コールドケース 迷宮事件簿 Cold Case シーズン7 第5話 女性飛行士 WASP

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第5話 女性飛行士 WASP

脚本/Denise The 監督/Chris Fisher

【ストーリー】

1944年デラウェア州ウィルミントン。
農家の飛行機がやってくる。しかし出て来たのは女性で軍隊の女なの
かという。彼女はヴィヴィアン・リン。WASPの一人だった。責任者
のアイリスはリンに対して腕に自信が有りそうねというと一流の
パイロットなのかと問うと、それを否定するリンは超一流ですと語る。
軍隊は遅刻やスタンドプレーを認めていないという。アメリカ陸軍航空
軍初の女性訓練生なんだとし、どんなに腕の良い飛行士だか知らないが
ここでは陸軍流の飛び方を学んでもらうという。
フランク・ジェームズ大尉はついて来られないものたちは追放すると
語る。飛行士兼、筆記試験の点数の悪いもの、態度のでかい者はどんどん
落とすと語る。

エドナはリンに対して飛び方を教えてと語る。ベティ・ジョーも無料講習
会なら私も教えて欲しいという。ルイーズは農薬を蒔くのが上手くても
戦闘機を乗りこなせるとは限らないと語る。しかし彼女は翼とエンジン
が有れば操れることを語る。しかしそんな彼女は貯水池に墜落死する。

— 現在 —
エマーソン相互銀行から出てくるモーに対してリリーは近づく。
首になって生活も大変でしょうねとし、正体を知っても銀行は金を
貸してくれるのかと語る。刑事に対する殺人未遂。モーは駐車違反
は君の差し金だろうとしシツコイ女だと語る。本気で怒るぞという
モーに対してリリーはこんなもんじゃないからと語る。

スコッティは遅れてきたリリーに目覚ましが壊れた?と語る。銀行に
寄ってきたからという彼女。環境保護グループがこの辺りを野鳥保護区
にはようとしていたところ、貯水池を調べたら遺骨を乗せた戦闘機
を見つけたというスティルマン。第二次世界大戦のP-51ムスタングに
オヤジは乗っていたという彼。被害者はパイロットのヴィヴィアン・
リーで、WASPの一員だという。婦人航空部隊だという。1944年に一人
行方不明になっていること。リリーは女性パイロットは70年代からかと
思っていたという。戦闘要員ではなく民間人として勤務していたんだ
というスティルマン。翼の中の弾薬室に防水のリュックが有りハイヒ
ールとスカートが有ったという。当時この辺は農地だったこと。
オイルラインと冷却ラインのパイプが取り替えてあったという。
墜落させられたんだというスコッティ。

ヴィヴィアン(22歳)、アイオア州ベル・プレインの農家の娘。
ヴェラは資料に目を通す。農薬散布機を操縦していたという。ヴェラ
は43年にWASPプログラムに応募、美人航空部隊か・・と呟く。
ヴィヴィアンはデラウェア州ウィルミントンのニューキャッスル陸軍
基地に所属。1944年6月2日0600に離陸。P-51を届けにノースカロライナ
のキャンプデイビスに向かったが目的地に到着せず。捜索は7月まで
行われたという。南へ向かったハズが何故フィラデルフィアで発見
されたのか。ここは北だというリリー。当時はレーダーも無線もついて
いないので飛び立ったら探しようがなかったとのこと。犯人はエンジン
の冷却とオイルラインを取り替える知恵が有った人物。整備士かという
スティルマン。基地の名簿、飛行予定表と事故の記録を取り寄せろと
語る。ルームメイトにはベティ・ジョー・ヘンダースがいたという。
ジャーマンタウン在住で現在も健在だと。ヴィヴィアンの人間関係
を聞いてくるというヴェラ。
そんな中スコッティの元に父親から電話が鳴る。預金が減っていると
し、母さんが下ろしたのではないかというが、スコッティは母さんに
直接聞いてクレよと語る。

WASPの隊長はアイリス・キーニング。今もウィルミントン在住だという。
ヴィヴィアンの捜索指揮も取っているというリリー。何故ヴィヴィアン
が「兄弟愛の町フィラデルフィア」上空を飛んでいたのか聞いてくる
ようスティルマンは語る。

