アンと言う名の少女3 Anne 第9話 深淵なる闇 A Dense and Frightful Darkness

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アンと言う名の少女3
(Anne aka ANNE WITH AN”E”)
Marvin Moore (c) 2017 Northwood Anne Inc.

https://www.nhk.jp/p/anne3/ts/L532PR48ZY/

脚本/Shernold Edwards、Tracey Deer
監督/Paul Fox

第9話 深淵(しんえん)なる闇 A Dense and Frightful Darkness

【ストーリー】

時は19世紀後半のカナダ、プリンス・エドワード島
アヴォンリーの村。アン16歳

●アヴォンリー

・原住民ミクマク族の村

カクウェットは何とかして村に戻りまた昔の生活に戻る。
竹細工を作っていると妹や弟(Kitpu、Mimikej)から、自分たち
の方が先に作ることが出来ると姉にいう。すると姉は英語を
使用しなさいとし、英語で「お姉ちゃんよりずっと早い」
と言いなさいと語る。「馬鹿なインディアンの振る舞いは
辞めなさい」というと、そのやりとりを聞いた母・Oqwatnuk
は心配してやってくると、弟と妹を引き離し、娘と二人で
会話する。

カクウェットによると学校での扱いの酷さを語る。

「出来損ないの馬鹿」

と言われたこと。母が勧めたから学校に行ったこと。
何で私なんかを産んだのかとして、母に大嫌いだと語る。
しかし母はここは安全だから安心するようつげ号泣する
カクウェットの事をハグする。

・カスバート家

アンは部屋から降りて食卓にやってくるとマリラが彼女に
話しかける。

アンは彼は何であんなことを言ったのか・・・
今頃になり唐突に私に答えを求めて来た。
彼女のウィニフレッドは魅力的な人だし彼女と結婚して
医学を極めて人を助ける夢も叶うのに、彼は”迷っている”
のだという。それを聞いてあまりに驚きアンは何も言えなか
った。ほんの一瞬の出来事であり自分の気持ちにも気が付く
ことが出なかった。

「私は彼を愛している・・ギルバートを愛している」

のだと。マリラはそれを聞いてそれは確かなことなのかを
尋ねる。アンは確かなことだが手遅れで有り、彼には
ウィニフレッドという彼女がいる。彼ももう相手を決めて
いるだろう。

「私が彼に彼女と結婚するように勧めたのだから・・」

マリラはそんなアンに対して語る。

「私と同じ間違いは犯さないで欲しい」
「彼に会って今すぐ気持ちを伝える」

のだと。

・納屋

ギルバートもアンも自宅の厩で、急いで乗馬する為の用意を
する。マシューはアンに急ぐ理由を尋ねそれに納得すると
手伝ってくれる。

「ギルバートに愛していることを伝えに行く」

●バリー家

ダイアナは両親によってジェリーと別れさせられ、そして
花嫁学校に行く計画が再び始まる。
ダイアナは家族が集まるリビングでピアノを弾くがそこに
ミニー・メイがやってきて、
「勇ましき白人軍曹」を弾いてと頼む。

ギルバートが馬に乗ってやってきたのはバリー家だった。
そこに来るまでに彼はアンとの事を思い出す。

ギルバートはウィリアムに対して話したいことがあるとし、
男同士二人で話すことになる。

●ブライス家

アンはギルバートに会いに来るが、対応に出たのはセバスチ
ャンの母・ヘイゼルだった。アンはそんな彼女を見て、

「バッシュのお母さんですよね、トリニダードからようこそ」
「抜群の味覚をお持ちでバッシュとメアリーにスパイスを色々
と送ってくれた人」

だという。ヘイゼルは驚きつつ、息子のことをご存じなのか
尋ねると、アンはギルバートと共に家族も同然だという。
ギルバートと話がしたいというが、外出中だと言われる。
伝言を残そうとするが、自分で言わなければいけないと考え
手紙を残すことにする。

「親愛なるギルバート、この間は自分の気持ちも分からず
にいたが今は分かります。愛しています・アン。追伸、
以前お貸したペンを返して頂ければ幸いです。」
(ギルバートへ)

