女王ヴィクトリア2 愛に生きる Victoria 第5話 フランスの流儀 Entente Cordiale

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第5話 フランスの流儀 Entente Cordiale

脚本/Daisy Goodwin
監督/Jim Loach

【STORY】

出産後公務や子育てに消極的になっていたヴィクトリア。
バクルー公爵夫人が励ましの声をかけ復活していく。
一方自らの出生の秘密を知ったアルバートは激しく動揺
する。別人を装っていたことを告白して解雇された
スケレットだが、アルバートが救いの手をさしのべる。
「誰にでもやり直す資格がある」と。

◆バッキンガム宮殿

Victoria & Albert号の模型で子供たちと遊ぶヴィクトリア。
これで世界中を見て回る。まずはベルギーのレオポルド
叔父様に遭いに行きたいというヴィクトリア。そろそろ
叔父様の住まいを見せてもらわないといけないと。

ドラモンドはフランスのフィリップ国王(Bruno Wolkowitch)
との会談の約束を取り付けたとしてピール首相に語る。
問題は息子のモンパンシエ公 (Henry Faber)だと語る。

・4人の会談

マドリード駐在大使の書簡について4人(ヴィクトリア、
アルバート、ピール、ドラモント)で語り合う。
そこには「フランスはスペイン女王を嗅ぎ回っている」
というものだった。モンパンシエ公は先週女王にシマウマ
を贈っているというピール首相。ヴィクトリアは変わった
プレゼントだとしてアルバートからそんなものを贈られて
いたら結婚していないという。シマウマは飼いにくいし
アフリカとは気候が違うでしょというと、スペインの気候
は温暖だという。スペインのイサベル女王は自分で夫を
探させるのではないかというヴィクトリア。まだ小さいの
で母君が摂政として全てを決めているという。フランスと
結ばれるというのはイギリスの国益に反する。ルイ・フィ
リップがこれを機に欧州にフランス帝国を作ろうとすれば
交易やインド航路に支障を来すという。ナポレオンとは20
年も闘ったのでこれ以上は避けたいというピール。ヴィク
トリアはフィリップ王に手紙を書くという。スペインとの
縁談に懸念を示すと。アルバートにどう思うかと尋ねるが
彼はボーっとしており意見が言える立場ではないと語る。
フィリップは狡猾さ故に王位に居ること。説得は簡単では
ないというピール。自力で王位に就いたものは神に選ばれた
女王から手紙をもらえば喜ぶ筈・・やってみるというヴィ
クトリア。ピールはアルバートに陛下からの手紙が先方
に誤解を与えないか懸念されると告げる。レオポルドは
息子のフェルディナンド王子をイサベル女王の相手に考え
ているので・・というピールに対して僕には関係が無い
というアルバート。フィリップはコーブルク家の陰謀を
勘ぐるかも知れないというが・・僕は叔父の番人じゃない
という。

ヴィクトリアは手紙を書く。
「この度はスペイン王家とのご縁談について懸念を表明
したくこうして筆をとりました。」

アルバートは鏡を見ながら自分の顔の絵を書いて見るが
墨をこぼしてそれを消す。

寝室/ベッドのヴィクトリアの元にアルバートがやってくる
と彼女は枕の後ろに本を隠す。アルバートは君には僕には
言えない秘密がそんなにあるのか?日記を隠すなんて・・
と問うと、秘密なんてない・・あなたに隠し事はないと
語る彼女。サー・ロバートはフィリップへの手紙は辞める
べきだと言っていると語る。こちらがコーブルク家の縁談
を勧めていると誤解されるからだという彼。女王の相手は
コーブルク家が望ましいがそんな縁談を進めていないし
相手がフランスの王子じゃないことが重要。ピールのいう
通り手紙じゃダメねとし直接フィリップ王子に話さないと
いけないというヴィクトリア。

