アストリッドとラファエル3 文書係の事件録
(Astrid et Raphaëlle) 2022 , FRANCE
制作/FRANCE TÉLÉVISIONS,JLA PRODUCTIONS,Patrick FOUQUE
原作/
制作/Alexandre de Seguins、Laurent Burtin
プロデュース/Jean-Luc Azoulay、Jean-Sébastien Bouilloux
https://www.nhk.jp/p/astridetraphaelle3/ts/39Z2PN93J4/
第7話 悪の華 Les fleurs du mal
脚本/SARA ANGELINI、CLÉMENCE DENNEBOUY
監督/Julien Seri
【STORY】
■パリ植物園 / Jardin des Plantes
・大温室 / Grades Serres du Jardin des Plantes
生い茂る草木の中を警備員が歩いて見回る。
一人の女性・フランソワーズ・マルトリが倒れている
のを発見し、大丈夫かと声をかける。
顔の皮膚が焼けただれているような跡が見られた。
■犯罪資料局 /
Service de Documentation Criminelle
ラファエルとアストリッドは先日のテツオのデート
の件で話し合う。なんとデートの終わりにアストリッ
ドは彼にキスをしていたこと。ラファエルはとても
信じられないとして興味津々だが、それが事実です
と顔色も変えずに答えるアストリッド。
今後テツオは私のことを”あなた”ではなく、“君”と
呼ぶ事になったこと。
それを聞いたラファエルは私たちもお互いに“あんた”
とかで呼び合ってみるか?と尋ねる。アストリッドは
冷めた表情で彼女の発言に、
“それが適切だと思うならばどうぞ”
と語る。
ラファエルは彼女との関係はもう十分に親しいし、
そう呼び合ってもおかしくはないとして、試しに
やってみることにする。
「ねぇあんた、今夜テツオとウチにご飯を食べに
来なよ」(Raphaëlle)
「夕食は月曜日、今日は木曜日です」(Astrid)
「月曜日はあんたが一人で来るからテツオと来るの
は別の曜日の方が良い」(Raphaëlle)
「どうしてテツオと行くのか?」(Astrid)
「あんたり大事な人は私にも大事。よく知りたい」(Raphaëlle)
「私は構わないがテツオの都合も確認してから
決めます」(Astrid)
「ニコラも呼ぼう。その方がテツオも楽でしょ。」(Raphaëlle)
「男ってそういうもの。オス同士で居るとホッと
するもの」(Raphaëlle)
アストリッドはその辺の行動・関係については
理解できないという。
そして彼女はラファエルに”あんたという”呼び方が
ぎこちないと指摘すると、彼女もそれに同意し
元に戻すことを語る。
■植物園 / 被害者発見の現場
植物園の警備員によると、被害者の名前はフランソ
ワーズ・マルトリ(51歳)。この植物園の温室の責任者
だという。
顔が焼けただれている事は誰の目から見ても明らか
だった。他の場所から運ばれて来たのではないか
というニコラ。しかし遺体を凝視していたアストリッ
ドはニコラに異議を唱えて、移動された跡はないこと
を語る。彼女は状況証拠から見て顔の皮膚は火で
焼かれたものではない事。窒息や循環血液量が減少した
痕跡がないという。
そんな状況の中、フルニエは突然叫ぶ。
「その木から離れろ!。マンチニール(Manchineel)の
木だ」(Fournier)
「実がリンゴに似ているから別名「死のリンゴ」
(manzanilla de la muerte)。
樹液も猛毒で葉から落ちた雨水に触れただけで火傷
する」(Fournier)
フルニエは毎日のように毒を扱っているので詳しく
もなる事を告げ、自然は牙を剥くと怖いものだと語る。
ラファエルはそれを聞いて事故死なのかを問う。
するとアストリッドが所見を述べる。
「顔面に浮腫みが有り、手指の先端にはチアノーゼ
