(Anne aka ANNE WITH AN”E”)
Marvin Moore (c) 2017 Northwood Anne Inc.
https://www.nhk.jp/p/anne2/ts/Y5K7QL16N3/?cid=orjp-drama-lineup
脚本/Moira Walley-Beckett
監督/Helen Shaver
第1話 青春は希望の季節 Youth Is the Season of Hope
【ストーリー】
●アヴォンリー
アンは部屋でこれまで集めたものをテーブルに置く。
そしてその中から一枚の貝殻を手にする。納屋に居る馬の
ベルに挨拶するとロープを居にしてアンは大草原の深くに
ある一本の木の下に行く。そして持ってきたロープを使い
木の上に登って遠くを眺める。素晴らしい眺め・・
海を渡っていったギルバートへの思い。
森の中には動物たちで溢れ、風のせせらぎと相まってまるで
音楽を奏でているかの様。チョウ、キツツキ、カエル、
フクロウ。そして小川の上にかかる木の橋を渡っていると
よろめいて彼女は落ちてしまう。
●カスバート家
アンは帰宅するとマシューに挨拶する。
そしてマシューに大して島にある沢山の木の中で一番古くて
優しい木を見つけたことを語る。マシューもその木の事は
知っていた。島に住む鳥の種類について一体どのくらい居る
のかとアンは興味を持つ。
マリラはアンが服を濡らして帰ってきたことに驚きどうした
のか尋ねる。
「冒険をしていた」
そんなアンの言葉など邪魔くさいとばかりに汚れたブーツを
すぐに脱いで濡れた服から着替える様に命じる。
カスバート家に現在下宿人として居候しているダンロップ
(Shane Carty)とネイト(ナサニエル)(Taras Lavren)。
ひげ面のダンロップは料理を手伝っていた。
夕食時、ネイトが来るのが遅れる。
それを気にかけるマリラ。仕事に熱中していて時間に気がつか
なかったという彼はマリラの肩に手を乗せると、彼女は
思春期の女性のようにドキっとする。
ネイトは一見好青年で誠実に思えた。肩書きも会社から派遣
されてやってきた地質調査員。
マリラは食事をしようと言うがネイトは敬虔な信者である
かのように感謝の祈りを捧げたい事を告げ、祈りを捧げよう
とする際にはまたしてもマリラの手を自然に触れる。
「全能の父なる神よ~食料に感謝すると共に食事が私たちの
肉体・魂の糧になりますように・・」
「愛する人、貧しい人にも恵みが与えられますように・・」
と。
●大陸行きの船
父・ジョーを失ったギルバートは街を出て港で作業員として
働く。この日は船の作業員として乗船していた。
釜炊き男(Brian Bisson)、炭鉱夫は作業員たちに厳しく命じる。
ギルバートはそんな彼らの目の前で歌を口ずさむ。
『オレがガキの頃に母さんに言われたものだ。綱を引け。
キスをしなきゃ唇が・・』
そんな彼に同じく作業員として働くセバスチャン
(Dalmar Abuzeid)は釜炊きが遅れるとして注意する。
釜焚き男もまた二度と歌うなとしてバツとして便所掃除させ
るぞと語る。
●カスバート家
ベッドの上に寝そべりタバコを吹かしてトランプに触れて
いたネイト。そこにアンがやってくると、「私もついて行っ
ても良いか」と尋ねる。アンは彼が仕事をしている所を
見てみたいとし、また岩や土壌に興味を持ち研究が楽しそう
である事を告げる。
ここに来た頃赤土を見て驚いたという彼女。酸化鉄を見る
だけでゾクゾクする・・まるで宇宙だと。アメリカの野菜主
たちがこの土を欲しがっているなんて、と想像を膨らませる。
(回想シーン)
アンはここに来る前に全寮制に通っていた。
年上年長(Alexandra Floras-Matic)の女性には、アンが
書く物語は自分に見立てたコーデリア王女が登場してくる為に
彼女をからかう。そして寮長(Sarah Dodd)はエスターに
頼んで本を持ってきてもらう。
『ジェーン・エア/Jane Eyre 著作 Charlotte Bronte』
