キャシーのbig C ~いま私にできること~
The Big C (シーズン3)
制作/Darlene Hunt
第9話 よい旅を Vaya Con Dios
脚本/Jenny Bicks
監督/Michael Engler
プロデューサー/Melanie Marnich
音楽/Maecelo Zarvos
【STORY】
●前回までのあらすじ
バーの宣伝用のマッチを頼りにポールはキャシーが立ち寄る
店を探し、携帯に入れてある妻の画像を見せると“アレクシス”
だねとし、彼女から旦那は心臓発作で死んだそうだと言われる。
キャシーはアダムに聖書の集会も彼女のことも初耳だとして
問い詰める。アダムは母に自分を見せられる数少ない仲間だと
して邪魔しない様求める。
ショーンは三人で“スラップル”を経験するもティムはショーン
に関係の終わりを告げられる。
ポールは講演会で自分の心臓に起きている不整脈のことを話し
人工的に心拍を取り戻すための装置ICD(植込み型除細動器)が
入っていてアシスタントが管理してくれていることを語る。
「人生を楽しみたい?」「スイッチを押せ!」
ジョイからプエルトリコのツアーの同行を求められる。
しかしそれを知ったキャシーはプエルトリコで好きにさせないと
ジョイに宣告し、家族全員同行すると語る。
ジョイはキャシーに対して
「ネガティブなオーラと怒りがガンを呼び込むのよ」と言われる。
言い争っている中、車道に出たジョイは自分の宣伝カーによって
轢かれてしまう。
●プエルトリコ
両手をあげて“デナーダ”と繰り返し語る。
アダムはその言葉の意味が分からず何の意味か尋ねると
“どうしまして”の意味だという。
“ハレルヤ 太陽”と言ってるふり。(Cathy)
同じアメリカならばここに住みたい(Andrea)
言語が違うのにアメリカか?(Adam)
ブエルトリコはスペインの植民地だった。1898年にアメリカ
領土になり俺たちにマリファナをもたらした(Sean)
海に潜るわ。歯医者以外で熱帯魚をみたい(Cathy)
講演用のバッグがないと探すポール。
キャシーは夫に落ち着くよう求める。
指図より感謝してくれ。連れて来たのだから。
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■感想
ジョイはポールをプエルトリコでの講演に同行させようとするが
それを止めに入ったキャシーとのやりとりの途中に不慮の事故に
よって亡くなってしまう。
ショーンは三人での自由恋愛的な「スラップル」の関係を
解消され失恋する。
キャシーは家族全員でプエルトリコに行く決意をする。
土曜日に幕張で行われた「TGS2025」に行ってきました。
高校時代から付き合いのある友人に車を出してもらい幕張に住む
友人の家に車を停めさせて頂き、三人でメッセに足を踏み入れ
ました。とにかく人だらけ。blogでレポートでも書こうと思って
いたのですが海外ドラマのスペースだし、正直あまり最近の
ゲーム事情も詳しくは分からないのでどうなる事か。
パニック障害持ちの私がこの手のイベントに行くのも結構勇気が
いるんですけど、今回は自分が運転する車ではなかったので頓服用
の薬はOD並みに所持していきましたが、結局飲みませんでした。
もう少し時間があれば過去に住んでいた場所ツアーをしたかった
ですが、これはまた別の機会に・・ですね。
今回のエピソードタイトルであるVaya Con Diosは、スペイン語で
「神と共にあらんことを」の意味があるそうです。
diosは「神」の意味。Wizardry好きなら回復の呪文を思い出す
かもしれません。
シーズン3のラス前のエピソードであることも有って不穏な動き
が至るところで発生し、前向きな主張・テーマとは裏腹に
今回の内容は主人公たちを不幸に貶めるものではないのかと
いう感じになっていくのですから怖いです。
その一つの流れはジョイによってもたらされました。
先日のエピソードの中で、彼女はバスに轢かれて亡くなりました。
一番亡くなりそうにない名前の人物で、人生を指南していく伝道師
のような人が亡くなったのですから、より一層ポールにとっては
ナーバスにならざるを得ないのかもしれません。
「人生は何が起こるか分からない」
「一寸先は闇」
「今を楽しめ」
人生を気難しく足かせとなるものを全て取り外して自由に生きて
いき、気が付くと亡くなっている。そんな人生を求めているのかも
知れません。しかし彼はそんな人生を支えてくれている人の
存在というものを完全に見失っていることでしょう。
■それぞれの状況
●ポールの方向性
彼はキャシーに離婚を念頭に置いた付き合いを望む。
「もう君を信用できない。あと40年も続ける自信がない」
ポールがキャシーを不審に思ったのは酒場で演じていた
アレクシスという名のキャラクターでした。
奥さんに酒場のようなところに行かれるのはいい気はしない
のかも知れないですね。
この酒場でのキャシーの設定を見ると、彼女はパイロットとして
働き、旦那は心臓発作で亡くなっているとしている。
