第16話 レスラー One Fall
脚本/Ryan Farley 監督/Donald E. Thorin Jr.
【ストーリー】
1986年2月28日。
ティム・マローンに会いに来るミック。しかし離婚した妻のレイチェル
は二人が会うのを煙たがる。パパが来たわよとするが、ティムは
あまり関心を示さず、プロレスラーの人形で遊んでいた。
あなたが悪いのだとし毎回ドタキャンばかりしているからだという。
お前がオレの悪口を吹き込んでいるのだろうというが、あの子は
父親参観だってどうせ来ないと思って黙って居たのだという。
ミックはインディーズのプロレスラーであり港湾労働者でも有った。
ミックは教えてくれたら学校に行ったのにというが、ティムは自慢
出来るパパじゃないと語る。ママにはちゃんとお金を渡したのかと
いうティムにちゃんと払っているよと語る。レスラーは地球で一番
格好良いというティム。パパもタイツを履いてリングで飛び回ろうかな
と語る。パパとは全然違うという。
シルとミックは対戦していた。プロモーターのランスはWICの新チャン
ピオンの誕生だとして、ミック・”ザ・マシーン”・マローンと語る。
しかしミックは港で射殺される。1986年6月のことだった。
スティルマンはリリーに対して44マグナムを見せる。銃回収プログラム
で届けられたもの。デカイというリリーは如何にも曰く付きの銃だと
語る。それはミック殺害で使われたものだったという。港で殺された
港湾労働者。ミックは港湾労働者組合の用心棒として働き、更に
借金の取り立てもしていたのだという。危険な副業だというリリー。
彼はWICというインディー団体のレスラーでも有ったという。
あのハンプティダンプティはその関係なのかというリリー。
彼はベア・ジェイコブズで銃の登録者だという。試合中に連行したとの
こと。
ベアから話を聞く。44マグナムを見せるとオレのベイビーちゃんだ
と語る。これは凶器として使われたものだというと、オレは誰も殺して
いないというベア。殺されたのはミックだとすると彼とは2、3度
試合をしただけだという。なんであなたの銃で撃たれて殺されたのか
と問うと1986年3月に盗まれたのだとし、犯人は分かっていたという。
—1986年—
ベアはロッカーから銃を盗まれる時を目にしていた。
—2010年—
ベアに対して何故警察に言わなかったのかと問うリリーとスティルマン。
自分で捕まえるつもりだったこと。そいつミッドガードのジョバーだ
ったというと、リリーは「やられ役」の事ねと語る。売り物はロシア
なまりだけで冷戦時代のヒール。レッドスケアというリングネーム
だったが本名は知らないという。ミックが死んだ日は何処に居たのか
と問うリリーに対して20年以上前のことをお前は覚えているのかと
反論される。1986名6月16日に何処に居たのかと改めて問うと、多分
トラフィックライトのサファイアっいうウェイトレスと遭っていた
とし付き合っていたと語る。
ミック・マローン(当時28歳)。1986年6月16日に殺害。WICのベビーフース
(善玉)のことだというリリー。リリーはハルク・ホーガンのファンなのか
というスティルマン。プロレスは面白い?というスコッティに土曜の夜の
気晴らしになっていたという。供述したのはレスラーとプロモーターの
ランス・コトローク。ミックの殺される前の最後の試合は19日前。
相手はスイート・シル・タヴァーン。ミックにはティムという9歳の子
がいたこと。別れた妻が引き取っていたというスコッティ。事件の夜
レイチェルは入院中のティムに病院で付き添った後にダイナーで深夜勤務
したという。レッドスケアのことはプロモーターが知っているかも
知れないというスティルマン。みんなにヴェラから連絡は有ったかと
問うと、リリーは咄嗟にベアのアリバイを取りにとってもらっている
という。スコッティはリリーに朝飯の約束をしてたが来なかったという。
リリーも留守電に何度連絡を入れても通じないと。2日酔いなのではないか
というスコッティ。一体どうしたのか。
港湾労働者として働くティムに話を聞く。
父が亡くなった夜に入院したことを聞くと腕を折っただけだという。
フットボールをしていてそうなったと。レッドスケアって言うのは知ら
ないかと問うと、父とはレスリングのお陰で仲良く慣れたと語る。
— 1986年 —
ミックはティムに遭いにいく中、プレゼントとして”ビル・ザ・スリル”
の人形を持っていく。大喜びのミックに対してその内ミック・マローン
