監督/Thomas J. Wright
脚本/Frank Cardea、George Schenck
【STORY】
●ワシントンD.Cのホテル「アダムスハウス」の前
ディノッゾ・シニア (Robert Wagner)は息子のトニーが来る
のを待っていた。日曜日の朝だから寝ていたトニーは呼び出
されてから少し遅れてやってくる。逆にトニーも父親が
D.Cに来たことを知らず何故来る時に電話してくれないのか
と問う。シニアはブランチに行くためにジョージタウンまで
タクシーを使おうとする。それなら何でホテルに呼び出した
のか・・トニーは何か魂胆が有るハズだと疑いの目を向ける。
シニアは朗報はビストロで語ると言うがトニーはここで聞き
たいとして語る。
そんな会話をしていると突然トニーにぶつかる軍服姿の人物
が居た。階級を見ると中佐(ニック)。不自然に思ったトニー
はNCISの手帳を見せて話を聞こうとするが中佐は走って逃走
する。
袋小路に入り込むと突然中佐は銃口を向けてくる。
更に運が悪いことにそこにはシニアがやって来た為に先に
発砲してしまう。
●現場
ダッキーとマクギーが遺体を調べる。
身分証がなくポケットには鍵が入っていた。
ジミーが遅れてやってくる。ランチに行く最中だった為に
遅れたことを謝罪する。ブリーナの両親とのランチをキャン
セルしたこと。日曜日のイベントをキャンセルしたことで
ダッキーも同情するが・・
●取り調べ
トニーは当時の状況をギブスに聞かれる。
袖口の階級章は海軍少佐のものなのに軍帽のひさしの刺繍は
中佐のものだったので不自然だったことを語る。
海軍将校には見えなかったとして、その根拠は・・
・ホテルの外に出ても帽子を手に持っていた。
・靴を磨いていなかった。
だった。
またマクギーによると指紋を調べた所軍のデータベースには
無いという。
ギブスはヤツの正体と変そうした理由を調べるよう命じる。
ビショップは現場の監視カメラが止まっていたと報告。
これは偶然かも知れない事を告げると、トニーは
「ルール39 : “偶然なんて無い”」
と語る。
ギブスはビショップにシニアを連れ出せと命じる。
NCISの内務監査のユージーン・コイル (Hugo Armstrong)が
現場にやってくる。
目撃者を問われるとトニーは「父だけだ」と答える。
●シニアの取り調べ/内務室
カメラで録画されている中で当時の状況をユージンに聞かれる。
銃を持つ仕事だが、まさかこんなに危険な仕事であるとは
思わなかったと気持ちを吐露する。
あの場に行ったら銃を向けられたこと。
狙われたと語るが、それはトニーが狙われたのかそれとも
シニア自身なのか。
●NCIS
何者かがホテルのサーバーにアクセスしカメラを止めていた
と報告。トニーはホテルで聞き込みすべきだと言うがギブス
は調査が終わるまでトニーは待機である事を告げる。
シニアは疲れたとしてホテルに戻りたい事を告げると、
ビショップが送っていくことになる。
部屋から出ようとするとアビーがやってきてシニアとハグ
する。
アビーはAFISで被害者の指紋と一致した人物がいることを語る。
彼は私立探偵であること。
それを聞いたマクギーはボガートの真似を聞かされると嘆く。
被害者はニック・ボディーン(Anthony Palermo)。
業界の有名人で客はリッチの大物だという。
「何故海軍将校に化けていたのか」
●トニーの取り調べ/内務室
勤務時間外で発砲していない男を撃ったことを追求される。
変装していたし、観察力が有ることを告げるが、それが
発砲の正当性を示唆するものとは言えなかった。
「銃を先に抜いたのはヤツの方だ」
しかしユージーンは目撃者のシニアはそのことをなにも言って
いなかったと語る。
■Impression
トニーの父親が出演するエピソード。
ドラマは記念すべき250話目のエピソードでもある。
初登場だったシーズン7の12話「親子の絆」から数えて5回目
の出演になる。因みにこの後、8話程クレジットされている。
彼が関わるとろくな事にならないとはトニーが一番実感して
いるだろうけど、確かに彼が出るとトニーを逆なでするよ
うな行動に出る事が多い気はする。
ジヴァさんが居れば親子の為に一肌脱ぎそうだけどね。
相変わらずイタリア系らしく新しい捜査官であるビショップ
には何かと気に掛けていた気がするけどね。
今回のエピソードタイトルの原題は映画「殺しのドレス」と
同じで、Brian De Palma監督がメガホンを取った作品だ。
トニーが発砲して他人を殺めてしまう。
しかも相手は海軍将校かと思いきや私立探偵だった。
