[新] アストリッドとラファエル2 文書係の事件録 第1話 ホシムクドリ L’étourneau

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アストリッドとラファエル2 文書係の事件録
(Astrid et Raphaëlle) 2020 , FRANCE

制作/FRANCE TÉLÉVISIONS、JLA PRODUCTIONS
、Be-FILMS、RTBF (Télévision belge)
原作/
制作/Alexandre de Seguins、Laurent Burtin
プロデュース/Jean-Luc Azoulay、Jean-Sébastien Bouilloux

https://www.nhk.jp/p/astridetraphaelle2/ts/3LZ776G9GZ/

第1話 ホシムクドリ L’étourneau

脚本/Alexandre de Seguins、Laurent Burtin
監督/Frédéric Berthe

【STORY】

■ASKY NET

合併契約書に企業弁護士のジョベール(Mathéo Capelli)
が代理人としてサインをする。

“新たな歴史の幕開け。これ程大きな合併に関わる機会
は滅多にない。”

そう語るジョベールにその場にいた12名の会社関係者
たちは拍手をする。
しかし次の瞬間大きな音がする。
ガラス窓が割れて鳥の死体が室内に落ちていた。

「鳥が衝突したくらいで割れるようなガラスなのか?」

そうつぶやく男性。更に次の瞬間室内に目を向けると
ジョベールが銃で撃たれ、それを目にした女性は悲鳴を
あげる。

■犯罪資料局 /
Service de Documentation Criminelle

局内では元局長アラン・ガイヤールのオフィスの文字が
剥がされていた。(DIRECTION ALAIN GAILLAR)
アストリッドはその作業員のこと、オフィスをずっと
見つめていた。

ラファエルはアストリッドの元に来るとガイヤールの
後任の局長には会ったのかを尋ねる。アストリッドは
まだ新しい局長は任命されていない事を告げる。

それよりもアストリッドはラファエルが遅刻したことを
指摘する。ラファエルはアストリッドが予定外のこと
が嫌いなのは分かるととして弁明しようとする。
それに対してアストリッドは「予定外、想定外」と言っ
ても自分の中では幾つか分類分けが出来ると説明する。
ラファエルの遅刻は想定内のことで、想定外とは
違うことを語る。
これはアストリッドが冗談を言ったものだった。

■犯罪現場

殺人事件の報告が有った現場ビルに向かうパリ警視庁の
ニコラ、アルチュール、アストリッド、ラファエル。
殺人が発生した会議室には12名が居てみんなが動揺して
いること。
パリのど真ん中でスナイパーが狙撃するとは・・
被害者はビジネス弁護士で大きなグループ企業の
合併を成立させ、そこには大金がかかっている。

現場に入り遺体をみると被害者の心臓に命中していた。
「凄腕だ」とラファエル。
ニコラはチームが付近の建物を調べて発砲場所を特定
していること。しかし明らかに弾道にはズレがある。

・アストリッドは自分の見解を語る。

発砲が有ったのは2回。
「窓を割った弾」と「被害者に当たった弾」
状況証拠によると銃弾は2発ともこの室内から放たれた
もので、その内の一発が窓当たりガラスが割れている。
つまり犯人はこの部屋の中に居た誰かだと語る。

アルチュールはアストリッドの才能を疑っている訳
ではないが目撃者(被疑者)は12人もいて誰も発砲した
ところを見ていない。
全員が共犯なのか。
映画『オリエント急行殺人事件』みたいに?・・それは
無いだろうことを語る。
参加者全員の関係を調べる。

ラファエルは床に落ちている鳥の死骸について聞く。
鑑識のフレデリックによるとスズメ目ムクドリ科の鳥
「ホシムクドリ」と呼ばれているものだった。

「ホシムクドリ」と聞いて何を思い出すか?
ラファエルは真っ先にそれに気が付くと、アストリッド
にも同意を求める。ラファエルと同じことを想像した
ことを認める。

・フォレスト検事

彼が居る中で「ホシムクドリ」の話をする。
2004年2月3日、ロンドンのテート美術館から2500万ポンド
のウィリアム・ターナーの絵画を盗まれていたことが
有った。白昼堂々の犯行。警備員や来館者の目の前で犯行
は行われて、セキュリティ警報は鳴らず指紋も残っていな
かった。唯一の証拠がこの鳥「ホシムクドリ」だった。
バシェール警視正は犯人が名刺代わりに残したものであり
そこから犯人のあだ名として「ホシムクドリ」の名が
ついたもの。これ以降盗難で相次ぎ、何れも派手な犯行
だった。2件目はモスクワの美術館。

