アンと言う名の少女2 第6話 独断的結論に私は抗議する

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アンと言う名の少女2
(Anne aka ANNE WITH AN”E”)
Marvin Moore (c) 2017 Northwood Anne Inc.

https://www.nhk.jp/p/anne2/ts/Y5K7QL16N3/?cid=orjp-drama-lineup

脚本/Naledi Jackson
監督/Ken Girotti

第6話 独断的結論に私は抗議する
I Protest Against Any Absolute Conclusion

【ストーリー】

時は19世紀後半のカナダ、アヴォンリーの村。

●プリンセス・エドワード島/アヴォンリー

●カスバート家

朝、マリラはベッドで寝ているアンを起こしにやってくる。
先日アンは行商人から染毛剤を購入して使用した所、黒色
になるハズの髪の毛は緑色になってしまう。
そこでマリラに頼んで髪の毛を短くしてもらった訳だが・・
マリラは髪の毛が短くなっても勉強に支障が出る訳でも
なく休む理由にはならないとして起きて身支度をし、学校に
行くように命じる。アン自身、普段はただでさえ変人だと
言われているし、絶対に笑われると嘆く。

「雪の女王様、冬は花が落ちて淋しいでしょう。今、その
気持ちが分かります。」

アンは部屋から出て一階に降りてくるが食欲が全く無い。

●登校・学校

ダイアナはアンに対してそんなに酷くは無いと語る。
しかしアン自身は鏡を見た自分の姿を酷く醜いと感じて
いて、一緒に居たらダイアナまで恥をかいてしまうと考えて
いた。ダイアナまそれを否定し、かつて二人で約束した事を
語る。

「一生友達」

髪の毛なんてすぐに伸びると励ます。

アンは恐る恐るみんなの前に出て行く。
するとなんとあのギルバートが帰国していたのである。
アンはもう「金」は無い事を告げるが、それが目的で帰国
したのではないという彼は、また会えて嬉しいと互いに見つめ
合う。それを見たジョーシーはいい顔をしなかった。

フィリップス先生が入ってくる。
アンの姿を見ると彼は、

「男子の新入生が入ったようだ」
「座る席を間違えてないか」

と嫌みを言う。

●カスバート家・アン帰宅

「ジョーシーは星の無い夜よりも真っ黒だ」

アンはマリラに対して彼女が酷いことを言われたと語る。
マリラはそんな彼女にあまりに酷い物言いならばお母さん
に言うからと宥める。

「髪の毛を切ったのはシラミが沸いたせい。根っからの孤児
(orphan stock)だから」

と言われたことを語るとマリラも憤怒する。
世の中は他人の不幸を喜ぶ人が沢山居ることが分かったと
いうアン。先生からは新入生男子って言われ生徒たちに
笑われたとし、ギルバート・ブライスもそんなタイミングで
戻ってきたのだという。
マリラはギルバートが戻ってきたことに驚くと、彼がどんな
様子だったのかを尋ねる。この季節に一人なのは寂しいでしょ
うと告げる。

●ブライス家

セバスチャンは雪の降る外を眺めあまりの寒さに室内に入る。
しかしそれでも寒さに震えが止まらない。
ようやくギルバートが帰宅すると、彼は寒さに震えるセバス
チャンに警告したであろう事を告げる。
ここまで寒いとは思わなかったというセバスチャンは、

「あの太陽は偽者、地上に暖かさを届けること無く、ただ
明るさを照らすだけ」

と語る。
ギルバートはそんな彼の為に上着のセーターを取りに部屋
にいく。久しぶりに見た部屋。室内には「草の葉」と書かれ
た本とそれをすりつぶして飲んでいたであろう形跡が見て
取れる。衣装箱から父のセーターを取り出すとセバスチャン
に渡す。父もそれを望んでいるだろうと。

●カスバート家

クリスマス・パント/Christmas Pantomimeの為に生徒や
役員たちが集まる。コールとアンはマリラに頼んで色々と
使い古した布を探して回る。マリラはそんなものを使っても
ズボンの当て布にもならない事を告げ、一体何に使おうと
しているのかを尋ねる。するとコールは”芸術”に使うこと
を語る。アンはクリスマス・パントマイムの為に森の松を
描いていること。その布きれを加える事で華やかになるのだ
という。

ダイアナもやってくる。
彼女は母から演劇用の衣装を試せと言われたこと。
そしてもう一つ受け取ったものがあるとして、みんなの前で
少々気を持たせるようにしてあるものを見せる。
それはティアラだった。ダイアナの役は妖精の女王。
本当の妖精の女王に見えるとアンも絶賛する。

コールは僕もつけるとしてドレスを着ていた。
みんなが微笑む中、アンはそれなら私は逆に男の格好をする
という。
そこにマリラが様子を見にやってくると、不思議な光景に
気まずい思いをして下がっていく。

子供たちは演劇の練習をする。

「10貴族、9婦人、8メイド、7白馬、6羽ガチョウ、5個の指輪
4羽の鳥、3羽の雌鶏、2羽の雉鳩・・・」

●集会所 / 教会?