トニーが捜査に加わることが出来ない。
そして何よりも日曜日に起きた事件故にそれぞれに休日
の計画を立てている。私生活を知るのもこのドラマの面白さ
である為に、もしも休日が休日で有ったのであれば果たして
何をしていたのか。
S7E12
■捜査開始
まずは被害者ニック・ボディーンの情報収集とばかりに
現在の彼が何をしていたのかを調査する。AFISでの指紋照合
の結果、私立探偵をしていた。
元々は市警の制服警官・巡査だったが、D.Cの刑事になり
そして私立探偵として開業していた。
依頼人は有力な議員・ロビイストや弁護士で、金持ち相手の
探偵だったようだが必ずしも成功していたとは限らない。
彼は盗聴するような手法だった為に起訴されたり陪審員を買収
した疑いがかけられている。
何処も日曜日なので捜査もやりづらい。捜査令状一つを
とっても大変なことだ。
発砲した事実が分かりホテルを捜査するがトニーは相変わら
ずギブスによって止められる。銃も没収。
ホテル(全424室)で清掃が入っていない11の室内を調べていく。
・502号室。
枕をサイレンサー代わりにして座っている男を殺害した形跡。
■分析結果
第一の被害者ニック・ボディーン / 私立探偵
第二の被害者マイケル・ウォルデン・エリオット / 議員秘書
・検視
ジミーがカードゲームで遊んでいるトニーの元に行く。
暫定の検視報告書。
ホテルに調査に行っている際、オフィスのマクギーの電話
が鳴るのをジミーが受け取る。ニックの家と事務所の捜索令状
が取れたこと。
・第2の殺人・マイケル・エリオット
死亡時刻は今朝9時半から10時。
トニーとニックがぶつかったのが9時50分。
エリオットはバーモント州モントピリア生まれ。
4年前ブラウン第を優等で卒業。その後ジョージタウン大学の
公共政策大学院に進学して修士号を取得。
デニース・オハラ議員の秘書。現在独身。
・アビーの分析
ニックは発砲していないとされたが、弾倉から一発消えて
いた。硝煙反応を調べると右手の残渣から考えて発砲して
いる。発砲したのは今朝。
アビーは内務調査のユージーンを呼んでトニーの直感が正し
かったことを証明する。
またアビーは金庫を開ける為に色々とドリルを使い聴診器や
CCDカメラで開ける。
中には【357マグナム】。弾入り、製造番号は削られている。
【安物のプリペイド携帯】【マカオ銀行の金(4万8千ドル)】
・マクギーの解析
ニックの依頼人情報の暗号化を何とか解こうとする。
■捜査2
エリオットの殺害発見後。
マクギーは事務所を調べ、ビショップは通信履歴を調べる。
ニックの事務所をマクギーが調べに行くとトニーが居た。
再び銃を取り出しているマクギーの光景が今回の捜査官と
しての苦労を物語る。トニーはマクギーが来ることを読んで
いたところは流石。
トニーもニックの悪名高さを知っていた。
「あのニックだ・・まるきりサム・スペードだ」
「事務所内はワーナー・ブラザースのノワール的雰囲気が
ある」
マクギーが持ってきた被害者が所持していた鍵。
ピンタンブラー錠の中で開かない扉があり合致する。
室内を調べると監視と盗聴の機材だらけ。
「映画「カンバセーション…盗聴」(The Conversation/1974)
みたいだ」
トニーらは金庫を開けようとするも鍵が合わない。
女性・リズ・アレン(Suzanne Quast)が外からやってくる。
・ビショップ
オハラ議員の秘書に連絡を取り午後にアポを取る。
NCISにはペンタゴン勤務のサクソン中佐(Everette Wallin)が
やってきてエリオットの情報を持ってくる。エリオットから
情報があるとして事件当日アダムスハウスで話をすることに
なっていた(約束は10時)。
議員の報告書を手伝ったことがあるという。
アジアの寄航港の戦略的価値を評価したと。
・デニス・オハラ (Bess Armstrong) 上院議員
ギブスとビショップが議員に会いに行く。
エリオットと同期だとする秘書のジェニファー・モリソンが
泣いていたけど、その名前は大好きな女優さんの名前と同じ
だ。
オハラ議員から彼が書いたとされる資料を見せてもらうよう
求める。
オハラ議員がまとめていた法案とは何か。
寄航港を閉鎖するものだった。
・トニーの捜査官としてのスキル
冒頭での階級章を違和感を見つけたのも凄かったけど、
ニックの事務所での額に入った写真の中にヒントがある
のを見つける流れもキレキレだった。
「カルヴィン・リン」とマカオに行って写っているものがある。
既にニックが行っていることを見極めていた。
