第21話 更生への道 Criminal
脚本/Jose Molina
監督/Alex Zakrzewski
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セントラルパークで市警のパーク・ポリスが馬に乗って花を
運ぶ商売人と会話していた。私は毎日この道を通って花を
運んでいるが、いつになったらこの現場の規制線が解かれる
のかと党。一週間前から線を張ってあるという。警察官は
現場の保存も重要な仕事だとするが、警察官が一人でも来て
いるのを見た事が無いという。警察官は無線で本部と連絡して
セントラルパークの担当者は誰かと問うが、現在その地区がは
事件は起きていないという。しかし規制線が張ってあるという。
警察官は落ち葉の下に遺体が有るのを見つける。
鑑識なども駆けつける中、捜査の攪乱が目的ではないかという。
現場に自分で規制線を張るとはなと呆れるエリオットに対して、
シパーは簡単に手に入るとして、私の息子も持っていると語る。
現場にはメリンダとオリビアが既に遺体を調べていた。
メリンダによると、死体は絞殺でクビにアザがあること。レイプ
されていて死後数日が経過しているという。殺害後に爪を切った
後が有るというオリビアに対してその根拠はと問うと、足のマニ
キュアははげていないとし、塗ってから爪を切る人はいないの
だという。被害者に引っかかれたのでDNA検出を恐れたのかも
知れないというエリオット。科学捜査に詳しい人かも知れない
というと、警察関係者かというオリビア。そんな公園にはまだ
雪がうっすら降り積もっていた。
モルグで遺体を調べるメリンダは、痕跡は消していることを
語る。体液、髪の毛、指紋などはないが、手がかりは犯人が
手で首を絞めてもう一方の手で口を塞いでいるという。気管か
らは繊維が検出されたという。防水した綿で襲われた時に
吸い込んだものだろうという。レインコートか手袋とのこと。
またアザは親指が右側に付いているので左手で絞められたのだ
という。避難していること。消毒液を使い膣洗浄をしていると
いう。膣無いからコンドームの切れ端が有り、破れたのだろう
という。避難具のブランド名は”Tデザイアー”。
エリオットは被害者は捜査妨害で逮捕されているレベッカ・ウィ
ーラーでクレアモント在住だという。犯人は警察内部の可能性
が高いということを報告するというオリビア。死亡推定時刻を
尋ねると一週間以内であり直前に食事をしていること。胃の中に
寿司が残っていたという。食べた時間が鍵になりそうだというメリ
ンダ。
2月26日(木)・レベッカの部屋
室内にはレシートが残っていた。寿司店・店名は”ミス・ヨーコ”。
金曜の8時5分、42ドルが支払われており、一人分ではないという。
犯人と食事をしていたものなのか。クレイゲンは壁のポスターを
見て見ろと語る。「警察の横暴を食い止めろ」と書かれていた。
刑事司法制度を非難したもので、警察に的が多そうだというホアン。
犯人は冷静で知的で科学捜査に詳しいこと。犯行後の処理も綿密だ
という。オリビアは浴槽にスポイトが有り、これで消毒液を入れた
のだろうという。遺体を川に流せば済むことじゃないかというエリ
オットに対して、ホアンは彼女への情を持っている証拠だという。
規制線を張ったのは警察への当てつけだろうと。
警察学校の落第生か免許された警察官なのか。学生かも知れない
とし彼女は大学院で刑事司法の研究をしているという。
指導教官のハビア・ベガ教授から話を聞く。
レベッカを恨む人などいないという。最近欠席していたことに疑問
はなかったのかと問うと論文の準備をしていると思ったという。
恋人の存在は無かったのかと尋ねると無いと思うとし、研究に
明け暮れていたという。レベッカは捜査妨害で逮捕されている
事を告げると、不起訴になっていることを語るベガ。前科者の
取材中に手入れが入っただけだという。論文のテーマは「再犯」
だったこと。制度の不備が再発率の高さと考えていたという。
ライカーズの出所者を見れば良いとし5ドルの所持金を売人達が
狙うのだという。更正の機会もないと。性犯罪者の取材をして
いたのかと問うと、レイプ犯は更正が難しいという。彼女は特に
学レクのない麻薬中毒者に感心を持っていて更正に手を貸して