アストリッドには会議は負担になる為オンラインでの
参加を余儀なくされる。五月蠅い状況や知らない人と
会うのが苦手であり意見はスマホからメッセージの
形で送られてくる。

検事からは捜査状況を聞かれる。
弾道分析の結果、室内での発砲だと断定される。
被害者・ボリス・ジョベール
ボリスと共に居た12人の衣服には火薬が付着していた
が何れも発砲当人としては微量過ぎるというもの。
ニコラは犯行時現場には13人目が居たものなのか。

犯罪者の”ホシムクドリ”の犯行特性として暴力性は
これまで見られないものだという検事。絵のサイン
代わりに今回は死骸を残したものなのか。
バシェール警視正は12人の聴取から始めようと語る。
アルチュールとニコラは被害者との関係性を探ると
して出て行く。

当日現場のビルに出入りした人間の名簿は有るのか
と問われるが、ビルには社員500人と来客100人が
居たとし、聴取するなら応援が無いと無理だと語る。

【感想】

シーズン2が始まりました。
シーズン1の最後がどうだったかまるで覚えていないし
ディスクに残していない為に自分のblogを見返す他
方法がない。もしかしたら何処かのオンライン視聴
出来るネットサービスがあるかも知れないけど・・

シーズン2は・・
アストリッドの後見人として仕事や私生活でも
仕事を斡旋しサポートして彼女の才能・適正を見抜いて
くれていたガイヤール局長が亡くなった後の話。

度々海外ドラマを見ているとオフィスが撤去される
際にネームプレートやドアに貼られたラベルを剥がす
光景があるが、まさに犯罪資料局ではそれが行われている
ところから始まる。
このシーンのお陰でガイヤールの存在感を示すと共に
アストリッドの中での彼の存在感というのを印象付ける
流れだ。

今回のアストリッドの回想シーンは主に父親との関係性
ではなくガイヤール局長との思い出が描かれたが、
今後も回想シーンとしてのメインは局長との関係が
描かれていくのかなと思っていたがシーズン2での出演は
8話中2話のみ。
(それにしても回想シーンに於けるアストリッドは
社会人になった彼女と似てますよね)

オフィスでのシーンの後には彼女のジョークが聞かされ
自閉症に対して柔軟な対応が出来ることを示すと共に
その行動一つで父親代わりのような局長が居なくなり、
彼女が一人でも生活していけるのではないかという事を
期待させる。
そしてそんな彼女の対等的パートナーとしてラファエルの
存在感は言うまでもない。

今回から新たに登場するキャラクターとして
フォレスト検事があげられる。この人物はラファエルと
訳アリの関係の様で、警視正などはラファエルが
検事に悪態をつくことに真っ青な顔をしていたけれど
当人たちは男女の関係で有った過去が有り、そんな二人
ならば言葉が多少汚く乱れ飛んでも大したことには
ならないだろう。
私は彼はラファエルの元旦那さんなのかと思ってみて
いたけど違うのかな。

■事件・捜査に関して

今回の事件はビルの一室で起きた銃殺事件。

室内には被害者を除いて12人の人物が居たが、その中に
容疑者らしき人物は見当たらない。
大型企業の合併の話なので、その合併を嫌うもの・阻止
するための犯行かとも匂わせるし、被害者本人の中で
何らかの問題を抱えており自害した可能性も考えられる。

現場の状況を見れば一目瞭然で、室内の床にガラスの
破片が落ちていない事からも外部から狙撃されたもので
ないことは容易に想像がつく。
そしてその後に人が亡くなっていることから見ても
マジックでいう所の「ミスディレクション/Misdirection」
であることは明らかなものだった。
人間の注意力への限界・脳の錯覚を利用したもの。
一方に集中させている間に、別のトリックは進行している。
これはアストリッドの能力を逆に引き出すような
演出で有ったのかも知れない。