・現代
ネイトはアンに対して家の手伝いもあるのに連れ出したら
怒られるという。そしてネイトは変わりに本を差し出すと
この本を読めばオレ以上の知識が詰まっていると語る。
アンは真剣に地質学について学びたいとし、これから山程
質問をすると語る。
・洗面所
マリラが髪の毛を洗う中、ネイトは彼女の隣を通り過ぎる
洗っていた事を知らずにいた為に失礼を詫びると共に
出かける前に彼女に声を掛ける。
「あなたの髪の毛は良い香りがする」
ダンロップは仕事をしながら歌を歌う。
「必ず儲かるよ~アヴォンリーで・・だから僕に賭けてよ。
口だけでなくてどうか僕に賭けてよ~」
そんなダンロップに対してネイトは「今日やる、釣り糸を
垂らす」と語る。
・アン
仕事をしながらアンはネイトから受け取った鉱物に関する
書籍を熟読する。
ジェリー(Aymeric Jett Montaz)の居る納屋に行く。
するとジェリーは彼女に対してある事を告げる。
「アイツ(ネイト)は何か変だ」
しかしアンは彼に関してこれまで見てきた中では特に不審な
点はなく寧ろ
「本が人生に欠かせないものである事を分かっている」
と語る。
そんな中アンはジェリーに本の一文を見せようとするが
彼は学校に通えなかったので文字が読めないことを語る。
アンは単語は全てアルファベットで表記し26種類あること。
組み合わせればどんな単語でも作れるという。
まずはあなたの名前から覚えていこうとしてJERRYと書く。
■感想
シーズン2が始まりました。
地上波での放送は嬉しいけど日曜日の23時というと確実に
寝ているのでリアルタイムでの視聴は無理だな。
ディスクに焼いて職場で見るか、朝早く起きて見るか、
帰宅してから見るか、暫くレコーダーの中に録画しておいて
熟成してから見るか・・
シーズン1の事をあまり覚えていないのが悔しい。
データとして残しておいたUSBメモリも壊れてしまい未だに
復旧させていないので最後はどうなったのかイマイチ覚えて
いない。こういう時のブログなんだけど意外とドラマを見な
がら感想を書いている時が多いので全く分からない文章に
なっていることもある(笑)
シーズン2のテーマとすれば・・
「希望」とか「未来」なのかな。そして学習の必要性を
唱えていくものに繋がっていくはず。アンのように切れ味鋭い
思考を持っている人が詐欺師のことに何時気がついていくの
か。
意外にもドラマを見ていると納屋で働いて居るジェリーには
過去が有り、二人の詐欺師の事を知っていそうだ。
そして気になるのは登場人物が時々口ずさむ歌である。
■初回
二人の詐欺師がアヴォンリーにやってくるという不穏な
流れがある。彼らは地質学者という名目でアメリカの企業に
雇われてやってきたという社員的役で、当初はこの土地の
地質が植物を育てる上で栄養が有るのでは無いかとの調査で
やってきたとされる。しかしその際に偶然にも「金 GOLD」
を見つけたとして、その金の採掘調査を利用して街の人
たちから金を巻き上げようとしている。
・過去の回想、未来の想像、欲への妄想
ドラマでは主人公のアンを中心とした記憶の回想シーンも
多く挿入されている。そしてその過去のエピソードは
主に本にまつわるものではあるが、現代のエピソードに
繋がっており、過去の失敗を現在で活かそうとする流れが
色んな所で見て取れる。
アンの好奇心はネイト自身はドラマの中で危険だとしていた
けれど、過去から現在に至るまで如何に彼女の中の好奇心が
あふれ出ているのかが見て取れる。
またこの島全土に言えるのは、不幸が続いたシーズン1だった
だけに「希望」「未来」というものを「投資」という形で
求めている部分がある。投資には成功もあれば失敗もある
ものだけど、それが明らかに詐欺であるという事を知って
妄想めいた流れになってしまうところはドラマとして何者かが
止めなければならないところだ。
■不確定要素
・ジェリーの存在
悲しい事だがジェリーは恐らくこの二人の詐欺師の正体に
ついて知っているのであろう。詐欺師の二人もジェリーの
