アンと言う名の少女2 Anne 第8話 事実を認めまいとしてもがく

リンク広告 テスト




アンと言う名の少女2
(Anne aka ANNE WITH AN”E”)
Marvin Moore (c) 2017 Northwood Anne Inc.

https://www.nhk.jp/p/anne2/ts/Y5K7QL16N3/?cid=orjp-drama-lineup

脚本/Shernold Edwards
監督/Amanda Tapping

第8話 事実を認めまいとしてもがく
Struggling Against the Perception of Facts

【ストーリー】

時は19世紀後半のカナダ、アヴォンリーの村。

●プリンセス・エドワード島/アヴォンリー

・みんなの小屋

アンの友達(ルビー、ダイアナ、アン)が集まり会話する。
ルビーの姉のスーザンは結婚を申し込まれた際に以下の様に
言われたという。

『父さんが農場を僕の名義にしてくれた。ねぇ僕の”かわい子
ちゃん(darling pet)”、この秋に結婚しないか?』

アンはそれだけなのかとするが、ダイアナは”かわい子ちゃん”
って言ったのよとして衝撃的だと語る。しかしアンにとって
はフィリップス先生の出席確認と変わらないくらいに素っ気が
ないという。ジェーンによるとプリシーはそろそろ先生からの
プロポーズをされるというルビー。

『プリシー、君を思うと苦しい結婚してくれなければ僕は
死んでしまうだろう』

とダイアナが真似するとみんなが笑う。

今度はルビーにプロポーズする体でダイアナはルビーの手を
取って台詞を語る。

『僕を夫にしてくれ。愛しのルビー』
『嫌!!』

ルビーの計画では恋人を何人か作り、何度かプロポーズされる
つもりだという。ギルバート・ブライズを焦らす為とのこと。

次はアンの番だと言われる。

『君の為に僕は城を建てる。その為に必要な煉瓦は一つ一つ
僕の愛の炎で焼き上げるんだ。この煌びやかなダイヤの指輪
を受け取ってくれ』

●アンドリュース家

『兄がトロント証券取引所の仕事を世話してくれました。
向こうで暮らすため地元の有力者を紹介してもらいます』

『この血痕で私の人生は満たされています。頼りがいがある
立派な夫になることを誓います』

フィリップスは練習の末、アンドリュース家の家族の前で
そのような台詞を語るが、父・ハーマンはそこまでで良いとし
プリシーとの結婚を許すという。
プリシーは妹のジェーンや母親と共にそれを聞いて喜ぶ。

●ブライス家

ギルバートは朝から勉強している中、セバスチャンは彼に
話しかける。
彼は虫歯が痛いので黙って我慢しており普段は文句は言わない
が、口に出すくらいなのでもうかなり酷い状態なのだという。
セバスチャンは歯に糸をつけてドアを閉めると同時に歯を抜こう
としていた。その協力をギルバートに求める。するとギルバート
は会話の途中に突然ドアを閉め彼の歯を抜くのだった。

●カスバート家

マリラは眼科医に診てもらう為にシャーロットタウンに一泊で
行こうとしていた。アンはマリラに驚かせる為に何かを仕込ん
でいた。私は驚くのが嫌いだとし、頭痛が分からないから不安で
たまらないのだという。レイチェルはだからその原因を知る為
に眼科に行くのだと語る。レイチェルは彼女に視力が衰えて
いるだけであり歳を取れば当然だと語る。
アンは完成したとして荷物の中に紛れ込ませる。今は見ないでね
という。マリラはアンに頼んで二階のクローゼットのケースの
中からショールを取ってきてと語る。

「物忘れも年のせいね」
「あなたを誘った理由も覚えていない・・いや思い出した。
誘っていない」

アンはクローゼットのケースを開ける。
すると中にはベールが入っていた。アンは目を輝かせてその
ベールを手にする。

レイチェルとマリラは良い息抜きにもなるという。
今夜は他人の料理を食べられるという彼女。
アンはマリラにタイしてセバスチャンがくれたカレー粉を
夕食に使っても良いかと尋ねる。マリラは料理で使って良いの
はコンロだけで決してオーブンは使わないでと語る。
グリーンゲーブルズが無事のままでいることを・・そしてシャ
ーロットタウンが待っている。

学校に遅れず、家も燃やさず、イタズラは一切無しよとアンに
語る。

●学校

6ペンスを持ってきたダイアナはプリシーに渡す。
そんなプリシーはあなたは救い主だとし、これで結婚式に必要な
ものは全て揃ったという。プリシーにベールは持っているのか?
と問うと母のを被るという。代々伝わるもの。この6ペンスも
いつかは娘さんに渡すのねというアン。