●バリー家

ウィリアムに相談に来たギルバート。
彼は自分が不在の間に農場のことは全てセバスチャンに任せる
事を告げ、ここを離れる前にリンゴの輸出関係の書類を整える
ことを語る。ウィリアムはギルバートが進路を決めたことを
知り、

「君はこれから上流階級に加わることになるが、きっと向こう
の家族と住めば馴染むだろう」

と語る。彼女の家は確かに裕福だとして、ギルバートはウィリ
アムに一つ見てもらたいことがあると頼む。
彼女と婚約する際に渡す「指輪」のことだった。
地味で気が引けるが母親の指輪であること。
プロポーズの時に家族の形見を渡すのは良い事だとし、贅沢
はその後でも良いことを語る。

その話を聞いたダイアナは何とか急いでアンに知らせようと
するが、エルザがそれを止める。ピアノの練習があるとし、
ダンス曲など辞めてモーツァルトにしてくれという。花嫁学校
で弾いたら品位を疑われるのだという。ミニー・メイもまた
その母親に同調する。

●原住民ミクマク族の村

役人のオリバーを先頭に二人の男が銃を持ってカクウェットを
探しに来る。その人物が視線に入ると母Oqwatnukは夫のアルク
を呼んでくれと語る。
オリバーは村に子供たちが居るのをみて、これ程居るとは
思わなかったと語る。
カクウェットの居るテントにやってくると、母は彼らにお礼を
言ってから戻らないと伝えるよう語る。
アルクは急いで戻って来て役人たちと娘を引き離そうとするが
彼は撃たれてしまう。

■感想

いよいよ残り2話となりました。

今回のエピソードは「親子関係に見る子供の教育・生育問題」
を取り上げると共に「人間は失敗から何を学ぶのか」という
ところに落ち着きそうな内容でした。

ドラマはいくつかのパターンに容易に分類することが出来ます。

親子関係に於いては女性の親と子供の組み合わせが多かった
かな。

・カクウェットと母
・エリザとダイアナ
・ヘイゼルとセバスチャン

失敗した過去の事例としては、上述したことにもつながるけれど
教育の問題、そして恋愛の問題、進路の問題など・・。

失敗かどうかは時が経ってから分かることも多いので、今現在
は正しいと思ってしたことが後になって失敗だったというケース
がほとんどでは無いでしょうか。
また大事な決断に於いて、即断即決を求められると正しい判断
は難しいものです。

失敗談は教育の問題以上に多くの場合、恋愛関係として描かれ
ました。そして人種間の問題にも深く関わってきます。

根深い差別意識は最後まで続いていきそうです。
男性と女性との間での差別意識以上に、人種間の差別意識は
強そうです。

■色々と気になること、起きたこと

・親子関係

なんといっても挙げられるのは親子問題。
親は子供の幸せを考えてはいるのだけど、子供の意思はその中
には含まれていません。この時代ならば仕方がないのかも知れ
ないし、社会に適合するための判断力としての年齢が子供には
不足していると思われているが故に親が良い道筋を立てようと
しているのかもしれません。しかしのちになって子供の意思を
無視した理由もわかっていきます。

・カクウェットと母

カクウェットは何とか戻れたものの母親に対して愚痴る行動
を起こす。
当時のカナダ政府は原住民ミクマク族たちを学校という名の
矯正施設に閉じ込めました。
彼らの子供を教育してインディアンらしさを消すこと。
過去の歴史を見るとミクマク族は入植してくる相手と度々
衝突しているので問題を起こす前に洗脳に近い思想を埋め込
もうとしたのかも知れません。
一度は逃げられたものの、強引に連れ戻されました。

・エリザとダイアナ

先日アカディア系のジェリーと別れさせられたダイアナは
やはり母親の言いつけ通りパリの花嫁学校(寄宿学校)に
行かされる様子。上流階級的意識が強く、品位を保つ為に
ピアノの練習漬けの毎日。
その結果、ギルバートがウィニフレッドにプロポーズしよう
としていることを耳にしてそれを伝えるタイミングはかなり
遅れる。
エリザは聡明な方かと思っていたが、学問的教育は二の次
で、ミニー・メイが勉強を教えてもらいたがっているが
その答えが用意できずにいる。

