アンと言う名の少女2 第7話 気分が変わるように記憶も変わる Memory Has as Many Moods as the Temper

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アンと言う名の少女2
(Anne aka ANNE WITH AN”E”)
Marvin Moore (c) 2017 Northwood Anne Inc.

https://www.nhk.jp/p/anne2/ts/Y5K7QL16N3/?cid=orjp-drama-lineup

脚本/Jane Maggs
監督/Anne Wheeler

第7話 気分が変わるように記憶も変わる
Memory Has as Many Moods as the Temper

【ストーリー】

時は19世紀後半のカナダ、アヴォンリーの村。

●プリンセス・エドワード島/アヴォンリー

●カスバート家

鏡を前にして髪の毛を梳かすマリラだが、持病のようになって
いる頭痛が酷く、視界も悪くなる。更に無理して食器を
洗っていると窓から見える銀世界の光に目眩を覚える。

そんな最中にアンがやってきてマリラに頼む。
ジョセフィンさん(ダイアナの叔母)主催のパーティーに行くの
を許して欲しいというもの。しかしマリラは社交の場に出る
のは早すぎるとして許してくれず、興奮したら病気になると
語る。パーティーは今後の人生でもあるのだから・・と。
マシューは二人の会話を聞いていたがアンが居なくなった頃、
マリラに対して頭痛かと尋ねる。暫くは無かったのに・・
アンには心配かけたくないので言わないでと語ると、すぐに
またいつも通り良くなると語る。

●登校・学校

ギルバートは授業前にフィリップ先生に話をしにいく。
学校を休んでいる間に船に乗り今後の進路を考えた場合、
自分は医学部に進みたいということ。つまり医者になりたい
事を語る。フィリップスは良いんじゃ無いかとするが、
ギルバートからの頼みは冷たくあしらう。ギルバートは
遅れた分の勉強を取り戻したいので放課後に少し時間を割い
て欲しいということ。しかしその会話の中にはちょっと皮肉
めいた言葉のやりとりがあり「あなたは生徒思いでは無いと
思っている人に見返すチャンス」
と語っていた。
フィリップスは、そんなギルバートに対して
「君の父は頼まれただけで、欲しいという人にただで穀物を
恵むのか?」
と言い換えされる。「父はもう死んだ」というギルバートに
物の例えだとしながらも少し険悪な空気になり、私の時間は
貴重だと語る。

アンの元にダイアナがやってくる。
いつも待っている場所にダイアナが現れなかったので心配
したというアン。ダイアナによると父が風邪を引いた為に
叔母さんのパーティーに行かないと言われたことを語る。

そんな中授業が始まる。
コールは骨折した腕が治ったにもかかわらず未だに古傷の
ように痛く力が入らなかった。

●森の小屋

「人は楽しみを求めて生きるべき。笑顔が害になることは
無い」。

両親も私も初めて招待されたのに父の鼻風邪くらいで行くのを
辞めるなんて・・とダイアナ。女性は男性と一緒で無いと
出かけられない
なんておかしいという。
ダイアナによると世界的なピアニストが演奏することになって
いるのだという。
そんな会話中にコールは自分が書いていたスケッチブックを
火の中に入れてしまう。急いで取り出すが・・
コールによると既に添え木は何週間も前に取れて、絵が仕上
がっていてもおかしくはないのに、力が入らずに描けなくな
ったこと。以前の自分の腕とは違うとしてコールは小屋から
飛び出す。すぐに追いかけると一人で行くのはやめてと語る。
コールは今は絵の話はしないで欲しいと頼む。

「外は私たちの気持ちを表すような寒さだ」

とアンは語る。

だからこそ叔母さんはパーティーを開いていること。

「夏を演出して冬を吹き飛ばそう」

と考えたもので必要なものだという。

それを聞いたアンはコールは男性だとし、エスコート役とし
て認められたらマリラも許してくれるかも知れない。
二人が行くなら子供が行くのは早いとは言えないだろうという。

コールは気が滅入るような人に囲まれる場所には行きたくない
とするが、新しいことをしてみたら気分は変わるという。
コールは土曜日にはウチの農場の手伝いをするのが決まりだ
とすると、もし手伝いがしなくても良くなったら一緒に
行ってくれるか?と問う。コールはそれに了承する。

