第13話 日の当たらぬ場所 No Sun on the Horizon
脚本/Matt Byrne 監督/Randy Zisk
【ストーリー】
ジェイクは語る。
『大前提は天涯孤独で身寄りが無いことだ。僕にも本当
の家族はいない。単に血が繋がっているだけの寄せ集めで育ったという。
インディアナの片田舎で女親はテレビの通販番組でガラクタばかり
買いあさり、男親はドラッグ漬けでロリコン。一人いた妹は亡くなった
こと。天涯孤独は人を早熟にし粘土の塊のようにどんな形にも変える
こと。寄る辺なくトンネルの先に光も地平線にに太陽もない。望みも
なく不思議の国の焼き印を押されても誰も気づかない。帰りを待つ人が
いないから。君はこれで合衆国政府機関B613の一員となった。』
ジェイクはクインに職場はアクメ社で表向き紙を売りながら世界を・・
誰もが絵空事だと思っている様なやり方で出来る。今後徐々に君に場数
を踏んでいく事を成し遂げる度に多くの血が流れここが家になり
君の家族になる。他の人生はもうないと。
レオはデール牧師を呼びに行く。
牧師はどういう事情かよく分からないとし、討論会の【準備】とは何かと
問う。大統領候補による討論会、サリー対レストン対フィッツのBIG3
のガチンコ勝負のことだという。その前に守秘義務の確認をしたいと
いうレオ。寧ろ僕はは私を呼んだ理由を聞きたがる。サリーの準備を
手伝って欲しいとすると、牧師は副大統領の力になるのは光栄でも
よく分からないとし、準備って何かと問う。あなたはサリーの宗教的
助言者でしょというと、彼女の家族はグッド・シェパードバプテスト
教会を南北戦争より前から・・と語る。副大統領に信頼されていますか
と問うと、サリーに影響を与えられるシンの牧師なのか、それとも
ただの張りぼてかと問う。真の牧師だというと、レオはようこそ
「討論会特訓場へ」と語る。
そこではサリーが一人仮装フィッツに向けて会話をしていた。
『私の政治手法が汚いなんて恥知らずにも程がある。泥まみれで女と
姦淫しまくり。自分の汚物喰らって立てない程ブクブクになっているのは
何処の誰?。ちょうど食べ頃よ子豚ちゃん。薄汚い獣め、腹かっ捌いて
やる。お前に悪魔の烙印が押されることはみんな知っている。お前の
主人のためベーコンを作ることだ。天罰が時期下る。神殿を彷徨くのも
この国の墓場を汚すのもその日で終わりだ。お前は地獄の炎の中でカリ
カリの豚スナックになり悪魔に喰われる』と。
フィッツ陣営もサイラスの指示で討論会の特訓をしていた。
メリーがサリー役、アンドリューがレストン州知事役、そしてフィッツ。
メリーはその地位を向上させ我が国の安全を変えるには大統領を
帰るしかない。公認は勿論私であるべきですが無理ならレストン知事
に任せる方がまだマシ。アンドリューは嫌みなお世辞だとして共和党政権
が露呈してきたチグハグそのものだという。フィッツは秩序を云々するなら
サリー、君が我々と袂を分かちながら副大統領の座に居座っているの
はどうだ?という。確かに君は勤勉で頭が良い。だから副大統領に選んだ。
だがホワイトハウスに入ってから治世を一つの目的の為に浪費してきた。
「私を追い出すこと」。君が大統領の座を望んで机上の空論を並べ立てる
のは勝手だが私への個人攻撃と聖書の引用だけでは苦しい中産階級を
救えないこと。いつどんな覚悟を持って危険地帯に派兵を決断するのかも
分からない。アメリカ兵の命を東スーダンやリビア、中東の平和と繁栄の
為、民主主義の為に危険にさらすという苦渋の決断、私はこれらの国に
貢献出来たと。
サイラスはオリヴィアに電話する。フィッツは復活したぞとし不死鳥が
蘇るのを見逃すなんて何処に居るのか?と。
その頃オリヴィアはアビーやデビッドからダニエル・デビッドについての
死の真相を知ったデータを聞いていた。酔ってバスルームで頭を打った
のではなかったのかとするが、ハックは監察医がウソを付いていたと
いう。デビッドはサイラスに買収されていたんだろうと。サリーを嫌っ
ているし彼女が刑務所に入れば対抗馬が減るしかばうなんて変だという
オリヴィア。サイラスは自分の夫(ジェームズ)でハニートラップを
仕掛けたのが事の発端だというデビッド。それでジェームズが絡んでいる
のか?。彼はサイラスに背いてデビッドに付いているのかと問うと彼も
生半可な気持ちじゃないという。会話の他にレオに後始末のことを話し
ているテープがあるし検視もろくにされず穴だらけだという。遺体の
写真が一枚もないこと。ウォーターゲート事件の上をいくことだという