の人形も出るぞと語る。するとミックはティムにベッドの上で軽い技を
見せる。最近練習しているんだという。プロレスは立派な仕事で、安全
だとし、全部ショーだと語る。ミックはレイチェルにデビュー戦のギャラ
を手渡すと頑張れば稼げると語る。ティムに対してリングネームを考えて
欲しいというと、”マシーン”が良いとし、誰にも止められないんだと
いう。
— 2010年 —
チビの頃の一番の思い出だというティムにリリーは共感する。レスラー
仲間について知っているかと問うと、試合は見に行けなかったが、
でも父の出ていた試合の海賊版ビデオは持っているという。レスラーに
なったから死んだのならオレのせいだというティム。
ジェフリーズはランスの元にいく。
80年代のWWEは上品な試合ばかりだったのでその逆で勝負したという。
ガーベッジレスリング。八百長でも流血は客に喜ばれるのだという。
試合の流れ自体は前もって決めてあるが技は本気だという。ミックは
殺される10日前にタヴァーン戦を最後に試合をしていないがどういう
ことかと問うと、リーツェイだという。つまりリングを降りてもその役
を演じること。暫く休んでいる間に話題を仕込むのだという。シルと
ミックの間でトラブルは?我々はファミリーだったのであり得ないという。
レッドスケアは?と問うとあいつは20年前に首にしたという。本名はネイト
ビーチャー。二人ともジョバーから上を目指していたがミックが上だった
という。
■感想
プロレスの興行など80年代までは日本でもゴールデンタイムに放送が
有るほど盛況だったけど、90年代に入って衰退の一途をたどっている。
ボクシングや他の格闘が興行を伸ばすのに対して、筋書きが有り、勝ち
負けが決まっているので、善玉と悪玉という役割だけでは人気も
続かず筋書きの中でもより派手な演出を求めていくしかなかったので
しょう。子供に与える影響は人様々で、ちゃんとした指導する大人
が居れば良いのでしょうけど、プロレスは確実に男の子ならば子供の
時に見て影響を受けてその危険性を知らずにマネして楽しむからね。
リリーがストレス解消のためにプロレスの興行を見に行っているという
設定が面白かったかな。
まるで通訳するかのようにしてプロレス用語を翻訳していくところは
驚き。前回のエピソードの中でのリリーは、フットボールとバスケの
違いも分からずジェフリーズから突っ込まれていたのに(笑)
そんなリリーは子供の頃の一番の思い出で父親とのレスリング話で
盛り上がったことだと言われて、ちょっぴり感情移入していた。
ミラーに至ってはシングルマザーの辛さとか単独親権を取ることの
難しさを今回のミックの元妻レイチェルと語り遭う所など、個人的に
それぞれのキャラクターに肩入れするところが有ったのではないかな。
しかし今回のミックはとても良い父親だった。
なんでレイチェルはそんなミックと離婚してしまったのだろうか?
誰が見ても良い父親だと思う。ティムは9歳だとしていたけど、あまり
冒頭では懐いていなかったので、それまでは離れて暮らしていたのかな。
■巡り巡る銃
今回は銃回収プログラムに置いて回収された銃の44マグナム(スミス&
ウェッソンM29)がミック殺しに使われたということで、捜査が始まる。
この銃を誰が最後に手にしていたのか。
銃が巡り巡って旅して回るところが何とも言えない。44マグナムといえ
ば、70年代のダークともヒーローとも言える「ダーティハリー」の
ハリー・キャラハンが使っていた銃だ。
ベアが元々の登録者。彼は当時レッドスケアに盗まれたと証言する。
レッドスケアはミックにスター性が遭った為に同じ位置にいた彼の
ことを恨んでいる所が有った。
しかしレッドスケアはステロイドと交換したとして、フロリダのタンパ
から郵送されてきたとし、受取証ではミックのプロレス仲間のシルが
持っている。
シルから話を聞くと、ミックに銃を売ったとして彼は何かのバイトを
始めるのに銃がいるとしていた。子供のためだろうとして、恐らく
取り立ての仕事だとしていた。
銃を最終的に回収プログラムに出したのはジョーダン・ポープという
人物。しかし事件当時はアラスカに居た人物。彼は86年にジュニアタ
公園で拾ったもので、殺される事件の数ヶ月後のことだった。
しかし最後に銃の在処が判明したのはティムが持っていた父親の海賊版
ビデオの中でシルが銃を手にしていたものだった。控え室に銃が置いて
あるなんて異常なこと。
■プロモーター
どの世界でも企画した人物が大金をせしめていくというものがある。