が見られ更に嘔吐した痕跡がある」(Astrid)
「恐らく樹液を浴びた時には既に死んでいた筈だ」(Fournier)
「アストリッドのいう通り、顔の炎症は死因では
ない。誰かに毒を盛られた。これは間違いなく殺人だ」
(Fournier)
■パリ警察署 / commissariat de Police
ニコラが被害者の私物を回収してくる。
IDは携帯し、事務所が荒らされるような事は無い。
私物は「喘息薬」「ペン3本」「買い物リスト」
「スマホ」。
スマホのメールには、
「パコを溺死させた。すぐヴェジネに来い」
と書かれていた。
アルチュールにパコ”が何者かを調べてと語るラファ
エル。ニコラはメールの送信者名は既に身分が分か
っているとし、ボリス・マルトリ(Philippe Duquesne)
であることを語る。
アルチュールは行方不明者の中に”パコ”という名も
無ければ同名の溺死者も出ていないことを語る。
ボリスは被害者の兄。
ヴェジネはとは多分これの事だとしてアルチュールは
被害者が2年前に購入した古い温室のある農園の地図
を見せる。ここでパコを溺死させたのか・・
■ヴェジネ農園 / 研究所
Le Vésinet
農園は温室が多数あり、刑事たちは注意深く私有地を
見て回る。使われているかどうかも分からない温室
を一つずつ回っていると、そこに男・ボリスの姿が
有った。刑事はボリスに銃口を向けて、パコが何処
に居るのか尋ねる。彼なら奥だとして案内する。
そして装置の前に置かれた植物を指して、これがパコ
である事を告げる。彼によねと少し水をやりすぎて
死んだかと思い心配したが、乾いた土に植え替えたら
すっかり元気になったという。
近くに有ったオジギソウに触れようとしていたのを
見ると、それに触れてはダメだと言われる。
オジギソウは触れられることを嫌うとし、学名にも
「恥じらい」の意味が゛あるという。
妹のフランソワーズは彼と特別な絆があるとし、
もうすぐここに来るだろうことを語る。
しかしラファエルは言いづらそうにして妹さんの訃報
を口にする。
ラファエルはボリスに幾つか質問をする。
「フランソワーズに最後に会った時のこと」
(金曜日にカリフラワーの様子を見に来た時)
「パコに付いていた装置は何か」
(フランソワーズは植物神経生物学の専門家で植物に
も感受性と知性があるとして実証しようとしており
パコはその実験に向いていた。敏感な植物だから)
温室内ではカリフラワーに音楽を聞かせて成長魔関係
を実験していた。妹はアーティストで、私はただの
園芸家。一人では実験は出来ないという
■警察学校へ
テツオはアストリッドを警察学校に送るまでの間に
話をする。
ラファエルから提案されたことを語ると、
彼は食事に呼んでもらって光栄だと語る。
アストリッドは予め話して置くとして、ラファ
エルは料理があまり上手ではない事を語る。
テツオはそれは気にしていないとするが、アストリ
ッドの方は逆に神経質になる。
月曜日は私はいつも串焼きのセットだが、木曜日に
は何が出るか分からないこと。テツオはそんな彼女
に、
「君にとって大切な人なら僕もその人の事を知りたい」
と語る。
あなたも同じなのかとして彼女と同じことを言った
事を語る。そして彼女はあなたの為にニコラを呼んだ
こと。オス同士だから言っていたが意味がよく分から
ないというアストリッドだった。
【感想】
シーズン3、ラスト前のエピソード。
シーズン4は来年にNHKで放送するみたいだ。
人間関係の興味深さが事件捜査以上のものがある。
捜査の隙間に埋め込むようにして存在する刑事
たちの私生活・恋愛事情・アストリッドの社会適応力
がより際立つ。
メインはアストリッドとラファエルたちのチームに
よる連携の取れた事件の捜査ではあるが、
アストリッドの様な自閉症の人がどれだけ
常人以上の能力を発揮して難航する捜査を打開して
いけるのか。そして逆に常人以下の縛られている思考
や対人関係、自制されてしまう行動力に対処し社会と
