をかいているのかと問う。
社長のウエストホフに話を聞くと、リゼルは昨日仕事に来なかったとし
珍しいことだという。少しは頭に来たがキンジーが仕切ってくれたの
だという。ここは北カリフォルニアイチのディーラーで商品は4フロア
分もあるという。売り上げは毎年1億ドル以上で半年ごとに成績を出して
トップにはロレックスの時計、ビリには辞めてもらっていたという。
ウチはザービス業なのでいつから仕事を再開出来るのかと問う。
「鮫は泳ぎ続けなければ死ぬ」というからねというパトリック。
キンジーの元にいく。トップセールスマンだという彼。
社長は彼ならネズミにネコを売り込めるという。リゼルが消えた夜
一緒に仕事をしていたのかと問うチョウ。夕べのパーティーの件で
僕は8時半頃帰ったが彼女は少しピリピリしていたという。準備が
大変だったからだと。冷蔵庫を開けているパトリックに対して、僕の
食べ物(スープ)は食べるなと語るキンジー。彼女との仲を尋ねると
良かったとし彼女は良い子だという。でも寝たんでしょと問うパトリック
に対してそれを否定する。年齢の割によく売っていたという社長。
しかしパトリックはキンジーに嫉妬していたのではないかと語る。
売れたのは美人だからでそれを不当だと思っていたんだろうと。
女性を武器にすれば売れるというと、正直彼女の売り込み方法は二流
だったという。誘ったことはあるが断られたとし、彼女には彼氏が
いるという。確かジェフというミョージシャンとのこと。
ヴァンペルトはジェフについて調べると、彼はジェフ・スパーホーク。
同棲しているとリズに報告する。被害者の財政状況を調べてと語る。
そこにリグズビーもやってくるとちょっと二人に話が有るというリズ。
言いたい事は分かるわよねというとあなたたちは恋人度絵師だという。
チーム同士が付き合うのはCBIの規則で禁じられていること。間違いな
く恋愛関係なのかと確認する。上司としてはそのことを職業サポート課
に報告するしかないとしこの事件の解決後にすぐにだと語る。異動に
なるのかというヴァンペルトに対してそういう規則だと語る。
パトリックはリズに対して君の立場は分かるが罪悪感を抱くことはない
という。二人に対してのことだという。自分の決断に僅かな嫉妬し怒り
が混じっていないか自問しているのだろうと、
そんな中ジェフとリゼルの部屋の中で物音が聞こえる。リズは中に入る
と中では怒りにまかせてジェフがギターをたたき割っていた。
リズはリゼルのことで聞きたいことがあると語る。哀しくて物が壊したく
なるという彼、ホントは罪悪感、それに自己憐憫も抱えているのだろう
とし、更にハイになっているというパトリック。売れているのかと
問うとリゼルには見る目が有ったので売れないヤツは好きにならない
という。昨年音楽で9千ドルを稼いだと語ると、ゴッホが絵で稼いだ
より9千ドルも多いと皮肉る。リゼルの稼ぎで生活していたのかいうと
そうだとしアストンマーティンを一台売れば2、3ヶ月は食えるという。
お陰で音楽に集中出来たとのこと。しかしアイツは仕事を嫌がっていた
とし、いつもリッチな野郎に口説かれていたという。物をもらったり
宝石や香水など・・オレに気を遣って返していたみたいだという。しかし
パトリックはここに飾られている絵は相当高価だと語ると処分出来ないと
言っていたとし、結婚資金にしようと話していたという。
■概要
・北カリフォルニアイチのディーラーであるゼニスモーターの販売促進
のパーティーの中で顧客に売ろうとしていた車の中のトランクから
女性の遺体が発見される。
・殺害されたのはこのディーラーの販売員の一人リゼル・ダグラス(28歳)。
・男社会の車の販売の中でリゼルは女性を武器にして上手く売り上げ
を延ばす一方で、恋人には売れないミュージシャンと同棲していて、
生活費の面倒を見ていた。
・ゼニスモーターの社長ウエストホフによると半年ごとに集計するトップ
販売者にはロレックスをプレゼントし、ビリには首になるという過酷な
義務を課していた。
・犯人は過度の競争関係に有った同僚なのか、それとも彼女の顧客の
一人で、彼女に言い寄り降られた人物なのか。
■感想
なんだか分かりづらいエピソードだったけど、一番シンプルに考えて
見ると動機としては分かりづらいものがあったのだろうな。
「競争が人の精神を蝕む。2位は最大の敗者だ」。
自動車のセールスマンで女性が絡んでくるエピソードと言えば何と
言っても「コールドケース」S6-6。
内容は全く違うけど、努力している販売員の女性が殺されてしまうと
いうエピソードとして見ると似ているところがあるし、時代の違いを
見比べながら見てみるとなかなか興味深いところに繋がっているのかも。
■怪しい人たち
検視報告書によると道路で頭を強打したせいで死亡。擦り傷と骨折も
そのせいで車にはねられたのだろうとしていた。車を見つければ血
やDNAが残っているかも知れないということで捜査が始まる。
果たしてどんな豪華な車で殺されてしまったのか。
・ウエストホフ社長
事件の夜にフェラーリの盗難届が出されているが一時間後に取り下げて
いた。ディーラーとしても保健の関係などで、後々必要になるので
すぐに提出したのかな。
・ノア・ランダウ
盗まれたとされる車はランダウ家が所有するもの。
フェラーリテスタロッサが盗まれたというもので、妻のアレクサのもの
だとされているが、夫のノアによると自分のものだとして所有権を
主張する。86年のテスタロッサで妻がマニュアル車を運転できる訳が
無いだろうと語る。
この夫婦はもう別れるのは時間の問題で親権争いをしている。
盗んでいるのをリゼルに見つかって殺したのではないかとされていたが、
実際にはラスベガスに行った際に夫はドラッグをしていてそれを車の
中に忘れてきたので車をジェフに取りに行かせたのだという。
・ジェフ・スパーホーク
被害者のリゼルの彼氏。売れないミュージシャン。
リゼルが販売する過程で色々と男性に言い寄らせれている現実は
あまり気をよくしていなかったようだ。しかしジェフは何とかして
リゼルを楽にしたいと考えていたし、リゼルもまた嫌な仕事だと
思っていたけど彼との関係の為に努力していた。
・ウォルター・マッシュバーン
3万ドルする絵をリゼルにプレゼントした男。マッシュバーン航空
電子機器を創業した金持ち。
パトリックが彼と最初に逢った際に彼は人格障害であり、金では
買えないスリルを味わおうとして殺人を行った可能性を示唆していた。
パトリックが彼の愛車を崖から落としていたけど、この行動は単に
販売店に潜入する為だけに車を落としたのか??