デビッド。オリヴィアは絶対にあり得ないとし、殺人偽装工作が必要に
なったらサイラスは私を呼ぶはずだという。デビッドは君だと不正を
正されかねいと思ったのだろうと。これは「正義の味方に戻るチャンス。
殺人を犯した副大統領に裁きを受けさせるのに協力を」とデビッドは
語る。
サイラスの元に行くオリヴィア。ダニエルのことを聞いたとし何もかも
だという。サイラスは手は打ってあるとすると、オリヴィアは本当にや
ったのねと語る。信じられないという顔の後にオリヴィアは大笑いする。
全員人殺しだ。レストン、サリー、フィッツ。今夜の討論会は人殺し同士
の対決って訳。みんなもれなく人殺し。欠点は誰にもあるというサイラス。
フィッツに約束したのに・・・新規のまき直しに正々堂々とクリーンに
勝負に望むチャンスは無くなったという。
■感想
いちいちやろうとしていることに突っ込み処が多いドラマだなと思う
と共に、視聴者に突っ込みさせることで上手く感情や興味を取り込んで
刺激している部分も有るんでしょうか。
やっていることを見ると精神未達の子供たちがそのまんま大人になって
権力を握ってしまった感じしかしない。
でも結局最後は生死を分ける事情だったり、政権の座の権力闘争に於け
る難局をどう切り抜けられるのかということが興味に写り、次はどう
なるのかという興味をそそるところ流れに繋げているのは流石だ。
今回はサリーがついに罪悪感によって押しつぶされて、赦しを求めた
のに神の声が聞こえなくなったとして、牧師だけでなく公の場でそれを
告白することでまた神の声を求めようとするもの。
「神の言葉が聞こえなくなった。公の場で罪を告白すればまた受け入れ
て下さる。また言葉をかけて下さる。また愛の印を示して下さる。
“汝殺す事なかれ”。十戒の一つを破ったことを世界に向けて告白
しないと二度と神の言葉は聞けない。」(サリー)
こういう敬虔な信者ってカウンセラーなんかよりもやはり牧師の言葉が
強いのだろうけど、牧師の言葉さえも耳に届かなかった時、精神的
な崩壊に繋がってしまうのだろうな。
サリーは自分が行おうとする告白を阻むものに対して、「神が与えた
試練」ではなく「悪魔が寄越したもの」だとして試練を唱えていた。
次々とサリーを止めようとするものが居たけど、みんな言葉巧みに
国民のためとか体の良いことを言っていたからね。
ただこれも結局サリーは自分に都合のいい解釈で・・罪を告白したから
許されるというのは、その信者だけが感じているもので、許されるか
どうかなんてのは民主主義であり司法制度の国なんだから、国民の声が
判断するものだと思うんだよね。
ドラマとして笑えたのは、オリヴィアが笑っていたシーンかな。
「今度の討論会は人殺し同士の対決ってワケね」と大爆笑。
レストン州知事はS2-5で、妻のジョアンが建設業者のビル・メイヤーに
襲われた(実際には不倫だった)というので射殺し、オリヴィアが依頼を
受けて守っていた。
フィッツは例の民間機を墜落させているし、サリーもまた不倫した夫
が姦淫だけでなく、ゲイだということで敬虔な彼女としては爆発して
しまうところが有った。
サイラスの主張を見るとホントバカみたいな言葉を並べ立てたもので、
彼もまた国民の為とか国の為と称しているけれど、サリーの流れを
止めようとしているのは誰のためでもなくサイラス本人の為のもの
でしょう。
「隠蔽工作したのを大統領が知らなかったなんてあり得ない。刑務所に
行けと言えば行っても良いが問題は政府への信頼が消え失せることだ。
国民は税金を白羽無くなり、何世紀にも渡って続いてきたこの国の経済
や社会制度が破綻する。弱体化すれば敵国の餌食、建国以来の
偉大なアメリカの志をズタズタにされるだろう。」(サイラス)
サイラスよ、グタグダ言わず早く刑務所いけと小一時間。
B613のジェイクに語ったセリフだけど、結局サイラスは自分の保身の
ため・個人のためにその組織を動かしているようにしか見えない。
こんなことで政治の弱体化が懸念されるくらいならとっくに終わって
いる。寧ろ大統領としての資質のないものを無理矢理大統領に仕立て
上げた君たちの責任だ。罪に問われるのはサリーでありサイラスで
あり、メリーであり。でもメリーには罪を負って欲しくない(笑)
それはもうエゴの世界ですね。
■チーム・オリビア
今回オリヴィアはダニエルの件では何も聞かされていなかった為に、
サリーがダニエルを殺したと知って衝撃を受ける。
大統領候補選に於けるテレビ討論会の場でサリーは生放送の場を借りて
全てを告白しようとしていた。
サイラスやレオはなんとか止めようとするもオリヴィアとしてはこの件
