第1話 明けない夜 The Longest Night
脚本/Edward Allen Bernero
監督/Edward Allen Bernero
【前回までのあらすじ】
暗闇の王子がカリフォルニアの輪番停電に乗じて現れる。
犯人は仮名せず暗闇の中で殺す。そこがポイントだという
ホッチ。26年逃げていたのに何故今になって現れたのか。
ジョー・スパイサーとシルヴィア・スパイサーは捜査官マット
の殺された両親だと判明。生存者を残すのは記憶に留めさせる
為で、マットというヒーローを作った気で居るのだという。
自分のやったことをみんなに認められたいのだろうと。
そんな中マットの娘・エリーは何処にいるのかと問うと妹の
クリスティーに預けているという。モーガンとマットはクリス
ティーの家に向かっているとし、そこに犯人がいるとするが、
モーガンは犯人に取って彼女の家に意味はないことに気がつく
とそれを告げるために電話しようとするが、電話は停電と同時
に混戦状態でつながらなかった。
カーツバード捜査官たちも現着するが彼らは居なかった。
恐らくサンタモニカに連れて行ったのだろうと。
モーガンとマットでサンタモニカの実家へといく中、モーガン
は殴られ縛られてしまう。マットは犯人のビリーから銃を下ろさ
ないと娘が死ぬぞと脅される中、モーガンは弱さを見せては駄目
だとして銃を下ろすなと訴えるが、銃を下ろした途端に彼は
マットを殺害する。絶対に捕まえてやる!とモーガンは誓う。
【ストーリー】
ビリーは一本の木の下で母・ノーラと居る光景を思い出してい
た。
送電設備の限界を超えてロサンゼルス郡全体が停電になった
ことが分かる。
エリーは助けて欲しいとして民家に駆け寄る。ラリーとアネット
夫妻はドアを開けるとその瞬間、ラリーに発砲する。
みんなマットの妹の家に到着するがモーガンたちが居なかった。
連絡が取れないのに行き先を変えたのはよっぽどのことだろう
というロッシ。この犯人はマットの家族を襲って彼を苦しめて
きたこと。妹はいつからここに住んでいるのかと問うと、カー
ツバードは半年前からだという。犯人はスパイサー家にとって
特別な意味を持つ場所を選ぶはずであり、モーガンもそれを
思ったのだろうと語るプレンティス。サンタモニカに両親と
住んでいた殺された場所だとすると、そこだろうという。
一方クリスティンは暴行を受けて瀕死の状態だった。
それでもエリーを助けないといけないとすると、モーガンは
犯人について覚えていることを全て教えて欲しいと語る。
彼女は思い出したくないとするが、エリーの為にも頼むとし、
俺の仲間が助けに来る琴を語る。お兄ちゃんは死んだのか?
と問うと、モーガンは思い出すことに集中して欲しいと頼む。
「ここへはどう来たのか?」・・白くて古いキャンピングカー
だという。
一方ビリーはエリーに対して腹が減ったかと問うと、先ほどの
殺人に関してビリーはすぐに慣れると語る。エリーは8歳だと
はいえ賢明な子で、先ほどはわざと私を逃がしてドアを開けさ
せたのでしょと語る。俺たち最高のチームになろうというビリ
ー。
スタンフォード捜査官は自分たちも通報を聞いて急いできたが
マイクは殺されていたとし、クリスティンは暴行を受けて
今すぐにでも病院に運ばなければならない状況だとカーツバード
に報告。一時間前に1km先でシモンズ夫婦が殺されており、恐ら
く同じ犯人だろうとのこと。
モーガンは救命士から病院でCTを取らないと駄目だと言われる
が、俺は大丈夫だとして興奮していた。クリスティンから犯人
について覚えていることを聞いたとし、彼女の容体はよくない
琴を聞かされる。プレンティスがクリスティンに付き添って
救急車に乗るという。
JJはリードに対してロスの警察官って何人いるのかとつぶやくと
郡?市?と尋ね返してくるリード。どっちも数を知っているという
彼にあきれる。
そんな中マスコミは事件の報道を既に行っていた。
犯人は50歳代白人男性、8歳の少女を連れているという。
JJはホッチとモーガン、ロッシの元に合流すると衛星携帯を
借りてきたのでこれで連絡を取り合うよう告げる。エリーは?
