第5話 切迫 Extreme Measures
監督/Daisy von Scherler Mayer
脚本/Shelley Meals
Darin Goldberg
【Story】
・Windy City マラソン大会
沿道で応援する人、そして大会に参加する人たち。
20km地点には臨時のメディカルセンターが設置してあり、
ノアとエイプリルの姉弟が救護していた。
エイプリルはノアがラナ(Kayla Carter)の擦り傷に絆創膏
を貼るのに20分もかけていることに激怒。
ノアに胃の痛みを訴える人(Steve Lords)を診るように告げ
る。
ウィルはニーナと共にマラソン大会に参加していた。
ランナーズ・ハイか熱中症でそろそろ倒れるというウィル。
ニーナはそんな彼を励まそうとしてこれが終われば良い事
が待っているのではないかとして、寝室・キッチン・シャ
ワー室で出来ることをほのめかす。
そんな中救護所に女性(Kara Davidson)が助けを求める。
自転車に乗った人(ガルザ・イグナシオ (Steve Casillas))
が車に轢かれ運転手(Tony Lawry)も慌てていた。
エイプリルはマギーに電話し「自転車vs車」の事故が発生
下事を告げるとすぐに救急車を差し向けるという。
ノアとエイプリルは彼を診る。
左の呼吸音が減弱、血胸が有って随分溜まっている。
しかし現在マラソン大会による通行規制に加えて40度近い
猛暑によって停電が発生しており救急車が遅れるというので
ある。チェストチューブを入れないと死んでしまうという
ノア。エイプリルは二人共その資格はないとしてチューブ
を入れようとする彼を止める。
シャロンに電話するとウィル先生が行くので待っていてと
語る。
チャールズはシャロンに状況はどうか尋ねる。
今日は40度を超える予報で万が一の停電に備えて予備電源
を用意したという。チャールズはバートから電話が有り
酒の誘いが有った事を告げる。返事をする前に言って置いた
方が良いと思ったという。シャロンはお好きにどうぞと
して私は平気だという。
シャロンは法務のピーターに対してご主人のロレンス
(Lawrence Grimm)は離婚専門の弁護士でしょ?とし番号を
メールしてと頼む。
・マラソン大会・会場の救護所
ノアはチェストチューブを入れるVTRを見ながら出来ると語
る。エイプリルは無理だとし、そもそもチューブがない
という。しかしノアは身の回りのものを使ってチューブ
代わりにしようとする。「やらなければ助からない」。
シャロンはウィルを待てと言っているのよというが、頸動脈
微弱・・意識の喪失。肺の減圧をしなければならない。
血圧は82、飽和度82。ノアは減圧するとしてついに患者の
身体にメスを入れる。その結果チューブを入れて脈は動いた
が血が止まらない状態になる。
・シカゴ総合病院
マギーはナタリーに突発性難聴・8歳の女の子が第二に
運ばれたと語る。女の子のフィービー(Maddi Clarke)と
母親のミシェル・キャスペン (Tai Davis)に話を聞く。
ミシェルによるとマラソン大会の応援に向かっていた時に
娘が先に行ってしまったら車がバックしてきたので呼んだの
に聞こえていなかったのだという。ナタリーは音叉を使って
左右の耳の聴力を調べる。すると右の聴力はかなり弱まり左
は殆ど聞こえていないという。これまでに頭を打ったり
聞こえなくなったことはない?と尋ねると、多分ないという。
ミシェルはここ何ヶ月かは一度じゃ聞こえないことが有った
がこんなことは始めてだという。ナタリーは頭のCTを撮る
と語る。
・マラソン大会・会場の救護所
ノアとエイプリルは挿管しようとするがなかなか挿管器具
が入らなかった。そこにウィルとニーナがようやく到着す
る。既に処置をしているのを見て待てと言われたハズだと
いうがエイプリルはやらなければ死んで居たのよと語る。
数分内に処置しないと死んでしまう・・出血量が酷い。
開胸して出血を止めれば救急隊が車で持つかも知れないと
ニーナ。やらないと死ぬのは確実よという彼女だが、ウィル
は前にも緊急開胸をしたがダメだったという。血圧低下・・
気管が右に偏位しているというエイプリル。ウィルはメス
をくれと語る。
・シカゴ総合病院
オルガ・バーロウ(74歳)。呼吸困難、心疾患あり、82-44、
心拍85。持病で心房細動を持っていると救命士のセザール
(Cesar Jaime)が破婚できる。チョイ先生を呼ぶ。
バーロウは熱くて息苦しいとクラークに告げる。看護師の