うまく共存していけるのか(これは毎回のように存在
している問題的要素ではある)
アストリッドは周りからのサポートも有って、環境と
しては恵まれている。
才能を引き出す為の準備やその道筋を周りが構築して
くれているし、時には協力してそれにあたる。
逃げる事が有ったとしても、その受け皿が用意されて
いて手厚く対応してくれる。
これは今回”友人”とか”教師”の協力によるところが
大きい。
事件捜査の中で起きている事象を見ていると、それぞれ
の人たちが抱える問題で有ったり性格が映し出して
いるように思う。
例えば今回の事件はぶっちゃけると浮気・痴情の縺れ
によって問題が発生している。色々と事件の想定の
シナリオを広げたものの結果的には実にシンプルな
人間関係に起因するような動機だった。
怖いのは自然界に於ける猛毒の存在ではなく、制御
出来ない人間の感情にある。刑事が感情のリミッター
を外した時、社会秩序は限りなく暗黒なものとなる。
アストリッドに至っては職業柄どれだけそういった
要素を維持して冷静さを保っていけるのか。
それだけに警察学校に於ける口述試験のストレス
テストというのは厳しいものとなるのだろう。
アストリッドは自分のルールの中では平静を保つ
ことが出来ることは明らかだが、それが脆いものと
して存在しているという事は警察組織としても不安
なものがあるのかも知れない。
事件の中で起きた関係の構図は現在ニコラを巡り
ラファエルとエマとの関係に通じるものが有る。
今回見せた事件関係者の人間関係は未来のラファエル
に該当してもおかしくはない。
また興味深い流れの一つが、テツオとニコラの関係
が近づいたことによって、人間関係の機微な一面には
全く理解できないアストリッドにとっては不安要素
だろう。
二人の接近によって困惑しているところがある。
同性なのに何故そんな親密になっているのか。
ドラマの事件もその辺がキーワードになって事件が
発生する流れが出来てしまった。
また植物であるパコの存在はどうだろうか。
感情を表に出せない植物とアストリッドが同じよう
に見える。植物の感受性や知性があるかどうかの
実験はまるでアストリッドが社会の中でどのような
行動と感情を見せていくのかの流れに精通している。
今回のアストリッドは人の情に関して困惑して
いた。取り分けこのドラマでは「愛情」と「友情」
の問題を取り上げて続けている。
・アストリッドとラファエルの関係
・ラファエルとニコラの関係。
・アストリッドとテツオの関係。
・ニコラとテツオの関係。
人から愛されている内には人は人としての理性・倫理
的なものは守っていけそうだが、それが一つでも崩れ
た時、頼りになるものは何なのか。
■事件・捜査
被害者 : フランソワーズ・マルトリ
職業 : 植物神経生物学 / 元ソノピ製薬
年齢 : 51歳
第一発見者 : 植物園の警備員
殺害現場 : 植物園の温室
凶器 : 毒 (アカシアの葉のタンニンが有力視)
死因 : 植物由来の毒だろうとされているが・・
備考)
・植物学者として20年間勤務していたソノピ製薬を
一年半前に退職している。
・ソノピ製薬は大手食品企業の子会社で親会社は
ネスモンジュ社。
・ネスモンジュ社は被害者を相手に繰り返し訴訟を
起こしている。
●科学捜査 / 法医学研究所
植物園の温室には数々の猛毒がある植物が栽培されて
いる。マンチニールの樹液はその葉から落ちた雨水に
触れただけでも火傷するというくらいの毒性の高さ
がある。
顔の炎症が死因ではないことは現場の所見でアストリ
ッドが割り出していた。
◆胃の中の残留物
アカシアの葉が半分消化された状態で残っている
ことが判明。葉のタンニンの毒素は相当強烈らしい。
しかし人を殺すだけの致死量になる濃度に至るまで
のタンニンは寄せ集めない限りはない。
フルニエによるとアカシアの葉は利口で、動物に
食べられると察知すると自己防衛力によって
タンニンの濃度を高めて殺そうとするのだという。
南アフリカの例ではアンテローブが大量死したこと
