脚本/Nancy Kiu
監督/Steve Robin
【ストーリー】
地下駐車場に車を走らせる女性ミア・ラズロ (Stephnie Weir)
は、カバンを持った男とぶつかりそうになる。彼女は車に
降りる前に軽く化粧直しすると、急いでエレベーターに乗ろう
としてボタンを押す。その時突然何処からともなく銃声が
聞こえる。急いでエレベーターに乗るが覆面をした男も
乗って来る。命乞いをするミア。
●リックの自宅
リックは【AIロボのルーシー(声:(Aubrey Plaza))】に帰宅の
挨拶をする。するとそこには母・マーサとアレクシスの姿が
有った。AIロボを見れば冷凍ピザにネットショッピング三昧
だそうねと言う母。アレクシスはアクション映画ばかり
観ていると指摘。
キャッスルはルーシーを見て裏切ったなと語るが、ルーシー
本人は「設定次第である」ことを告げる。マーサはケイト
が居なくなって辛いのは分かるが昼からアルコールはよくない
と語る。しかしこれは分署への差し入れだとしエスポと
ライアンの【昇格試験の合否が出る】のだという。ケイトが
居たらマズイのでしょ?というが益々目出度いと語るリック。
●現場の地下駐車場
ケイトは(昇格試験の)結果は分かったのかとエスポとライアン
に問うが、二人はその言葉は禁句だとして縁起が悪いだろう
ことを語る。ケイトはお口にチェックねとジェスチャーする。
ラニに対して被害者の身元を尋ねる。
ジャスティン・フレッチャー (John Nania) 38歳。至近距離
から胸部に2発撃ち込まれている。死亡推定時刻は午前10時14
だとすると、ケイトは具体的ねと語る。目撃者が匿名で
通報してきた時刻で現在発信元を調べているという。
被害者の車は駐めてある。
カージャック、強盗の線はないとして現金もサイフも無事。
しかし車は防弾ガラス、タイヤもドアも防弾仕様だという。
被害者は要人のボディガードなのか。
「その割にはケツが小さい」
とライアン。視線の先にはケイトの尻が見えた為に誤解され
「後部座席が狭い」
そのような意味だと語る。謎めいてきたわねとケイト。
車には何かが入っていたであろうスペースが有る。
何が入っていたのか鑑識に調べさせるよう告げる。
ライアンは通報者の身元が分かったと語る。
名前はミア・ラズロ。自宅はバッテリー・パークだという。
それを聞いたケイトは逢いに行ってきてと語る。
●バッテリー・パーク/ミア・ラズロのアパート
エスポとライアンはミアのアパートにいく。
殺人を目撃して通報したでしょとして同行して欲しいことを
語る。バッジを見せられた為に仕方なく行くとするが、
行き方は私が決めると謎の言葉を発する。
後部座席で窓は全開にしてと語る。
●NYPD・12分署
ケイトはグレアム・フレッチャー (Kevin Joy)を署に呼んで
事情を聞く。
犠牲者である兄のジャスティンの事を恨んでいた人は居た
か?と問うと、それを否定し、兄はみんなから好かれていたと
いう。両親が死んで兄は軍隊を辞めたこと。ボクの美大の
学費を出してくれたのだという。仕事は?と問うと高級品の
運送をしていて多忙だったとのこと。違法なものも運ぶのか?