いたという。トラブルのことは聞いていないと。取材対象者
は誰だったのかと問うと、共同研究者のカイル・ラーマンに
聞くと良いという。
2月26日(木)・ウォレス大学犯罪学部
麻薬中毒者に窃盗犯、半年間の出所者全員に取材していたと
いうカイル。社会復帰した者のリストだという。カイルの金曜日
のアリバイを尋ねるとパーティーで酔ったので友人に送ってもら
ったという。オリビアはここがレベッカのデスクかと問うと調べる。
取材には同行したのかと問うと僕は保護観察局で研修だったので
取材は彼女任せだったという。出所後息子のガンを知り麻薬に走った
男がいたが、レベッカは泊まり込んで彼を助けていたという。過剰
摂取で男は死亡したという。彼女にシツコイ男がいて刑務所に
面会にいくと腕を回して愛していると語り君が悪かったという。
レベッカはキスを迫られてもめげずに面会していたとのこと。
名前はルディ・レムキーで今も刑務所だという。
ルディは強盗と暴行で28ヶ月、麻薬所持で2年だというオリビア。
シンシン刑務所の常連だとクレイゲンに報告する。彼女はルディ
に自分の電話番号まで教えていたという。
2月26日(木)・ST.アン’ズ ホームレス避難所
シスターペグが働いている場所だった。娼婦の啓蒙活動はもう
していないのかというエリオット。客の多くはホームレスだとい
うと、ここは麻薬の前科がある人ばかりだと語る。ルディに
見覚えはないかとして写真を見せる。更生に尽力した女性をレイプ
し殺害したのだとすると、そこのショッピングカートの所に
いる男だと語る。エリオットとオリビアで協力して彼を逮捕
する。オレは何もしていないというルディだが、カートにはルディ
のものだと思われる本が入って居た。犯罪学入門書・ハビア・ベガ
著と書かれていた。勉強していたという彼に、それはDNAを洗い流す
方法なのかと問う。
2月27日(金)・学部長室
4月12日(月)・第46法廷
4月13日(火)・特殊戦術班(TARU)
4月13日(火)・第46法廷
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セントラルパークで発見された女性の遺体。
現場には何故か警察が現場を保存する為に張る規制線で囲まれて
おり、既に捜査済みかと思われていたが実際には、犯人がそれを
していたことが分かる。捜査の攪乱が目的なのか。
死体は絞殺されていて、レイプされ死後数日が経過していた。
殺害後には爪を切っていることから、被害者によって引っかかれた
為にDNAの検出を恐れて行動を起こしたのではないかという。
更に消毒液を使って膣内を洗浄していることから科学捜査に詳しい
ものによる仕業ではないかとされる。
被害者はレベッカ・ウィーラーで、胃の内容物から死亡直前に寿司
を食べていたことが分かる。彼女は大学院で刑事司法の研究をして
いる学生だと分かり、指導教官であるベガ教授から話を聞く。
すると彼女は論文のテーマとして「再犯」について書いていて、
制度の不備によって再犯率が高くなると考えており、学歴のない
麻薬中毒者に関心を寄せて更生に手を貸していたことを聞かされる。
共同研究者のカイル・ラーマンから調査資料を見せられる。
捜査が続く中で、麻薬中毒者で容疑者の一人・ルディが持っていた
本を見たクレイゲン警部は、ハビア・ベガとは1976年に殺害罪で
オレが逮捕した男でヘロイン中毒者だったことを聞かされる。
金を盗みに入りジョアンナ・ルイスを殺害したとして、ヤツは
左手で絞殺したのだと語る。今回の殺害と類似していることに
注目していくが・・・
今回はフィンとマンチはお休みで、その変わりにクレイゲンが
捜査に加わる。
1976年当時、捜査官だったクレイゲンが殺人罪で逮捕した男・ベガ
が事件の関係者として浮上している事を知り、疑いの目を持っていく
もの。
クレイゲンがそんな拘りを見せる理由の中には、自分が一度は
信じて裏切られたとする事情が有り、1975年に窃盗で逮捕
したベガのことを更生する意思があると見て陳述書書いたもの
の、ものの見事に裏切られて保護観察中に殺人事件を起こさせて
しまったというクレイゲンの中にも深い傷として残っている人物
の一人だったこと。その後の二人がどうなったのかはよく分からない
けれど、ベガがウォレス大学の教授にまで昇格している中には