アイリスに話を聞きに行く。当時彼女は強風で墜落したと言われていた
が彼女ならどんな嵐でも飛べたという。WASP誕生から解散までの間
2年で38人が死んだこと。自分たちが失敗すれば他の女性のチャンス
を潰すことになるという。ヴィヴィアンの飛行機に近づけた人はと
尋ねると、整備士に教官、パイロット全員だという。何故予定外の
所を飛んでいたのかと問うと、彼氏がいたという噂があったとし、相手
はマンハッタンの遊び人だという。ヴィヴィアンはみんなとは違っていた
とし初日から遅刻し派手な登場の仕方で現れたという。首にならなかった
のは何故か。腕が一番だったので手放せなかったという。神経を逆撫で
させるところは有ったとし、彼女が思いやったのは自分だけだという。

■今回の事件と流れ

・1944年の第2次世界大戦でアメリカ陸軍航空軍の初の女性訓練生
が募集され、民間の女性パイロット/婦人航空部隊WASPたちが訓練に
励む。その訓練生の一人。ヴィヴィアンはとても優秀なパイロット
で嘱望されていたが、44年の6月2日にP51をノースカロライナのキャンプ
デイビスに向かう途中で消息を絶ち、彼女の遺体は見つかって居なか
った。
・2009年野鳥保護区に指定しようとしていたものたちがロックスボロー
の貯水池を調べていたところ、遺骨を乗せた戦闘機が発見される。
しかし当時の資料を見ると元々の任務は南へ向かうハズが何故か
北のフィラデルフィアで発見されていること。一体どういうことなの
か。
・機体を調べるとエンジンの冷却ラインとオイルラインが取れ変えられて
いたので事故ではなく故意に彼女を狙った事件だとして殺人として
捜査が始まる。

■感想

昔からあまり公にはされておらず、知らない人も多いけれど、こういう
女性に限らず、陰で活躍していた存在が実は戦争を支えていたなんて
エピソードは調べるごとに出てくるものだよね。

どれだけの功績をあげたのかにも依るのかも知れないけど、今回の犯人
であるアイリスが、優秀なパイロットを殺害してまでもWASPを
メジャー化しようとする背景には女性の社会進出を後押ししたい思い
が強かったのだろう。

冒頭では男性がエドナの墜落に関与していたのに、それを隠す為の
ウソを付かねばならず、そのウソのためにまた別のウソを付いていく
ということで、本来死なずに済んだ人たちが亡くなっていく姿に
憤り感を感じる。

ただ元を正せば戦争さえなければこんな無用なことはしなくても済んだ
ハズなんだけどね。

・最後に

2009年7月1日オバマ大統領は1074人のWASP隊員に対して祖国への
献身を称えて議会名誉黄金勲章を授与したとされていた。
正当に評価され、そんな勲章が出たことで改めてシナリオとして
急いで取り上げられた格好だったのかな。

■これまでとは違って・・

味方だと思っているものが足を引っ張るという意味では、これまでの
流れにも通じているけれど、基本的に友達が羽ばたいていく友達に
焦燥感を感じて足を引っ張るかのようにして殺害するというパターン
ではなかった。

今の世の中、目立つ人物はイジメの対象になるので当時も女性が
男性を上回るような活躍をすれば女性同士だけでなく、寧ろ男尊女卑
の戦争世界に有って男性の犯人説が浮上するも、その辺は一癖も二癖
も有ったね。

冒頭で犯人のアイリスに遭った時のセリフは、
「彼女が思いやったのは自分のことだけ」だとしていたけど、
彼女が不正を告発していたら、女性パイロットの社会進出というのは
より遅れていただろうか?
その後のWASPの活動というのが見えてこないのでなんとも言えない
のだけど、女性の活躍を求めるアイリスが、最も腕の良いパイロット
の命を奪わなければならない皮肉さは感じてくる。

アイリスは本まで出版して名声を得ていることを考えれば、
よくまともな神経で居られたなという感じがする。
しかし女性として刑事として闘うリリーとアイリスっていうのは
何処か共通するところがあるのかな。
名前からすると結婚していないみたいだし・・