■クローズド
ボディーンの金庫の中の携帯にはオハラ議員と電話した形跡
がある。
カルヴィン・リン(46歳)、香港生まれマカオ在住。
公安部出入管理局。
多くの株を持ちカジノ経営権も握る男。
リンの所持する港はアメリカ海軍の船に燃料を売っている。
閉鎖すればリンは大損。
アビーが会話の暗号化を解読。
ボディーンはあちこちに盗聴器を仕掛けていた。
エリオットの通話も数週間録音している。
最後の方になってトニーの嫌疑も晴れる。
「精神鑑定をパスしたら」現場に戻れる。
しかしバブスからは父親と会うように命じられる。
ギブスがオハラ議員の元へ。
ボディーンがエリオットを殺した証拠が出る。
電話番号らかけてみるとジェニファーの携帯が鳴る。
サクソン中佐の報告書の改ざん。
■それぞれの私生活
・ジミー
妻・ブリーナの両親とランチの約束をしていたがキャンセル。
モルグでのダッキーとのやりとりの中で自分は探偵を目指し
ていたような事を口にするもイギリス小説の名探偵/シャー
ロック・ホームズやミス・マープルの影響だろう事を指摘
される。
・ビショップ
夫・ジェイクとケネディセンターで何かを見に行く予定だった
様で3ヶ月前から予約していたことを語っている。
・アビー
教会に行っていたという。だから黒づくめの服装を着ていた。
ダッキーとジミーの会話の中で発した台詞。
「エース・ベンチュラが好き!」
「ペット専門探偵よ。動物を救う人が一番だわ」
・マクギー
デライラと夕食の約束をしていた。
・トニー
父親・シニアがアダムスハウスに居ない。
携帯にも出ない。
ホテルの宿泊客の中にも父の名前は無い。
しかしマクギーとビショップがホテルの部屋を調べに行く際
にシニアが妊婦の女性・テイラーと一緒に居るのを目に
してしまう。
「ディノッゾ家の問題に首を突っ込まない方が良い」(Mc)
シニアは友達に会っていたことを語り、話を散々そらそう
とする。シニアは伴侶を見つけたとのこと。
女性のことについては父親からではなくビショップから
聞くことになる。お腹の大きい若い女性。
しかしそれは誤解で婚約者の娘だった。
彼が結婚するのはリンダ・ターナー。
トニーの後見人で母親の学生時代からの親友。結婚式では
付添人を務めた人物。
昨年ハミルトンが他界しリンダを慰めているウチに旧交を
温めた。浮気していた訳では無いことを告げる。
最後にテイラーと逢う。
そしてシニアとリンダの関係も求めることになる。
・シニア
再婚しようとしている事でトニーとは再び会話することを
拒絶させられてしまう。父親が居ない間ギブスが父親代わり
となっていたこともあり相談しにいく流れがある。
■Music
・Life Without You by Blue Highway
・Holding on and Letting Go by Ross Copperman
・If I Could Be Where You Are by Enya
■Cast
リロイ・ジェスロ・ギブス (Mark Harmon) 主任
アンソニー・ディノッゾ (Michael Weatherly) “トニー”
ジヴァ・ダヴィード (Cote de Pablo) 元モサド、NCIS
アビゲイル・シュート (Pauley Perrette) “アビー”分析・解析
ドナルド・マラード (David McCallum) “ダッキー” 検視
ティモシー・マクギー (Sean Murray) コンピュータ
ジミー・パーマー (Brian Dietzen) ダッキーの助手、検視
レオン・ヴァンス (Rocky Carroll) NCIS局長
エリー・ビショップ (Emily Wickersham) NCIS
アンソニー・ディノッゾ/シニア (Robert Wagner) トニーの父
デニス・オハラ (Bess Armstrong) 上院議員
ウィル・プリチャード (John Livingston) 秘書、メガネ
ユージーン・コイル (Hugo Armstrong) NCIS/監査室
テイラー・ターナー (Aja Evans) 妊婦、婚約者の娘
ジェニファー・モリソン (Desiree Hall) 議員の秘書、エリエットの同期
ライオネル・サクソン (Everette Wallin) 中佐
リズ・アレン (Suzanne Quast) ニックの顧客
ニコラス・ボディーン (Anthony Palermo) “ニック”、私立探偵
大統領 (George W. Bush) 写真にて
マイケル・エリオット () 第二の被害者
リンダ・ターナー