は静観するとしていた。
アビーもまた今回ばかりはデビッドが正義感から止められないと知る
や殺されないかと心配している一人。
・ハリソンとアドナン・サリフ
今回はお休みだった。というかハリソンが出てこない。
・クイン
彼女は完全にB613になってしまったようだ。
オリヴィアからはクインだけはB613には入れないで欲しいとしていた
けど、結局様々なところから「以前のB613ならば・・」なんて言葉を
かけられて、ジェイクは決断を決めていく。結局の所、どの流れにも
通じているが、愛情を得られないものがとんでもないことをしでかす
という流れは一貫している。
ジェイクの決断もまた周りからの言葉云々というよりも、オリヴィア
との関係が偽装のまま発展しないと思ったからだろう。
前進出来ないのは誰もが一緒なんだけどね。
■チーム・グラント
・サリーの件
まぁ自滅してくれるものと期待したけど、自滅させるのも夫殺しの
隠蔽をしたものたちが公にされるのを拒んで、逆に止めに入るという。
オリヴィアがフィッツに頼んでサリーを討論会で勝たせて欲しいとして
いたけど、そんな事をしただけで彼女の罪悪感が晴れるとも思えない。
“個人的な失敗に誇りを思っている”
と語ったことで、サリーは何かが聞こえたようだ。
・B613
一番衝撃なのは、シークレットサービスのトムがB613の仕事をし始めて
サリーを暗殺しようとしていたところかな。
トム、好きなキャラクターだったのに確実に悪い人物になっていくな。
クインにはオリヴィアのオフィスに侵入して、一連の証拠を全て回収
していくこと。オリヴィアのオフィスだったのかデビッドのオフィス
だったのかよく分からないけど、ハックが居れば防犯はバッチリじゃ
ないのかな。
いずれクインがハックに対して、先日クインが語っていたことの復讐
をしてハックを肉扱いして舐めるシーンとか見られるのかなと思って
いるんだけどね。
■その他
・ローワン
レオと組んでいる彼。今の司令官のまずさを指摘していた。
・プブリウスの正体
サイラスにバレるくらいならば良いけど、B613にばれたのは不味かった
ね。サイラスがジェームズに対して愛していることを口にしていたの
で、死亡フラッグが出てしまったのか。それとも検事とかホワイトハウス
の広報官を殺すようなことまではしないのかな。
最後の銃弾が何発鳴っていたのか数え忘れた。
皮肉だけどサイラスへの一番の罰を考えるとジェームズが殺されることだ
とは思うけどね。
・桃源郷・バーモント
現実と絵空事のことが今回はオリヴィアを中心として描かれた。
ジェイクとオリヴィア、オリヴィアとフィッツ。決断すれば絵空事
を現実のものに出来ないこともないが、何よりも本人が望んでいない
のは明らか。
■使用された曲
・Scandal End Theme
Composed by Chad Fischer
■出演者
オリヴィア・ポープ (Kerry Washington) フィクサー、”リヴィー”
ハリソン・ライト (Columbus Short) 弁護士
アビー・ウェラン (Darby Stanchfield) 調査担当
クイン・パーキンス (Katie Lowes) B613
ハック (Guillermo Diaz) 技術担当・元CIA
サイラス・ビーン (Jeff Perry) 大統領補佐官
フィッツジェラルド・グラント(Tony Goldwyn) 大統領
ディヴィッド・ローゼン (Joshua Malina) 連邦検事
メリー・グラント (Bellamy Young) 大統領夫人、ジェリー、カレンの母
ローワン・ポープ (Joe Morton) ジェイクと精通
ジェイク・バラード (Scott Foley) 元B613
ジェームズ・ノバク (Dan Bucatinsky) サイラスの彼、広報官
サリー・ラングストン (Kate Burton) 副大統領
レオ・バーゲン (Paul Adelstein) 選挙参謀
アンドリュー・ニコラス (Jon Tenney) カリフォルニア州・知事
チャーリー (George Newbern) B613
サミュエル・レストン (Tom Amandes) メリーランド州知事
カーラ・スティール (Lauren Stamile) BNCテレビリポーター
デール (Brent Briscoe) 牧師
ヴァネッサ・チャンドラー (Jennifer Peo) マスコミ、メール
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