がある。因みにアンテロープは写真が見るとヤギ
みたいなシカみたいなそんな動物たちだ。
アカシアの葉のタンニンの量は普通の状態では
アストリッドの発言でも分かるように致死量には
見たないが厳しい環境を与えることによって毒性
が増したか、量自体が増えた。
問題なのはそのアカシアの葉が現場近くで栽培され
ていない。
また被害者の知識が有ればアカシアの葉であること
は明らかに見て分かるのでどのようにして飲ませたの
か。
フルニエの所見も面白い。
現場を見まわした彼は言う。
「ここには手っ取り早く死ねる方法が7つは有る」
「植物の専門家ならば別の毒草を選ぶ筈」
◆現場から発見されたもの
現場には「剪定ばさみ」が有り、持ち主の名前も
刻まれている。「兄のボリスのもの」だった。
ボリスは事件の中でもキーマンの一人。
剪定バサミの件で彼を疑った際に刑事が足を運ぶと
彼は逃走した。足跡をたどると地下室があることが
分かり、そこには何やら怪しげなものが育てている。
地下室で栽培されていたのは大量の大麻だった。
先日のエピソードの中でも自閉症の弟を持つ兄が
大麻を売っていたという流れが有った。
その大麻の中には麻薬捜査班にも分からない”何か”
の植物が有り分析することになる。
取り調べの結果、大麻はフランソワーズの発案で
始めたもの。化学療養中ものは慢性的な痛みが有り
関節痛を患う高齢者もいる。この大麻でその痛みを
少しでも和らげようとして作っていたものだと分かる。
◆”何か”分からない植物
分析の結果、「クソニンジン」という名前の植物。
日本ではキク科ヨモギ属の越年草。
中国医学では古くから解熱に使われる薬草の黄花蒿。
その植物について言及している資料が有り、
マラリア薬「ジャバネックス」の主成分の一つだ
という。
それを製造しているのはソノピ製薬だと判明する。
抗マラリア薬には重篤な副作用が有り、フランソワー
ズはそれを安全な薬として開発しようとしていたの
ではないかという。
■事件・捜査
幾つかのキーワードが出て来る。
「植物由来の毒」「食品大手のネスモンジュ社」
「ソノピ製薬」
◆食品大手のネスモンジュ社から被害者は繰り返し
訴訟を起こされていた。訴訟は「財産の所有権」と
「執行吏の不服申し立て」と執拗さが目立つ。
被害者はこの会社の関連企業であるソノピ製薬に
20年間も勤務している。1年半前に退社した理由は
何か。
企業の法務部長から話を聞くと殺し屋を雇うよりも
訴えた方が効率的だと言われ、妙に納得するものが
あった。
まぁ何かを体に悪いものを製造しそれを告発しよう
として殺されるというシナリオはドラマで多いけど
ね。
●捜査線上にあがる人物
・ボリス
動機は妹の遺産とか、大麻を製造していたのを
見つかったので殺したとか言われていたが、実際
にはそれらは全く関係なかった。
・デルフィーヌ・ビュラン
デルフィーヌの専攻は疫学。
出身はナイジェリア。
両親がマラリアで亡くしている。
その時のWHOの決定に抗議運動を扇動して会社を
退職していた。
フランソワーズは過去にソノピ製薬で働いていた。
その会社で一緒に働いていたのがデルフィーヌ・ビュ
ラン。
その人から話を聞こうとするも、彼女は持続的植物
状態で見つかる。自殺だとされ、装置にかけられて
いた。看護師(Melissa Silveira)に事実関係を
確認する。
彼女はサン・ジョゼフ病院に入院していた。
●終盤
社会力向上クラブで話し合いの中で出たマスキング
というワードがアストリッドにとってはヒントと
なる。デルフィーヌ自身もマラリアにかかりトリカブト
が原料のホメオパシー薬を服用していた。
彼女が自殺したとされるのはこの薬を大量に飲んだ
からだとされる。
タンニンは毒でもあるが解毒作用にもなる。
別の毒を解毒する為に自らアカシアの葉を食べたもの
ではないかという疑惑。
フランソワーズの血液検査の結果、トリカブトの毒が
検出される。
解決のヒントとなるのは、この毒は彼女が亡くなる
数分前に投与することになること。更に温室の警備員