ジョーシーはその金で何を買うのかと問う。
ダイアンがプリシーの為にロンドンから取り寄せたのだという
ルビー。ダイアナは婚約の話を聞いてすぐに従姉妹に手紙を
書いたという。結婚式に間に合って良かったと。

ティリーは【古いものと新しいもの】。
ジェーンは【借りたものと青いもの】。
アンは【そして6ペンスコインを花嫁の靴に・・】

これらは幸せになる為のおまじないだという。

●教室内

ゴリーはコールを意図して突き飛ばす。
それを止めるようにしてギルバートはコールに声をかける。
手首は良くなっているとのこと。
コールはフィリップス先生の居る部屋にストーブの薪を取り
にいく。
しかし薪のクズを先生の靴の上に落としてしまう。
振り払おうとしてしゃがむとコールとフィリップスの顔は
近くにある。二人は目が合うが・・
目障りだとして先生は
コールを室外に追い出す。

●食料品店

セバスチャンはクレイトン(Dan Lett)に対して、歯茎が痛い
としココナッツジュースはあるかと尋ねる。母は薬代わりに
使っていたとのこと。漢方のオウレンでも良いとするが、
クレイトンはあなたの言っていることが分からないという。
セバスチャンは俺を嫌いでも金は好きなんでしょというと、
目の前にある塩を買おうとする。うがい用に使うというが
売り切れだとして突っぱねる。それを聞いたセバスチャンは

「偏見は不便だな」

と語る。

クレイトンは言う。
「この辺の医者はあんたを見ない。仲間居るボグ地区へ
行け。シャーロットタウンの近くのスラム街だ。お前みたい
のがウヨウヨしている。ここから出て行け。同類のゴロツキの
たまり場へ帰れ」

そういう彼にセバスチャンは
「あんたは愉快な人だ」
と呟き店を後にする。

●学校

授業でフィリップス先生は生徒たちに語る。
「計算が一番遅いものは、今日学校に来たことを悔やむだろう」
と。

そんな中セバスチャンがギルバートの居る学校にやってきて
用事があるという。
セバスチャンはギルバートに対して憤る姿がある。
ボグ地区のことを黙っていたこと。同類が居ること。
ギルバートは彼を落ち着くよう着席を求めると、そこは君の
行く地区ではないとし、凄く悲惨で犯罪が蔓延り、貧しい人
ばかりがいるという。しかしセバスチャンは俺の同類だという。
ギルバートは謝罪し連れて行くことを約束するが、ただしその
前に自分が知っている医者に会って欲しいと語る。

●グリーンゲーブルズ駅

レイチェルとマリラは汽車に乗っていた。
レイチェルは新婚旅行の時に寝台車の個室をとったことを語る。
ギルバートとセバスチャンは出入り口の所で車掌(Tim Post)
と乗務員の黒人・アイザック(Milton Barnes)と揉める。
カナダ太平洋鉄道は公然と差別するのか。
しかし車掌は汽車には席がないと言っただけだという。
アイザックは黒人で汽車に乗れるのは乗務員だけだと語る。
彼は後ろの貨物車に空きがあるかも知れないというが、
セバスチャンは荷台に乗るつもりはないと断る。

そのやりとりに気がついたマリラは機転を利かせることになる。

■感想

未来に対する希望と同時に、人種差別とジェンダー的な差別が
その未来に影を落とすというような構図として描かれている。
それでも自分の未来・人生は自分で切り開くものだとして
主張する姿が至るところで見られた。

色々と複合的な問題が含まれていて言及するのも難しいところが
あるが、本質的には他人の意見に惑わされず、また固定観念を
排除して如何に自分自身と向き合うことが出来るのかがカギと
なる。

宗教的儀式の一つとして結婚とか夫婦関係が描かれた。

「嫁入り道具」に関する是非。
結婚に対する昔ながらの幸せになる為のまじない的儀式。
夫婦関係とはそもそもどういうものなのか。

差別的問題に関しては、そう簡単に人々の意識や価値観が
変わる訳では無いので、なかなか難しいところではあるが、
ここまで社会全体が差別に包まれている時代に、希望的な
未来を創造するというのは相当難しい事だし、それをはじき
返そうとする気骨に溢れたものたちの光景は見ていて清々しい
ところがあるのも事実だ。

今回は色々と「言葉」についての言及が有ったけど、全体的に
見ると何度も目にした言葉が有ったかなという気がする。
その言葉は・・・

「嫌だ!(NO)」

その嫌というワードを何処で耳にするか気をつけて見ている
と楽しいかも知れない。因みに歯科医の先生の名前はワード
だった(笑)

■結婚は古い価値観の塊?