ドリス(Lorena Diaz)は、89-38.3度、130の頻脈だという。
クラークは熱疲労だろうとして腋窩部、鼠経部を氷で
冷やすよう告げ、血算、生化、肝機能、尿検査、そして
デキストランも一本だという。
そこにチョイ先生が来るが・・・
■感想
今回はシカゴ・マラソン。
メッドとP.Dとファイアの繋がりは相変わらず謎ですが、
現在私が見ているP.Dとファイアは雪が積もっていて
寒いのに対してメッドは暑い。40度にも達しそうで
取りあえず院内は36度で時々バチバチと電灯が消えそう
になっている状態でした。この中でマラソンをすれば
熱中症にもなるだろうと考えて居たのですが、熱中症患者
など一人も居なく、今回の三人の患者はそれぞれに生死
の瀬戸際で戦うものたち。ただしちょっと奇妙・奇抜な形で
それぞれの人生に関わるものがあり、奇跡というには
それ程ドラマチックなものではなく、寧ろ倫理とかプライド
の問題などを含んだ流れが存在していました。
どの流れも取りあえず死なずに無事に済んだという面では
良く出来ました(花丸(昭和かっ))
今回も色々と患者同士・医師同士で色々と繋がりが有り
テーマだったりその共通点を見つけ出すのは楽しいものが
有ったのではないでしょうか。
別れるものが居れば別れるものもいる(笑)
シャロンとアルバートが正式に離婚したのか書類にサイン
をしていた。患者のフィービーと母・ミシェルとの関係も
最後には別れが待っていて元夫とは別れていました。
ただ上手くいったパターン組はジョーイとサラ。
そしてサラと小切手ママ(笑)
コナー先生とシャロンの繋がりも面白い。ウィルとニーナの
繋がりも深くなった気がするし、ルースとオルガは
改めて関係が強くなったのかも知れません。
因みにシカゴですが風の街と呼ばれている。
自分はこの風の街という言葉を耳にしてその度に調べている
気がしますが、寒暖差が大きい土地なのは確かだが、
風が強いという意味での風の街ではないということ。
テーマの一つとしては「人を狂わすもの」とは何なのかが
有る。お金だったり、プライドだったり、時に医者を守る
為の倫理感も障壁になる。そして親心からした娘の救出の
ハズが犯罪になってしまうこと。サラは納得がいかない事を
口にしているが、ドラマの中では「納得がいかない」と
いうニュアンスのセリフが二度、三度と出てくる。
そして人を狂わしてしまった離婚ネタだけどシャロンと夫
は何故別れるに至ったのだろうか?
「法的別居合意書」なんてものを見せられると何処か皮肉。
しかしエイプリルとノアの看護師が執刀してしまったこと
には何のおとがめ無しなのか。
■今回の患者
今回の患者は三名。勿論ノアがラナという患者を扱っていた
り、チョイ先生も女性患者の足を診ていた感じでしたが
マラソンなので・・
・オルガ・バーロウ(74歳)
病院には二番目に運ばれて来た患者。
チョイ先生が担当するが当初はクラークとドリス看護師が
対応していました。
クラークは熱中症と考えては直腸温度を下げて行こうとす
る。服用している薬などを調べさせたチョイ先生が
改めて肺高血圧症という診断。頸静脈怒張は心拍出量の低下
を意味カルとし心不全を起こすところだったとして
クラークの間違いを訂正する。胸部レントゲン、心電図と
エコー、エポステロールとドブタミンサンの薬。
患者は関節が痛むという。その為にオキシコドンが多い為、
ヒドロモルフォンを投与。チョイはクラークに診断前に
身体所見と病歴を完璧に調べろと指示する。
・コードブルーが鳴り響く
舌根沈下で気道閉塞。
ナロキソン投与。過剰投与のヒドロデルフォンを抜こうと
したのか。ドリスは反応が変だという。
処方されている鎮痛剤の量は問題では無い。
チョイはバーロウに直接薬を飲んでいるのか尋ねるとトイレ
に落としてしまったのだと語る。
ただそれでも血液検査の数値で栄養失調を示すものが出て
いるので「認知症」「鬱病」を疑い、チャールズに診断を
頼む。
どちらもチャールズは面談した結果問題無しの判定。
チャールズは検査結果を診てキャットフードを食事にして
いるとのこと。タウリン値が高い。
収入が限られているのでオキシコドンやシルデナフィル、
ベンゾンを街で売って食費にしているのではないかという。
チョイはその事実を話すと疑われたことに憤怒される。
そんな時に隣人だというルースがやってくる。
高そうなバッグをもってくる。
お金が無いことを認めないのは人が一番大事なプライドの
問題に触れる為。
