アンと言う名の少女 第5話 復活のアン!

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アンと言う名の少女
(Anne aka ANNE WITH AN”E”)
Marvin Moore (c) 2017 Northwood Anne Inc.

https://www.nhk.jp/p/anne/ts/37R5MJZ1WZ/

脚本/Moira Walley-Beckett
監督/David Evans

第5話 宝物は私の中に An Inward Treasure Born

【ストーリー】

●カスバート家

どの家庭でも朝、薪割りの仕事をし、色々と手伝いをする。
マリラはジェリーにコーヒーを淹れて持っていく。
アンは学校から飛び出して以降学校には行っていなかった。
彼女は夢を膨らませて現実逃避刈る。

「コーデリア 韻を踏めない。でも恥じないで、変わってて
も良いの。」

マシューとマリラはそんな彼女の事を心配する。

ボーっとしながらテントウムシに触れるアン。そんな彼女に
マリラは出かけるのでパイの焼き加減を見ていてと頼む。
アンはちゃんとやるから大丈夫とは言うが・・

●リンド家

マリラはレイチェルにアンのことで助言を求める。
レイチェルは何人も育てた経験から暫く放って置くのが良い
とし学校の話をせずに見守れば自分から考え直すという。
頭の良い子なのにこれまでの環境のせいだとし、不憫だと
語るマリラ。学校に行きたがっているのだと。
待ってみなさいと改めていうレイチェルは、アンは賢すぎる
くらいなので一週間くらいで解決すると語る。

●カスバート家

アンは妄想に耽っていた。
「ちょうど良い丈ねグリセリダ。踊るとき綺麗に見える
ループをつけて・・裾を直すから。」
「正当な評価を与えるのは大切。無視されたり冷たくされ
たりするのは辛いもの。自分がちっぽけで情けなくなり
絶望感から自信を失う。そしてそこから立ち直るのは難し
いことだ」と。

しかしそんな妄想をしている間にマリラが帰宅し、パイが
焦げているという声に我に返るアン。アンは謝罪し、
素敵な夢が浮かんできたので時間の概念を見失っていた。

「コーデリア王女の魔法を想像していた。本に触れただけで
中身が分かるというもの。コーデリア王女は普通と違って
も周りから受け入れられる」

しかしマリラは人生に魔法などないとし、現実逃避はよく
無いことを語る。そして学校に戻りなさいと本音を言う。
逆にアンもまた学校は嫌だと語り、家のことはちゃんとする
から・・とお願いする。しかしマリラはどんな交換条件
にも応じないという。マシューは行かなくても良いと
言ったこと。辛いことを分かってくれた・・心が通じ合う
のはマシューだけ。他には味方がいないという。
マリラはダイアナがいるじゃないかというが、友達がみんな
私を嫌っているのでダイアナもそれに合わせるしかないのだ
と。学校には私を侮辱することだけが生きがいの男子も
いる。私はのけ者だと。それでもマリラは明日から学校よ
と語ると、アンは部屋に戻りベッドで涙する。

・マリラはマシューの元へ。
余計なことは言わないでくれとし甘やかせても良いと誰か
言ったのかと彼に語る。躾は私に任せると約束したでしょ
と。マシューは邪魔をする気は無いがアナの元気が無いのが
心配だという。今は少し混乱しているんだと。

アンはハモンドとハモンド夫人から暴言・暴力を受けていた
時のことを思い出す。
戸棚に写るアンの姿を目にした彼女は、それに話しかける。
その子はケティ・モーリスという人物を想定していた。

「あなたはそこに居るのか? 許して欲しい。あなたをハモン
ドおばさんの所に置いてきてしまった。ここに居てくれたら
良いのに・・」

●翌朝

アンは学校へいくのを二人は見送る。

マシューは仕事中も気になり、マリラの元にコーヒーを
もらいにいくが、彼女からコーヒーは3時から、お茶は4時
だと言われ、アンもすぐに学校に慣れることを言われる。
アンは他の子とは違うとし兄さんは甘いのだという。
あれこれあの子に聞かないよう告げ、学校への不満を蒸し
返さないようにするという。

・アンが帰宅

アンは帰宅の挨拶をする。学校は思った程悪くは無かったし
寧ろ楽しかったという。マリラはホッと一安心。
宿題や教科書はどうしたのかと尋ねるマリラに持って帰らな
くても良かったのだという。野生のバラを持ち帰ったアンは
ケティにそれを見せる。