事に気がついたが、さりげなくフランス語で話しかけるも、
そんなネイトの言葉にジェリーは何の反応も示さなかった。
ジェリーのこれまでの生育環境も関わってくるような
流れがあり、何処で彼が勇気を出して二人が詐欺師である事
をアヴォンリーの人たちに話すのかは鍵となる。
・ウィリアム・バリーの存在
この人は当初もっとも鴨にされる人物かと思って居たけど
実際には二人の詐欺師と協調して物事を運んでいそうだ。
「金を見つけて大発見した。ニューヨークに土のサンプルを
送って検査してもらっている。会社には黙ったままだ。知ら
れると会社に取られる」(ネイト談)
今回幾つかの場面で、その人となりの悩みごとを抱える様な
流れになっているが、ウィリアムの妻であるエリザ・バリー
(Helen Johns)は恐らく夫から情報を聞き出しているハズで
ある。ウィリアムは人として論外だが、エリザは一つのキーマン
として存在していくのかも知れない。
・マリラの存在
明らかに二人は詐欺師ではあるけど、詐欺師なだけに街の人
たちの心をつかみ取る話術に長けている。
何よりも鉄の女のようなマリラに近づくネイトのコミュニケ
ーション能力は、中年の心を鷲づかみにするようなもので
あり、色々と時に遊び人的であり、時に紳士的であり、あれ
これ年上の女性を攻略していく心理的状況が面白く作られる。
マリラという人物は生きていく中で経験してきた事も多い
だろうが異性との関係に於いてはやはり奥手で不器用である。
■言い伝え?
上述したことにも繋がるのだけど、ダンロップにしても
船に乗るギルバートにしても同じような歌を歌っている。
「オレがガキの頃に母さんに言われたものだ。綱を引け、
綱を引けジョー、キスをしなければ唇が錆びちまう」
ダンロップとギルバートに繋がりがあるのか。
・若い血は必要不可欠!?
ネイトも悪い人物だが、人の心を揺さぶるだけのスキルは
持ち合わせている。既に人生は終わりを告げようとしている
と考えて居るカスバート家の人たちには、ネイトだけでなく
アンという女性の突拍子もない行動力によって、色々と
若さというものを取り戻している。
これまで海・砂浜に行くことも無かったマシュー、マリラは
アンの誘いもあって上手いこと人生の余暇を楽しむことに
なる。
また今回のテーマにも被るが、アンたちは崖の上から海を
眺めて水平線を目にした際にその向こうにある色んな場所を
想像すると語る。果てしなく可能性が広がっているであろう
こと。
しかし無知は罪である。
自分の能力を過信するとロクなことは起きない。
泳ぐことが出来ないアンは危うく興奮しすぎて自分のスキルの
無さを忘れてしまった。
■カスバート家の財政問題
確かカスバート家は彼らの耕作地で使う肥料を運んで来る
船が沈没した為に借金を背負うことになったが、それも
もうすぐ完済出来そうだとマシューは語っていた。
売ってしまった馬のバーティーを買い戻したいと考えて居る
アン。
・アンの活躍に期待か!?
なんと言っても詐欺師のネイトに最も近いところにいるのは
アンではないか。彼らの部屋に入ることが出来るし、カスバ
ート家の下宿人なので話したり逢う機会も多い。
ネイトから受け取った本。
「金についての章」が勝手に開く。余程繰り返し読んでいる。
またコーヒーの染み・汚れ、線が引いてあり、地図にも
書き込みしてある。どうやって掘るかの計画。
アンはこの本の状態を見てどのように受け取ったのか。
本当に金が出そうなので調べていたと見るのか。
金について何かを企んでいる怪しい行動と取るのか。
・約束
重みのある言葉だ。
ネイトがしていることの本質は知らないまでも、ネイトが
していることを目にして、その事を誰にも話せずにいる
「秘密」とか「約束」は人を縛りつける言葉ではあるけれど、
共通・共有したものである限りは、逆に結束力とか生まれそう
な感じも受ける。
ただそれが良いことならばその縛りも悪くは無い。
しかし秘密の中に悪いことが含まれているとしたら・・
・アンが何処で気がつくのか?