コールドケースなんかでも何度もレコード会社のプロモーターと
どん底から這い上がろうとして歌手を目指すものの話が出てくるけれど、
プロモーターだけが良い思いをして、本当に歌手は搾取されているだけ
ってことが多いよね。
プロレスでもプロモーターをしているというランスは億万長者のように
なっていた。みんなが底辺でファンサービスに努めている。
しかもまたスターにさせてくれるというプロモーターの言葉を信じて
いるのだからね。
■みんながウソをついている
今回はテーマが”ウソ”だった。
プロレスそのものがウソで演技だということだけど、ウソの中の真実
に迫っていくという物語である。
その為なのかよく見ていると全員が嘘をついている。
捜査官の中でも取り調べの駆け引きに於いてウソをついていたシーン
もかなり有ったし、捜査線上に上がった人物の殆どが嘘をついていた。
リリーはヴェラの為に嘘をついたし、スコッティも違法捜査で有っても
嘘をついていた。
最後はまた金持ちが優遇される世の中になってしまうかと思ったけど、
結局実際に手を下したランスが正当に捌かれることになるんでしょう
かね。
■身内ネタ
・ヴェラ
うーんヴェラはどうしたんでしょうか。相当症状が悪いのではないかと
思わせるところがあるな。これ以上はリリーたちもかばいきれない。
どうもスティルマンは署内での結束感の為のウソを容認しつつも行き過
ぎたウソにはかなりご立腹の様子もある。
・強姦魔が捕まる
スコッティの母親が襲われた件で、署に来ていたヘレンの話から
ウチの近所の人物だとしていた。
室内に潜入すると、そこにはライセンスカードが戦利品の様にして
持っていたので彼が犯人で間違いないようだ。
スコッティは暴走気味だったけど、本当の意味で暴走しなくて良かった
と思う。ピアソンが上手く手回ししてくれたことも有るし、スティルマン
から呼び出しを喰らった時にはどうなるかと思った。
またスコッティは今回虫の居所がわるいところで、プロモーターの金持ち
の男から”ホセ”と呼ばれたことに怒り、今にも殴りそうな勢いだった。
■使用された曲
・Rock You Like A Hurricane
・Wanted: Dead Or Alive
・Round and Round by Ratt
■出演者
リリー・ラッシュ (Kathryn Morris) 殺人課の刑事
スコッティ・ヴァレンズ (Danny Pino) 殺人課
ジョン・スティルマン (John Finn) リリーの上司
ニック・ヴェラ (Jeremy Ratchford) リリーの同僚刑事
ウィル・ジェフリーズ (Thom Barry) リリーの同僚刑事
キャット・ミラー (Tracie Thoms) 麻薬課刑事 s3#8から
カーティス・ベル (Jonathan LaPaglia) ADA
ピアソン (James Hanlon) 中央署、レイプ事件担当・捜査官
ベレン・ヘルナンデス (Karmin Murcelo) レイプ被害者
2010年
ティム・マローン (Scott Anthony Leet) 息子
スイート・シル・タヴァーン (Roddy Piper) レスラー
レイチェル・マローン (Theresa Russell)
ネイト・ビーチャー (Robert R. Shafer) “Red Scare”
ランス・カトローラ (Jay Thomas) 富豪に・・
ロブ・ジェイコブズ (Billy Tyler) “Bear”
— (Chuck McCollum) 弁護士
— (Robert O’Gorman) 弁護士
1986年
ミック・マローン (Kevin McNamara) “The Machine”、レスラー、港湾労働
ティム・マローン (Preston Bailey) 9歳、息子
レイチェル・マローン (Lauren Cohan) ミックの別れた妻、ウェイトレス
スイート・シル・タヴァーン (Stacey Hinnen) レイラー
ランス・コトローラ (J.R. Cacia) インディー団体WICのプロモーター
ロブ・ジェイコブズ (Justin McCully) “ベア”
ネイト・ビーチャー (Michael Scovotti) “レッドスケア”
— (Bradley Richardson) Wrestling Crowd extra
— (Retson Ross)
— (Joni Bovill) Woman
— (Autumn Springfield) Upscale Pearl Bar Patron