・ヘイゼルとセバスチャン

ヘイゼルがこの土地にやってきた頃からセバスチャンが愚痴り
出した事です。母親は白人からの酷い仕打ちを何度も受けて
来たのか、悲しいまでに白人に対して受け身であり低頭平身な
姿。問題を起こしたくない気持ちが強いのでしょうけど・・。

セバスチャンは母親の愛情に飢えており、母親は息子に対して
質問に答えようとしない。その結果、ラグを生じて気持ちが
離れてしまっている。

・人生哲学

恋愛に関しては二つのケースが有ったでしょうか。
失敗談も有るけれど、今現在相手を失ったことへの後悔の念
を抱えている人の多い事。

アンは先日のエピソードの中でギルバートの気持ちに気づかず
自分の本当の気持ちに気づかず、彼のアプローチを遠ざけて
しまいました。
マリラは自分の失敗談から、アンを同じ思いをさせたくない
のでしょう。協力的であり、後押ししてくれた一人。

セバスチャンとステイシー先生は二人とも愛する相手を
失った境遇にあり、良い感じに居場所を共有している人物。
ステイシー先生は人間関係に於いては生徒との繋がりも有って
豊富な経験を持ちます。

「生徒は通り過ぎるもの。親子は一生の関係。」

「一人の生徒を失望させても反省を生かせるが、たった一人
の我が子が相手なら関係をこじらせても立て直す自信はない」

・差別意識とその変化

興味深いことにマリラには差別意識が存在しているが、その
差別の相手は原住民にのみ向けられており、バッシュら母子
には何ら差別の意識を持っていない。

ミクマク族が助けを求めてカスバート家に来た際には露骨に
嫌な顔をしていたが、過去に起きた原住民と入植者たちとの
争いなども起因しているのか。
未知の存在を恐れるのはある意味では当然だが、時が癒しを
もって流れていくのではなく、恐怖の心によって支配され
それが育ってしまっている感じがしてなんとも切ない。

この恐怖心は恐らくバッシュの母のヘイゼルも抱えている思い
かもしれない。

しかしマリラは我が子を思うカクウェットの母親の訴えが
伝わる。その訴えはミクマク語では有ったけど、
「マリラは理解できたと思う」として通訳しようとしたアン
に語っていた。

・ポケベルが鳴らなくて~

悲しいことに今回は意思の疎通に悩まされるシーンが多かった。
それは上述した言語の壁でもあり、違う民族同士の見えない
壁で有ったり・・

アンがギルバートに宛てた「一通の手紙」に関して、
その手紙はまるで空中を浮遊する蒲公英の種のように
ふらふらと揺り動いてはなかなか目的の人に到達することは
なかった。

「愛は全てに打ち勝つ訳じゃないのね」

■気がつかされる

・母と息子の思いの違い

ヘイゼルは今までの価値観からとは違い、この土地は良い場所
であると感じ始めた。白人たちが決して分け隔てなく接して
くる姿。息子と喧嘩してまた帰ろうとしていたが、ステイシー
先生から燻製機をプレゼントすると言われて残ることにする。

ただし未だに白人との間には距離が有る。

しかしセバスチャンのことを主(あるじ)だとして、その主が
意識を変えろというならばとして、地域社会に溶け込む努力
をしようとするようだ。

またセバスチャンの幼少期の記憶は現実のギャップが存在
する。父親にもらったおもちゃの事を覚えている。
しかし黒人が物を持てば白人からは標的にされる。
セバスチャンの父親のことに初めて言及されたが、彼は
土地や家、事業などを得たせいで白人によってリンチされて
殺されてしまった。
出ていったと思っていたが実は殺害されていた。

興味深いのはバッシュがステイシーから教わった事のアンサー
的発言をヘイゼルが行ったこと。

「デルフィーヌを守りたいなら甘やかしたらダメ。」
「親は厳しくても害にはならない。他人ほどには・・」
「子供はいつか出ていく。傷つけようと狙ってくる連中が
いる外の世界へ」

・学校でも教会でもない

カクウェットを連れ戻しにいったアンとマシューとカクウェッ
トの両親。
ベック神父やシスター・マリア、役人のオリバーなどが
出てきて銃で脅して追い返そうとする。
更には警察官が二人やってきて、これ以上強引に行動を起こせ
ば逮捕されかねない。
カクウェットの両親は近くでキャンプを張りタイミングを
見計らう。