と問うと車に隠し収納庫が付いていたのだという。その中に
入っていたものに心当たりは有るのか?。昨日兄と話した
時には「ファルコンって人と逢うと言っていた」事だけは
知っているという。
ライアンはケイトを呼ぶ。
「俺って臭うか?」と問う。ライアンによると目撃者の
ミアって人が訴えているのだという。
「汚れたオムツの悪臭で自分を殺す気か」
と言われたと。エスポのオーデコロンは
「悪魔のおケツの汗だ」
と言われたと。ケイトは確かに強烈だが・・・というと、
ライアンは聴取を変わってくれと頼む。
「君って良い香りだから・・キャプテン(警部)」
と。エスポと被害者の身辺を洗ってとし、特にファルコンっ
ていう人物との関わりを調べてと語る。
・ミアの元にケイトが行く。
当時のことで覚えていることを尋ねると銃声が2発してから
目出し帽の男がエレベーターに乗って来た。1階でエレベーター
を下りて行ったのでだから通報したのだという。そんな
ケイトに対してあなたは朝食にケールを食べた?と尋ねると
嘆かわしいという。臭いはプンプンすると。部屋はゲロ級
でギリシャ料理の臭いだという。【嗅覚敏感症】だという。
「犯人の臭いは?」と尋ねると、「ワンコ」もしくは「火薬」。
白人だった、身長180cm、黒っぽい服で自分が殺した男の
ブリーフケースを持っていたという。
エスポは駐車場にカメラはないとの連絡を受ける。
ライアンは周辺の映像を集めていた。
そこにエスポの携帯電話に連絡が入る。
「合否の通知」であること。
1-2-3で見ようとすると、そこにリックもやってくる。
エスポは合格、そしてライアンは不合格だった。
リックはライアンに次は合格すると慰め、そしてエスポには
おめでとうとしてシャンパンを渡す。
ミアの聴取が終わったケイトはリックを見て話が有ることを
告げる。
「お茶目な二枚目が何でも聞くよ」
というリックの言葉に思わず微笑んでしまうケイト。
しかしその後冷たい現実を聞かされる。
「後で家に寄って残りの荷物を引き取りたい」と。
そのやりとりを見ていたミアはリックに対して
「彼女はあなたにぞっこんだ」と語る。誰のことかと尋ね
返すと、
「フーチの相棒っぽい女警部のこと」だという。
あなたを見てフェロモン大放出の匂いだという。
何故分かるのか・・
あなたはシェービング剤で洗髪し、朝食はタコス。
そして歯を磨いていないと指摘。それを聞いたリックは
嗅覚敏感症なのかと言うと、匂いが分かるのかと告げる。
「僕の新車のフェラーリは良い香りだ」
として家まで送る間に色々と話を聞かせてほしいと頼む。
それともジュリアンに送ってもらうか?とするとミアはリック
の提案に応じる。
そしてエレベーターに乗ろうとすると入れ替わり12分署には
フリーのセキュリティ屋のヘイリー・シプトン
(Toks Olagundoye)とすれ違う。
■事件
地下駐車場で射殺されて発見された男性。
被害者の身元はすぐに判明するが、殺される直前にエレベー
ターですれ違う嗅覚過敏症の女性・ミアの姿が有った。
犯人の匂いは「仔犬」「火薬」がしたという。白人で180cm
でブリーフケースを持っていた男性・ジャスティン。
果たして彼女は12分署に協力し、そして犯人の元に導いてく
れるものなのか。被害者が持っていたブリーフケースは何が
入っていたのか・・そしてファルコンとは一体何のことなの
か。
■感想
単発の事件とケイトの案件の二つの流れがあるが、やはり
どうしてもケイトの流れはドラマを引き延ばしているとしか
思えないところも有ったりするね。リックとケイトは紆余
曲折してきて相思相愛にまで至った二人の関係を思うと
やたらとまどろっこしさを感じるところも有る。
エスポとライアンの仲にしても二人の間に階級差が無いから
こそ良い関係を結べていたが少し雲行きが怪しくなって来る。
ドラマの通報者が今回のドラマの中で「ターナーとフーチ」
の事を口にしていたが、元々このドラマの冒頭のナレーショ
ンの中でケイトが言及して時の事を引用してずっと使って
いたことがあるけど、今回のフーチは明らかに嗅覚過敏症の
女性だな。
興味深い要素としては・・
上述した通報者は「嗅覚敏感症」という特殊スキルを持つ
人物であること。それが捜査にどう役立ち関わっていくのか。
犬のようにして匂いを嗅ぎ分けて尻尾を掴んでいくのか。