■感想

アンは地元の学校へと通うが、意地悪な生徒たちから
酷いことを言われ、更にそれも度が過ぎるように
なると彼女は学校を飛び出し翌日からは不登校になる。
マリラは初めて母親になった手前、アンへの対応に倦ね、
マシューは行きたくないなら行かなくても良いことを語る。
マリラは落ち着かずにレイチェルや牧師に事情を説明して
意見を求めるが・・

運命の皮肉から運命の選択までの話を描いたもの。

アンの空想や想像の嘘は元々が嘘として認知されたものだが
アンは学校に行くと言って出かけて実際には行ってはいな
いという嘘をついた。
それが発覚したのは教科書を届けに来たダイアナとルビー
によってもたらされたものだが、その時のルビーの態度は
正直・・「なんだこの人」だった。

アンは学校に行かずともイギリスとカナダの歴史について
学んでいた様で簡易的に作った自分の居場所の中で学習して
いる。

「サスカチュワンとは先住民”キシスカチュワン”という
言葉に由来し、意味は流れの速い川。この地域の貴重な
水路であるノースサスカチュワン川とサウスサスカチュワン
川を刺している。」

皮肉なのは、ある夜のこと。
それは「火災」によって様々な転機が訪れる。

実はアンの行動によってカスバート家も火災になる可能性
は秘めていた。彼女の得意な空想により現実逃避をしている
間にマリラから頼まれたパイの焼き加減に関して、
火の様子を見ていなかったのだ。パイが焦げる程度で済んだ
ものだが、農場は何かと燃えやすい素材で溢れている。
家畜の餌になる藁の納屋など火気厳禁だ。

しかし実際に火災になったのはアンのことを嫌っていた
ルビーの家であるギリス家。

そこでの活躍によってアンは一躍ヒーローとなるが、
理論は分かるがなんとも火だけに煮え切らないものがある。
せめて何か重要なものを室内から助けるなり取りに行った
とする方が分かりやすい形で彼女自身の存在をアピールする
エピソードなのではないか。
あの木の家ならどんなに消火しても全焼は免れないように
しか見えず不自然な流れだった。

■アンは空想する

北米のドラマを見ていると子供のウチには見えないもの
に話しかけて、それには名前がついていたりもする。
日本でも子供にしか見えないものという言い方はするけど
アメリカの場合とやや違って話し相手の友達みたいなもの
として扱われる。ある時を境に突然居なくなるようで、
それはもう子供からの脱却のシグナルみたいだ。
逆にある一定の年齢を超えてそういう存在と話しかけて
いたりするともの凄い嫌悪感溢れた変人扱いの白い目で見ら
れることは間違いない。

彼女にはケティ・モーリス/Katie Mauriceという架空の人物
の友達がいて、自らのことはコーデリア王女と呼んでいる。

ケティが現実にいるのかこの時点では分からない。
いかにも居るのでは無いかという話し方をしていて、
過去の回想シーンの中でもあの家で育てられた子は沢山
いるのでそう見えるのかも知れない。

・名前

アンは存在感を口にすることがある。
名前は体を表すという様に彼女の名前はアンだが、色んな
名前を想像しては口にする。

私が先住民ならどんな名前なのか。

・燃ゆる髪の空想家
・木々と語らう女
・あなたの親友

・牧師様登場

マリラはアンが何度も嘘をついてきたことに業を煮やした。
物事の善悪は教えてきたつもりだが今回は深刻だ。

そんなマリラに牧師も同調し

「神がお怒りでいらっしゃるぞお嬢さん。良くない上に無礼
なこと。」
「今は悲嘆に暮れ狼狽している無念の極みです。神は怒り
をお鎮めになる?私の辛さを知れば・・」
「願いを込めて祈りなさい。”正直は最善の策”だ」

・牧師の結論

解決法は分かったとする牧師様。
彼にかかれば簡単なことだそうだ。

「ムリに学校に行かせる必要は無い。ウチに置いて家事を
教える。結婚まで。」
「神も言われた。人は一人で居るのは良くない。彼に合う
助けるものを作ろう」
「教育など受けさせなくて良い。女の子は良き妻になるよう
に育てるべきだ」

キリスト教の教えもまた古い。

・アンの転機

意外と牧師の言葉にアンの想像力は膨らむ。
結婚することなど考えて居なかったので”良き妻”
という言葉にちょっぴり希望・夢を抱いていた。
自分のことを自己分析して「癇癪持ち」「悪い人間」
「短気」「がりがり」と語っていたものの、将来的に
何になるかを考えた際に、「作家」を挙げていた。
「ジャンヌ・ダルクみたいな軍隊の指揮官」「探検家とし
て大陸を捜す」「地図の制作者、飛行士」などなど。