それなりの努力が感じられる。
前回のエピソードの中では、ものの見事にオリビアが感情移入
しているのではないかとされるエピソードだった訳で、それを
制したクレイゲンが今回は自らその罠にハマってしまうというもの
だったけど、なかなか自分が関わった事件なり人物が関与して
いると冷静で居られないところは刑事も人の子って感じ。
そして犯罪者もまた人の子であり、被害者も人の子である。
どの人物にも同様に感情は有り、環境の違いから色々とその後の
人生が変わってくるし、社会的立場も変わってくるけど、枝葉の
分かれる人生の選択肢の中には一つのミスが、取り返しの付かない
ものとして存在するものがあるというのが、殺人罪なのではない
だろうかと思う。そう考えると、幾ら更生したとしても、殺人者
としてのレッテルを張られてしまうのはある程度は仕方がないのか
なと思うけど、その辺は追い込み過ぎれば、また同様のことを
繰り返す可能性は否定出来ないので、他人を眺める視線というのは
なかなか難しいものが有るんだろうね。
この教授が更生出来たことの理由の中には娘の存在は大きかった
であろうことも見て取れて、被害者のレベッカにしても研究しつつも
更生させる為に努力している姿が印象に残る。そんな姿も教授の
意識が乗り移ったところが有るのだろうか。アメリカには犯罪者
に対して恋愛感情を抱いてファンになってしまうみたいな人たち
もいるみたいで、ネットなんかでも容易に犯罪者のデータベース
で見て取れてメッセージが送れるようにしてあるところがアメリカ
の凄いところだけど、人権を唱えつつも犯罪者の人権に関して
どの程度の人権が許容されているのか難しいものがあるな。
アメリカの大学教授への資格がどうなるかは分からないけど、
日本では基本的に大学教授になる為には資格などは必要がない。
ただそれなりに信望も必要で、大学の学部長が過度にベガに対する
信頼感を寄せていたけれど、それとは対象的に経歴を黙って
この教授の生徒になることに対して、エリオットは自分の子には
教授にはなって欲しくないことを口にしている。
そんなエリオットに対してオリビアが意地悪っぽく、「更生は不可
能だと思うのか?」と問う中、エリオット自身は「分からない」と
したことから、「キリストは許しなさいと説いている」ことを
口にするけれど、クリスチャンなエリオットもオレは未熟だから
ということで言葉を濁していた。
また更生と言えばその支援活動をしているシスター・ペグの4度
目の登場で、今回は娼婦相手に更生の為の支援をしているのでは
なくてホームレス相手に食事を配っている姿が有った。
今回の犯行は明らかに犯罪捜査にある程度熟知している人物であり
そしてベガに対する嫌悪感を抱いて彼に罪を着せようとして動いて
いる人物であることを考えれば、意外と容疑者は限られている感じ
はする。正直犯人は娘のガブリエルなのかなと思っていたけど、父
は母の死後に私の存在を知ったとしていたし、父親が殺人罪の犯罪者
だったという負い目を持って生きて来たという事情は無かったのかも
知れないね。
ただそんな娘も殺人は麻薬のせいだとしていたり、ベガ本人も
罪は償ったとしているけれど、それはあくまで形式上のことで
感情はまた違うというところが法律には当てはまらないところで
難しいところなのだろう。人の感情がなかなか法律と一致しない
というジレンマが問題で有って、彼らが言うように制度の不備が
再犯率を高めているのだろうかというところには色々と疑問を
投げかける面も多い。
今回はオリビアの女性ならではの視点が捜査に役立つところも
大きかった。車の中に残っている残り香。年配の女性が同行
していたようで、ユリとバラの匂いがするとして、若い子は好まない
としていたし、ガブリエルはベルガモットの香水を使っている
ことを口にしていた。結果的に香水ではなく花束だったのだけど
ね。
また冒頭ではマニキュアと爪切りの関係性を見つけ出したのも
オリビアであり、オリビアの役割は大きかった。
男性陣は性格の違いから強引な捜査が目立ったかな。
娘のガブリエルが父親の居場所を喋らないと知った際には、
突然エリオットはその場で写真をちらつかせて生徒たちに
ベガの居場所を聞き出そうとする姿が有る。ガブリエルからは
「人でなし」呼ばわりされていたけれどね。