レイチェルはそんな子供たちの歌の指導をしていた。
牧師、フィリップス先生やトーマスなど大人達も出演するもの
たちはそこで練習する。

マシューは多くの人が集まるその場所・その光景を見て、
過去の事を思い出していた。

■感想

本国での放送は2018年10月28日。
クリスマスパントなんて名前が出ていたので、年末に
放送した内容かと思って居たけど、ハロウィンとか収穫祭
に近いイベントって感じ。

これまで感想の中でも取り上げてきたけど、少しずつドラマ
では「人種問題」と「階級の問題」「ジェンダー」などの
マイノリティな問題に向けて道筋を立てている。

そして何よりも恋愛に於けるベクトルの問題が有り、
その人となりの愛情ベクトルが一方通行、または両面に向き
合う中で、嫉妬心などの感情の問題が浮上する。
一番気になるのは「一生の友達」だとしてダイアナが語った
言葉だけど、そのベクトルが彼女に取って不利な方向に向かい
アンにとっては至福のような状態となった際には果たして、
友達だと言っていられるのか人間力が試されるところ。

ついにギルバートが帰郷。
農家ではなく、医者になるべくして戻ってきた感じ。
この島に若い血が入ったことにより、ジェネレーション
の違いにある人たちにも、若かりし頃の時代に起きた問題を
喚起・回想させ、その対処法にドラマ性を持たせる所など
面白く作り込んでいた。

■人生の経験・逆転・転機

上述した中でも今回はジェンダー色が強いものが有る。
また逆転については下の方で言及する。

人生は明るく輝いている道を歩んでいく人と、影で輝く
人たちを見守ることで生きている人が居る。
台詞のやりとりで興味深いことが語られた。
アンは自分をいじめたプリシーの事を「星の無い夜」に例え
たし、セバスチャンはこの島の寒さを「太陽は偽者」と語る。
月と太陽はまさに正反対の性格を持つ。

目に見えて現れているのはアンの頭髪事件に端を発した
性別的問題と、ドレスを着ているコールが少しずつ自分ら
しさというものを表現し始めたこと。

皮肉にも今回はそれをバカにしていたものたちにちょっと
したバツを与えていた。
そのバツは色んな形で現れるが、実際にそれを演技という
形であれ性別を逆転させて体験させる事に意味があったの
かなとも思う。

アンの事を「男子の新入生」とおちょくる聖職者である
フィリップスは演技の中ではヘタれ王子を演じさせる。

■理想の人生

クリスマスと言えば恋人、家族と過ごすというのが
スタンダードな考えだけど、日本では現実的にはそれ程
それに拘る人は少ない。「クリスマス? 普通に仕事だよ」
で終わるよね。
情熱的なカップルであるならばクリスマスは拘りを持って
ムーディな所で過ごす人も少なくはない。
このドラマの舞台となる19世紀で考えれば家族で過ごすと
いうのが大半だと思う。

この時代、多くの者たちが不幸な幼少期を過ごして子供が
子供でいられる時期が少ない。子供はクリスマスの雰囲気に
酔いしれるものだが、それが出来ずに苦労する人生を送る。

・アン

彼女は孤児院に居た。何度となくイジメを受ける回想シーン
が過去に描かれている。

・セバスチャン

母子の関係は良好なのだろうけど何らかの理由で故郷に
長時間は滞在できないとするエピソードが有った。
何処かの屋敷に仕えているとしていた事から見ても、セバス
チャンはそこの主人の娘と関係を持ったのではないのかなと
勝手に想像している。

・ギルバート

今回ようやく帰郷した彼。
彼も病気の父親と一緒に暮らしていてシーズン1のラストで
亡くなり天涯孤独の身となった。

・マシュー

19世紀の引きこもりの先駆者だった感じなの
でクリスマスに正装するというのにも違和感を持っていたし
まさか擬似的ではあるが家族でそれが再現できるとは思って
いなかったかも知れない。

マシューがツリーを運ぶ姿。
アンはパリに旅行に行くというジェニーとばったり遭遇する
といつもウィンドー越しに見ていたドレスに目がとまり
彼女から粋な計らいが行われた。ジェニーは何処か別の土地
に行ってしまうのではないかとちょっとヒヤヒヤしたけど、
マシューの為にも最後まで居て欲しいよね。

今のアンはとても恵まれている。
ジェリーからはクリスマスカード
(文面:メリークリスマス ジェリーより)をもらった。
先日までの英語の勉強が役に立った。

そしてクリスマスの日にはマリラが気を使ってギルバートと
セバスチャンを招待する。そこでミンスパイとスグリの
プディングと言う食べ物を出していた。
逆にセバスチャンはカレーの香辛料を持ってきていた。