ルースから話を聞くと確かに部相応の暮らしをしていると
いう。ルースも金が無かったが息子からの贈り物を見せて
いたので彼女も見栄を張ってしまったのではないか。
・フィービー(8歳)
突発性難聴として運ばれて来た少女。
ナタリーが担当していく。まずは頭のCTを撮ることになる。
ただフィービーは退屈になり突然「パパに電話させて」と
語る。今にも退院したいとばかりだったが、問題はカルテ
では父親は死んだことになっていること。
ナタリーは上手く塗り絵をさせて留まらせる。そしてミシェ
ルから話を聞く。彼女の話では出張中に心臓発作で亡くなっ
たので死亡したことを娘には話していないという。
話を切り出すタイミングを逃しているのでチャールズたち
が手伝うことになる。
チャールズとサラが夫の死を伝える手伝いをするというが
タイミングが悪いとして断られる。
サラは「嘘つきを見破る方法」として
・返事をする前の間と咳払い
・手を顔にやる仕草
以上の態度から嘘をついていることを語る。
チャールズはその方法論はデタラメだと語るが何か隠して
いることだけは同調する。
シカゴ周辺にミシェル・キャスペンという女性は居ない。
CTを見ると頭蓋骨に数カ所有る骨折が難聴の原因だろうこと。
児童虐待の可能性に言及する。
ただこれを話すと侵害だとしてミシェルも否定する。
しかし通報の義務がある事を告げると離婚した元夫が引き
取って以来怪我が増えたとのこと。訴えても相手の弁護士
が邪魔をする。結局夫は生きて居ることが判明する。
それ故に娘を助けるために誘拐してしまったこと。
シャロンに話すと
「当局に通報して解決を委ねるのが我々の義務」
と一蹴される。
通報したことをミシェルに告げた後、ナタリーはフィービー
の塗り絵が下手クソなことに気がつく。しかも持っていた
クレヨンを落としたので握力が無くなっている事を知る。
原因は遺伝病である大理石骨病。進行性のもので両親が
その遺伝子を持っている。骨の密度が異常に増加するので
骨折しやすくなるので虐待は否定される。
誘拐として警察がミシェルを連行。
来たのは「シカゴP.D.」のオリンスキー刑事だった。
・ガルザ・イグナシオ(25歳)
マラソン大会で事故を起こした人物。
シカゴの街って街道は広い印象があるけどそんなに救急車
が遅れるほどに混雑しているのかな。
自転車に乗っていたが車と衝突して胸を痛めた様で、
医師免許のないセクストン姉弟が初期対応に当たる。
医学知識はあるのだろうけどまさか動脈を切ってしまうとは
流石ノア。もうこの時点で凄い倫理の問題が発生していて
今回のクレジットにピーターが居たので訴訟沙汰になるのか
なと思っていたのですが全然そんなことにはなりませんで
した。
幸いにして救急車の到着は遅いがウィルとニーナがマラソン
に参加していたのでサポートに向かう。ノアが既に胸を切
り裂いてチューブを通していたが、今度は呼吸気道塞がり
挿管しようにも出来ない。ウィル先生はあっさりと入れま
したね。
改めて胸を切り裂いて血管を押さえて血の流れを止めようと
したみたいで、制限時間が設けられていました。当然
酸素供給が減れば脳へも行かなくなり脳死になってしまい
ます。先日のエピで脳死患者のことを見たので「またなの
か」っていうところも有りました。大動脈の穴を遮断。
タイムリミットは20分。
ただクラークがポータブルバイパスを届けてくれれば
過去にフランスで行ったように奇跡が起きるかも知れない
という。
大動脈破裂にポータブルバイパスを付けるそうだとコナー
とシャロンが会話していたが脳血流は維持できるハズはない
とコナーは考えて居る。
一方で現場では肺出血で肺もアッ発されている。チューブ内
の血も抜かねばならない。肋骨を強引にあけて手を突っ込ん
でいたよな。そこにクラークが到着していた。
そして応急処置をして救急車が到着したのは24分後。
いよいよメッドのEDに到着。
肋骨骨折、大動脈と肺に裂傷、大動脈遮断と出血コントロ
ール。
コナーが治療を引き継ぐ。
ウィルが行った手当についてコナーはお前はギャンブラー
かと突っ込んでいた。それだけヤバイ状態だった。
家族はセントルイスにいる。4時間の距離。
一通り処置した後になかなか覚醒しないのを心配するウィル。
脳機能障害なのか。
フルマゼニルを投与してIVプッシュして意識レベルを調べる。
握力は十分あるし目覚める。ただ足の力が出ないかと思わ
れた。しかしつま先が動いた為に下半身不随でもなかった。
ニーナはウィルの態度を見てダメだったと勘違い。