またノバクは相変わらず消極的態度で判事が認めない限りは
ベガを起訴するのは難しいとしていた際に、エリオットがノバク
に囁くようにして、説得は(君には)無理なのかとして迫る姿が
有り、ノバクのやる気を喚起している姿が有った。
ドラマでは冷静に考えると証拠は至るところに有り、恐いのは
犯罪学を教えるもの教えられるものたちにとっては、モラルが
必要であること。飼い犬に手を噛まれる訳では無いけれど、
この一件も教え子の一人・カールによってハメられた事件で
有ったこと。しかしカールと最初に有った際に、金曜日のアリバイ
をちゃんと裏取りしていれば、こんなに複雑な状況にはならなか
ったのではないかと。
また教授に講義の手紙を出している人物が居たりするところも
有って、向けられるべき捜査の目はもっと広かったように思う。
結局防犯カメラから教授のことをよく知る人物で、教授の私生活
にもある程度踏み込むことの出来る人物が容疑者であることは
自明の理。
しかし犯行に使われた車はレクサスであり、重要な証拠として
残されていた胃の内容物が寿司だったという辺り、日本狙い撃ち
って感じでしたね。
驚いたのはレンタカーで借りたレクサスの中にまだ爪切りが
落ちていたということか。
クレイゲンとベガのやりとりも興味深かった。
ベガはクレイゲンの信頼を裏切ったことには何も感じて居ないの
だろうか。クレイゲンだってアルコール中毒から更生したのだろう
としていたけど、殺人からの更生とアル中の更生はまるで意味が
違いますから・・って感じもしたな。クレイゲンからは助けて
欲しくないとしていたけれど、恨まれる筋合いもないって気が
するんだけどね。
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エリオット・ステイブラー (Christopher Meloni) 刑事
オリビア・ベンソン (Mariska Hargitay) 刑事
ドナルド・クレイゲン (Dann Florek) 主任警部
ジョン・マンチ (Richard Belzer) 刑事
? (Steven Zirnkilton) Opening Announcer (voice)
アレクサンドラ・キャボット (Stephanie March) A.D.A 検事補
オダフィン・チュツォーラ (Ice-T) “フィン” 刑事
メリンダ・ワーナー (Tamara Tunie) 鑑識
ジョージ・ホアン (BD Wong) FBIにも精通する精神科医
ケイシー・ノバク (Diane Neal) A.D.A 検事補
メアリー・クラーク (Marlo Thomas) 判事、ノバクが相談する
ライアン・オハロン (Mike Doyle) Forensics Tech
ジュディス・シパー (Caren Browning) CSU Captain
レナ・ペトロフスキー (Joanna Merlin) 判事
エチェバリア (Triney Sandoval) TARU Tech / 交通カメラを調べる
ハビア・ベガ (James McDaniel) ウォレス大学犯罪学部教授
ガブリエル・ベガ (Zoe Saldana) ハビアの娘
カイル・ラーマン (Joe Towne) レベッカと共同研究者
シスター・ペグ (Charlayne Woodard) 娼婦を説得、ホームレス支援
ディーン・イアン・バスチ (John C. Vennema) 学部長
ルディ・レムキー (Doug E. Doug) 犯罪者、ホームレス
キアナ・レムキー (JoAnna Rhinehart) ルディの元妻
デイブ・シーバー (Michael Boatman) ベガ側の弁護士
イライジャ・コーネイ (Joey Diaz) 目撃証言者
デイヴ (Jason Marr) レンタカー店・店員
— (George Morafetis) Groundskeeper
— (Emilio Del Pozo) ESU Captain
— (Judi Edwards) バスの運転手
— (Joe Pentangelo) Mounted Uniform Officer
— (Angela Frye) Bus Passenger
ジョアンナ・ルイス () 30年前ベガに殺された