ジェリーは学校に行きたくてもいけない立場だ。
学校に行けるならばいけばと語った彼にアンは怒っていた
がそれも夢の一つだったハズだ。

■ギリス家の火災

こういう事になると先日レイチェルが語っていた言葉が
脳裏を過ぎる。
「孤児院から連れて来た子が火を付けた」とか何とか・・
アンの素性がまだ分かっていない時の台詞ではある。

ただまだ町の人たちもアンのことを理解している訳では
無い。何故火災が起きたのか、その原因を語っていなかった
のでアンになすりつけられる可能性も有った。

しかしアンが率先して消火活動のノウハウを見せた。
火は酸素で強まる。だからドアと窓を閉めてきた。
孤児院で読んだ消火の手引き書が役に立った。

これでアンの消防士としての将来は約束されたか。

・ルビーの馬鹿野郎!

この後に及んでもルビーは友達から嫌われているアンの
家に泊まることを拒否する。こういう人には一晩外で
野宿させたらどうかと思う。

失望していたギリス夫妻にトーマスやウィリアムは男が
集まり修理すれば一週間で修繕できるとしていた。

これが小さな集落の良いところではないか。
協力の精神に溢れている。しかしその前にアンという一人の
女性についても考えても良さそうなものだ。

ダイアナも前回の後半は友達の手前アンに構ってあげられ
なくなった。その彼女も、
「他の子の目を気にしてもしょうがない。自分がどう思う
かよ。アンはとても勇敢だと思う」

ルビーはベッドの中で涙していた。
ルビーはアンと隣有って布団の中で寝ている。
アンは自分が初めてここに来た時のことを語り、絶望感
から立ち直る方法を知らせる。
するとルビーは安心したのか、疲れていたので眠った様だ。

・アヴォンリー物語クラブ

第一回会合が行われた。参加者はアン、ダイアナ、そして
ルビー。それぞれに筆名/ペンネームを考えて匿名性を
保つのだという。

アンはそのネームにロザモンド・モンモランシーだと語る。

こういう会合を聞くと、私の大好きな映画「いまを生きる」
(原題: Dead Poets Society)
での「死せる詩人の会
(Dead Poets Society)」
を思い出す。流石にまだ彼女たちの
年齢からしてもそういう深みは無かったが・・

■使用された曲

・Ahead By A Century by The Tragically Hip

■出演者

アン・シャーリー (Amybeth McNulty) 13歳、孤児
マリラ・カスバート (Geraldine James) 妹
マシュー・カスバート (R.H. Thomson) 兄、牧場主
ダイアナ・バリー (Dalila Bela) アンの親友
レイチェル・リンド (Corrine Koslo) カスバート家のお隣
トーマス・リンド (Philip Williams) マリラの友人・隣人
ジェリー・ベイナード (Aymeric Jett Montaz) カスバート家の農場のお手伝い

ギルバート・ブライス (Lucas Jade Zumann) 生徒・イケメン
ルビー・ギリス (Kyla Matthews) 生徒
ジョーシー・パイ (Miranda McKeon) 生徒・美形
トーマス・リンド (Philip Williams) マリラの友人・隣人
ジェリー・ベイナード (Aymeric Jett Montaz) カスバート家の農場のお手伝い
Mr.ウィリアム・バリー (Jonathan Holmes) 地元の金持ち
Mrs.エリザ・バリー (Helen Johns) アンの見極め

(Brian Tree) 牧師
ジェーン・アンドリュース (Lia Pappas-Kemps) アンと同級生
ビリー・アンドリュース (Christian Martyn) 意地悪な生徒
ルビー・ギリス (Kyla Matthews) 生徒
プリシー・アンドリュース (Ella Jonas Farlinger) 長女
ティリー・ボルター (Glenna Walters) 生徒・太め
チャーリー・スローン (Jacob Horsley) 生徒・イケメン
ムーディ・スパージョン (Jacob Ursomarzo) 生徒・チャーリーの友
Mr.フィリップス (Stephen Tracey) 先生、プリシーと関係が?
Mrs.ギリス (Fiona Byrne) ルビーの母
Mr.ギリス (Jim Annan) ルビーの父
(Brooklyn Herd) ギリスの妹、赤ちゃん

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