ピールはフランス訪問なんて賢明なのかと尋ねる。
フィリップは二枚舌だというと、本音と建て前を使い分ける
人に遭うのは始めてではないというヴィクトリア。
彼の父君のオルレアン公が革命を支持したのに結局はギロ
チンにかけられた為にフィリップは誰も信用しない。気を
つけるべき相手だとピール。だからこそ行くとし王室内
なら素直に話せる。私だから言えることもある。アルバート
に来てもらえるえば有利な助言を受けられるという。
そのアルバートは用があるとして席を外してしまう。

ピールはアルバートの様子を見て殿下は大丈夫なのかと
彼女に尋ねる。父君の死から立ち直れてないという。
フランス訪問で元気になるかも知れない。ピールはお供し
たいが火急の案件があるという。政府代表としてイギリス側
はドラモンドを随行させるという。私にお守りは必要無い
ですよと。

スケレットは旅に出るのにどちらの服を選ぶかヴィクトリア
に尋ねる。紫の絹か城のオーガンザか・・。ヴィクトリアは
紫にするという。私のバッグを知らないかとしダッシュの
刺繍入りのもの。海外に連れて行くことを語る。

■Impression

先日までNHKの海外ドラマ枠の「Reign/クイーン・メアリー」
ではフランス側から見たイギリスのヴィクトリアのことが
描かれていたので、イメージは全くの正反対ですね。
巨大化・軍事化しているイギリスに怯えている姿が有った
し、飢饉や流行病で苦しんでいたのはフランスの方だった。

当時のイギリスとフランスの王室の文化の違いなんかも
興味深く見せられるけど、基本的にはどうにも当時の欧州
各国の勢力図を見るには楽しいが、ストーリーとしては
イマイチ面白いのか分からない。

視聴率を取る為かは分からないが今回は男達は素っ裸で
子供のように無邪気に滝壺に入る姿が見られたし、
ヴィクトリアにしてもイギリス庭園内では悩ましいカット
が見られた。ショルダーに紐のないドレスを着て上からの
カットだとどうしても・・ね。

フランスの方が自由度が高かったのか敬虔なカトリック
のイギリス側の方が田舎っぽさが見られ、いつも
ヴィクトリアたちが古いと揶揄しているバクルー公爵夫人
のことを指摘できないような事態に陥っていた。
しかし正直チークなど入れなくてもヴィクトリアは綺麗
だったけどね。

更にフランスに行く際には船に乗っていくけれど、スケレ
ットは船酔いで終わってクリアリーが慣れることを語って
いたしヴィクトリアは甲板からの海を見て気持ちよさそう
にしている姿が印象的だった。当時のイギリスにしても
やはり島国故に移動手段が船に頼らさせるを得ないので
相当海軍は強かったのではないかと想像される。

今回はそんなフランスでの出来事であり、温室でヴィク
トリアとフィリップは語り合う姿が有る。
この構図はヴィクトリアにとっては年上の男性のメル卿
と過ごした温室を想像させる演出。ただし同じ年上でも
フィリップはそう一筋縄でいくような人ではないことは
確かだった。ナイフのことを語っていたし、物騒な人だな
という印象も有った。

■色々と悩ませること

・出生の秘密

一番の問題はやはり先日コーブルク公爵が亡くなったこと
を受けて、悲しみに浸る間もなくアルバートの出生の秘密
をレオポルドから聞かされてしまったこと。
そのことで彼は自らのアイデンティティの問題に苦しむと
同時に結婚が正当なものではなく婚外子のものと結婚した
ことで全てのことが嘘だと感じてしまっている。

愛人というキーワードで見れば、今回登場するフランス国
王のフィリップ国王も相当手広いものがあるし、そもそも
彼自身が父親の愛人の子が教育係として生きて来たことも
ある。

アルバートは「嘘」には相当敏感さを持ってしまったし、
逆に不本意な「嘘」に関しては寛容さを持っている。
先日のスケレットの件でもセカンドチャンスを与えると
言って首にしなかったのは彼自身の事情も大きく関わって
いる。