と尋ねるJJ。
モーガンはクリスティンの話ではずっとラジオを聞いていて、
ニュースの中でも自分のことが流れるとそこで手を止めていた
のだという。
モーガンはガルシアに電話すると、”ボクちゃん大丈夫か”と
心配する。古いキャンピングカーでナンバープレートはMD3
しか分かっていないが特定できるかと告げる。おちゃらけた
対応を取るガルシアにちゃんと捜査しろ!とモーガン。
モーガンはみんなに俺はマットに応援を待つべき事を話した
のだとすると、ホッチは家族が関わると常識やルールは吹き飛ん
でしまうものだと語る。犯人はクリスティンをレイプし、何の
理由もなく殴ったのだという。あばら骨が折れるまで激しく
殴ったとし、マットは無抵抗で跪いている状況の中で撃った
のだという。こんなの人間のやることじゃない。エリーを
連れて行ったのもゲームみたいなものなんだろうと。彼女が怖が
れば殺されるとモーガンは語る。
エリーはビリーに対して「私たちはチームじゃないから」と
語る。殺しだって知らずに手伝わされたとし、何で人を殺す
のかと問う。「身を守れない人を殺すヤツは臆病者だ」とパパ
は言っていたという。あんたが勇敢な訳じゃないとすると
パパは私のために殺されたのだという。
問題は何故殺すかではなく何故誰彼かまわず殺すのかという
ことだという。俺が誰を殺すか・・裏を返せば誰を生かすか
ということ。まるで神様だという。
そんな中ラジオでは「犯人は白いキャンピングカーに乗り少女
を誘拐している」として情報を呼びかける中、目の前でタイヤ
をパンクした男性が携帯で通報しようとしているのを知り
またしても殺害を繰り返すビリーだった。
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■シーズン6、開始
シーズン5の23話からエピソード的には引き継いだ格好の話
だった。全米各地を回って26年も前から殺人を繰り返してい
る男性。しかしその殺人は停電などの暗闇で起こることから
マスコミは「暗闇王子」と殺人鬼に名付けることに・・。
とりあえずシーズン5からのつなぎなので、変更点らしい変更点
は今のところ見られないか。次のエピから本格的なシーズン6の
シーズンに入っていくところでしょうか。
■主役はモーガン、JJ、そして被害者のエリー
前回モーガンと被害者のマット・スパイサー刑事が一緒に
行動を起こしたことや、事件発生現場に居合わせていること
も有り、自らの目の前で新たな被害者を出してしまったモーガン
としては、大人しくはしていられないというところだろうか。
ガルシアに対してモーガンが語気を荒げていたところが印象
的だった。後々モーガンはガルシアに謝罪していたけど、
「私たちの愛はそれほど柔じゃない」ということで、特に問題
にはならなかったけど、逆に言うと今回のモーガンの発言は
ガルシアに対する正直な気持ちの表れだったのかも(笑)
■エリーとビリー
誘拐されたエリーの毅然とした態度が凄かったな。
父は目の前で殺され、叔母も暴行に合い、次々と目の前で
殺されている状況なのに、一歩もビリーに対して臆する姿も
無ければ媚びる姿もなかった。
8歳の年齢でこれだけしっかりしていればこれからもやっていけ
ると思わせるけど、両親を失い、そして唯一の肉親である
叔母も失っているので相当今後は辛そうな人生が待っているね。
しかし子供を使って囮にして被害者を増やしていくなんて、
「ハンニバル」でのホッブズ親子に於けるアビゲイル状態
だったな。
■ちょっと間延びしたエピソード
停電しているという状況故に仕方がない部分も有るんだけど
あれだけデカくて汚いキャンピングカーで移動している事も
あるし、犯人とロス市警、FBIなどの捜査機関の距離感は
相当縮まっていた筈なので、もっと早くにキャンピングカーが
見つかっては遅くはなかった筈。
停電すると携帯がつながらず、渋滞が発生するということで
大変な事情も有るのだろうけど、輪番停電のある地域は基本
あんまり動かないことが原則だよね。
日本の大震災の時も信号機まで電気が消えていたので、
相当危ないと思うし。
■TRUE DETECTIVE/二人の刑事を感じさせる内容
Leonard Cohenの歌声なんかも微妙にTRUE DETECTIVEのオープニ
ングで流れていたThe Handsome FamilyのFar From Any Roadを
感じさせるし、幼少期からの虐待、殺人、そして回想シーンに
於ける母親との思い出に見る小麦色の畑の中に佇む一本の木の
映像を見ると、何処かそんな雰囲気が有った。
■ビリーという犯罪者を構成してきたもの
1968年に殺人事件が発生していて、ノーラの息子のビリーが
13歳の時に殺人事件を起こしていた。ビリーは今回の殺人鬼
「暗闇王子」の犯人。73年に18歳で釈放されその後消息を
絶っていたこと。
1968年の殺人はドラッグ依存症だった母・ノーラは荒くれバイ
カー相手の娼婦として働いていて、ビリーの歯が真っ黒なのも
恐らく幼少期からドラッグなりタバコなりを吸う様な生活を
していたからだろう。母親が娼婦をしていて、殺人鬼になった
というパターンはこれまでのドラマの中の犯人像としても描か
れたのを見たことがあるけど、母は自分が性交渉している際に