更にポールにとって許せないのはキャシーがジョイの死を
軽く扱っていることだ。彼女はポールを助けてくれた人。
彼の才能を見出してくれた人。
一連の流れはポールの成功がもたらした弊害なのか。
ポールをいないことにして新たな自分を演じたかったのか。
ポールはプエルトリコに来るとパブロという名前で講演する。
もちろんこれはキャシーに対する皮肉でもあるでしょう。
●キャシーの方向性
やることやる事全て裏目に出ている感じの彼女。
プエルトリコではスキューバを体験しようとしている。
ミニ図鑑を持って来てはブダイを見てみたいとのこと。
日本にくれば中部地方より南西の海で釣る事が出来ますね。
「バディシステム」とは何か。
スキューバのように潜水する際には必ず二人一組で助け合わねば
ならない。
ポールの心拍を監視する役目をアンドレアに託していたものの
彼の気に触れて彼女を首にした。その結果セーフティシステム
のようにして見守ってボタンを押してくれる人が居なくなった。
スキューバに於いても「バディシステム」はセーフティ
システムの一つだ。
海に入るとボンベを背負ってマウスピースを加える。
しかし海に入ると人は脳が勝手に呼吸を止めようとしてしまう。
そして恐怖心からマウスピースを外してしまったり、意外と視界
の悪さから現在地が分からなくなり、正常に泳げなくなってしまう。
ある意味ではパニック症みたいな感じ。
キャシーの相棒(バディ)は兄のショーン。
この人のいい加減さにはうんざりしてくる。
クリスティーナという女性を見かけて勝手にキャシーとのパート
ナーを解消したり、また元に戻ったかと思えばお尻を追いかけて
何処かにいく。
このシーズンはとことん「尻尻尻」だ。
過去にもキャシーはシーズン1の最後にプールで溺れそうになった
ことがある。そしてシーズン3でもまた同様のことが起きそうだ。
●アダムの方向性
アダムもまたキャシーに厳しく当たり、離婚したら父親について
いくという宣言を街の教会で語る。
クリスト教徒は教会を見ると国とか宗派に関係なく教会を訪れる
ものなのだろうか?
アダムがキャシーに不信感を抱くのは浮気の事実もあるけれど
キャシーはアダムに崇拝している教会の仲間を軽く見ていて、
ポールに於けるジョイへの崇拝者への悪口を言われたところに
あるのかも知れない。
●一人で生きる? 自立心??
今回ポールは二代目ジョイではなくポールとして生きようと
考える。もちろん偽名を使ったパブロでもない。
しかし問題は、家族との関係だ。
互いに病気を患い、苦しい状況の中で別れることの辛さ。
そんな状況でこそ家族絆が試されるはずが、別れることで
逆に解放され自由に感じるというのはちょっと寂しく、
都合が良すぎないだろうかと感じてしまう。
子供の言葉は一番親にとっては厳しい筈。
アダムからはキャシーへの言葉は何かはじけるものが
有ったかも。
余談ですが、
吉本の芸人で吉本新喜劇座員のお笑いタレント島田珠代さんが
夫がガンだと発覚して離婚することになり、親権は父親が持ち、
夫が亡くなり、一度は手放した娘が島田珠代さんの元に戻って
から暫く娘との葛藤は激しかったという記事を最近目にした。
熟年離婚となれば両親がいない状況の中で築き上げた家庭を
壊してまた一人で生活していかねばならず、生活周りで相当
仲の良い人が居ればいいですが、精神的には大変ですよね。
レイモンド・チャンドラーの探偵フィリップ・マーロウシリーズ
の中で語ったセリフがあります。
「強くなければ生きていけない、優しくなければ生きる資格がない」
日本のドラマでも過去に引用されて、
「ギョーカイ君が行く!」(1987年フジテレビ10月期・月9枠)など
でも似たようなセリフが使用されました。
さてジェイミソン家は空中分解してしまうのか。
■その他
●ゾライダ・フォナレダス Zoraida Fonalledas
ホテルに着いてからラム酒を出してくれた女性役。
2000年のミス・ユニバース・ページェントへの出演経験もある
彼女。インスタなどにも当時の写真が掲載されている。
■使用された曲
・Game Called Life by Leftover Cuties (Main)
・Dime Cuando by Adanowsky
■出演者
キャシー・ジェイミソン (Laura Linney) 43歳、妻、高校の教師
ポール・ジェイミソン (Oliver Platt) キャシーの夫
アダム・ジェイミソン (Gabriel Basso) 高校生、15歳
ショーン・トルキー (John Benjamin Hickey) キャシーの兄
アンドレア・ジャクソン (Gabourey Sidibe) 生徒、デブ
エドゥアルド (Andrew Pifko) プールの清掃業者
クリスティーナ (Elizabeth Twining) 旦那は老人、ショーンと過ごす
(Zoraida Fonalledas) 酒の選定
(Jazmín Caratini) インタビュワー
(Luis Omar O’Farrill) 客室への案内係