問題なのはダイイングメッセージ的に現場に残されていた
「ホシムクドリ」が何を意味するのかという事だ。

●殺人事件

■容疑者

・室内にいた12名と被害者の関係
・被害者に男女関係のもつれは有るのか?
・弁護士故の恨みを買う過去の案件
・神経学者ギョーム・ドルリュー (Pierre Palmade)
(供述に誤りがある。彼は事件当日このビルに居た。
彼が言うには新刊の打ち合わせでジュノ出版に来ていた)

■捜査

・ドルリューは最後まで容疑者として残された。
・被害者は独身。親、友人、恋人は居ない。
・口座情報から登録サイト・GFE(売春ではなく恋人サイト)
(GFEで毎回指名していたアンブルという女性)
・アンブルから見た被害者像は、優しく、思いやりが
有り紳士だった。手先が器用、マジックが上手かった。

* アストリッドのスキル

現場に死骸として落ちていたのはホシムクドリ。

「ホシムクドリ(星椋鳥) Sturnus vulgaris
スズメ目ムクドリ科に分類される鳥類の一種」

wikipediaにはそう書かれてある。

ムクドリというとさいたま市に住む市民ならばお馴染み。
何時の頃からか駅前を占拠してやたらと五月蠅くフン害
に憤慨である。鷹匠になってムクドリを追い出そうかと
思う程だ(<-嘘つけ)

犯罪文書係として働いている彼女は怪盗に関して
SNSのような場所で会話していて、ある法則に気が付いた。
もちろんムクドリは犯罪者として周知されているが
正体を知るものは居ない。しかし彼は自分が犯罪を
犯したとする署名を残していくところが特徴だ。

* ムクドリマークの有った場所

・2004年2月3日、ロンドンのテート美術館で盗難事件。
・2010年5月4日、モスクワの宝石店でダイヤ盗難。
赤の広場
・2014年7月6日 フランスのドーヴィルの競馬所で
売上金が盗まれた。

ホシムクドリの死は一連の犯行・犯罪の終わりを意味
していた。それはあくまで「ホシムクドリ」がボリス
であるという前提に立った結論である。

ボリスは子供の頃にスリを繰り返して逮捕されて
いた記録がある事からも確信となっていく。

■捜査を邪魔するものたち

捜査をかく乱するのは大抵ドラマを見ていると
プライドの高い検事だ。
そして今回その検事がシーズン2になって面倒くさい
相手として対峙していくことになりそうだ。
刑事と検察感は味方ではあるが融通の効かない人物は
非常に邪魔くさい。

「事件は会議室で起きているのではなく現場で起きて
いるんだ」(「踊る大捜査線」の織田裕二扮する青島刑事
のセリフより引用。)

■受刑者を更生させる人物

今回はミスディレクションを使って犯行自体を
隠そうとしたり、容疑者像を絞らせないようなトリック
を仕掛けていた。当たり前のことだが犯罪を犯した
ものたちは捕まりたくない。

「魔術師カルミーヌ」と呼ばれる冠番組を持っていた
マジシャンのカルミーヌは更生の為に受刑者たちに
講座をしていた事が有る。

「正直彼がホシムクドリだと知ってもさほど驚かない。
寧ろ誇り。伝説の怪盗をこの手で育てた」

●意外と地味な捜査と結末

正直アストリッドでなくても逮捕は可能だった様にも
思える。

・アンブルからの供述を引き出す。
(カルミーヌに頼まれたということが判明)
・ビルの内部に金属探知機を通さずに出入りした人物の
特定。
(防犯カメラ映像が利用された。)

・カルミーヌという人物

一部上述したがテレビ界で一世風靡したマジシャン。
1952年12月14日、パリで生まれる。

1992年6月24日のフィガロ誌にあることが書かれている。
「カルミーヌ時代の終焉」

そして過去に逮捕されていた記録が有る。
1992年4月13日に告訴されていた。
告訴した原告はファブリス・ルナールでその内容は
未成年者への性的虐待だった。

マジシャンに憧れる子供は多い。
しかしそれを逆手に取り子供たちに手を出していた事
が判明する。

アンブルの情報によって逮捕に至る。
彼はかつての輝きや注目を取り戻したくて犯行に及んだ
様だ。ホシムクドリを殺したとなれば注目は嫌でも
注がれる。しかしその辺はラファエルも考えていて、
人々の記憶には名声を利用し児童虐待をしていた
ちっぽけな男としてメディアを誘導していくことを
告げる。