しかしその逆でギャンブルが成功したことにホッとした
ようだった。ウィル先生は少々勇気が無いというか優柔不断
の決断力に欠けるからね。
■その他
・気になること
・コナーとシャロン
今回はイザという時の心強い支えとなったのがコナーだっ
た。外科当番で7体も手術。シャロンが帰っても良いという
も下肢動脈血栓症のバイパス術に立ち会うから帰れない。
最後に二人はダウニー先生がお気に入りだった
ハワイに限りなく近い店で一緒に人生を楽しむ。
「アロハの意味は知って居ます?」
「今、生きて居るこの人生を思い切り楽しむ事」
・シャロンの離婚
誰と結婚しているのか知らなかったけどチャールズとは
仲良しのようでよく飲みに行くようだ。
名前はアルバートと書かれていたな。ロレンスという離婚
弁護士に書類を作成してもらい何も要らないのでそのまま
別れたいことを告げる。
・ジョーイとサラ
サラの母親と会食予定だったみたい。
ただし忙しいらしく結局中止になり1000ドルの小切手を
送ってくる。それでも気にかけてくれていることに感謝する。
・焦るクラーク
所見のミスをしたのでチョイに二度とミスしないことを
話していたが「君は学生だからミスはするもの」として
言われる。そのクラークはマギーからポータブルバイパス
やサテンスキー鉗子、血液をを届ける役割。
・患者・バーロウ
クインエリザベスの最後の航海でニューヨークから大西洋
を渡った事があるという(1968年)。チャールズという
名前はイギリス系。バーロウの亡くなった夫はロバートと
いう。今には無いデザイン感覚だったとして当時のことを
ハッキリ覚えていた。
・ウィルとニーナ
マラソンの続きをしていた。10時間6分でゴール!
■使用された曲
■出演者
シカゴ医療センターの救急外来
Dr.ウィル・ハルステッド (Nick Gehlfuss) 内科医。弟はシカゴ警察
エイプリル・セクストン (Yaya DaCosta) 看護師。ブラジル出身
Dr.ナタリー・マニング (Torrey DeVitto) 小児科医。救急外来研修中
サラ・リース (Rachel DiPillo) 医学部の4年生
Dr.コナー・ローズ (Colin Donnell) 外科医、父とは長年の確執
Dr.イーサン・チョイ (Brian Tee) 感染症の専門医。海軍の予備役
シャロン・グッドウィン (S. Epatha Merkerson) 管理部長
Dr.ダニエル・チャールズ (Oliver Platt) 精神科部長
マギー・ロックウッド (Marlyne Barrett) 主任看護師
Dr.ニーナ・ショア (Patti Murin) 病理学
ジョーイ・トーマス (Peter Mark Kendall) 臨床検査技師
ジェフ・クラーク (Jeff Hephner) 新しい医学生、元消防士
Dr.レア・バルドヴィ (Shay Rose Aljadeff) 研修医
Dr.アレン・ヴォースパン (Tosin Morohunfola) 手術室にて
ピーター・カルミック (Marc Grapey) 病院の法務
ドリス (Lorena Diaz) 看護師
セザール (Cesar Jaime) 救命士・ラテン系
オルガ・バーロウ (Betty Buckley) 74歳、呼吸困難の患者
ルース (Anita Gillette) オルガの隣人
ノア・セクストン (Roland Buck III) エイプリルの弟・看護師
キオーニ (Branscombe Richmond) ダウニー先生お気にだった店
ミシェル・キャスペン (Tai Davis) フィービーの母
ロレンス (Lawrence Grimm) ピーターの旦那・弁護士
アルヴィン・オリンスキー (Elias Koteas) シカゴP.D
フィービー (Maddi Clarke) 8歳、遺伝性疾患
ガルザ・イグナシオ (Steve Casillas) 自動車に轢かれる
ラナ (Kayla Carter) マラソン大会に出場。ノアと会話
(Tony Lawry) 運転手、マラソン大会で自転車と衝突
(Kara Davidson) 女性
(Steve Lords) 吐く人、ランナー
(Daniel Craig Baker) 事故場面のランナー
(Jayme Padilla) 外傷外科医
(Darja Vaarsi) 外傷外科医
(Ashland Thomas) ER医者
(Hans Dieter Wolff) マラソン見物人