息子をクローゼットの中に入れていたのだろうし、更には
母はビリーを助けることなく、寧ろ客に虐待させていたことで
ビリーは母とバイカーを殺害した様だ。
■JJの役目
JJは犯人がラジオを聞いているということを知り、緊急警報
システムを使って犯人と接触しようと考える。
正直事件の流れを見るとJJの流れが無くても先にBAUや市警が
犯人を見つけて捕まえられそうな流れが有った。
上にも書いたようにかなりシナリオ的には間延びしている印象
もあった。
JJが緊急警報システムが使えるよう段取りをつけようとしたけど、
いろんな部署に連絡してたらい回しにされていた。
国土安全保障省にまで回されたとホッチに愚痴っていたけど、
そんなJJも起こりっぽく、「決定権のある人に繋げて!」と
する姿が有った。
JJは通信がつながると知るとホッチから交渉人役をして欲しい
と言われる。自分はその訓練を受けていないとして不安視して
いたけど、渉外課としての役目としてかなりマスコミの前では
発言しているし、プロファイルにも精通しているところも有る
ので大丈夫だとは思うんだけどね。
■ホッチがJJに伝えたアドバイス
ホッチからは「犯人に共感する姿勢」「彼への同情と理解」
「犯した罪を責めない」「かつての自分の苦しみをエリーに
味わせている事に気づかせる」「全てを彼に決めさせる」
「力が全て」
そういうことを盛り込んで彼へ呼びかけて欲しいことを言われて
いた。
JJは母親としての立場として呼びかけていた。
雷が起きたら「天使のボウリング」だと語り、子供が暗闇を
怖がってもクローゼットに怖じ気が待っていても責めたり
笑ったりしない。ベッドに入ってきたなら喜んで入れてあげる。
一人で部屋にいたら怖いもの。怖い時に優しくするのはお母さん
で、子を怖がらせてはいけない。
私が出来るのはお母さんの代わりに教えてあげることだけ。
人を傷つけても自分の苦しみは取れないし、人を怖がらせても
依るが怖くなくなる訳じゃない。これ以上エリーを怖がらせない
で。あなたには力がある。思い通りに出来るその力でエリーを
助けて解放して。モンスターは本当にいるし、怖がっても構わ
ないが、モンスターに負けても、自分がモンスターになるのも
駄目だと。
■犯人が求めたものは?
母親を殺したときの心境について母を逃がしたこと。
俺が母を撃ったとき、母は安心した感じの目をしていたこと。
エリーのことだけを特別視している辺り、ちょっと違和感が
有ったな。結局スパイサー家は最初の殺人でもなかった訳だし、
荒くれバイカーを殺していたというのであれば理由も分からない
でもないんだけどね。
■プレンティスの存在感
ロサンゼルスが暑いのは分かるけど、赤い服着たプレンティス
の胸の谷間の存在感たるや、恐るべきものが有った(アホ(+_+)
かがむと見えそう(何がだ)
■使用された曲
・Who By Fire by Leonard Cohen
・Night Comes On by Leonard Cohen
・Dance Me to the End of Love by Leonard Cohen
・Sisters of Mercy by Leonard Cohen
■出演者
デビッド・ロッシ (Joe Mantegna) BAU創設に携わったベテラン
アーロン・ホッチナー (Thomas Gibson) リーダー
デレク・モーガン (Shemar Moore) 爆弾処理が得意
スペンサー・リード (Matthew Gray Gubler) ドクター
ジェニファー・ジャロウ (A.J. Cook) 広報官
ペネロープ・ガルシア (Kirsten Vangsness) 解析
エミリー・プレンティス (Paget Brewster) FBI歴10年
ビリー・フリン (Tim Curry) 犯人
ノーラ・フリン (Michelle Josette) ビリーの母
アダム・カーズバード (Robert Davi) 捜査官
スタンズフィールド (Ronald William Lawrence) 捜査官
クリスティン (Austin Highsmith) マットの妹
エリー・スパイサー (Isabella Murad) マットの娘
ラリー・シモンズ (Joseph A. Garcia) 停電中にビリーに殺される
アネット・シモンズ (Susan Papa) 停電中にビリーに殺される
— (Randolph Adams) 救命士
— (Zenja Dunn) 救命士
— (Donald Agnelli) Uniformed Sergeant
ポール・ファラデイ (Jim Wisniewski) 自転車がある家。ビリーに・
ジョシュア・ファラデイ (Grant Venable) ビリーに殺される
— (Kris Campbell) Uniform
— (Joe Gandurski) Police Captain
若い頃のフリン (Stone Eisenmann) 母ノーラとの思い出
— (Matt Taylor) Tire Changer
— (Jake Morgan) News Camera Man
— (Ashli Cotton) L.A. Woman
— (Marilyn Monrovia) L.A. Woman