●カスバート家・アンの部屋

アンは自宅に帰ると「詐欺師のペン」を使ってパーティーに
行くための作戦を立てる。ウソを書くのにこれだけぴったり
の文房具は無いのではないか。これは良いウソだとアンは
考える。

●学校

アンは自分が書いたシナリオをダイアナとコールに渡す。
この台詞を覚えて欲しいとし、「コールが家の用事で
シャーロットタウンに行く」
というシナリオ。彼は身長も
高くエスコート役に適していた。

●マッケンジー家、バリー家、カスバート家

アンが描いたシナリオが決行する。
マッケンジー夫人(Tammy Isbell)に対してコールを
シャーロットタウンに行かせる理由を語る。臨時に人手が
居るというのを聞いてコールを推薦したこと。
そしてエリザに対してもコールがウチの用事でシャーロット
タウンに行くそうなので一緒に行きたいことを語る。
鼻風邪でソファーで寝ているウィリアムを横目にしてエリザ
に対して、コールはその用事はよく頼まれてシャーロット
タウンに行っているのだという。
マッケンジー家にはバリー家がコールを必要しているとし、
逆にバリー家には仕事の経験のあるコールが居るから安全で
あることを強調する。

「仕事をこなすと気分が良いからやっている」

とコールは語る。

そして最後はカスバート家のマリラへの説得だった。
マリラは体調不良であり、思わず「どうするかマイケル」
語ってしまう。その気まずさも作用したのかマシューに判断
を仰ぐと彼はアンに行っておいでと語る。マシューはマリラ
に対して体調が良く無さそうだったのでアンを行かせた方が
逆にゆっくり静養出来るだろうことを語る。

●マリラの部屋

ベッドで横になるマリラは頭痛が酷かった。
そしてそこにはまるでかつての自分が招いているかのような
幻覚を目にする。
マリラの母(Delphine Roussel)に対してアンと同じ年端の頃
のマリラ(Cassidy Fox)は、母に明日は良くなるハズだから
休んで欲しいと語る。

●いざパーティーへ

ダイアナが用意した馬車が来る。いよいよパーティーの為に
シャーロットタウンに行こうとする。アンは出かける際、
マシューに帰宅したら沢山パーティーの話をするからねと
語り馬車に乗る。

●パーティ会場/ジョセフィン(ジョー)・バリーの豪邸

やってきた三人に対してみんなよく来てくれたことを語り
罪深きパーティー会場だというジョセフィン。
室内を見せてもらうアンは、今まで夢に見た事が有るし
想像力には自信があるがこんな風景は思いも付かない程
凄い内装だった。ダイアナもまたセシル・シャミナード
(Nathalie Toriel)のピアノ営巣を聞けるなんてと語る。
執事のローリングス(Kent Staines)は今回のパーティーに
関して、バリー様は陰気な冬を吹き飛ばす為に出費を
惜しまなかったことを語る。そのジョセフィンは、最初に
アイデアを出したのはガートルードであり彼女の計画だと
いう。昨年までこのパーティーを開く気にはなれなかった
が・・一人では時が経つのは早いことを呟く。
明日がパーティー本番。それまで食事を取り休んでくれと
子供達に語る。

■感想

なかなか盛り上がってきましたが、前回もクリスマスの演劇
みたいなものだったし、今回はアヴォンリーから出て、
シャーロットタウンでの豪華パーティーが催される。
ちょっとした「ダウントンアビー」っぽさも感じる終盤劇。

ドラマとしてまず怖いと感じたのはマリラの病気の件だ。
頭が痛いというのは病気の中でも高齢になる程に怖い。
しかも階段から転げ落ちるというのだから相当なものだけど、
マリラの強さは内面だけに有らず外面にもあるのか。
しかしその彼女の鉄仮面的な外面とは余所に、今回は内面的
な壁が崩される所を見せていた。
彼女の病気が最後のオチに使われようとは誰も思わなか
っただろうし、心配した分だけ変なテンションでの笑いも
こみ上げてくるけど、それだけ月日が経過したということを
実感させるものも有るし、人の幸せや苦しみなどは、その人
で無いと分からないものが有る。