によれば不法侵入を疑う警報は鳴っていない。
つまりフランソワーズにとっての顔見知りで、彼女が
犯人を室内に引き入れたことになる。
・図書館
ほぼ謎解きが終わり犯人の詰めの作業をしている
ところで鳴った一本の電話。図書館から本の返却が
ないということ。司書(Virginie Kartner)によれば
フランソワーズが借りてその本をもって病院に
行っていたこと。入院患者の為の朗読ボランティア
をしていた。返却されていない本にはあるメッセージ
が刻まれている。
「フランソワーズ、心に残る時をありがとう。
あなたの唇が私の唇に重なり全てを忘れた。
愛している。デルフィーヌ」
因みに返却されていない本は、
フランスの作家アルフレッド・ド・ミュッセの戯曲の
「戯れに恋はすまじ」(On ne badine pas avec l’amour)
・サン・ジョゼフ病院
病室には青いバラ。
自然界には存在しない薔薇で、市場に出回っている
ものは染料のメチレンブルーによって茎から染料
を吸い上げさせているもの。
しかしここにあるのは正真正銘の青いバラ。
・写真が事実を物語
デルフィーヌが自殺未遂をした後に自宅で撮られた
写真には割れた花瓶、そして青いバラが写っていた。
そしてデルフィーヌの病室でも同様のものが目撃
されている。
・投了
夫は妻の浮気を知ってしまった。
嘘発見器にデルフィーヌの夫・アントワーヌを
調べた上で色々と追求していくとついに認めて
行くことになる。
彼女が使用していた喘息の治療薬の吸入器には
トリカブトの毒が検出された。
青いバラによって浮気されたことを確信した夫。
理性を失い衝動的犯行としていたが、殺害までに
は時間がかかっている。夫は相手が誰だか分からな
かった為だとしていた。
「素知らぬ顔でずっと私を慰めていたかと思うと
許せなかった。」
今回のエピソードを象徴する結末だった。
「毒薬変じて薬となる」とは言うけれど、人の感情は
浮気という毒を打ち消すようなものは無い。
しかし裁判でも同情の余地はなく情状酌量には該当
しないとされていたが、男性の浮気で女性が殺害
された場合も同様なのだろうか。
●事件以外の流れ
・警察学校
アンヌ先生が口頭試験の為の対策を一緒に考えてくれ
る事になる。
アストリッドは「予定外の事には対処が出来ない」。
ただ彼女にとってラファエルからの連絡は
「予定外だが想定内のこと」だという。
先日のエピソードの中でアンヌ先生が何故アストリッ
ドに肩入れするのかの真相が明らかにされた。
先生は口頭試験の試験官になる可能性ある人物を
知っている。それらへの対策を二人で行うことになる。
■その他
●一週間
アストリッドの一日は決まったルーティンの元で
働いていて、私生活に於ける彼女の一週間は予定が
決まっている。
ロシア民謡(Неделька)の「一週間」の様に
「月曜日は市場に出かけ~火曜日は・・
テュラテュラテュララ」って歌が有ったと思うが
そんな感じのやりとりがこのドラマは多い。
現在の所、
月曜日 : ラファエル家で夕食
火曜日 :
水曜日 : テツオが店番の日、買い物の日
木曜日 : 今回の事件の発生した日、警察学校
金曜日 : テツオとアストリッドがラファエル家で食事
土曜日 :
日曜日 :
●黄金比 (Golden ratio)
テツオが現在大学で書いている論文のテーマにも
なっているのが黄金比。
「神の比率」とも呼ばれ芸術の歴史には黄金比に
纏わる逸話が色々とある。現在では取り分け
「人が最も美しいと感じるバランスの比率」・・
つまり顔の作り・美顔の条件だったりしますよね。
それぞれデザインに於いても黄金比は存在していて
それぞれにその割合・数字り比率がある。
ニコラは数学家ではないが、芸術とか歴史は詳しい
のでその話題がきっかけでテツオと仲良くなって
いく。
以下にも書いた詩であるが、詩と数字は切り離せない
ことを説く。
「アレクサンドランは12音節、ソネットは14行、
韻は代数方程式に於ける未知数に他ならない。」