そしてその「嘘」はフィリップ王も相当痛い目に遭って父親
を失っていることも有ってかなり敏感な要素として存在
している。

交渉する前にアルバートはそのことをヴィクトリアに全て
話していた。これ以上独りで抱えるには辛い秘密だったの
だろう。

その後アルバートがフィリップに説得したが結局は葡萄を
例につかってどちらもその葡萄には手を出さないとする
約束を取り付けたが、やっぱりフィリップは裏切った。

・スペインを巡る争い

無敵艦隊のスペインと同盟を結べばこれ程心強いことは
ない。イサベル女王の結婚相手に関して、フランスは
息子のモンパンシエ公/アントワーヌを結婚させて関係を
強固なものにしたいだろうし、ドイツ側のレオポルド、
コーブルク家のものにとっては息子のフェルディナンド王子
を相手にしたいと考えて居る。ドイツは欧州を治める為に
着々と各国の王室に自分の親族を送り込んでいるのは明らか
だしね。

結局どちらもスペインには触れないようにしようと言った
にも関わらず最後に裏切ったのはフィリップだった。

・エルンスト

彼は突然フランスにやってきたけど、それに対してウィレ
ミーナは嬉しそうだったが彼はどちらかというとかなり
自由に行動する方で、フランス側の女性は誰だったのかな。
くるくるっとした髪の毛のオルタンス (Antonia Desplat)
が相手かなと思うのだけど、その彼女と良い感じの関係に
なりそうな雰囲気は有った。
彼がコーブルクの新しい後継者となりザクセン=コーブルク
公としての訪問となる。

■産業革命・近代化

・ファッション

やはり外国に行って一番驚くのは食文化やファッション
文化が違うことだろう。
ファッションに関してはフランスの方が随分と先進的な
流行で化粧することに関しては相当敏感だったようだ。
笑っている人も居たがすっぴんのヴィクトリアに勝てる
のか?と小一時間な感じ。

ヴィクトリアはフランスに溶け込もうと努力して、
チークやアイライナー、パウダーなどのことをスケレット
ウィレミーナ、ハンナ・ラングリッジ (Kosha Engler)?
に聞いて今風を装う。

やはり女性だから回りの反応を気にしてしまうところが
あるのだろうね。

・食事

スイーツなどかなりフランスはその文化も進んでいる。
クイーン・メアリーの時にカトリーヌがイタリア文化に
依るところが大きいことを語っていたよね。一応今回
イギリス王宮のものたちが来た際にカトリーヌも出迎え
に出て来ていた。

ディナーの席ではズアオホオジロという小鳥の姿揚げ
のようなものが出て来た。ブランデーに浸しておいて
から食べるもののようで、それを食べる時には目の前に
ナプキンで食べる姿は見られないようにしていた。

またイギリスにマカロンがあればフランスにもあのタワー
のように積み上げられたシュークリームのようなエクレア
がある。

バクルー公爵夫人はお茶とトーストだけ持って来てと言っ
て食べることはなかった。

・庭園

別荘であるウー城に招かれることになり、食事はもちろん
昼間は園遊会と称してお偉いさんたちが集まり楽しむ姿が
ある。フランスはとにかくとても庭園の整備が行き届いて
おり、逆にイギリスから来た男性陣は居心地が悪そうだ
った。城から出て森に行き(バッシュが居たら行かないぞ
(って何の話だ))、そこで滝壺で水遊び。モンパンシンは
少々呆れていたけどね。アルバートが飛び込み、ちょっぴり
怪しい関係になりつつあるアルフレッドとドラモンドが
後に続き、そして最後は服を着たままエルンストが
飛び込んだ。

ベリー公爵夫人はそれに気がついていたみたいだけどエル
ンストが居たから見て見ぬ振りをしたのかな。

■その他

・夫婦仲直り

やはりアルバートが出生の件で偽りの自分ということに
悩んでいた為にちょっぴり関係は怪しいものになりそうだ
ったけどそれを打ち明けたことで結局彼は彼ということで
ヴィクトリアは主張し、この旅の目的を一緒に果たそうと
いうことになる。その夜に関係を持っていたけど、その声
が聞こえた為に従者たちが戸惑って居た。