今回のシナリオは全体的に言って松尾芭蕉の「おくのほそ道」
の世界みたいだ。

このドラマではジェーン・エアの第10章が引用された。

【私は今、世界がとても広いと気がついた。果て無き広野に
は希望・不安・感動・興奮が溢れているのだ。広野は待ち受
ける。危険を顧みずに突き進むものたちを。真の知識を
追い求める勇気を持つ者たちを。】

ドラマでの舞台はアヴォンリーとシャーロットタウンの
二元的な流れが存在する。
過去に負った傷跡を巡りどのように各々が対処していくのか。
過去は過去だと割り切れるものも有れば、いつまでも引きず
ってしまうものがある。
一人ではそのキズが癒やせないものも有るが、ある意味まるで
価値観の違うものとぶつかり合うことによって、人はそんな
困難から乗り越えるだけのアイデアのようなものも見付かる
ものなんだな。

愛するものを亡くして初めて分かる相手の存在の大きさ。
生きているウチにその存在に気がつければ良いのだけど、
なかなか自分自身を素直に受け入れるのが難しい状況
が今回のドラマをより難しくさせる。

今回テーマを考えれば複数存在していた。

幾つかに分けて書いてみたい。

そういえばアンって髪の毛が短い方が似合いますね。

■将来への展望

最初に書くネタではないかなと思ったけど、思ったことから
書いていかないと忘れてしまうので。

驚くべきは芸術肌の人間が多い事か。

既に大人としての生活を強いられるものに取っては学校を
卒業したと同時に目標を設定しそれを目指して足掻いていか
ねばならない。

将来に光明を見いだしたものも居る。

・ギルバートは医者を目指す。
・アンは執筆家が有力。感性・表現力の多様さとシナリオ
を描く能力。昔見たアニメ版では演技力みたいなものも感じ
るところが有ったな。
・コールは粘土を使った造形物を作る。
筋力をつけることでまたデッサンが出来るようになる可能性
は高い。目指すべき目標を設定するのは良いが、それだけに
留まるべきではない。アンの似顔絵はマリラを勇気づける。
・ダイアナはかなり混乱してしまっている。ピアノは上手い
みたいだけど、親からの影響が強い分だけ道から外れて
生活していくのが難しそうだ。

■自分自身を受け入れる

これが今回の最も主張したいテーマだったのでしょうかね。

ジェンダーの問題は必ず何処かでぶちあたると思って居た
けどコールやジョセフィンに見る同性愛者の問題として今回
それが浮上する。

ジョセフィンとダイアナ家が疎遠のような感じになっている
のは、彼女とガートルードの関係に薄々気がついていたこと
も有るのか。単純に社交界が苦手というのはあるのかも知れ
ないけれど・・・
あまり宗教に詳しくは無いが、信心深い人たちが多いことも
有り、ダイアナに至ってはその同性愛的価値観は受け入れが
たいものとして拒否感に繋がったのかも知れない。

「叔母さんは私生活を私の両親にも隠していた。それって
悪い事だからよ!」

ドラマの中に「変人」と呼ばれる人が多い事に気がつく。
この時代に限らず人とは違った価値観を持つ人は、今のこの
時代でさえも「変人」の括りに入ることがある。

アンも「変人」と呼ばれることが多かった。
芸術肌の人たちは意外とそう呼ばれる事が多いものなのか。

また親を失ったマシューとマリラは色々と受け入れる事が
難しい事態に遭遇している。幸せを知ったマリラにとって
はそれを失う怖さを改めて気がついたものかも知れない。
マリラが受け入れるべきは年老いた歳月だ。
彼女の頭痛は老眼にあったのだから・・
そしてマシューは他人任せの決断力の無さにあることは前回
の兄・マイケルとの関係でも見られた。
これまでマリラ頼みでやってきた事は朝食一つ作るにしても
出来ない不器用さに現れている。

■人との出会い

人生どんな人物に出会うかによって、右にも左にも未来への
道は傾く。
どちらに傾くのがその人にとってのベストかは分からない。
しかし今の自分にとってその悩みが軽減したり、悩みの答え
を示唆してくれる人との出会いは貴重でベストな選択だと
分かるのではないか。

