第16話 破滅への道 The Fluffer
脚本/Chris Van Dusen
Raamla Mohamed 監督/Jeannot Szwarc
【ストーリー】
サイラスはアビーがオリビアの変わりに選挙参謀の代理としてやって
きたことに驚く。オリビアがそんなことをするなんて病院で死にかけて
いるか人質に取られたか、外国で投獄されたなら別人を寄越すだろう
が・・・というサイラスに、アビーは代理に私が頼まれたのだと語る。
当面は私がオリビアをやるのだという。インタビューで受けた傷が癒え
ないと。こちらの担当は私だというアビー。サイラスが電話しようと
すると、そうすることはオリビアも想定済みだとし、電話してもあなた
からの電話は出ないとし私からの電話だけだという。彼女が電話しても
良いとしているのはホワイトハウスが火事になって焼け落ちそうなとき
だけだと語る。
そんな中、戦略会議室にアビーは入る。
フィッツ、メリー、アンドリュー他、選挙スタッフが揃ってるが、
アビーが支持率の話をしてもまるで反応がない。家族のインタビュー
で支持率はアップしていること。女性支持率が特に上昇しているし
メディア露出度も連勝中で素晴らしいという。残念だがキャリアウーマン
は相変わらずサリーに心酔していること。レストンは人殺しの妻・ジョ
アンがいるが刑務所を毎週訪ねて女性にアピールしているという。
そういう話は女性は弱いものだという。女性票と取り込む為更なる努力
をする為に、女性傷い兵とのイベント「女性兵士の会」が鍵だと
語る。しかしアビーの話を聞いているがどうか分からず、フィッツは
オリビアは何処だという。アビーは全国で支持率3ポント上がれば
勝利が見えるというが、みんな席を立ち部屋から出て行ってしまう。
サイラスは呆然とするアビーに良いコートだなと語る。
オリビアは父・ローワンと共同前線を張ろうとしていた。
オリビアはその為の条件として大統領には手を出さないと約束して
くれという。マジメな話だとしてローワンはかつて二期目はないと言って
いたからだという。ローワンは最近の支持率を知らないのかとして、
放っておいても彼は自滅するという。オリビアは手出ししないと約束して
と告げるとローワンは指一本触れないと語る。B613の収入源と資金の
在処を教えてというと、ローワンはB613創設の頃の話を始める。
反対派おお金に細かい連中から身を守るには予算の無い裏組織となる
しかなかったこと。80年代後半行政管理予算局にサイバー攻撃を仕掛け
政府の全省庁から少しずつ金を吸い上げられるようにしたという。連邦
予算を隈無くスキャンして微々たる額の積立金が秘密口座に入る様に
したという。全省庁、納税者が何も知らずに出資者となる危機に
存在を知るものも殆どなく金を動かせるのは私だけだったという。
口座の突破口にするならまずは何をするのかというオリビア。
「B613の秘密口座を追跡するアルゴリズム」。
オリビアはそのことを事務所で語る。デビッドは実は昨日オレ、
「金を秘密裏に吸い上げるアルゴリズム」って言いかけていたという。
ハックはその証拠は何処から手に入れたのかとしてオリビアに迫る。
オリビアは行政管理予算局のソフトのコードを調べて・・というが、
ジェイクは敵だとして話す訳がないとし誰からだと改めて問う。
父親からよというオリビア。デビッドはオレなら匿名の政府職員って
いうと語る。ハックは会議室から出て行く中、オリビアに対して標的に
されるという。あなたは親父さんの標的だとし何か約束しなかったのか
という。何か請け負うのは狙いがあるからだとし、彼らは何でもそうやっ
て手に入れるのだという。オリビアは難しいことだと思うが私を信じて
欲しいという。これは仕事だとし、行政管理予算局のプログラムに
侵入してコードを手に入れてと語る。父の言う通りならB613を終わりに
出来るという。親父さんの仕事は嫌だというハックだが、オリビアは
これは私たちの仕事だという。
朝。メリーはスタッフたちに挨拶する中、アンドリューが声を掛ける。
メリーは彼にもう電話しないでと語ると彼は僕には何も無かったように
笑顔ですれ違うことなど出来ないという。僕らは本物で、彼の為に生身
の自分を押さえつけることなどないとし、見せかけの愛しかない男
よりも君のことを本当に愛している男といるべきだという。
そんな中ニュースでは「レストン州知事刑務所の妻に面会」というニュ
ースが取り上げられる。レストンは愛は変わらないとし妻は過ちを犯し
たが刑期を終えるまで面会に来るという。
アビーは突然テレビを見て急いでオリビアに電話すると今すぐにテレビ
をつけてと語る。アナウンサーのアシュリーは大統領の愛人として
話題となったホワイトハアウスの元広報スタッフ・ジニーン・ロックさん