・フィリップはヴィクトリアを馬鹿にしている

潜在的に彼は彼女がまだ幼い故に手込めにとれるとでも
思っているのだろう。そもそも始めてイギリスに来た
彼女のことをプペ(人形)と呼んでいた。言葉通りなら可愛
らしいことなのでしょうがやはりその後に周りのものたち
「バッグに犬の刺繍なんて信じられない」(カトリーヌ談)
が有ったりしたので軽く見て居るところが有ったのだろう。

またコーブルクのアルバートを目にしてフランス流では
あるのだろうが両頬に見せつけるようにキスをしている
光景もある。

・恨みの連鎖

イギリスとフランスは仲が悪いとよく言われる。
サッカーをやっていると特にその言葉はよく聞く。
冒頭ではナポレオンの事が語られていたけど、フィリップ
自身が過去に生計の為にイギリスで教師をしていたりして
いたことを語っている。

また今回バクルー公爵夫人もかなり不機嫌だった。
「私の兄弟はトラファルガーで死んだ。フランスは今風
かも知れないが私は虫が好かない。本性が全く見えず品が
無いから。」

「料理は美味しかった」「でも誠実さがない。全部ソース
まみれで中身が分かりません」「茹でたマトンとカブこそ
健全な食事です。」

・妊娠アゲイン?

このシーズンに入り5話目にして3人目の子供の妊娠なの
だろうか?最後にお腹をさすっていたよね。
悪い知らせの後最後は良い知らせになったのかな。

■Used songs

■Cast

アレクサンドリーナ・ヴィクトリア (Jenna Coleman) ハノー

バー朝の第6代女王
アルバート王 (Tom Hughes) レオポルトの息子、弟
ルイーゼ・レーゼン (Daniela Holtz) 家庭教師から
ケント公妃 (Catherine Flemming) ヴィクトリアの母、ドイツ人
LADY エマ・ポートマン (Anna Wilson-Jones) 顔が広い夫人・女官
ハリエット (Margaret Clunie) サザーランド公爵夫人、ホイッグ党
ウェリントン公爵 (Peter Bowles) トーリー党員、ハノーバーの王様
Sirロバート・ピール (Nigel Lindsay) 首相、トーリー党員
ドラモンド (Leo Suter) ピール首相の秘書官

ペンジ (Adrian Schiller) 王宮の使用人長
バクルー公爵夫人 (Diana Rigg) 女官長
ウィレミーナ・コーク (Bebe Cave) バクルーの姪
スケレット(ナンシー) (Nell Hudson) 王宮の衣装係長
ブロディー (Tommy Knight) 王宮の使用人
Lord アルフレッド・パジェット (Jordan Waller) 馬車でヴィクトリアに
コーブルグ公爵・エルンスト (David Oakes) 長男、アルバートの兄
レオポルド王 (Alex Jennings) ベルギー国王、実はアルバートの・・

イライザ・スケレット (Samantha Colley) スケレットの子を育てる、秘密を知る
クリアリー (Tilly Steele) 衣装係助手
フランカテリ (Ferdinand Kingsley) 厨房係

ルイ・フィリップ国王 (Bruno Wolkowitch) フランスの国王
モンパンシエ公 (Henry Faber) アントワーヌ王子
ハンナ・ラングリッジ (Kosha Engler) フランスの流行を教える?
カトリーヌ (Olivia Popica) ルイの愛人
オルタンス (Antonia Desplat) ベリー公爵夫人?
(Emily Renee) フランス人メイド
(Charles Morgan) フランス人従僕
(Manoj Anand) フランス人従僕
(Martyn Clarke) 小作人
(Steven I. Dillard) 王の従僕
マリー・アメリー王妃 (Wendy Michelle Taylor)

フェルディナンド王子 (Alexander Tol) レオポルドの息子
バーティ / 息子、ヴィクトリア&アルバート
ヴィッキー / 娘、ヴィクトリア&アルバート
ジャンリス夫人 ルイの父の愛人で教育係
オルレアン公 ルイの父、革命支持して死刑
イサベル女王 スペインの女王

イオス 犬 / ドイツより
アイラ 犬 / ヴィクトリアの愛犬

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