結婚は形式的なものであるので、形だけで良いはずなんだろう
けど、宗教によっては絶対的なものとして存在しなければいけ
ないものなのかも知れない。宗教だけでなく法的にも同性婚は
認められていない。

同性婚の問題は前回のジョセフィンの問題で提起され、
今回はコールやフィリップスの事でも描かれている。

新しい時代の幕開けにあって古い仕来りは守るべき価値がある
のかどうか。

例えば「嫁入り道具」に関して、アンには残念ながら出生の
両親が居なくて血縁関係にあたるものが居ないので、受け継が
れるべきものがない。
普通の家庭の形で過ごしてきたものにとっては気がつきにくい
ものである。
普通の家庭で過ごしてきてもルビーの家の様に火災になり
全てを失ったケースもある。

アンは結婚に関連し次のように語っていた。

「白いドレスを着て永遠の愛を誓うまでは一瞬だけど大事な
のはその後。一生自分の意見も夢も捨てて夫に尽くすだけ
なんて嫌だ」

・男女の価値観の相違

また結婚によって価値観の相違が現れるのは、結婚後の男女の
社会的・家庭的役割の分担の問題だ。

男性は外で働き、女性は子供を産んで家庭を守る存在と考える
ものは多いのだろう。

これは今回のフィリップスとプリシーの結婚問題で提起される。
プリシーの母としては娘には自分よりも実り多い人生にして
欲しいと願っていたようで、急にフィリップスが態度を変えて、
家庭に収めようとする彼の姿に違和感を覚える。
プリシーは大人である自分が考えた末に決めたことだとして
いたが、饒舌なアンが語るパートナー宣言に対して、その影響力
から心の壁が打ち砕かれた格好だった。

ラストのプリシーの突発的な行動。
まるで映画「テルマ&ルイーズ」的な女性が主導して道を切り
開いていくような爽快感のあるもので有った。

■目に見えないものは怖い

人間なので感情を持っている。
時にイライラすることもあるだろうし、不安感を抱いて、それが
爆発することで、色んな形でストレスを溜めては暴走して
しまうこともある。

今回はそれぞれの人物にそんな感情の起伏が見られる。

フィリップスは自分の性癖に対する苛立ち。
目の前でハッキリと誰が悪いのか分かっているのに教師の身
でありながらアホ大将のビリーの悪行にはまるで目にも留まら
ない。
そして同類のコールに自分の姿を見る彼にとっては、亡霊の
ようにつきまとってくる影のようなもので、その怖さに対して
違った形で戦おうとしている。

「あなたが憎んでいる相手は鏡の向こうに居ます。」

ビリーは前回コールに骨折までさせたにも関わらずイジメは
後を絶たない。この人は他人の痛みを知らないものなのか。

恐怖心は時として人を狂わせる。
ギルバートの恐怖はなんと注射針だった。
気絶する程なので相当なものなのだろう。

また今回はマリラが原因不明の頭痛に悩まされて恐怖心に
包まれている。しかしレイチェルや周りの人の優しさに触れて
上手く解消したのではないか。
ただ医者からの診断はまだ下されていない。
三ヶ月後の次の診察の時まではその恐怖心は消えないだろう。
しかし自分の事を受け入れることで強くなった面もある。
年を取ったという事実を受け入れて前に進んだことだ。

■人種差別問題

人には身をわきまえるべき事はあるのだろうか。

ボグ地区の存在は差別社会の象徴的なものでもある。

セバスチャンは数々のところで差別の悲劇を体験する。

・汽車に乗ろうとすれば黒人は乗せてもらえない。貨物車に
乗れとされる。
・乗客の中には同じ空間にいる事さえも許さない。
・食料品店にいけば、お前はここにいるべき人間ではないと
ばかりに物品を売らない店主がいる。

アイザックという汽車の乗務員は同じ黒人だった。
彼はセバスチャンが白人といることに苛立ち、そしてバカに
されていると考えては勝手に相手に対して怒りを覚える。

ただセバスチャンも蒸気船ではトイレ掃除をさせられて
相当嫌な目に遭わされてきた。

プライドの高さと意識の高さ。しかし現実的には周りがそれを
許さない。

■安心を覚える?

不安感を感じて喜ぶ人は居ない。
ボグ地区に行き黒人同士が暮らす事で何処か安心することも
ある。
何よりも気を使う必要が無い気楽な場所であり、女性たちが働く
ところは故郷のカーニバルを思い起こさせる。

しかし安い労働賃金で汚れ仕事をさせられている現実は一緒だ。

メアリーという女性はとても美人でプライドも高い。
そんな彼女にセバスチャンは恋をしたようで激しくアプローチ
する。

■自分自身を受け入れる

正直ものは馬鹿を見るという。
しかし今回は正直に話して損した人は居たのだろうか。

・アン

マシューとの夕食を作る場で会話する。
アンはコールの性癖を聞いた後に考えた末、ある言葉を考えだす。
結婚とは違う新しい男女関係に対して「人生の相棒」
(LIFE MATE)
と名付けていた。