が作家デビューするとし、今月末に刊行予定の自叙伝「グランと
蹌踉めいて(Taken for Granted)」の中で、よろめいた瞬間を赤裸々に
綴っていると語る。
ジニーンはレポーターたちに大統領を傷つける意図はないとし、世間に
大統領の偉大さを知らせたかったという。強くて勢力的で”立派”なので
というと、女性レポーターは、それは”大統領”かスティックパンかバゲ
ットかだけでも教えてくれと語る。周りは笑いが起きる中、大統領は
バゲットですと語る彼女。ホワイトハウスが焼け落ちそうだというアビー。
タナー・ショウもロックさんはセンセーショナルな自叙伝で再び時の
人に・・と報道し、地元記者とのやりとりで物議を醸し出していると
語る。
メリーはぼくろ本を出さないというのは条件だったでしょというが、
誰かが違約金を払って出版社と契約したのだろうという。サイラスは
サリーかレストンかという。
サリーはテレビのレポーターに対して、いつまでもハレンチな話題の
尽きない大統領で困るとし私たち家族の祈りが足りないみたいだと語る。
サイラスは激怒して娘の中絶を暴露するなら今だというが、オリビアは
ダメだとし、今やれば卑怯だし鮮度も無いという、この件は無視するの
よと語る。泥仕合になるだけだという。サイラスは攻撃すべきだと
語る。
フィッツはオリビアと二人にさせてくれと頼む。
この本の影響は大きいとしメリーとアンドリューと仲直りしてくれとい
うオリビア。しかし”ギャビー”を代理に寄越すとは・・とフィッツは
オリビアに不審がる。アンドリューを外せというと、朝までに新しい
副大統領候補のリストを・・と語る。あんなクソ野郎とは組めないと
いうフィッツに対して今外すなんて素人も良いところだとし、もう
遅いのだという。致命傷になるとし、何よりもあなたが選んだあなたの
相棒だと語る。「次の用件は何か?」というオリビア。
■感想
今回は色んなところでドッカンドッカン、対立の構図が出来上がり
ましたね。
前回からの流れで一番気になるのが、時間が迫る中でのグラント家
の生放送が有り、インタビューが成功裏に終わっているけど、バラバラ
だったあの家族が、時間を計るようにしてまとめさせる事が出来たと
いう中には何が有ったのだろうか。密室の中で子供たちに何を話して
納得させたのかということが頭に残る。
その話に深く言及することはなかったけど、全ての流れを円滑に
進めるためにはやはりフィッツのオヤジがレイプ犯だということを
メリーが告白することにあると思うのに、それがない。子供たちに
言わないまでもフィッツには話すべきではないのか。
それを踏まえた上でどうやってフィッツもメリーも子供たちもあの
インタビューを切り抜けたのだろうかと。
今回はジニーン・ロックが暴露本を出すということで、秘密保持契約
の名の元で取引したのに、そんなことが出来るのかというところも
疑問だった。違約金を払ったとしているけど、そういう金の問題で
切り抜けられるのか?
時々アメリカのドラマを見ていると婚前契約を無効にするための流れ
が有ったりするけど、ジニーンの件ではどういう流れかイマイチ
分からなかった。ジニーン役のSamantha Sloyan。
このドラマと同じ日(月曜日)に見た「HAWAII FIVE-O」S4-18で、
リッチモンド家の長女のサラ役で出ていたのでビックリ。
今回の展開を見ると日本の極道/バイオレンス映画の中で
「一度吐いた唾飲むなよ」という捨て台詞があるけれど、まさに発言
したり行動した流れがそのまんま自分の身に降りかかってくるように
出来ていた。その為にそれぞれの人が発言する度に、お前もそうだろう
という突っ込みが出来たりもするし、無理強いした流れに関して、
逆に最後には無理強いさせられるという展開で締めくくられる流れも
多分に存在していた。
■チーム・オリビア
オリビアはB613の件でフィッツの政治参謀の件で忙しく動くことになる。
フィッツの件ではサイラスが暴走しているし、B613の件ではハックに
無理を要求したら、今度はオリビアの番だということでジェイクの
携帯に解析装置をつけてB613のサーバーに侵入するということを試みて
いく。
・B613の資金源を絶つ
元々B613とはどんなものだったのかということがローワンの口から
語られてどういう構図で資金源が作られているのかということも
知ることになる。これを見ると当時のローワンがどういう役職について
いたのか分からないけど、重罪を働いていることになる。見つかれば
逮捕されるんじゃないのか。
ローワンと協力してB613を潰す中で、オリビアが未だにフィッツに
手を出すのは辞めることを条件に出すところが凄いね。
B613の秘密口座を追跡するアルゴリズムを仕掛ける必要が有る。