元々ネイトたちが詐欺師だと感じていないとなかなか気がつか
ないものなのかも知れないけど、ダンロップとネイトが企む
会話・計画が聞こえたりするシーンがある。
また【ニューヨーク市の印鑑】がネイトの部屋にあったのを
目にしている。
この時点でアンは事実に気がついていて逆に騙されたフリを
して何かを仕掛ける展開になるかと思って居たけど、
ジョセフィン叔母さんに頼んでシャーロットタウンから
出る船の乗組員名簿を手にしようとしている。ギルバートの
持つ土地から金が出る可能性が有るからとのこと。
■詐欺師たち
・詐欺師の言うことを何処まで信用出来るのか
ダンロップはパイを作る際に、【ボーア戦争】のことを口に
して、自分が出征中に両親・兄弟を失ったことを口にしていた。
・集会
街の町議会のようなものが教会で行われた。
海外のドラマでは目にする光景の一つ。
そこには牧師、ウィリアム、ハーモンなども居て、どうすれば
良いのかという事を話し合う。
それぞれの土地を検査して欲しいとし、ニューヨークに土の
サンプルを送って欲しいとのこと。一件につき150ドル。
これはこの島民の年収の半分の額。
憎たらしいのは、ここで色んな詐欺師たちの臭い演技が入る
(笑)
「口だけでなく行動しろ!。オレはアヴォンリーが好き。
腰を据えて暮らしたい」(ダンロップ談)
「金を持たぬものは私が貸す」(バート談)
「土壌調査報告書によると確かに金が含まれている。ウィリ
アム・バリーにも前もって話している。」「無理強いする
つもりは無い。決めるのは皆さん一人一人。良心に従って
皆さんに話したまでだ。」(ネイト談)
詐欺師というのは相手にイニシアチブを持たせていると
思わせて実際には影で自分たちが彼らを支配している。
■木の家
現在学校がどうなっているのか分からない。
同級生たちもどうしているのかな。
アンの友達、ダイアナやルビーたちの秘密基地のようになって
いる木の家。
本を執筆しているらしい。
昔アンが受け取ったジェーン・エアの本の中に
「私が兄弟・姉妹をどれほど求めているのかあなたには想像
すら出来ないわ」
として気持ちが重なり慰められたことを口に下。
■使用された曲
・Haul Away Joe – Live by The Clancy Brothers、Tommy Makem
■出演者
アン・シャーリー (Amybeth McNulty) 13歳、孤児
マリラ・カスバート (Geraldine James) 妹
マシュー・カスバート (R.H. Thomson) 兄、牧場主
ダイアナ・バリー (Dalila Bela) アンの親友
レイチェル・リンド (Corrine Koslo) カスバート家のお隣
ジェリー・ベイナード (Aymeric Jett Montaz) カスバート家の農場のお手伝い
ギルバート・ブライス (Lucas Jade Zumann) 生徒・イケメン
セバスチャン・ラクロワ (Dalmar Abuzeid) “バッシュ”トリニダード出身
ナサニエル(ネイト) (Taras Lavren) 地質学者、詐欺師
Mr.ダンロップ・ジョンジー (Shane Carty) 詐欺師、ヒゲ面
ルビー・ギリス (Kyla Matthews) 生徒
Mr.ウィリアム・バリー (Jonathan Holmes) 地元の金持ち
Mrs.エリザ・バリー (Helen Johns) アンの見極め
(Avery Trask) 女性 (回想シーン)
(Zoe McGarry) 女性 (回想シーン)
(Sarah Dodd) 寮母 (回想シーン)
(Alexandra Floras-Matic) 年長の生徒
トーマス・リンド (Philip Williams) マリラの友人・隣人
(Brian Tree) 牧師
Mr.ハーモン・アンドリュース (David Ingram)
Mrs.アンドリュース (Janet Porter)
(Brian Bisson) 釜を焚く男
(Katie Advani) Anne Acting Double
ベアトリス叔母さん