そんな彼女はマリラの持ち物である嫁入り道具の中のベールを
踊っている際に破ってしまった。

オーブンは使わないという約束も破ってしまった訳だが、その
お陰で美味しい食べ物も完成した。

ベールの件は正直に話したことであっさりと許してもらえた。
しかも質屋に売ったブローチを買い戻してもらった。

・マシュー

今回は完全に脇役だったけど一番楽しい時を過ごせたのかも。
レイチェルとマリラが小旅行にいく間、アンと楽しい時を
過ごせた。
そしてアンを取り戻す際に質屋で売った「マイケルの懐中時計」
を彼女からプレゼントされる。

・セバスチャン

メアリーに対して口説く姿をギルバートに見られて
「君は僕の天使だ」
という口説き文句を言ったことをからかわれる。
しかしセバスチャンはからかわれても気にしない。
なぜならばギルバートと違って自分の気持ちに正直であると
考えたからだった。

■その他

・ケースA

「ここの店主はがめついそうよ」
「年配の女二人なら十分勝てる」

これは質屋で会話したレイチェルとマリラの内容だ。

面白いことにこの対比としてボグ地区のクリーニング店でも
コンスタンス、ジョスリン、メアリーの間で交わされている。

「なんで入ってこないの?」
「当たり前よ、五月蠅そうな女たちが居たら私だって入りたく
ない。」

・ケースB

ストーリーの中にも書いたけど、眼科医にいくマリラに対して
レイチェルが勝手について行くという光景がある。

「物忘れも年のせいね」
「あなたを誘った理由も覚えていない」
「いや思い出した。誘ってない」

・ケースC

●サムシング・フォー (Something Four)

結婚式の前に花嫁が幸せになれるおまじないの為に集める
ものとして4つのものを用意していましたよね。

アメリカのドラマを見ていると何度か目にしたことがある。

・古いもの
・新しいもの
・借りたもの
・青いもの
・靴の中に6ペンス銀貨

■使用された曲

・Ahead by a Century by Tragically Hip

■出演者

アン・シャーリー (Amybeth McNulty) 13歳、孤児
マリラ・カスバート (Geraldine James) 妹
マシュー・カスバート (R.H. Thomson) 兄、牧場主
ダイアナ・バリー (Dalila Bela) アンの親友
レイチェル・リンド (Corrine Koslo) カスバート家のお隣
ジェリー・ベイナード (Aymeric Jett Montaz) カスバート家の農場のお手伝い

ギルバート・ブライス (Lucas Jade Zumann) 生徒・イケメン
セバスチャン・ラクロワ (Dalmar Abuzeid) “バッシュ”トリニダード出身
Mr.ウィリアム・バリー (Jonathan Holmes) 地元の金持ち
Mrs.エリザ・バリー (Helen Johns) アンの見極め
トーマス・リンド (Philip Williams) マリラの友人・隣人
コール・マッケンジー (Cory Gruter-Andrew) アンの同級生
Mr.フィリップス (Stephen Tracey) 教師

Mrs.アンドリュース(Janet Porter) 母
ハーマン・アンドリュース (David Ingram) 父
Mrs.パイ (Trenna Keating) ジョーシーの母
クレイトン (Dan Lett) 食料品店、差別主義者
メアリー (Cara Ricketts) ボグ地区・クリーニング店
アイザック (Milton Barnes) 黒人、汽車のスタッフ
Dr.ワード (Brian Paul) 医者、ジョンの主治医だった
ジョスリン (Nicky Lawrence) ボグ地区・クリーニング店
コンスタンス (Lisa Codrington) ボグ地区・クリーニング店
(Robert Clarke) 眼科医
(Tim Post) 車掌、アイザックと汽車
(Luke Marty) 若い紳士、レイチェルがウインク
(Sheronna Osbourne) 黒人の女性
(Brian Tree) 牧師
(Will Conlon) 白人、差別主義者
(Tom Bishop Jr.) 馬車の操縦士

ジョーシー・パイ (Miranda McKeon) 生徒
ルビー・ギリス (Kyla Matthews) アンの友達
ティリー・バルター (Glenna Walters) 生徒・太い
ジェーン・アンドリュース (Lia Pappas-Kemps) アンの友達
ビリー・アンドリュース (Christian Martyn) 生徒、意地悪
プリシー・アンドリュース (Ella Jonas Farlinger) 生徒
ムーディ・スパージョン (Jacob Ursomarzo) 太った生徒
チャーリー・スローン (Jacob Horsley) 少し天然パーマの生徒
ミニー・メイ・バリー (Ryan Kiera Armstrong) 次女
(Kyle Meagher) ビリーの友達
(Daimen Landori-Hoffma) ビリーの友達

スポンサーリンク
レンタグル大336

シェアする

フォローする

スポンサーリンク
レンタグル大336