ハックに対してオリビアは追求する為のハッキングを頼むが、ハック
は依頼してきたのがローワンなので嫌だと断ろうとするが、それを
許さなかった。逆にプログラムの侵入コードが必要だということが
分かり、それを持つのがジェイクだけだと知って、ハックはオリビア
に対して仕返しするような言葉で言い返していた。
最初はジェイクが重責によって落ち込んでいる状況の中オリビアに
助けを求めたけど、オリビアはドアを開けることなくドア越しに
追い返した。ジェイクにとっては助けを求める信号を発していたんだ
けどね。
その後オリビアがジェイクと寝ている隙に装置をつけることになる
けど、この流れを見るとどう考えてもオリビアがジェイクに接近した
理由が邪なことを考えているとしか思えなかったので、恋は盲目さ
をはらんでいたのかな。
・ハリソンとアドナン・サリフ
ハリソンは独自のルートでアドナンやマヤの動きを調べようとしていた。
ハリソンが悪い事していた時の繋がりなのか、クレアという人物と接触
して掴もうとしたけど、クレアにとってマヤはこの世界の先駆者だと
いう。一体何の先駆者なんだって感じだけど、彼ら黒人だということを
考えれば、今週の「クワンティコ」S1-15じゃないけど、憎悪犯罪の
教祖みたいなところがあるのか。
・クイン
今回のクインはマヤたちの行動を監視しろというものだった。
B613としてはマトモな仕事であり、こういう時に限ってタイミング
悪くオリビアたちの邪魔する流れがあるところなど何とも言えないね。
チャーリーがまたクインに執着しているところが怖い。
そんなチャーリーがクインの男性遍歴を尋ねるけど、ジェシーは爆弾で
死んで、ギデオンはハサミで殺されたとし、その次の彼氏はあなただ
と語っていた。まさにクインの恋人になるというのは死の宣告か。
■チーム・グラント
今回は選挙参謀としての仕事も多かった。
冒頭ではB613の件で忙しいことも有るし、フィッツと顔を合わせたくな
いという理由だけでオリビアは代理人としてアビーを仕事に送った。
グラント陣営は基盤が揺れているけど、それ以外の候補者がまたロク
でもない人物ばかりなので、正直フィッツがダメ男でもそれ以上にダメ
人間が多すぎて話にならないんだよね。
フィッツは自分が勝手に信頼出来る人物と称して選んだ人物から
悉く裏切られていく格好で、ジェイクがアレだし、今度はアンドリュー
がメリーと関係を持っていた。自分は不倫してオリビアとヨロシク
やっているのにメリーの浮気は許さないというのは如何にも前時代的
な価値観を持っている人って感じ。こんなのがアメリカ大統領で
良いの?と小一時間。オリビアに対して責任はオレじゃないみたいな
感じで語るけど、サイラスもオリビアもフィッツの人間性なんかに
惹かれて彼こそアメリカの大統領になるべき人物だと感じていた
のではなかったのか?
オリビアももう機械的に対応になり、まるでダッチワイフになっている
かの如く「次の用件は何か?」ということを唱えて、チアリーダー
になるか、慰め役になるか、いじめっ子を撃退するか、ボディガード
でもやるか、今日の役目は元気を出させることか・・それとも性的に
興奮させて雄として充足させるかとしていた。
「今日の私はアレを立たせる役?」
そう語るオリビアに対してフィッツは
「悪趣味、それに卑屈で嫉妬深い」としていたけど、それアンタのこと
ですから・・・残念!!(死語)
で、失望させられるのはこの状況でもまだオリビアはベッドに入ると
あなたのことを云々と語っている姿が有り、こっちはフィッツの顔見る
だけでもの凄い嫌悪感が有ってモザイクかけてほしいくらいなのに
一体オリビアも何しているんだって感じだった。
ケンカした後にフィッツが
「行けよ」と追い出すところは、まさに恋愛に於ける末期的的カップル
の姿(笑)。早く別れてくれ。
・サリーとレストンの件
サイラスが復活したけど完全に復活したとは言いづらい。
どれだけ愛するジェームズを失った時の心の傷が癒えているのか。
そう簡単には癒えないハズだけど、そういうところで仕事をしている
人物なので普通の人よりは切り替えは早そうだ。
サイラスはオリビアと対応の差で違いが出る。
サイラスは完全に攻勢に出ようとして、サリーの娘が堕胎した事実を
公表しようと言い出す。中絶を糾弾してきた人物が娘には裏でこっそり
手術していたのは、彼女の信仰に反することだという彼の主張だったが、
逆に娘が13歳だということを考えれば大抵の母親は同様の選択をする
ハズであり、サイラスの起こした行動は裏目に出てしまった。
・メリーとアンドリュー
本当の恋を取るのか権力を取るのか。オリビアはアンドリューにその
選択肢に迫る。大抵のあなたみたいな男は権力の方を取ると言われて
いた。最後はその通りって感じだったね。