ギルバートはアンに対して辞書をプレゼントする。
(Martine’s Dictionary)
「公平な勝負で僕に勝てるように・・」

■煌めくアイテム

カーモディでの買い物に行く事になったアンは演技に必要な
ものを色々と手にする。

一部上述したことに被るけど・・

・ビー玉

マシューが兄のマイケルからもらったもの。
引っ込み思案の弟を何とかしようとした際にもらったもので
今でも馬小屋の二階に隠し持っている。

・辞書

ギルバートからアンにプレゼントしたもの。

・クリスマスカード

ジェリーが一生懸命覚えた言葉で書いたもの

・セーター

ギルバートの父親が着ていたもの。それをセバスチャン
にプレゼントした。

・ドレス

ジュリーはアンとは仲が良い。
マシューの代わりに彼女に手紙を送っていた。
彼女を「オランダカイラ」に例えて褒めたこと。
確かに冷静に考えればマシューがそんな単語を使うわけが
無いよね。

■演劇 「奇跡の鳥の物語」

アン:木の役だったが、意地悪プリシーが風邪を引いたので
少年役になる。

ダイアナ:妖精の女王
(ティリー、ミニー、ルビー、ジェーンは妖精のおつき)

フィリップス:白馬の王子
(プリシーだけは目を輝かせていた。)

牧師:婦人
(今後最早威厳無し)

トーマス:邪悪なロブスター

セバスチャン、ギルバート:裏方、舞台装置

ビリーとマシュー:当初はビリーがフクロウ役で司会進行の
ような事をしていたが、天罰に合いマシューが最後の一文を
読み上げた。

レイチェル:最後に進行役

■その他

・数え歌

冒頭で子供達が数え歌のようなものを歌っていた。
10から9…8…7…と。
「10人のインディアン Ten Little Indians」を思い出すね。

・緊迫感溢れる時

アンはセバスチャンを見て有色人種を初めてみたという。
アフリカ系だと勘違いしていたのか。

「アフリカの王国やムーア人についての本を読んだ事がある」
「貴方の肌はとてつもなく美しい」

車椅子の老人(David Fox)の元でシャベルを借りるマシュー。
勝手に借りようとしたので緊迫感があったが、一緒に劇を
見に行くことになる。

■使用された曲

・Ahead by a Century by Tragically Hip
・The Holly and the Ivy
・God Save the Queen by Thomas Augustine Arne
・The Twelve Days of Christmas
・Deck the Halls by Amybeth McNulty

■出演者

アン・シャーリー (Amybeth McNulty) 13歳、孤児
マリラ・カスバート (Geraldine James) 妹
マシュー・カスバート (R.H. Thomson) 兄、牧場主
ダイアナ・バリー (Dalila Bela) アンの親友
レイチェル・リンド (Corrine Koslo) カスバート家のお隣
ジェリー・ベイナード (Aymeric Jett Montaz) カスバート家の農場のお手伝い

ギルバート・ブライス (Lucas Jade Zumann) 生徒・イケメン
セバスチャン・ラクロワ (Dalmar Abuzeid) “バッシュ”トリニダード出身
Mr.ウィリアム・バリー (Jonathan Holmes) 地元の金持ち
Mrs.エリザ・バリー (Helen Johns) アンの見極め
トーマス・リンド (Philip Williams) マリラの友人・隣人

コール・マッケンジー (Cory Gruter-Andrew) アンの同級生
ジョーシー・パイ (Miranda McKeon) 生徒
ルビー・ギリス (Kyla Matthews) アンの友達
ティリー・バルター (Glenna Walters) 生徒・太い
ジェーン・アンドリュース (Lia Pappas-Kemps) アンの友達
Mr.フィリップス (Stephen Tracey) 教師
ビリー・アンドリュース (Christian Martyn) 生徒、意地悪
プリシー・アンドリュース (Ella Jonas Farlinger) 生徒
マイケル・カスバート (Charlie Benger) マシューの兄(回想)
(David Fox) 車椅子の老人
Mrs.アンドリュース (Janet Porter)
ミニー・メイ・バリー (Ryan Kiera Armstrong) 次女
ムーディ・スパージョン (Jacob Ursomarzo) 太った生徒
チャーリー・スローン (Jacob Horsley) 少し天然パーマの生徒
(Glen McDonald) Man
(Shawn Devlin) Man
(Kyle Meagher) ビリーの友達
(Daimen Landori-Hoffma) ビリーの友達
若い頃のマシュー (Gabriel Grennan)
ジェニー (Brenda Bazinet) マシューを好き

子供
(Harper Gunn)(Ella Parent)(Ivano DiCaro)
(Maxim Lutterotti)(Zoe Brown)(Deborah Tennant)

コーラススメンバー
(Alec Dahmer)(Madi Langdon)(Alexandra Chaves)
(Karen P. Brown)(Michael Crawford)(Malakai Fox)
(Christina Pitts Jazzar)(Steve Ross)()

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