それが証拠として採用することは可能なのか。
また「ファルコン」というキーワードが捜査線上に浮かび上
がり、早い段階からその存在を知る。
被害者が持っていたであろうスーツケースの中身は何だった
のか。
そしてやはり捜査から遠ざけられているリックが捜査に
どのようにして加わっていくのか。ヘイリーの登場は
リックを捜査の一員としての存在感を失わせるものだ。
ファルコンとはヘイリーが語るように
「ファルコン・ユニット」という会社だか組織の名前のよう
だ。
しかし今回は「匂い」とか「尻」というのは一つのキーワー
ドだった。捜査に非協力なミアを家から引きずり出したのも
リックの尻から出る放屁だった(笑)
・ヘイリー・シプトン
シーズン8から登場したフリーの捜査員のような人物だ。
シーズン通してほぼ最後まで出演している。
後にリック役のNathan Fillionと共に
「ザ・ルーキー 40歳の新米ポリス!?」(The Rookie/2021)で
共演している。
■捜査
・ファルコン社
貴重品の輸送会社。違法なものも時に扱う。
運び屋が被害者なのか。
防弾仕様の車や隠し収納庫が設置してあったことからもそれ
を裏付ける。
スーツケースには保険金が高額で保険会社に探すように依頼
されているとのこと。
中身は「ゴッホの幻の名画」。
3週間前に6500の万ドルで落札されたもの。
そんな名画の競売は何故か話題にすら上がってこない。
・顧客名簿
競売会社からあっさりと渡されるハズも無い。
元々違法に何度も人の手に渡ってきた作品だ。
しかしエスポが目撃証言に合う男を見つけてくる。
防犯カメラ映像に映る男。
メトロカードの購入者からフレディ・スターク
(Chris Caldovino)と割り出す。不法侵入と暴行の前歴。
・ミア・ラズロ
嗅覚が鋭いと大変だ。まるで他人をゴミ扱いする姿も有る。
潔癖症の人も他人を家にあげるのを拒むよね。
リックも家に入る際にはもの凄い消毒のようなものを
かけられる。彼女はそのスキルを利用して香水の会社に
勤務している。
リックはミアと行動して分かったことがある。
彼女は人生から逃げているのだ。
「思い切って外に出ないと人生は始まらない。」
捜査官として意外な経験をしていくという意味では
アーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画「トゥルー
ライズ」(True Lies / 1994)のJamie Lee Curtis見たいな
役柄か。
マーサのことを知っていて1999年5月19日の「ピピン」の
公演を見に行ったという。公演は全然良くなかったが
マーサの演技には感動したとのこと。
■捜査
・取り調べ/フレディ
アリバイを尋ねるが適当なことを言われて交わされる。
キャッスルからの電話で「突破口を見つけた」との報告。
ミアが犯人の匂いを嗅いでいる。
・しかし犯人は目出し帽で顔を見ているハズは無い。
・匂いは火薬臭で特定出来るのか。
・マニキュアの除光液の匂い。
しかしそれでは信用されなかった為に
「カバンの中は古い油絵でしょ」と核心をついた。
・容疑者の匂い鑑定
ミアが一人ずつ匂いを嗅いでいく。
面通しなら分かるけどね。
フレディに嘘をついてふっかけてみる。
現場に居たのはファルコンのギリアム・フレッチャー
(Kevin Joy)に頼まれたから。
ギリアムはジャスティンに激怒していた。二人は兄弟。
10時20分に絵を取りに行くと既に死んでいた(フレディ談)
■エスポとライアンの関係
今後ややこしいことになりそうだ。
エスポが捜査方針を語っただけでライアンは嫉妬心を出す。
巡査部長に昇進したからなのか。
張り込みのシーンに於いてもエスポはライアンと話し合う。
確かにライアンとしては辛いがエスポが受かったのだから
合格をねぎらう言葉があっても良い。
犯人を追跡する中で、人影を見たライアンが発砲するが
撃った銃弾はエスポの尻に当たった。
完全に信頼関係を失う。
リックはその事実を知り
「名射手ライアンと”ケツ”ポジートだ」
ケイトは二人が最後まで喧嘩していたのを知り
「尾を引くならセラピーで関係修復の秘訣(ヒケツ)を知りな
さい」
・ファルコン・ユニット社
社長のトム・ギリアム(Ray Proscia)の元へ。