※アレクサンドランは詩における韻律の行、
つまり詩行の一種
※ソネットは、14行から成るヨーロッパの定型詩
●シャルル=ピエール・ボードレール
Charles-Pierre Baudelaire
(1821年4月9日 – 1867年8月31日)
先日のエピソードでもボードレールの詩集は取り上げ
られた。ニコラとテツオは共にボードレールが好き
みたいだ。
「我が青春は陰鬱な嵐、時折さした明るい陽光も
雷雨のあまりの猛威になすすべもなく、我が庭には
赤い果実は僅かに残るのみ」
“My childhood was nought but a ravaging storm,
Enlivened at times by a brilliant sun;
The rain and the winds wrought such havoc
and harm That of buds on my plot there remains
hardly one. “
(悪の華の”敵(L’Ennemi (The Enemy))より”)
二人が誌の一節を覚えていて詠い始める所が凄い。
●植物神経生物学 (Plant Neurobiology)
生物学の分野の一つで被害者はこの専門家だった。
植物神経生物学とは植物にも感受性と知性が有る
かどうかを実証するようなもので、刺激によって
生物にも意識に対応するものが存在するのかを
研究によって今でも行われている。
日本の農家でも成長の過程で音楽を聞かせたり、
意図して厳しい環境に置いてうま味を出そうと努力
する姿が在るよね。
●社会力向上クラブ
今回主に発言していたのは、マックス、カミーユ
アリス。
・マックスは他人の視線は気にしないという主張。
・カミーユは自閉症のことを隠して別人を演じて
いた過去の事を語る。
・アリスはカミーユが行っていた行動は“マスキング”
と呼ばれるものでやりすぎると燃えつきるので
気を付けるべしと語る。
●サム・ロイドのパズル
サムは「15パズル」の発明者。しかし決して解く
ことが出来ないもので、14と15の数字が入れ替わって
いた。
【SOUNDTRACKS】
・Nantucket Island by Willie WRIGHT
【出演】
アストリッド・ニールセン (Sara Mortensen) 犯罪資料局・文書係
ラファエル・コスタ (Lola Dewaere) 刑事・警視
ニコラ・ペラン (Benoît Michel) 刑事
カール・バシェール (Jean-Louis Garçon) 刑事・警視正
アンリ・フルニエ (Husky Kihal) 監察医
アルチュール・オンギャン (Meledeen Yacoubi) 警部補
*ジュリアン・フレデリック (Julien Frédéric) 鑑識課
*マティアス・フォレスト (Hubert Delattre) 検事
テツオ・タナカ (Kengo Saito) タナカ商店
*エマ・オンギャン (Victoire Christine) アルチの妹
アン・ラングレ (Valérie Kaprisky) 警察学校教師
ウィリアム・トマ (Jean Benoit Souilh) 社会力向上クラブ
マックス (Clément Lagouarde) 社会力向上クラブ
アリス (Lizzy Brynn) 社会力向上クラブ、メガネ女性
*ブノワ (Clément Langlais) 社会力向上クラブ
カミール (Angélique Bridoux) 社会力向上クラブ。メガネ
ボリス・マルトリ (Philippe Duquesne) 被害者の兄
(Edwin Krüger) 食品大手ネスミンジュ、法務部長
アントワーヌ・ビュラン (Xavier Mathieu) デルフィーヌの夫
(Virginie Kartner) 女性司書
(Melissa Silveira) 看護師
フランソワーズ・マルトリ () 51歳、植物園責任者
デルフィーヌ・ビュラン () ソノピ製薬、フランソワーズの元同僚