「あの子を見つけたら遠くに行きましょう。この人たちには
負けない。私は生きていく。」

・勇敢な心を持つ少女アン

アンは彼の気持ちを想像して悩むよりも直接聞くことを決意
する。

「辛い答えが返って来ても現実を受け止めて前に進む。」

「世の中には失われたよりひどいことは山ほどある」

ダイアナは感心していたね。

■その他

・学校の再建

みんなで後片付けをしていたが、その跡地にまた学校を建てる
みたいだ。

・物語クラブ(STORY CLUB 1896-1898)

WRIT (We Rest in Truth)・・真実と共に眠る。

現場を訪れたギルバートはそこで貝殻を拾う。アンと一緒に
海岸で採ったものだったっけか。

・メルキタウラムン

カクウェットがアンにつけたミクマク語の名前。
「勇敢な心」の意味。

因みにカクウェットの英語名はハンナとされている。

■使用された曲

・Ahead by a Century by Tragically Hip

■出演者

アン・シャーリー (Amybeth McNulty) 13歳、孤児
マリラ・カスバート (Geraldine James) 妹
マシュー・カスバート (R.H. Thomson) 兄、牧場主
ダイアナ・バリー (Dalila Bela) アンの親友
レイチェル・リンド (Corrine Koslo) カスバート家のお隣
ジェリー・ベイナード (Aymeric Jett Montaz) カスバート家の農場のお手伝い

ミュリエル・ステイシー (Joanna Douglas) 教師
ギルバート・ブライス (Lucas Jade Zumann) 生徒・イケメン
ヘイゼル・ラクロワ (Melanie Nicholls-King) バッシュの母

セバスチャン・ラクロワ (Dalmar Abuzeid) “バッシュ”トリニダード出身
Mr.ウィリアム・バリー (Jonathan Holmes) 地元の金持ち
Mrs.エリザ・バリー (Helen Johns) アンの見極め
トーマス・リンド (Philip Williams) マリラの友人・隣人
ジョセフィン・バリー (Deborah Grover) 叔母

Mrs.アンドリュース(Janet Porter) 母
ハーモン・アンドリュース (David Ingram) 父
Mrs.マッケンジー (Tammy Isbell) コールの母、農場を手伝って
Mrs.パイ (Trenna Keating) ジョーシーの母
Mrs.スパージョン (Deborah Tennant) ムーディの母
Mrs.モリソン (Krystina Bojanowski) 母
Mrs.マクファーソン (Ashley Magwood) 母
メアリー・ラクロア (Cara Ricketts) ボグ地区・洗濯屋

コール・マッケンジー (Cory Gruter-Andrew) アンの友人
ジョーシー・パイ (Miranda McKeon) 生徒
ルビー・ギリス (Kyla Matthews) アンの友達
ティリー・バルター (Glenna Walters) 生徒・太い
ジェーン・アンドリュース (Lia Pappas-Kemps) アンの友達
ビリー・アンドリュース (Christian Martyn) 生徒、意地悪
プリシー・アンドリュース (Ella Jonas Farlinger) 生徒
ムーディ・スパージョン (Jacob Ursomarzo) 太った生徒
チャーリー・スローン (Jacob Horsley) 少し天然パーマの生徒
ミニー・メイ・バリー (Ryan Kiera Armstrong) 次女
ポール・M (Kyle Meagher) ビリーの友達
ポール・L (Daimen Landori-Hoffma) ビリーの友達

ウィニフレッド・ローズ (Ashleigh Stewart) 医者
マリア (Jennifer Wigmore) インディアン寄宿学校のシスター
ベック (Patrick McManus) インディアン寄宿学校の神父
オリバー・ザッチャー (Wade Bogert-O’Brien) 政府役人
(Brian Frank) ライフルを持ち追う人
(Kevan Kase) ライフルを持ち追う人

アルーク (Brandon Oakes) 父
カクウェット/ハンナ (Kiawentiio) 娘
Oqwatnuk (Dana Solomon) アルクのパートナー
(Michael Podemski) 弟
(Alora Maracle-Asham) 妹
デルフィーヌ () セバスチャンとメアリーの娘

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