このエピソードではコールが最も該当する人物かも知れない。
帽子を被った女性(Joanne Boland)、更に銅像を見ていた
際に色々と指摘してきた人物たちの出会いによって、彼が
悩んでいたものから解放される。
自分はもう描けないと思って居た芸術家への道。
しかし銅像を造った女性のアドバイスによって新たな可能性
に再び触れることになる。
更に彼の持つ同性愛としての一面は認めるのが一番難しい
ところだ。彼よりも早くにその一面を認めていたジョセフィン
との出会いは彼にとっては本当の宝ではないか。

ギルバートは反面教師のようなフィリップス先生との出会い
によって反骨心から学習欲に繋がったのかも知れない。
元々ギルバートはアンよりも頭が良かったところがあるから
勉強は出来る人物なのだろう。

■人に取って響く宝物

今回は色んなアイテムが役に立つ。
特に他人に及ぼす芸術的魔力は何よりの宝だった。

【一人の芸術家が辛い経験をした結果、パーティーに現れた
悩める少年の心が楽になった。作品に思いを込めれば自分の
悲しみが誰かの役に立ったりする。芸術にも人生にも楽な道
はない。道が無い事も有る。壁をたたき壊し木を切り倒して
目指す方向に進むしか無い。】

名も無き芸術家の言葉がコールの心を解かした瞬間だった。

ジョセフィンにとっての宝は、ガートルードが好きだった
ジェーン・エアの本だろう。

マリラにとって宝物はアンの存在そのものだけど、その前に
アンが出かける前にマリラの部屋に貼り付けておいたコール
が焼こうとしたアンの似顔絵が役に立つ。

すぐに帰るわ(See You Soon!)と書かれていたもの。

■その他

・詐欺師のペンが可能性のペンとなる。

■使用された曲

・Ahead by a Century by Tragically Hip

■出演者

アン・シャーリー (Amybeth McNulty) 13歳、孤児
マリラ・カスバート (Geraldine James) 妹
マシュー・カスバート (R.H. Thomson) 兄、牧場主
ダイアナ・バリー (Dalila Bela) アンの親友
レイチェル・リンド (Corrine Koslo) カスバート家のお隣
ジェリー・ベイナード (Aymeric Jett Montaz) カスバート家の農場のお手伝い

ギルバート・ブライス (Lucas Jade Zumann) 生徒・イケメン
セバスチャン・ラクロワ (Dalmar Abuzeid) “バッシュ”トリニダード出身
Mr.ウィリアム・バリー (Jonathan Holmes) 地元の金持ち
Mrs.エリザ・バリー (Helen Johns) アンの見極め
トーマス・リンド (Philip Williams) マリラの友人・隣人

コール・マッケンジー (Cory Gruter-Andrew) アンの同級生
ジョセフィン・バリー (Deborah Grover) 叔母
(Joanne Boland) 青い帽子の芸術家
若い頃のマリラ (Cassidy Fox) 母の代わりに家事全般をこなす
若い頃のマシュー (Gabriel Grennan) マリラに任せっきり
マリラの母 (Delphine Roussel) マイケルの死でうつ病
Mr.フィリップス (Stephen Tracey) 教師
ローリングス (Kent Staines) ジョセフィンの家の執事
セシル・シャミナード (Nathalie Toriel) 著名ピアニスト
(J. Sean Elliott) 男性アーティスト
(Jane Luk) 女性アーティスト
(Geoff Stevens) Man in Drag
(Sean Cullen) ひまわりのコスプレ
(Elana Dunkelman) 短髪の女性
Mrs.マッケンジー (Tammy Isbell) コールのハハ
(Jill Harland) Impressed Guest

ジョーシー・パイ (Miranda McKeon) 生徒
ルビー・ギリス (Kyla Matthews) アンの友達
ティリー・バルター (Glenna Walters) 生徒・太い
ジェーン・アンドリュース (Lia Pappas-Kemps) アンの友達
ビリー・アンドリュース (Christian Martyn) 生徒、意地悪
プリシー・アンドリュース (Ella Jonas Farlinger) 生徒
ムーディ・スパージョン (Jacob Ursomarzo) 太った生徒
チャーリー・スローン (Jacob Horsley) 少し天然パーマの生徒
(Kyle Meagher) ビリーの友達
(Daimen Landori-Hoffma) ビリーの友達
ガートルード / ガーティ () ジョーのパートナー

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