■その他
・ジェイクとオリビア
ジェームズを殺されたことでオリビアとしては不信感を持ってしまった。
ジェイクもB613になれば結局はローワンと同じになると考えたのだろう。
しかしそれはB613の一面しかみて居ないことで、彼らは仕事として
ちゃんとマヤの監視をしている。
上手いことB613のシステムをダウンさせたことで、マヤの動きを見失う
格好となり、現場で監視していたクインやチャーリーは対応に苦慮する
ことになる。
・最後に勝利したもの
結局ジニーンを後押ししたものって誰なんだろうね。
相当な違約金を払っているハズだけど。その辺の流れがイマイチ誰だった
のか分からなかった。
ジニーンが約束を破った為に、今度はオリビアがクライアントの情報
をレストンの妻・ジョアンに見せて、殺しは夫が指示したものだと
いうことが発覚してしまう。
(ジョアンのエピソードはS2-5より
https://dramatimez.sakura.ne.jp/blog/?p=996
最後はフィッツとメリーが傷痍兵の会/女性兵士の会で自らを犠牲に
してまで国を守った事に対するコメントを見せたことで、政治工作や
スキャンダル問題でゴタゴタしていたサリーやレストンのことを
マスコミも一蹴しフィッツ陣営に有利に働いていった。
・マヤたちは何をしようとしているのか
ジェイクが彼女たちを泳がしていたのは目的を探る為だった。
7kgのニトロセルロース爆薬に鉛遮蔽されたコバルト60拡散カプセル。
モナリザ級の爆弾が用意されている。
展開上の皮肉としては、先日ハリソンがアドナンに男女関係を利用
されてオリビアの事務所が持つ選挙戦におけるの警備計画などの
全てのデータが盗まれた。
しかし今回はオリビアがジェイクに男女関係を利用することで
B613の口座情報はもちろん、秘匿通信網や設備関係の図面、継続的
プラン、送電網などを盗み出した。
■使用された曲
・Scandal End Theme
Composed by Chad Fischer
・Groove Me
Written and performed by King Floyd
■出演者
オリヴィア・ポープ (Kerry Washington) フィクサー、”リヴィー”
ハリソン・ライト (Columbus Short) 弁護士
アビー・ウェラン (Darby Stanchfield) 調査担当
クイン・パーキンス (Katie Lowes) B613
ハック (Guillermo Diaz) 技術担当・元CIA
サイラス・ビーン (Jeff Perry) 大統領補佐官
フィッツジェラルド・グラント(Tony Goldwyn) 大統領
ディヴィッド・ローゼン (Joshua Malina) 連邦検事
メリー・グラント (Bellamy Young) 大統領夫人、ジェリー、カレンの母
ローワン・ポープ (Joe Morton) ジェイクと精通
ジェイク・バラード (Scott Foley) 元B613
サリー・ラングストン (Kate Burton) 副大統領
レオ・バーゲン (Paul Adelstein) 選挙参謀
アンドリュー・ニコラス (Jon Tenney) カリフォルニア州・知事
ジェリー・グラント Jr. (Dylan Minnette) 息子、ラクロス、反グラント
カレン・グラント (Madeline Carroll) 娘、演劇
チャーリー (George Newbern) B613
マヤ・ルイス (Khandi Alexander) オリビアの母
アドナン・サリフ (Nazanin Boniadi) テロリスト
サミュエル・レストン (Tom Amandes) 知事
ジョアン・レストン (Brenda Strong) 殺人で捕まっている州知事の妻
クレア・タッカー (Kelly McCreary) 悪い事をしている新人。
ドミニク・ベル (Sebastian Roche) マヤと関係を持つ悪い人
ジニーン・ロック (Samantha Sloyan) 元ホワイトハウス広報官・暴露本
アイヴァン・ユーシェキン (Carlo Rota) 殺し屋
タナー・ショウ (Eben Ham) テレビアンカー
アシュリー (Kimrie Lewis-Davis) ニュースアンカー
— (Reece Rios) Reporter
— (Dinora Walcott) Reporter
— (Michelle Wong) Reporter
リンダ・ラミレス (Debra Cardona) 上院議員
— (Randolph Adams) Male Reporter
— (Taylor Treadwell) Female Reporter
— (Aaron Scotti) B613 Agent