■事件以外のこと

回想シーン

ガイヤール局長の追悼的意味合いがあるのだろう。
会社に入局してきたアストリッドに対して同僚の女性は
追い出そうとした。
局長は犯罪資料室の倉庫を案内し、そこでの資料整理
の仕事を彼女に任せる。
「調書」「法医学研究所の記録」「犯罪記録の報告書」

とても大事な場所であることには違いないが、日本と
同様に犯罪の資料が紙の媒体で保存されていること。

ガイヤール局長が27年前に入局した際にここに保管
されるべきはずの捜査資料が何処かに紛れ込んでしまい
起訴できなかったことを語っていた。

「マルソー事件」

もちろん回想シーンの中でアストリッドがその資料を
見つけて解決し、彼女のスキルを見せつける格好と
なる。

倉庫の中にも2つのリスクがあることを唱える。

「雑音」・・検索結果に出て来る無関係な文章。
「沈黙」・・関連があるのにいくら探しても見つから
ない情報

自閉症の欠点

マジックがマジックに見えない。
印象派の絵画は染みにしか見えないこともある。

悲しみの表現についても表情からではその真意をくみ取る
のは難しい。ウィリアムが最後に彼女のことを心配して
やってくる。
ガイヤールの死は彼女にとって相当な負担であろうこと。

■その他

●大事な話はエレベーターで行われる

多人数の人が乗る中で、主要メンバーだけが残る形で
会話が成立させていく。
その形で二度に渡ってエレベーターで面白いやりとりが
行われた。

1) バシェール警視正、検事、ラファエルが乗って
いるエレベーターでのシチュエーション。
バシェールが最初にエレベーターで降りたので検事と
ラファエルが会話するシーン。

会話から分かるもの。
検事は相当女遊びをしている。
ラファエルとの再会は15年ぶり。

2) 検事

検事に内緒に捜査をしようとしていた刑事局の面々。
しかし検事は刑事の努力を無にするようにして記者会見
の中で事件のことを話してしまう。

また彼は秘書だか検事補の女性との間に関係を持って
いた。

未だにラファエルにも好意を寄せているようだが、体
の関係だけって感じのする行動にも思える。

●世の中多様性が有り、互いを必要とする。

最後にアストリッドが語っていたことだ。

絵画を見て人それぞれ感じ方が違うように、
多種多様な考えが存在する。

彼女の主張ではあくまで特定の状況下ではあるが
自閉症の人のような一点を見つめる視線とラファエルの
ような情報量の多い視線があるが、そのせいで判断を
見誤る人も居る。しかし一緒にいる事で初めて完全な
解釈として成立出来る。

【SOUNDTRACKS】

・The Angel by DeLaurentis

【出演】

アストリッド・ニールセン (Sara Mortensen) 犯罪資料局・文書係
ラファエル・コスタ (Lola Dewaere) 刑事・警視
ニコラ・ペラン (Benoît Michel) 刑事
カール・バシェール (Jean-Louis Garçon) 刑事・警視正
アラン・ガイヤール (Geoffroy Thiébaut) 犯罪資料局・局長
アンリ・フルニエ (Husky Kihal) 監察医
アルチュール・オンギャン (Meledeen Yacoubi) 警部補
アンギュス・ニールセン (Aliocha Itovich) 父、警察官

マサイアス・フォレスト (Hubert Delattre) 検事
ジャン・ルイジ・カルミーヌ・ジェラルディーニ (Gérard Majax) 魔法博物館
ギョーム・ドルリュー (Pierre Palmade) 神経学者(脳機能)
(Sylvie Filloux) 14歳の頃のアストリッド
ジュリアン・フレデリック (Bruce Tessore) 鑑識課

ウィリアム・トーマス (Jean Benoit Souilh) 社会力向上クラブ
マックス (Clément Lagouarde) 社会力向上クラブ
アリス (Lizzy Brynn) 社会力向上クラブ、メガネ女性
ブリワ (Clément Langlais) 社会力向上クラブ

ラプラス (Laurent Lévy) 犯罪資料局、眼鏡
アンプル (Valentine Caille) “GEF”(ガールフレンドエクスヘリエンス)
ボリス・ジョベール (Mathéo Capelli) 被害者、企業弁護士
ファブリス・ルナール (Eric Massot) カルミーヌを告訴
(Alice Mesnil) 検事のアシスタント。ベッドに居る
グザビエ (Sébastien Lozach) 警察官

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