ウォルター役のCurrie Grahamって確かに表情からは読み取りづらいね。
「デスパレートの妻たち」ではリネットの上司のエド役。
「Dr.HOUSE」ではハウスの元彼女で弁護士ステイシーの夫・マーク役
として登場し、病気でハウスに治療してもらうことになり、複雑な
三角関係になる役。
・販売員たち
リゼルが亡くなったと知るや群がる同僚達が醜かったな。
販売の1位はキンジーで2位はエライアス。
何度となくパトリックが冷蔵庫を調べていたので何なのかなと思った。
冷蔵庫にはビーフと麦のスープが入っていた。キンジーの食べ物の
ようで盗まれないようにラベルを貼っているとしていたけど、盗まれた
時が有ったとしたり、キンジーが社長との会話の中で、謎の下痢で
1ヶ月も休んだりしていたとの話を聞いて、それが結果として犯罪者
のヒントや犯行の意図に繋がっていたようだ。
・エライアス役のKevin Rahm
「デスパレートの妻たち」でゲイカップルのリー役を演じた。
■その他
・人間の脳
金持ち相手にパトリックが色々と手品をしたり脳について語っていた。
人間の脳は層状に積み重なっていて、上から
「ホモサピエンス脳」「石器人脳」「ほ乳動物脳」「は虫類脳」
があるとしていた。は虫類脳は隠した指輪が見つかって欲しくないと
思う反面見つかって欲しいとする反応を示すもののようだ。
・ヴァンペルトとリグズビー
リズボンは事件が終わったら処分は職業サポート課に報告して任せる
とのこと。どちらかが異動することは必至。
リグズビーは自分の方がCBIに長いので恐らくヴァンペルトが異動する
と考えているし、将来についての考え方に関しても「結婚」という言葉
に、「したらバカだろ」と思わず口にした。勿論その意図は付き合って
2、3ヶ月なので相手のことが分かっていない中で結婚するのはバカな
ことだという主張が有る訳だけど、相変わらずリグズビーは不器用で
気持ちの伝え方や意思の表現が下手だった。
結局リズは見なかったことにするで一件落着?
・リズとチョウとパトリック
最近パトリックはリズと組むかチョウと組むかの二択だね。
チョウと組んだときには、チョウ捜査官がリゼルの顧客リストを
忘れてきたとして同僚達の反応を試すのに利用された。
「オレが忘れるはずないだろう」ってチョウさんマジメ過ぎる(笑)
リズは金持ちの集まる施設に於いて顧客リストの中にウォルターが
居るか教えて欲しいとした際に、パトリックは自分で探すからいいや
として勝手に施設内に入り込もうとした時のリズが顧客リストを
見るという手順を使っていた。
・リズはウォルターに誘われる
金持ちに誘われてちょっと嬉しかったのかな。
ウォルターは美人なら誰でも声を掛けそうな気がするけど(笑)
でもリグズビーとヴァンペルトが恋愛しているのを間近で見ながら
自分の私生活がイマイチ充実していない現実が有ったりするので
嫉妬している部分が有ったのかも。
■使用された曲
・
■出演者
パトリック・ジェーン (Simon Baker) 犯罪コンサルタント、CBI
テレサ・リズボン (Robin Tunney) CBIの捜査チーム・上級捜査官
キンブル・チョウ (Tim Kang) CBI捜査官・元軍人
ウェイン・リグズビー (Owain Yeoman) 放火事件のエキスパート
グレース・ヴァンペルト (Amanda Righetti) CBIの新人捜査官
ノア・ランダウ (Paul Ben-Victor) アレクサの夫、コールアウトレコード社
ジェームズ・キンジー (Mark Deklin) 遺体の発見者、販売員、NO.1
ジェフ・スパーホーク (Richard Kahan) リゼルの彼、ミュージシャン
オリバー・ウェストオフ (Peter Onorati) ゼニスモータース社長
ブラッド・エライアス (Kevin Rahm) 販売員、NO.2
ウォルター・マッシュバーン (Currie Graham) マッシュバーン空港電子機器
— (Seth Caskey) Maitre D’
— (Reggie De Morton) Salesman
レスリー・ダグラス (Laura Jean Salerno)
— (Barbara Beneville) Resort Woman
ブライアン・キング (Scott Burn) 販売員
— (Eric Naroyan) Luxury Car Salesman
— (Evan Shafran) Executive Staff
— (Ray Starmann) Coroner
Mr.ノリス (Alistair Steel) 客