最後に当時の仲間たちがヴィヴィアンを落とした噴水のところで集ま
っていたところが良かったね。

■容疑者


・ジェームズ兄弟

弟のは”ウルフ”なんて格好良い名前を付けていたけど、まさに名ばかり。

兄の方はヴィヴィアンと良い感じの関係になりそうだったけど、時代
が悪かったかな。

パイロットの需要が減り、歩兵が足りなくなっていく現状にあり、
徴兵を恐れた為の仕業ではないかと疑われるシーンも有った。

・ベティ

配給手帳を不正利用していた。それが判明すれば反逆罪であり大変な
ことになる。しかしベティは半年前にベルリンで夫が撃墜されて
子供がいることで物資が必要だった。

・ルイーズ

ヴィヴィアンとパイロットの腕を競っていたライバル。
1954年9月の雑誌を見ると音速を超えた初の女性パイロットになれる
なら何でもすると語っていた。
しかしエドナの死によって絆が深まったことを語る。

■身内ネタ

・リリー

モーに対する憤り感は依然として修まらず圧力をかけたところ、
モーは内務調査部に通報したようだ。それを受けてスティルマンも
ひれだと益々ドーティの思うつぼだとし、部署全体に関わることだ
としていた。

リリーの行動が及ぼす全体の利益ということを考えると、今回の
エピソードに通じるところがあるのかも知れない。

・スコッティ

母親が病院に通っている事を知る。
父親が直接聞けないのでスコッティが話を聞きに行くと、彼女は
友達を連れて来たと嘘をつき、今度は膝が痛いと嘘をついた。
スコッティは刑事なんだからそんな嘘ばれてますよ。
ただ自分から言ってくれるのを待っているのか、聞きたくない事実
が有るのを予感しているのかな。

・ヴェラ

最近何気に勉強熱心な姿が有るね。
WASPについても勉強している姿が有った。

■使用された曲

・Off We Go Into the Wild Blue Yonder
Written by Robert Crawford
・Pistol Packin’ Mama by Al Dexter
・Sing Sing Sing by Benny Goodman
・You Go To My Head
Written by Haven Gillespie and J. Fred Coots
・I’ll Walk Alone by Dinah Shore

■出演者

リリー・ラッシュ (Kathryn Morris) 殺人課の刑事
スコッティ・ヴァレンズ (Danny Pino) 殺人課
ジョン・スティルマン (John Finn) リリーの上司
ニック・ヴェラ (Jeremy Ratchford) リリーの同僚刑事
ウィル・ジェフリーズ (Thom Barry) リリーの同僚刑事
キャット・ミラー (Tracie Thoms) 麻薬課刑事 s3#8から

モー・キッチナー (Daniel Baldwin) 犯罪の容疑者
ローサ・ヴァレンズ (Terri Hoyos) スコッティの母
— (Andrew Hoagland) Tarmac Officer

2009年
フランク・ジェームズ (Newell Alexander)
ハーバート・ジェームズ (John Aniston) “ウルフ”
ベティ・ジョー・ヘンダース (Mary Jo Catlett)
アイリス・キーニング (Deanna Dunagan)
ルイーズ・パターソン (Michael Learned)
— (Rafael Francisco) Sabotage Mechanic

1944年
ヴィヴィアン・リン (Sarah Glendening) 農家の娘、WASP、飛行の腕一番
フランク・ジェームズ (Chad Faust) 大尉、WASP教官
ハーバート・ジェームズ (Zane Holtz) “ウルフ”、酒場で殴られる。弟
ベティ・ジョー・ヘンダース (Kaitlyn Black) ヴィヴィアンの仲間、WASP
アイリス・キーニング (Amy Dudgeon) WASPの隊長
エドナ・リード (Camryn Grimes) WASP、墜落してしまう
ルイーズ・パターソン (Louise Linton) WASP、ヴィヴィアンのライバル
— (David Landry) Sweaty Mechanic
— (Elana Blank) Wasp
— (Caroline Kinsolving) Wasp
— (Rachael Lee)
— (Sergei Zelinsky) World War II Soldier

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