自社で輸送中の絵を何故強奪しようとしたのか。
トムは絵はジャスティンに盗まれたと主張。
絵の輸送費は破格だったこと。
本当の輸送係は元傭兵のリアム・ホリスター(Charles Mesure)
だった。気性の荒い男らしい。
ロールスロイスに乗っているのでヴィクラムが交通監視カメラ
を調べる。
・ホーソーン・カーター
リアムが逃走。ホーソーン・カーター(Terrell Tilford)に
電話した。ヘッジファンドで財を成した人物。絵の収集が
趣味。ゴッホの絵を落札し損ねる。
リアムから接触があるがホーソーンによるとロールスロイス
を売りたがっていたとのこと。絵の売買も持ちかけられるも
既に別の絵を買ったので断った。
・リアム
リックが高級車を売りに行く振りをして結果的に潜入捜査の
ような形になる。捜査慣れしていないミアとのコンビで
銃を持つ相手を捕まえる。
取り調べるが殺人は否定。状況証拠のみ。
そして絵も偽物だった。
本物ならば匂いで分かる
■結論
絵の所有権は複雑。
大戦中に盗まれて個人所有を経て競売にかけられている。
2年前に返還請求で負けた元の所有者がいる。
それはロレンゾ (Aubrey Deeker Hernandez)だった。
キャッスルの家に銃を持って押しかけて12分署から取ってこい
という。彼の父親は探し続けて失意のまま亡くなっている。
ルーシーを使って相手を攪乱させて銃を奪う。
犯人から二度目の行動。
ミアの鼻を殴ってしまう。
しかしロレンゾは犯人ではなく、元々偽物を自分のボスに
売ろうとしていた。
現場検証を改めてリックとケイトで行う。
除光液の匂いの元は有効成分のアセトン。空調装置から漏れる
フロンの匂いはアセトンに似ている。
犯人はそこに隠れていた。そして髪の毛が抜けて付着してい
た。
DNAの結果、その人物を特定。
被害者はギャンブルで多額の借金があった。
リックはミアに謝罪して花を贈る。
エスポとライアンは仲直り出来るかと思いきや、ハグしようと
する際にライアンが松葉杖を踏んでしまい最悪の結果に・・
「愛の香りを作り出すことに人生を捧げてきた。でもそれは
偽物の絵と同じ事。」
ケイトが荷物を取りに行く際にリックのスーツの匂いを
嗅いでいき、ケイトはリックの元に彼女のインナーを置いて
行く。匂いを嗅ぐというのは微妙な行動のようにも感じるが
匂いによって相性が分かったりもするのかな。
■使用された曲
・Castle Theme Song
Written by Robert Duncan
・Into You by Low
・Lucky One by Trimountaine
■出演者
リチャード(リック)・キャッスル (Nathan Fillion) 作家
キャサリン(ケイト)・ベケット (Stana Katic) NY市警12分署殺人
マーサ・ロジャーズ (Susan Sullivan) キャッスルの母親。女優
アレクシス・キャッスル (Molly C. Quinn) キャッスルの一人娘
ハヴィエル・エスポジート (Jon Huertas) ベケットのチーム
ケヴィン・ライアン (Seamus Dever) ベケットのチーム
ラニ・パリッシュ (Tamala Jones) 検視官
ヴィクトリア・ゲイツ (Penny Johnson Jerald) 主任・警部
ヘイリー・シプトン (Toks Olagundoye) フリーのセキュリティ
ミア・ラズロ (Stephnie Weir) 嗅覚過敏症、香水会社の顧問
リアム・ホリスター (Charles Mesure) 元傭兵、フランス外人部隊をクビ
ロレンゾ (Aubrey Deeker Hernandez) ゴッホの絵の持ち主
ギリアム・フレッチャー (Kevin Joy) ジャスティンの弟、絵の才能
フレディ・スターク (Chris Caldovino) “ファルコン・ユニット”運び人
ホーソーン・カーター (Terrell Tilford) ヘッジファンド、大金持ち
トム・ギリアム (Ray Proscia) “ファルコン・ユニット”社長
コリン (Hector Osorio) 中古車
ジャスティン・フレッチャー (John Nania) 38歳、被害者
ルーシー (Aubrey Plaza) 声、リックのパートナー
ジュリアン刑事
ヴィクラム刑事